円形管における3次元骨組解析への適用事例 平成16年9月17日 (株)アイエスシイ 犬飼隆義.

Slides:



Advertisements
Similar presentations
1 構造計算の基礎用語 (材料力学の話) 第4回岐阜建築鉄骨技術交流会 (かんたん構造講義) 第 2 部 その 1 久米構造設計室 久米純一.
Advertisements

1 設計基礎コース もう一度学ぶ材料力学の基礎 座屈 ( Buckling ) 長軸に軸方向圧縮力を作用させると、ある荷 重で急に軸が曲がる。 この急に曲がる荷重条件を探る。 X の位置での曲げモーメントは たわみの微分方程式は.
模型を用いたジェットコターの 力学的原理の検討 06522 住友美香 06534 秦野夏希. 平成22年度 卒業研究発表 山田研究室 研究目的 ジェットコースターのコースは、どのような計算に 基づいて作られているのか、研究を通じて理解し、 計算を用いた模型製作を行う。
土木基礎力学2・土質 圧密現象と圧密試験.
藤井大地(リーダー) 榛葉 亮(設計担当) 原田卓哉(設計担当) 大年政弘(作成担当) 吉冨健志(作成担当)
第2章 機械の強度と材料 機械の必要条件 ★壊れない ★安全である ★正しく機能する そのためには・・・ ★適切な材料を使う
No.2 実用部材の疲労強度           に関する研究 鹿島 巌 酒井 徹.
SolidWorksとSolidWorks SolidWorks Simulationを使ったストラクチャの設計、テスト、構築
現場における 熱貫流率簡易測定法の開発  五十嵐 幹郎   木村 芳也 
磁気トルカ較正試験結果 宇宙機ダイナミクス研究室 D2 宮田 喜久子.
膨張性超速硬繊維補強コンクリートにより増厚補強したRC床版の性能評価に関する検討
RC構造の破壊形態 コンクリート工学研究室 岩城 一郎 このサイバーキャンパスをご覧の皆さん,こんにちは.
せん断力を受ける 鉄筋コンクリート部材 コンクリート工学研究室 岩城 一郎.
柱崩壊と梁崩壊 (塑性設計の話) 第3部 その2 塑性設計の注意点 第4回岐阜建築鉄骨技術交流会 (かんたん構造講義)
混合物の低温時クリープおよび破壊挙動への影響
高分子電気絶縁材料の撥水性の画像診断に関する研究
硬化コンクリートの性質 コンクリート工学研究室 岩城 一郎.
建築構造演習 座屈実験(第二回) 鋼構造研究室.
建築構造演習 座屈実験(第3回) 鋼構造研究室.
建築構造演習 座屈実験(第1回) 鋼構造研究室.
木造住宅の 常時微動観測 05TC012 押野雅大 05TC021 川村潤也.
セラミックス 第9回 6月18日(水) セラミックスの物性.
半地下水処理施設基礎への適応事例 マルフジエンジニアリング(株)       渡邉 哲也.
Nagaoka University of Technology Graduate Student, Yoshio TATSUMI
モンテカルロ法と有限要素法の連成による 焼結のマイクロ‐マクロシミュレーション
R&D Division, Polyplastics Co., Ltd. Technical Solution Center
コンクリートの強度 (構造材料学の復習も兼ねて)
有限要素解析 Carl R. Schultheis.
使用限界状態 コンクリート工学研究室 岩城 一郎.
コンクリートの強度 コンクリート工学研究室 岩城 一郎.
機械創造工学課程 08104288 鈴木翔 担当教員 小林泰秀 准教授
硬化コンクリートの性質 弾性係数,収縮・クリープ
ひび割れ面の摩擦接触を考慮した損傷モデル
地質工学及び演習 海外の岩盤分類.
塩害促進条件の違いがRC床版の材料劣化に及ぼす影響
建築構造演習 座屈実験(第3回) 鋼構造研究室.
31 ループ管熱音響システムにおける管内圧力の可視化 長岡技術科学大学 機械創造工学課程 梅本康平 担当教員 小林泰秀 准教授
応力-ひずみ関係 断面積A,長さLの物体に,(軸)力Pが作用した際,ΔLだけ伸びた(あるいは縮んだ).
遺伝的アルゴリズムを用いた 構造物の最適形状探索の プログラムの作成
DECIGO pathfinderのための 試験マスモジュールの構造設計・解析
集積回路中における 絶縁膜に加わる熱応力の緩和
H30.2.5破壊実験フィンクトラスの改良点 初代フィンクトラス 改良型フィンクトラス.
治療用フィルムによる線量分布測定の 基礎的検討Ⅱ
舗装材料小委員会 資料  改質バインダの混合温度および締固め温度 (出典) NCHRP REPORT 459
都市表面における 熱輸送速度の実験的研究 スケールモデルによる野外実験と風洞実験の比較 大久保 典明
エレベータの振動解析 (ロープ・かご) 富山大学 大学院理工学研究部(工学) 木村弘之 台北101国際金融センター.
応力(stress, s, t ) 自由物体図(free-body diagram)において、外力として負荷荷重P が作用したとき、任意の切断面で力の釣り合いを考慮すると、面における単位面積あたりの内力が存在する、それを応力といい、単位は、Pa(N/m2) で表す。面に垂直に働く垂直応力、s と平行に働くせん断応力、
FEM勉強会 (第3回).
リングの回転成形の 近似3次元有限要素シミュレーション 塑性加工研究室 平松直登 一般化平面ひずみを用い た近似3次元FEM
誤 差 誤差 = 測定値 - 真値 ・真値は神様だけが知っている。 ・ばらつきの程度を表す意味が薄い。
微細ショットピーニング加工による 金属部品の機械的特性の向上
たわみ角法の基本式 長さl,曲げ剛性EIのラーメンの一部材ABが中間荷重を受けて,移動,変形したときの材端モーメントMAB,MBA (時計回りが+)は,
円管の口絞り加工におけるカーリング現象の 有限要素シミュレーション
曲げを受ける鉄筋コンクリート部材 (状態III)
対象:せん断補強筋があるRCはり(約75万要素)
建築構造演習 座屈実験(第1回) 鋼構造研究室.
建築構造演習 座屈実験(第3回) 鋼構造研究室.
1.5層スペースフレームの 接合方法に関する研究
軸対称近似を用いたしごきスピニングの 有限要素シミュレーション
ここでは、歪エネルギーを考察することにより、エネルギー原理を理解する。
鉄筋コンクリートはりの 曲げ耐力の算出 コンクリート工学研究室 岩城一郎.
大型ホイールのディスク成形における 有限要素シミュレーション 有限要素 シミュレーション 工具と素材形状の最適化 材料の歩留り向上
わかりやすいパターン認識 第6章 特徴空間の変換 6.5 KL展開の適用法 〔1〕 KL展開と線形判別法 〔2〕 KL展開と学習パターン数
コンクリート構造物の 力学を学ぶために コンクリート工学研究室 岩城 一郎.
確率的フィルタリングを用いた アンサンブル学習の統計力学 三好 誠司 岡田 真人 神 戸 高 専 東 大, 理 研
自動車ホイールのディスク成形に おける肉厚分布を持つ円環の加工 加工能率低下 図 ディスク成形 塑性加工研究室 中川原 大助 スピニング
大阪モノレール構造物設計指針の改定(案)<概要版>
エンジニアリングデザイン教育 コンクリート製体重計の作製 愛知工業大学 都市環境学科.
各種荷重を受ける 中空押出形成材の構造最適化
RCはりをU字型補強した連続繊維シートによる
Presentation transcript:

