1 財政-第 11 講 4. 租税理論と税制改革 (5) 2008 年 5 月 20 日 第 1 限
2 法人税① 法人の種類と納税義務 課税プロセス 法人擬制説と法人実在説
3 法人税①
4 ( 第 7 講の再説 ) 納税義務者=税務署への納税義務を負う者 個人 or 企業 ( 法人 ) 課税ベース=課税の対象 所得 or 資産 or 消費 租税の種類 所得税 → 個人+所得 法人税 → 企業+所得 消費税 → 企業+消費 →× 個人=租税負担者 ≠ 納税義務者
5 法人の種類と納税義務
6 法人の種類と納税義務 ( ※ 2006 年 6 月末の法人数 ) 内国法人 (293.4 万 ) -国内に本店・主たる事務所 外国法人 (0.6 万 ) -内国法人以外
7 内国法人の種類と課税対象 普通法人 (283.0 万 ) -会社等,医療法人 協同組合等 (5.1 万 ) -農協,生協,漁協 公益法人等 (3.8 万 ) -学校法人,宗教法人 社会福祉法人,財団法人 特定非営利活動 (NPO) 法人 人格のない社団等 (1.3 万 )
8 課税プロセス
9 法人税額=課税所得の金額 × 税率 課税所得 (→ 課税ベース ) 益金-損金=利益> 0 益金=売上収入+譲渡収入+利子収入 … 損金=原材料費+人件費 +減価償却費+引当金・準備金 …
10 企業会計とは異なる益金・損金扱い → 益金算入・益金不算入,損金算入,損金不算入 ex. 交際費 ( 資本金 1 億円超の法人 )
11 法人税率 基本税率 普通法人 ( 資本金 1 億円超 ) 普通法人 ( 資本金 1 億円以下 ) 特定非営利活動法人,人格のない社団等 軽減税率 協同組合等 公益法人等 ( 特定非営利活動法人を除く ) 普通法人 ( 資本金 1 億円以下 ) 特定非営利活動法人,人格のない社団等
12 法人擬制説と法人実在説
13 法人の利益⇒株主への配当 ( 株式会社の場合 ) +内部留保 法人利益 → 法人税の課税対象 株主の受取配当 → 個人株主 : 所得税の課税対象 法人株主 : 法人税の課税対象 ⇔法人利益への二重課税? ⇒法人の性格をめぐる議論 法人擬制説 vs. 法人実在説
14 法人擬制説 → 法人税=個人株主の受取配当に対する所得税の前取り 法人株主の受取配当に対する法人税の前取り ⇒法人利益に対する課税-株主の受取配当に対する課税 法人実在説 → 法人税=独自の課税根拠 ⇒法人利益に対する課税+株主の受取配当に対する課税
15 日本の法人税 → 法人擬制説と法人実在説の考え方 法人擬制説 個人株主 : 所得税の配当控除制度 法人株主 : 法人税の受取配当益金不算入制度 法人実在説 普通法人の資本金・課税所得 → 基本税率と軽減税率
16 ( 第 8 講の再説 ) 所得税の課税プロセス ( 給与所得者の場合 ) 給与収入 ( 年間収入 ) ↓ 課税所得の金額=給与収入-所得控除 ↓ 算定税額=課税所得の金額 ×( 超過 ) 累進税率 ↓ ◎納付税額=算定税額-税額控除
17 「参考資料の出典等」の訂正 ( 第 9 講 ) 資料 9-2… 税制調査会 [2002] 『第 11 回基礎問題小委員会資料 ( 所得税関係 ) 』
18 第 12 講の予定 法人税② 日本の法人税をめぐる議論 公益法人等の課税対象 法人税率 法人成り 外形標準課税 ( 法人事業税 ) 法人税は間接税?