2014 年 11 月 日本医労連介護対策委員 全労連介護組織化キャンペーン イメージキャラクター「のぞみちゃん」
○ ヘルパーアンケートの結果概要 2012 年の報酬改定で、多くの利用者の家事援助サービス の時間が短縮されました。サービス内容について「利用者 への訪問時間の短縮」や「サービス内容の縮減」などの実 態が明らかになりました。またこの影響で、ヘルパーの収 入減、賃金や労働条件などの悪化が広がっていることが浮 き彫りになり、在宅介護現場への影響が明らかになりまし た。 パートヘルパー 平均年齢: 52.5 歳 平均賃金: 96,556 円(月額) 正規職員のヘルパー 平均年齢: 47.9 歳 平均賃金: 180,204 円(月額) 登録ヘルパー 平均年齢: 55.2 歳 平均賃金: 70,126 円(月額) ( 2012 年 8 月~ 2013 年 2 月)
○ 介護労働実態調査の結果概要 正規職員の平均賃金( 2013 年 10 月): 207,795 円(月額) ※全産業労働者の平均: 297,700 円(厚生労働省平成 25 年度版賃金センサス) 時給制労働者の平均(同):時間額 1,074 円 人員配置が不十分なために、一人で長時間夜勤をこなさ なければならないなど深刻な実態も明らかになりました。 介護の仕事に誇りを持って「やりがい」を感じる人が7割 もいるにもかかわらず、低賃金と重労働のもとで「仕事を やめたい」と思う人が6割にも達しています。 ( 2013 年 11 月~ 2014 年 2 月)
「女性職場、 高い年齢層、圧倒的多数 が非正規」というのがヘ ルパーの特徴ね。
○ ケアへの影響 サービス提供時間が 短くなって「仕事が終わらな い」という人が 6 割近くに。その影 響で、サービス内容を制限した り、サービス残業で補ったり しているんだね。
○ ケアへの影響 ヘルパーにとって、何よりも 影響が大きかったのは、利用者と 会話する時間がとれなくなったこと。利用 者とのコミュニケーションは、単なる意思疎 通ではなく、利用者の状態や状況、ニーズや 生活課題を把握する重要な手段。その時間が 奪われ、労働も過密になっている ことが分かったんだ。
○ ヘルパーへの影響 ケアは忙しく なったのに、時給や収入が減る っておかしくないですか~! 特に、その影響は雇用が不安定 な登録ヘルパーに色濃く表れ てるよ~。
○ 喜ばれる介護サービスの提供と働きつづけられる職場にするためには アンケート結果からも、 利用者が必要とするサービスを保障できて いないという実態は明らかね。同時に、 雇用・賃 金を安定させなければ、介護の支え手が確保で きなくなるって実態もね。
正職員の割合は ヘルパーよりも高いけど、 それでも 6 割程度ね。
やっぱり施設数・ 職員数の多い老健、特養、 デイサービスからの回答 が多いわね。
正職員の平均 賃金(全職種)は、全労働者 平均 ( 平成 25 年度賃金センサス ) より 9 万円も低くなっているよ。 また、地方と都市部とでも賃 金格差がくっきり現れて いるね。
予定通りに取得する のが当たり前の「公休」だけど、 介護現場では 4 分の 1 の人が予定通りに休め ていないことがわかったよ。特に、夜勤 のある職場では公休が取り辛くなっ ているんだね。
予定通りに取得する のが当たり前の「公休」だけど、 介護現場では 4 分の 1 の人が予定通りに休め ていないことがわかったよ。特に、夜勤 のある職場では公休が取り辛くなっ ているんだね。
「年次有給休暇」の平均 取得日数は 5.92 日でした。全く「取れ ない」人が 2 割もいたよ。 また、夜勤のある職場では、 11 日以上 年休を取得している人が 2 割いたのに 対して、夜勤のない職場では 1 割と半減していたよ。
休憩時間の取得状況では、 日勤帯で約 2 割の人が労基法違反の状 態( 45 分未満)に置かれ、 3 交替職 場ではその割合が 4 割に達します。 さらに、一人夜勤ではその割合 が半数以上に!
6 割の人が「疲れ が残る」と回答し、約 2 割が「休日 でも回復しない」状態が明らかに。 また、 6 割の人が腰痛を抱え、体は 悲鳴を上げています。
約 7 割の人が「やりがいのある仕事 だと思う」と回答しています。一方 で、雇用形態別とのクロスでは、就 労時間が長い人ほど「やりがいがあ ると思わない」の割合が高くなって いることが分かりました。過酷な労 働環境の中で、「やりがい」すらも 見失っている状況が明らかになりま した。
半数以上の介護労働者が「辞めた いと思う」ことがあると回答してい ます。また、その傾向も、「やりが い」と同様に、就労時間が長いほど 割合が高くなっています。
「やりがいがある」 と回答した人のうち、辞めたいと 思ったことがある人が 5 割近くに上り ます。介護現場の離職率の高さを裏付 けるような実態が明らかになってい ます。
辞めたい理由のトップ は「賃金が安い」となっています。 具体的な記述でも、「賞与が少ない」 「正職員になれない」「休日が少ない」な ど、賃金・労働条件に関わる理由が上 がっています。介護従事者の処遇改 善は重要課題です。
介護現場の 人材不足は労働者だけでな く、利用者にも影響が 出てるよ。
介護労働の実態改善の課題 1. 賃金の引き上げ 2. 人員の確保 (配置数の引き上げ) 3. 登録ヘルパーの廃止
介護労働の実態改善の課題 1. 賃金の引き上げ ○ 基本的な考え方 基本給の引き上げるために、介護 報酬の引き上げを求めると同時に、 保険料負担に影響を及ぼさないよう、 公費の負担割合の引き上げを求めて いくことが必要です。 当面は、交付金制度による処遇改 善を実施させるために全労連署名、 自治体要請に取り組みます。
介護労働の実態改善の課題
2. 人員の確保 ○ 基本的な考え方 介護従事者の処遇改善で人材の確 保を図らせます。同時に、介護施設 の人員配置基準を引き上げさせます。 とりわけ、夜間帯の人員配置につい ては一人夜勤を禁止させる必要があ ります。 大幅増員・夜勤改善を図るため、 こなつ署名に取り組みましょう。
介護労働の実態改善の課題
3. 登録ヘルパーの ○ 基本的な考え方 雇用契約が曖昧な「登録ヘル パー」の仕組みをなくし、少なくと もパートとして契約時間の保障(休 業補償など)をさせしょう。また、 ぶつ切りの雇用ではなく、常用雇用 を実現し、直接介護以外の専門業務 (アセスメント・カンファレンス・ 研修など)も業務保障させる必要が あります。 3. 登録ヘルパーの廃止