続・3パラメータ解の弦理論的解釈 ~ パラメータについて~

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続・3パラメータ解の弦理論的解釈 ~ パラメータについて~ 続・3パラメータ解の弦理論的解釈 ~ パラメータについて~ 東京大学ビッグバンセンター 小林 晋平 共同研究者 浅川 嗣彦・松浦 壮 (理研) ref. )SK-Asakawa-Matsuura, hep-th/0409044 2004年10月6日 関東ゼミ@東工大

前回のダイジェスト (1) 重力系を弦理論で解析する non-BPS D-brane を手がかりに探っていこう 前回のダイジェスト (1) 重力系を弦理論で解析する BH、宇宙モデルに対応する弦理論的オブジェクトとは? D-brane 周りの時空が BH 的になっている → BH の正体は D-brane か? 重力系は一般に非 BPS 状態 → 非 BPS オブジェクトと、それが作る時空との 関係はよくわかっていない non-BPS D-brane を手がかりに探っていこう

前回のダイジェスト (2) 非BPS状態にあるD-brane系が作る時空を知りたい → 3パラメータ解 前回のダイジェスト (2) 非BPS状態にあるD-brane系が作る時空を知りたい 非BPS状態D-brane系の代表として D/anti D-brane系を考える 開弦のタキオンが系の不安定性を表す 対称性 ISO(1,p)×SO(9-p) 持つ静的オブジェク 対応するのは対称性 ISO(1,p)×SO(9-p) 、静的な古典解であろう   → 3パラメータ解      その前に、D-anti D-brane系を見てみる

前回のダイジェスト (3) タキオン T に任意の期待値を持たせたとき、 この境界状態に対応する古典解は何か? 前回のダイジェスト (3) タキオン T に任意の期待値を持たせたとき、 この境界状態に対応する古典解は何か? →3パラメータ解がそれだと考えられてきた 3つのパラメータ(      )持ち、対称性が D/anti D-brane と同じであるような静的な古典解

前回のダイジェスト (4) 3パラメータ解は という3つのパラメータを持つ 前回のダイジェスト (4) 3パラメータ解は      という3つのパラメータを持つ D-braneの枚数  、anti D-braneの枚数  、それらの間に励起する開弦のタキオンモードの期待値  と対応する、と言われていた (Brax, Mandal & Oz, …) D-anti D-brane system boundary state と、3パラメータ解の無限遠での振舞いを比較した ← Di Vecchia et al. の方法を用いた         

前回のダイジェスト (5) のとき、D-anti D-brane系と対応する → は開弦のタキオン期待値ではない 前回のダイジェスト (5)     のとき、D-anti D-brane系と対応する  →  は開弦のタキオン期待値ではない      のとき、             とパラメータを取り替えることで対応がつく → タキオンは mass の一部に含まれる         

2.前回のキーワード (1) D-brane ( Dp-brane ) (2) Boundary State     開弦の端点が動く超曲面・弦理論のソリトン (2) Boundary State     D-brane の別名・閉弦のソースとしてとらえたもの (3) D-anti D-brane ( -brane system )     互いに逆符号の D-brane 同士何枚かを張り合わせたもの 開弦のタキオンが励起し、不安定性を表す。       持つ。 (4) Three-parameter Solution     D-anti D-brane の古典解と考えられている解。       持つ。 (5) Di Vecchia らの方法     D-brane から出るgraviton などと、古典解から計算されるgraviton などを比較し、弦理論オブジェクトと重力系オブジェクトを対応付けるための方法

Keyword (1): D-brane 開弦の端点がくっつく超曲面、閉弦のソース 弦理論の重要な構成要素 D-brane X0 Xi open string D-brane

Keyword (2) : Boundary State ( = D-brane) mass 及び charge を表す 今はBPSなので値が等しい

Keyword (3) : D/anti D-brane system ここを扱う  枚のD-brane と  枚のanti D-brane が引き合う 重なった不安定状態 開弦が不安定性を表す 安定な     枚の D-braneが残る ただし  

