甲南大学マネジメント創造学部 講師 新井康 平 /5/12. mail:
仕訳帳は,一冊のノートのため, 仕訳の度に引っ張りだこ。 そこで,伝票というどこでも仕 訳がきれる仕組みが出来た。 入金伝票・出金伝票・振替伝票か らなる三伝票制 入金伝票・出金伝票・売上伝票・ 仕入伝票・振替伝票からなる五伝 票制 2
売掛金 100 円を現金で受け取っ た。なお,三伝票制を採用して いる。 借方は絶対に現金のため,記載し ない。 3 入金伝票 X1 年 X 月 X 日 科目金額 売掛金 100
買掛金 100 円を現金で支払った。 なお,三伝票制を採用している。 貸方は絶対に現金のため,記載し ない。 4 出金伝票 X1 年 X 月 X 日 科目金額 買掛金 100
商品 100 円を掛けで売り上げた。 なお,三伝票制を採用している。 現金の出入を伴わない場合は,振 替伝票で起票。 5 振替伝票 X1 年 X 月 X 日 借方科目金額貸方科目金額 売掛金 100 売上 100
商品 100 円を仕入れ, 60 円を現 金で支払い残りを掛けとした。 なお,三伝票制を採用している。 1. 取引を分解する方法。 6 振替伝票 X1 年 X 月 X 日 借方科目金額貸方科目金額 仕入 40 買掛金 40 出金伝票 X1 年 X 月 X 日 科目金額 仕入 60
商品 100 円を仕入れ, 60 円を現 金で支払い残りを掛けとした。 なお,三伝票制を採用している。 2.2 つの取引が同時にあったとす る 方法。 7 振替伝票 X1 年 X 月 X 日 借方科目金額貸方科目金額 仕入 100 買掛金 100 出金伝票 X1 年 X 月 X 日 科目金額 買掛金 60
商品 100 円を, 30 円分は現金で 受け取り残りを掛けとした。な お,五伝票制を採用している。 売上伝票は,すべて売掛金を相方とする。 そのため,次のようにただちに複数の取 引が行われたとする。 8 売上伝票 X1 年 X 月 X 日 科目金額 売掛金 100 入金伝票 X1 年 X 月 X 日 科目金額 売掛金 30
商品 100 円を仕入れ, 60 円は現 金で支払い残りを掛けとした。 なお,五伝票制を採用している。 仕入伝票は,すべて買掛金を相方とする。 そのため,次のようにただちに複数の取 引が行われたとする。 9 仕入伝票 X1 年 X 月 X 日 科目金額 買掛金 100 出金伝票 X1 年 X 月 X 日 科目金額 買掛金 60
【演習】 次の時間から精算表および 帳簿の締切になります。 その前に, 73 の伝票問題と 試算表の復習として 72 を 行ってください。 10
甲南大学マネジメント創造学部 講師 新井康 平 /5/12. mail:
1. 年度末の試算表の作成 仕訳や転記にミスがないかを確認 2. 決算整理仕訳 資産の状態や損益を正確に表すために必 要となる処理 3. 精算表の作成 試算表と決算整理とを合計するためのも の 4. 損益計算書・貸借対照表の 作成 様々な利害関係者に表示するための形式 12
問題文に従い,「修正記入」欄 に修正仕訳を記入 現金過不足を消滅させるような 仕訳。 決算時に借方の現金過不足を雑 損または雑益として処理する。 雑損 10 /現金過不足 10 13
問題文に従い,「修正記入」欄 に修正仕訳を記入。 55 円の売買目的有価証券を 60 円 に評価替えする。 売買目的有価証券 10 / 有価証券評価益 5 14
未使用の消耗品を資産に,使用 した分を費用にする。 最初をどちらの勘定科目で処理 していたのかに注意。 消耗品 100 円のうち,未使用分 は 20 円である。 消耗品費 80 / 消耗品 80 15
貸倒引当金を設定する。 貸倒引当金は「マイナスの資産 勘定」。 売掛金の期末残高について, 2% の貸倒引当金を設定する。 貸倒引当金繰入 7 / 貸倒引当 金 7 16
勘定科目から直接固定資産の価 値を減らす直接法か,減価償却 累計額を用いる間接法か判断。 決算において減価償却を行う。 減価償却費 60 / 減価償却累 計額 60 17
見越しや繰延べも大事な決算整 理仕訳。 支払家賃 70 円を繰り延べる。支 払利息の未払分 4 円を計上する。 前払家賃 70 / 支払家 賃 70 支払利息 4 / 未払利息 70 18
仕入高 800 円のうち 100 円は,未 販売の在庫である。 繰越商品 70 / 仕入
前期末の「繰越商品」は今期の 仕入れに含め,今期末の売れ残 り(棚卸高)は「繰越商品」に 含める。 仕入・繰商 ― 繰商・仕入と呼ばれ る。 つまり,試算表に掲載されている 繰越商品を仕入に,期末商品棚卸 高を繰越商品に振り替える。 期首商品棚卸高は 100 円,期末商品 棚卸高は 50 円。 仕入 100 / 繰越商品 100 繰越商品 50 / 仕入 50 20
資産・負債・純資産項目は「貸 借対照表」に記載。 収益・費用項目は「損益計算 書」に記載。 損益計算書の費用合計と収益合計 の差額を「当期純利益(損失)」 として計上。 21
精算表で計算された財務諸表を 完成させる。 損益計算書 仕入ではなく「売上原価」と記載。 売上ではなく「売上高」と記載。 当期純利益なら借方,当期純損失なら貸 方に記入。 貸借対照表 引当金や減価償却累計額は差額も記載。 繰越商品は「商品」と記載。 当期純利益を記載。 22
甲南大学マネジメント創造学部 講師 新井康 平 /5/12. mail:
決算整理後に,帳簿が次期の記 入であることを明らかにするた めに行う整理手続き。 1. 収益・費用勘定残高を損益勘定 へ振り替え 2. 当期純利益(損失)勘定を「資 本金」勘定へ振り替え 3. 勘定の締め切り 4. 繰越試算表の作成 24
収益・費用勘定は,全て,貸借 が一致する(残高がなくなる) ように「損益」勘定項目に飛ば す。 売上 1200 /損益 1200 受取地代 60 /損益 60 損益 950 /仕入 950 損益 50 /支払家賃 50 このあと,損益勘定の元帳をみた とき,貸借差額が当期純利益(損 失)。 25
損益勘定の貸借差額である当期 純利益(損失)を資本金勘定へ 振り替える。 損益 200 / 資本金
収益・費用項目の諸勘定 二重線で締め切る 「損益」勘定 二重線の下に合計額を記入 資産・負債・純資産項目 「次期繰越」という項目で左右の 合計額を一致させてから,二重線 で締め切る。 二重線の下に,次期繰越とは左右 (貸借)を反転させ「前期繰越」 を記載。 27
次期繰越勘定を試算表に表し, 貸借が一致するかを確認する 。 28