yamagata. pref.cent. hosp. クリニカルパス用語 について 山形県立中央病院パスマネージャー 今野 美雪 クリニカルパス小委員会 今野 美雪 2007・12・12 2009 10 13 in鶴岡 yamagata. pref.cent. hosp.
yamagata. pref.cent. hosp. 県立4病院 療育訓練 センター yamagata. pref.cent. hosp.
クリティカルパスとチーム医療 看護師の立場から 山形県立中央病院の概要 クリティカルパスとチーム医療 看護師の立場から 救急救命センター がん・生活習慣病センター 平成14年パス導入 現在153のパス 実施率約45% 病床数 663床(緩和ケア病棟含) 診療科 20科 職員数 874人 外来患者数 1050.8人(一日平均) 救急利用数 43.6人(一日平均) 平均在院日数 13.3日 紹介率 40.6% 病床利用率 85.6% 看護基準 7 : 1 都道府県がん診療拠点病院 臨床研修指定病院 基幹災害医療センター 第一種感染症指定医療機関 へき地医療拠点病院 yamagata. pref.cent. hosp.
yamagata. pref.cent. hosp. 山形県立中央病院 20年度ランキング 平成20年度 診療科別パス使用数 パス使用数5285件(前年比+940件)39.8% 総入院数13.288人(前年比+1750人) yamagata. pref.cent. hosp.
yamagata. pref.cent. hosp. 平成20年度 病棟別 パス年間使用率 使用率平均39.8% 前年比+5.1% yamagata. pref.cent. hosp.
yamagata. pref.cent. hosp. 20年度ランキング 山形県立中央病院 平成20年度 新規ベスト10入り おめでとう! yamagata. pref.cent. hosp.
yamagata. pref.cent. hosp. パスマネージャーの仕事 「パス一覧」「試行パス」「修正パス」 新規パス」等パスの整理・進捗管理 パス委員会・部会の企画運営 コンサルテーション・アドバイス 研修会企画・運営 山形県がん診療連携協議会 地域連携パス部会 部会員 地域連携パスに関すること 各種学会発表・研修・取材等 電子化パスへの要望とデータ移行 DPCデータ分析とパスの修正・整理 yamagata. pref.cent. hosp.
yamagata. pref.cent. hosp. 日本におけるクリニカルパス 1993年米国から導入される 新しい医療管理のツールとして病院管理者の 注目を集める パスの目的 医療の質の向上 チーム医療による医療の標準化・効率化 出来高払い制から定額制へ 「質を下げずに利益をあげる」・・DPCの導入! 患者の満足度・・患者は経過よりも「アウトカム」に 注目している クリニカルパスは、1993年頃にアメリカから入ってきました。日本への導入当初は、業務の改善や、入院期間短縮のためのツールとして、ブーム的に広がっていきましたが、現在では、患者のアウトカムを重視した、質の改善運動へと進展してきています。 日本でも、EBM(Evidence Based Medicine)の概念が紹介され、医療ミスや院内感染などの問題が発生し、医療の質や病院の安全管理への関心が高まりました。また、インフォームドコンセントをはじめとする情報開示や、医療の標準化、チーム医療の必要性に対する認識も深まるなか、新しい医療管理のツールとして病院管理者の注目を集めるようになりました。 クリニカルパスが本来目指しているのは、医療チームの自主的な医療管理による質の向上・チーム医療による医療の標準化・効率化であります。 また、経済的な面においても、医療費の削減と医療サービスの効率化が求められており、出来高払い制から、定額制DRG/PPS(診断群別医療費定額支払制度)への移行など、無駄をはぶいた質の良い医療の提供が求められています。定額制になると、例えば胃切はいくら、と決まっていてそこに感染がおきたり、縫合不全がおきたりして入院が長引き、その分余計にかかった費用は、病院の持ち出しになるわけです。パスでは、そういった合併症をバリアンスとして捉える事で、合併症の早期発見ができます。そこでコストの削減が必要になるわけですが、極端な話、過小医療になる危険性があります。必要な医療さえ行わないということです。 定額制になっても医療の質を下げずに、利益をあげるためにはなんらかの医療管理の手法が必要です。その管理のツールとしてクリニカルパスは重要になっていくと考えられます。 これからの医療は、医療の消費者である「患者の満足度」に視点がおかれます。平たくいえば、「良くわかり、よくなる、早い、安い」といったキーワードをあげている方もおります。 ここまでの話で、当病院の理念でもある「県民の健康と生命を支える安心と信頼の医療」をしていくために、クリニカルパスの目的が一致していること、また基本方針の1にある「高度で良質、適正な患者中心の医療の提供」には、うってつけのツールであることを強調したいとおもいます。 yamagata. pref.cent. hosp.