タキオンが不安定性を表す V(T) T t=0 t = t0 t=∞ 過渡状態にある D/anti D-brane系 対応

D/anti D-brane の mass の変化 N枚のD-brane,   枚のanti D-braneが 重なる ( T=0 ; t=0 )   過渡状態 ( T=T0 ; t=t0 ) 途中のmassにタキオンの期待値が絡む 終状態(BPS状態) ( T=∞ ; t=∞ ) チャージと同じ値になって落ち着く

Boundary state for D/anti D-brane

Keyword (4) : Three-parameter solution (Zhou & Zhu (1999)) 対称性 SO(1,p)×SO(9-p) を持つ一般解 (D/anti D-brane系と同じ対称性) 作用はblack p-braneに使ったのと同じもの

チャージに 相当? massに相当?

3パラメータ解の特徴 ADM mass RR charge ~ ? 任意次元で作れる解 D=4 ではSchwarzschild, RN も含む ~ ? ~ ?

Keyword (5) : Di Vecchia らの方法 Di Vecchia et al. , Nucl. Phys Keyword (5) : Di Vecchia らの方法           Di Vecchia et al., Nucl.Phys.B507(1997)259                    Di Vecchia et al., Nucl.Phys.B565(2000)397                   Bertolini et al, Nucl.Phys.B590(2001)471 boundary state から出る closed string の massless mode を計算 → polarization をかけて graviton, dilaton など   を抜き出す 古典解の、無限遠での flat からのズレを取り出す → それらは graviton, dilaton などである 両者の結果を比較 → BPS では一致確認 non-BPS は特殊な場合を除き手付かず

M 重力場 M gravitonの伝播 等価 <B|  |physical field>

BPS black p-brane解 対称性 ISO(1,p)×SO(9-p)、RRチャージ持つ 作用 ansatz

Di Vecchia らの方法の実践 (例) BPS Black p-brane 解 BPS状態なので M = Q (~ N Tp) →物理量は N Tp のみ、調和関数1つで表現

(例) <B| |φ> boundary stateからblack p-brane解の 無限遠方でのリーディング(flatからのズレ) <B|  |φ> boundary stateからblack p-brane解の リーディング(無限遠での振舞い)を再現出来る

3.D-anti D-brane と3パラメータ解 古典解とboundary stateとの完全な対応がわかっているのは BPS の場合のみ   → 以下、BPS 近傍を考える BPS 近傍の場合、c_1=0 のときに D/anti D-brane と対応することがわかった   → 3パラメータのうち、r_0 と c_2 のふたつのみで    表現できる

  なぜ c_1 はタキオン期待値だと誤解されて いたのか? r_0, c_2 という parametrization の取り方が悪い → 新しい parametrization の導入で解決 → scalar charge と mass との微妙な関係 → Wyman解における scalar charge と mass

3パラメータ解の near extremal limit

の極限で、3パラメータ解は BPS black p-brane 解に一致 extremal limit という同一視を行う

as a non-extremality parameter ADM mass RR charge 確かに は non-extremality を表す

新しいパラメータの導入 を使うのはMが一定でQが動く、という系に対応    →Mが動くタキオン凝縮の過程と合わない    そこでパラメータを変更する

3-1.新しいパラメータの導入    に限定     →Q が一定値である、タキオン凝縮の過程と合わ   ない →パラメータを取り直す (cf. Brax,Mandal & Oz)

Near extremal limit ( by )

Near extremal limit ( by )

タキオンとしてのε D/anti D-brane 系のBPSからのズレはタキオン項で表される T=∞近傍の(BPSからのズレが小さい)状態は、3パラメータ解の near BPS limit と対応しているはず このタキオン項がBPSからのズレを表す mass を表す charge を表す

boundary state と比較するために、3パラメータ解の無限遠方での振舞いを見る  → それが graviton, dilaton, RR potential mass が  だけ変更された分、古典解も同じ   だけ補正が現れる → これがタキオンの分に対応するはず