円形管における3次元骨組解析への適用事例 平成16年9月17日 (株)アイエスシイ 犬飼隆義

円形管の3次元骨組計算の目的 アンカー打設中、雨水管(φ800)に損傷を与えた。 たわみ強度比試験と比較するため、雨水管に損傷前と損傷後の状態で骨組計算を行い、管補修の検討資料に使用した。 実験結果との比較 円形管の分割数の比較 欠損率による比較

たわみ強度比試験 <供試体> ダイプラハウエル管 1種管 Rタイプ φ800 2箇所有孔管 試験体の長さ:0.6m <測定条件>  ダイプラハウエル管 1種管 Rタイプ φ800 2箇所有孔管  試験体の長さ:0.6m <測定条件>  JIS K 7733の2等級の圧縮試験器を用いて、管軸方向に垂直に毎分10mm/min±2mmで呼び径の5%の偏平量まで圧縮し、荷重を計測した。

たわみ強度比試験結果 <測定結果> 項目 単位 規格 計測値 Φ800 5%偏平 kN/m 8.1 7.0 温度 T(℃) 23.0 長さ Ls(m) 0.602 荷重 W(kN) 4.450 0.601 4.210 <測定結果について>   2箇所有孔した管では、規格値に対して計測値が、13%の強度低下を示した。

3次元骨組解析計算モデル モデル形状 荷重 材料定数 高耐圧ポリエチレン管の肉厚を考慮してモデルを作成   高耐圧ポリエチレン管技術資料より、内径800mmで5%に達する時のたわみ荷重が8.1kN/mと記載されている。よって今回解析する管(0.9m)の荷重合計は8.1×0.9=7.29kN 材料定数 単位体積重量(kN/m3) 9.5 圧縮強度(N/mm2) 13.5 引張強度(N/mm2) ポアソン比 0.3 ヤング係数(N/mm2) 980

3次元モデル(孔有) 3次元モデル(孔無)

円形管の実験値と計算値の強度比較 3次元骨組解析(孔無)の最大変位量を用いて、 (孔有)のたわみ荷重を算出する 円形管の規格値と実験値および理論解でのたわみ荷重を比較 規格値と実験値では、たわみ荷重が所定強度の86%に低下した。 3次元骨組計算結果では、たわみ荷重が所定強度の95%に低下した。 実験値での対策を行った。

分割数における計算結果の違い 円形管の分割数を変化 FRAME/3Dを使用し、孔無モデルの変形量を比較 8分割と64分割にモデル化 円環の解析は分割数により誤差が生じることを再確認。

モーメント分布図 64分割モデル 8分割モデル

孔がある場合と無い場合の比較 孔がある場合と無い場合の奥行き1m当たりの体積比較 孔無 : V=0.123 m3 2次元の計算では、8分割で2.2%、64分割で2.5%の違いがある。 3次元の計算では、8分割で3.3%、64分割で4.8%の違いがある。

欠損率による比較 欠損率:3.13% 欠損率:4.15% 欠損率:6.24%

欠損率による比較 欠損率を下記に示すように、変化させた。 欠損率:0.78%、1.56%、3.13%、2.08%、6.24% FRAME/3Dを使用 欠損率が大きくなると、欠損が無い場合に比べて変位が大きくなる。 欠損率が6%程度以上になると、誤差が非常に大きくなる。

まとめ 円形管の補修については、実験結果を使用して、対策を講じた。 8分割と64分割モデルでは、3次元で計算した方が、影響が大きい。 欠損率が2%程度の場合は、2次元の詳細(64分割程度)でも実用上十分な精度。 欠損率が6%以上になると、欠損を考慮した計算が必要。