クリニカルパスの考え方の変化 検査や治療を効率よく組み合わせた予定表 治療経過中のアウトカム、タスクをあらかじめ設定し、リスク対応、個別的対応(バリアンス)を可能とし 臨床データ、コストなどを効率的に収集できる 総合医療管理ツール (済生会熊本病院TQMセンター長 副島先生) yamagata. pref.cent. hosp.
yamagata. pref.cent. hosp. クリニカルパスの概要 クリニカルパスの定義 「医療チームが共同で作成した、患者の最良のマネージメントと信じた仮説」 (Spath.P.L) クリニカルパスの3段階 第1段階 現在行っている医療ケアをまとめたもの 第2段階 医療ケアを改善し標準化したもの 医療者間のコンセンサスとEBMの導入 第3段階 システム改善にまで至ったもの ここから、パスの各論、実際になるわけですが、時間が限られていますので、今回はポイントだけ紹介していきたいとおもいます。まず、 yamagata. pref.cent. hosp.
当院におけるクリニカルパス導入の 目的 (平成15年4月改訂) 当院におけるクリニカルパス導入の 目的 (平成15年4月改訂) Ⅰ.医療の質的向上、患者に安定した医療を提供する (チーム医療の推進) Ⅱ.患者満足度の向上 (インフォームドコンセントの充実・患者参加型の医療) Ⅲ.医療の標準化 (EBMに基づいた医療) Ⅳ.在院日数の短縮 (目標14日以内) Ⅴ.資源の効率的運用 (コストの削減) Ⅵ.業務の効率化 (ゆとりある職場環境) Ⅶ.セィフティマネージメントの充実 さてそれをふまえて、当院におけるクリニカルパス導入の目的を紹介します。 1から7までありますが、パスの最大の目的は3です。くりかえしますが標準化というのは、画一化、平均化ということではありません。まずチームを組んでパスを作成していくなかで、各専門分野の最高の知識やデータを持ち寄って、それを共有し、現在できうる最高の医療を提供していくということです。ここに、チーム医療とEBMは不可欠です。 24567は医療の標準化をはかればできること。医師の指導のもとに、チームでパスを作成することで、 この患者に、今どうしてこの治療や検査がなされ、どのような状態になることを目標にしているのかが、 患者も含めてチーム全員が良く解り、納得のもとでおこなわれれば、必然的に2患者満足度は向上するでしょう し、72重3重にチエックがはいることになるので、リスクが少なくなっていくといわれています。 4在院日数の短縮は、今年当院が目指す「急性期型病院」の目標である17日としましたが、将来的に18年には14日をめざすという厚生労働省の方針のもと、どんどん短縮の傾向にいくと思われますので、ここにもパスは不可欠です。在院日数に的を絞ってバリアンスを収集し、原因を明らかにし、改善していくといい。しかし、標準化のなかでおのずと在院日数は減っていくようです。 5コストの削減とありますが、定額制に備えて。薬剤部・検査課などでEBMを取り入れてデータをだしていくなかで、むだな薬剤や検査が省かれていくという報告があります。医事課てきには、出来高制においては、診療行為を点数としてもれなく拾い上げることに全神経を注いできたが、これからは原価管理が重点になっていくのではないか?といわれています。 6医師においては指示記載の省略・入院診療計画書の簡略化・予測指示の明記により「呼ばれない」ことなどが現実的にはありますが、これも、医療の標準化をはかっていくことで、二次的にできるものと認識してます。業務の効率化がはかられ、心身ともにゆとりのある職場環境になっていく事を願っています。 1質の向上は、継続的に行わなければなりません・・・PDCサイクルが大切 yamagata. pref.cent. hosp.