3パラメータ解から計算されたgraviton, dilaton および RR potential

弦理論 (boundary state) による graviton, dilaton および RR potential  |physical field>

こうして弦理論の計算により、gravitonなどを得る これを古典解の無限遠方での振舞いと比較

BPS から少しずれた D-anti D-brane を表すboundary state → となると、     はどんな古典解なのか? 対応することがわかった

3-2.dilaton charge としての c_1 ~相対論的な理解~ 4次元、p=0、RR chargeなしの3パラメータ解 →Schwarzschild BH+free scalar →Wyman解(Janis-Newmann-Winicour解) Wyman 解は dilaton charge を持つ →  と dilaton charge が関係を持つはず

Wyman 解 (Schwarzschild gauge) フリーのスカラー場のみ入れた静的球対称解

Wyman解 (isotropic gauge) r → Rへ変数変換して、isotropic gaugeへ 3パラメータ解と比較可能

3パラメータ解            (chargeなし)          はdilaton charge qと対応 massを変えるように見える →タキオンと誤解

4. の正体 black p-brane のときと同様に、boundary state と3パラメータ解の十分遠方での振舞いとを比較する 4.   の正体 black p-brane のときと同様に、boundary state と3パラメータ解の十分遠方での振舞いとを比較する  →特に  の働きに注目   は Gaussian brane と関係している → タキオンがその正体 (?)

を残したときの near extremal 展開

なら通常の boundary state で再現可能 古典解サイド 対応がつく 弦理論サイド

D-anti D-brane boundary state で を残したときの無限遠方での振舞い D-anti D-brane boundary state で 表されていた部分 通常の boundary state で 表せない部分

このα・βを調節することで 入りの古典解も再現出来る boundary state を変更してみてはどうか このα・βを調節することで  入りの古典解も再現出来る

boundary state の を変化させることで、   入りの古典解も再現可能  →    にそのような変化をもたらす弦理論的   オブジェクトはあるのか?  →     -tachyon を入れる   Gaussian boundary state  

これはmodified boundary stateで再現可能 の変形で3パラメータ解のリーディングを再現 タキオン期待値 T の動きとは関係ない! (この変形の弦理論的解釈は?)

Gaussian boundary state を作るには、    系に開弦境界相互作用を入れればよい (Asakawa-Sugimoto-Terashima, JHEP 0302 (2003) 011) 境界相互作用項 を入れる

t → ∞ でδ関数に → 通常の boundary state に

Gaussian Boundary State から Dp-brane へ 次元の低い BPS D-brane になる t → ∞ tachyon が 特定の配位を持つ

  方向に無限に 広がっている   方向にGaussian で広がっている     に 局在している

boundary state は以下のように変更される これまで、        を扱ってきた    や   のそれぞれが     から作られたと考える boundary state は以下のように変更される 通常の が変形される 起源 Gaussian brane起源

Gaussian boundary state を作る D9-tachyon Neumann b.c. と Dirichlet b.c. の合いのこ → smeared boundary condition

Oscillator picture 境界条件を oscillator で表す

cf. 通常の boundary state σ τ 開弦 σ τ 閉弦 boundary state D-brane 開弦の1-loop グラフ boundary state D-brane σ τ 閉弦 閉弦のtree グラフ

mode で境界条件を書き下す D-brane に沿う方向の境界条件 D-brane に垂直な方向の境界条件 を導入すると統一的に書ける

Gaussian boundary state の場合に戻る ・ Dp-brane に沿う方向 ・ Dp-brane に垂直な方向

境界条件を満たす解の振動部分は 0モード部分は t→∞で通常の boundary stateに これらを合わせ

tension 部分について SFT を使った計算がある (Kraus-Larsen, PRD63 (2001) 106004) 1組の から1枚の を作る よって (D9-tachyonが消える極限)では