yamagata. pref.cent. hosp. クリニカルパスのポイント 標準化 EBM 暗黙知を形式知へ チーム医療 患者・家族の満足度 質の保証から質の向上へ パス以外のところに知恵と労力を! yamagata. pref.cent. hosp.
yamagata. pref.cent. hosp. チーム医療とパス 医療を、医師、看護師、ソーシャルワーカー、理学療法士、作業療法士、栄養士、薬剤師、検査技師、放射線技師、事務部門などの専門家からなるオーケストラととらえ、 それぞれのパートが協力しながらよいハーモニーを奏でるためには楽譜が必要であり、その楽譜に相当するものがクリニカルパスである。 (笹鹿 1997) yamagata. pref.cent. hosp.
yamagata. pref.cent. hosp. 患者のそばに24時間います! 医 師 看護師は 何をするの? PT OT 薬剤師 患者からの情報をいち早く キャッチ! 放射線技師 患 者 医療相談室 地域医療部 栄養士 患者にとっては 身近で頼れる存在! 事務部 診療情報管理士 看 護 師 検査技師 yamagata. pref.cent. hosp.
yamagata. pref.cent. hosp. チーム医療における看護師の役割 コーディネーターとしての役割 ☆看護師は人数が多い ☆褥瘡・感染・化学療法・緩和・重症集中 に認定ナース ☆専任セィフティマネ-ジャー ☆がん相談員 ☆退院調整ナース ☆パス専任ナース チーム医療を推進していく原動力 ☆医師をサポート・全体を見渡す目 マネジメント能力 看護師は チーム医療における キーパーソン yamagata. pref.cent. hosp.
yamagata. pref.cent. hosp. 医療の標準化とクリニカルパス 医療の標準化(質の底上げ)とは?? 1 「決めなければならない標準」 統一による、混乱回避のためのもの 2 「決めたほうがよい標準」 経験の活用・planの簡略化を行うためのもの 経験の活用=すでに経験して良いということがわかっているモノや方法 東京大学・飯塚悦郎 yamagata. pref.cent. hosp.
yamagata. pref.cent. hosp. 長崎 グラバー邸 さて、お待たせしました パス用語の解説です yamagata. pref.cent. hosp.
yamagata. pref.cent. hosp. 本日のクリニカルパス用語 1 クリニカルパスの形式 2 適応基準・除外基準 3 アウトカム 4 クリティカルインディケーター 5 PDCAサイクル 6 バリアンス 7 DPC 8 パス大会 大雪山の紅葉 yamagata. pref.cent. hosp.
yamagata. pref.cent. hosp. クリニカルパスの形式 オーバービュー 日めくり オールインワン ユニットパス ミニパス 乗り換えパス 患者状態適応型パス yamagata. pref.cent. hosp.
yamagata. pref.cent. hosp. スタッフ用パス オーバービューパス 患者用パス オールインワンパス 日めくり式パス 3日目 タスク 患者アウトカム 記録 オーバービュー 2日目 タスク 患者アウトカム 記録 1日目 2日目 3日目 タスク 患者アウトカム 記録 1日目 タスク 患者アウトカム 記録 yamagata. pref.cent. hosp.
yamagata. pref.cent. hosp. オーバービュー形式 時 間 軸 入院日 手術日 術後1日目 退院日 アウトカム 処置 検査 指導 薬剤 清潔 バリアンス アウトカム・タスク yamagata. pref.cent. hosp.
yamagata. pref.cent. hosp. 日めくりパス アウトカム サイン バリアンス タスク 共有情報 アセスメント yamagata. pref.cent. hosp.
yamagata. pref.cent. hosp. インターフェロン外来スタッフ用 アウトカム 観察項目 検査内容 オールインワンパス 医師の記録 内服薬 注射薬の量 及び注射部位 看護記録 yamagata. pref.cent. hosp.
yamagata. pref.cent. hosp. 患者用パス=入院診療計画書 A4に縮小コピーカルテに綴じる 医師サイン 看護師サイン 入院年月日 目標 手術日 患者用パスについてお話します。「患者用パス」が「入院診療計画書」になります。 外来にて医師がパスについて説明をします。 外来看護師または医師が患者に患者用パスを渡し、入院まで読んで持参するよう説明します。 パス患者が入院したら患者から「患者用パス」を受け取り必要事項を記入します。 入院月日・主治医・担当看護師のサインを行いパスに沿って医師が説明します。補足説明を担当看護師または、他のスタッフが行いインフォームド・コンセントに努めます。 ここで特に注意点があります。一つ目は、渡した年月日を必ず記入して渡してください。入院診療計画書は7日以内に渡す決まりがあります。 二つ目は、手術日は絶対に入れてください。 三つ目は、患者より同意のサインをいただき、A4に縮小コピーし、カルテに綴じ込みます。カルテに綴じられない場合に入院料が取れない場合があるので注意して下さい。 途中からパスになった場合やパスから脱落した場合でも基本的に「入院診療計画書」は一枚提出されていれば、改めて提出する必要はありません。 お知らせですが、今後患者用パスの左下に概算が入る予定です。現在、大腸ポリープなど使用件数が多いパス、4っつに概算がのっています。 外来で渡し入院日に持参してもらう 患者の署名 概 算 yamagata. pref.cent. hosp. 24
yamagata. pref.cent. hosp. すごく大事 適応基準・除外基準 クリニカルパスの運用開始にあたり、患者や諸般の状態がそのパスに適しているか否かの標準を記したもの。 いかなる患者が当該パスにふさわしいか、あるいは使用をやめるべきかを分類するに当たって、判断がばらつかないように、あらかじめ考慮して明記しておくことが大切 各種ガイドラインや、各病院の自前の臨床データを利用し、十分討議してコンセンサスを得ておく 書いてあれば言える? yamagata. pref.cent. hosp.
yamagata. pref.cent. hosp. 適応基準・除外基準(例) 鏡視下腎摘出術パス 「適応基準」 1)腎の腫瘍であり、患腎が正中を超えない大きさ 2)腎静脈に閉塞がない 3)隣接臓器に浸潤がない 「除外基準」 1)HbA1c>8% 2) 麻酔科標準除外基準に相当する例 3)急性感染症 4)開腹手術になった場合 yamagata. pref.cent. hosp.
yamagata. pref.cent. hosp. アウトカムの分類 タスク:やるべき 処置・検査・指導 介入のアウトカム アウトカム 患者状態 機能 知識・理解 合併症 患者アウトカム yamagata. pref.cent. hosp.
yamagata. pref.cent. hosp. オーバービュー形式 時 間 軸 入院日 手術日 術後1日目 退院日 アウトカム 処置 検査 指導 薬剤 清潔 バリアンス アウトカム・タスク 患者アウトカム 介入のアウトカム yamagata. pref.cent. hosp.
yamagata. pref.cent. hosp. クリニカルパスにおける 患者アウトカム 「患者が安全に退院(転院)できると予期される状態を記述したもの」 異なった職種がチーム医療として1つになって関わっていくために明示されたもの 患者が受けているケアに対して予期される生理的ならびに心理的な反応を記述したもの 治療上重要なポイント(Critical Indicator)がわかるように記載する yamagata. pref.cent. hosp.
山形県立中央病院 クリニカルパス推進委員会 アウトカムって? みんなが講師になろう! CD貸し出します! パス教育ライブラリー 山形県立中央病院 クリニカルパス推進委員会
患者アウトカムって何だろう?? 目標と考えればいいでしょう 患者のアウトカム: 患者の目標とする状態のこと 患者が主語で設定される 患者アウトカムって何だろう?? 目標と考えればいいでしょう 患者のアウトカム: 患者の目標とする状態のこと 患者が主語で設定される 例)食事が摂取できる、傷が治癒する、平熱になる・・・ アウトカム 初めて耳にする方もいらっしゃると思いますが、あまり難しく考える必要はありません。 平たく言えば目標と考えていただければいいかと思います。 退院というゴールを目指してくために設定する目標が(退院時)アウトカムと言えるでしょう。 患者の目標ですから、患者が主語で設定されます。 たとえば、食事が摂取できる、傷が治癒する、平熱になる・・・などです。 患者の究極のアウトカムは早く・楽に・安く検査や治療が終わり健康な状態に戻りたいということになるでしょう。 このように考えるとなんとなくアウトカムの輪郭が見えてきたのではないでしょうか。 患者の究極のアウトカムは早く・楽に・安く検査や治療が終わり健康な状態に戻りたい 31
アウトカムの具体的な設定 アウトカム設定の4つのカテゴリー Health:患者状態 患者の身体的・精神的状態 (バイタルサイン・症状・・) アウトカム設定の4つのカテゴリー Activity:生活動作・活動 社会的に必要な身体機能 (安静度・ADL・清潔・・) Health:患者状態 患者の身体的・精神的状態 (バイタルサイン・症状・・) 次に具体的にアウトカムを設定する場合、どのよう設定していくか考えてみましょう。 アウトカムを4つの分類に分けて考えていくとわかりやすいと思います。 生活動作・活動について、患者状態について、合併症について、理解に関して分類します。 Complication:合併症 リスクの高い合併症の不在 (出血・感染・褥瘡・・) Knowledge:理解 患者・家族の病気・自己管理 に関する理解 32
「患者状態」のアウトカムとは? 臨床的な患者の身体的・精神的状態に関するアウトカム(検査結果・血圧・体温・脈拍・疼痛の状態など) アウトカムの例 血圧が150/80mmHg未満 酸素飽和度が95%以上 創部に滲出液がなく乾いている 疼痛スケール:2以下 「患者状態」のアウトカムとは? 臨床的な患者の身体的・精神的状態に関するアウトカムを言います。 検査結果・血圧・体温・脈拍・疼痛の状態などをさします。 アウトカムの例としては、 血圧が150/80mmHg未満である 酸素飽和度が95%以上である 創部に滲出液がなく乾いているである 疼痛スケール:2以下であるなどです。 33
「生活動作・活動」のアウトカムとは? 社会的に必要な身体的機能(ADL・歩行距離・四肢の可動範囲など) アウトカムの例 患者が痛みを感じることなく廊下を50m歩行できる 杖でトイレまで歩行できる ベッドサイドに座ることが出来る 膝を60度迄屈曲できる 生活動作・活動」のアウトカムとは? 社会的に必要な身体的機能に関するアウトカムを言います。 ADL・歩行距離・四肢の可動範囲などをさします。 アウトカムの例としては 患者が痛みを感じることなく廊下を50m歩行できる 杖でトイレまで歩行できる ベッドサイドに座ることが出来る 膝を60度迄屈曲できるなどです。 34
「理解」のアウトカムとは? 患者や家族の理解。病気や手術に対する理解、自己管理の方法に関する理解など・・ アウトカムの例 インスリンの自己注射が自分で行える 退院後の食事制限内容を言える 医師から説明された病状が言える 「理解」のアウトカムとは? 患者や家族の理解のことです。 病気や手術に対する理解、自己管理の方法に関する理解などをいいます。 アウトカムの例としては、 インスリンの自己注射が自分で行える 退院後の食事制限内容を言える 医師から説明された病状が言えるなどです。 35
「合併症」のアウトカムとは? その治療に直接関係するリスクの高い合併症、 及び入院そのものから生じるリスクの高い合併症の不在を示すもの アウトカムの例 手術創からの出血がない 創部に感染兆候がない 仙骨部に褥瘡がない 「合併症」のアウトカムとは? その治療に直接関係するリスクの高い合併症、及び入院そのものから生じるリスクの高い合併症の不在を示すものをいいます。 アウトカムの例としては、 手術創からの出血がない 創部に感染兆候がない 仙骨部に褥瘡がないなどです。 36
患者状態のアウトカム 合併症のアウトカム 理解のアウトカム 生活動作・活動のアウトカム 病棟内歩行が出来る 坐位保持が出来る 等 当院のクリニカルパスを見てみましょう。 患者状態のアウトカムはこのように、合併症のアウトカムはこのように、理解のアウトカムはこのように書かれています。 このパスは安静度がフリーのため生活動作・活動のアウトカムは書かれていません。 整形外科などで生活動作・活動に目標が置かれるものには、病棟内歩行が出来る、坐位保持が出来る等のアウトカムが書かれます。 病棟内歩行が出来る 坐位保持が出来る 等 37
クリニカルパスにおけるアウトカムの重要性 アウトカムとは 患者の達成目標 = 医療チームの達成目標 アウトカムの重要性 医療チームの目指す方向性・ケアの目標を明確にし、 統一することができる 医療チームの目指す目標を達成目指し、チーム医療が効果的に行われる アウトカムは医療の質の測定尺度になる クリニカルパスにおけるアウトカムがなぜ重要であるということを整理してお話します。 アウトカムとは患者の達成目標であります。また、それが医療チームの達成目標となります。 クリニカルパスはスケジュール表です。アウトカムが書かれていないものは、単なるスケジュール表にしかなりません。 アウトカムを入れることによって、目標を統一することができます。 医療チームの目指す方向性や、ケアの目標を明確にすることによって 医療チームの到達目標を統一することができます。 医療チーム目標の達成を目指すことで、チーム医療が効果的に行われます。 また、患者はスケジュールとともに目標も把握できますので、患者も医療に積極的に参加することができます。 38
クリニカルパスの仕組み 適 応 基 準 の 確 認 日々のアウトカム 中間アウトカム (インディケーター) 最 終 ア ウ ト カ ム 達 成 ク リ 二 カ ル パ ス の 成 果 P A D C 日々のタスク (観察・処置 などの項目) また、アウトカム評価やバリアンス分析を経てPTCAサイクルを回すことで、アウトカムが変化します。 クリニカルパスを見直し、アウトカムを適切に改善して、クリニカルパスを改訂していくことが重要です。 このことより、アウトカムは医療の質の測定尺度にもなってきます。 各クリニカルパスにおいてのアウトカムの重要性が再認識されたかと思います。 クリニカルパスを作成するとき、見直しをするときにはこれまでお話したことを念頭において作成・改善をしていきましょう。 バ リ ア ン ス 分 析 39
PDCAサイクルを回そう!! パスの修正を検討する パスを作る バリアンス分析をする パスを使う この、くるくるまわす考え方を、PDCAサイクルといいます。PDCAサイクルとは、計画、実行、確認、実施を繰り返し行って目的を効果的に効率よく達成するための管理基本方法のことです。 パスにおいては、Plan(計画)がパスを作ること、Do(実行)がパスを使うこと、Check(確認)がバリアンス分析をすること、Act(実施)がパスの修正を検討することにあてはまります。 この一連のプロセスを繰り返すことによって継続的に質の改善が行われることになります。 このサイクルを回すためには、バリアンス分析が不可欠で、分析をするためにはバリアンスを登録し、収集することが大切だということがわかっていただけると思います。 バリアンス分析をする パスを使う
クリティカルインディケーター 治療に最も影響を与えると思われる重要な アウトカムをあらかじめ特定しておく アウトカムをあらかじめ特定しておく 重要なアウトカムであるという認識がチームで共有されていることが大事 (例) 疼痛管理・胃管の抜去・尿道カテーテルの抜去・食事開始・ドレーン抜去など
アウトカムとパスの作成手順 対象疾患や処置を定める 適応基準・除外基準を決める 退院(転院)基準=最終アウトカムは何かを医師とコ・メディカルで相談する 退院基準を達成するための中間アウトカムを設定する(クリティカルインディケーター) 退院基準達成のために医療者の業務とケア介入の内容(タスク:介入のアウトカム)を相談する
バリアンスとは オールバリアンス方式 ゲートウエイ方式 センチネル方式 定義 「クリニカルパスで想定された患者の標準的な経過とずれた結果のこと」 アウトカムを明確に設定することが前提 「アウトカムが達成されなかった事象」 オールバリアンス方式 ゲートウエイ方式 センチネル方式
バリアンスの分類 バリアンスの分類に関する3つの概念 ①正/負分類 ②グレード分類 ③原因分類 正のバリアンス Ⅰ(変動)アウトカムに反する事象が生じたが、クリニカルパスの内容には影響を及ぼさなかった事象 A患者・家族 B医療スタッフ Ⅱ(逸脱)クリニカルパスどおりには経過しなかったが、クリニカルパスは使用可能であった事象 C病院 負のバリアンス Ⅲ(脱落)クリニカルパス使用不能となった事象 D地域
(Continuous Quality Improvement) バリアンス分析の重要性 パスの目的はパスを完成させることではない 定期的にバリアンスを分析し、パスを改定する 継続的に行うことでCQIを実践する (Continuous Quality Improvement) (継続的なケアの質の改善)
バリアンスは悪者ではない バリアンスを早期に見つける バリアンスは個別性 バリアンスに対し的確に対処する バリアンスを起こさないシステムを考えることが大切
DPC(包括医療制度)とパス DPC(Diagnosis Procedure Combination);診断群分類別包括評価 ◆在院日数短縮 ◆患者の重症化・業務量の増加 ◆「医療ケアのばらつき」をなくす=標準化 ◆医療の効率化と質の底上げ(質の保証) パスは医療ケアの標準化をチーム医療で行うため、DPC導入後は特に有効である 2003年4月特定機能病院82施設で導入された。 2004年からは手上げ方式で民間病院にも拡大されている 在院日数に応じて3段階に設定されている 診断群分類ごとの1日当たり点数
「出来高払い」と「包括払い」の比較 方法 主なメリット 主なデメリット 出来高 払い 提供した医療行為や材料に対して個別に支払う 新しい高度医療の保険適用が容易 患者の病状に応じた医療の提供が可能 診療側・受診者側双方の理解が得やすい 過剰投与・診療の誘発の恐れ 医療費の伸びを抑制させる構造・仕組みが弱い 請求、審査、支払い事務が複雑 包括 1日当たりの入院費について、包括的な金額を決める(日本版DRG/PPS = DPC) 過剰な診療行為の抑制効果 平均在院日数の短縮化 請求、審査、支払い事務が簡素化される 過少診療の恐れ 診療内容の不透明化の恐れ 患者選別の恐れ(重傷者の拒否等) 48 48 48 48
パス作成支援アイテム 「クリニカルパスガイドライン」 「初めてパスを作成する皆様へ」 「パスチェックシート」 「コンサルテーションによる支援」
ただし、指示が一定でない場合やパスに後で指示を書き込む場合、また医師の指示が必要な場合には、 パス表に日時・内容・医師サインを記載し、指示受けサイン・実施チェックをします。 実施者と担当者が異なる場合でカッコがない場合は、○の脇に実施サインをします。 医師は指示が実施されたことを確認し、パス表上にある実施確認欄に翌日以降確認サインをします。
小児大腸ポリペクトミーパス コンサルテーション風景