こうして、求める boundary state は 有限の  で積分を実行する こうして、求める boundary state は 起源 Gaussian brane起源

この boundary state を使って、Di Vecchia らの方法を繰り返す

     タキオン  起源      タキオン  起源

boundary state から計算された graviton, dilaton と3パラメータ解の無限遠での振舞いを比較する

Gaussian boundary state から計算した graviton, dilaton

3パラメータ解から計算した graviton, dilaton

一定値 いずれの過程でも RR charge Q は変化なし これが criterion に

さて、両者を比較して を得る。 →  の効果は D9-tachyon t として理解された

これから Gaussian brane の議論を完全に (規格化など) Schwarzschild BH など、より一般の BH を boundary state で表す → エントロピー計算 時間依存解の構築 SFTへのフィードバックも δB|B>=0 を解く (Asakawa, SK & Matsuura, JHEP 0310 (2003) 023) Matrix theory との関連

3(および4)パラメータ解の導出 (Review)  B.Zhou & C-J.Zhu, hep-th/9905146 B.Zhou & C-J.Zhu, Commun.Theor.Phys.32(1999)173 B.Zhou & C-J.Zhu, Commun.Theor.Phys.32(1999)507 P.Brax, G.Mandal and Y.Oz, PRD 63(2001)064008 R. Argurio, hep-th/9807171

3(or 4)パラメータ解について バルクはD次元 3パラメータ解 4パラメータ解 対称性は ISO(1,p)×SO(D-p-1) Dp-braneと同じ対称性 ただしsuperstringならD=10、     bosonic stringならD=26(bosonic string) 4パラメータ解 対称性は SO(p)×SO(D-p-1) Dp-braneに沿う(と思っている)方向のポアンカレ対称性を破ったもの tachyon matterなどに関連する解の可能性あり → K.Ohta & Yokono

X0 Xα Xi open string D-brane

Setup 作用 : D次元, dilaton, RR(p+2)-field strength ansatz : static, SO(p)×SO(D-p-1)

Equations of Motion metric , dilaton , RR potential それぞれで変分

RR potential の式を積分 → RR charge から求める 上の式へ代入して あとはA ,B, f, Φの 4つを求めればよい

方程式を組み合わせて右辺を出来るだけ0にもっていく → よく出てくるカタマリがあるので、それを   新たな関数として定義する

新しい変数で eom を書き直す

→ Schwarzian derivative を用いる ξ・β・η の式はすぐに積分できる 問題は、Yの式をどう積分するか       → Schwarzian derivative を用いる

ξ・β・ηの積分結果を Y の2つの式に代入

unknown function 5つ Λ・f・A・B・Φ → Λ・ξ・η・β・Y equations of motion 6本 すでに4本の方程式を使った (それによって Λ・ξ・η’・β’ が決まった) → Yを求めるために方程式があと2本ある    これらは等価なのでどちらを解いてもいい    (Zhou & Zhu, hep-th/9903118) → Q(r), R(r) の入った式を解く

Yの代わりに新しい関数gを導入 Yの2階微分からgの3階微分方程式へ

方程式の左辺は関数 g のシュヴァルツの導関数になっている あとは以下を満たす関数 g を見つければよい g のシュヴァルツ導関数の定義

Notations and Conventions (1)

Notations and Conventions (2) 定数関数  1次関数 べき関数       あとはそのまま 微分則

シュヴァルツの導関数の性質 合成関数に対するシュヴァルツの導関数 1次分数関数に対するシュヴァルツの導関数  1次分数関数の シュヴァルツ微分は0

f として1次分数関数を持ってくる よって方程式 の解のひとつとしてg 0 になる

初等関数に対するシュヴァルツの導関数 に対し、以下が成り立つ これらの関係と合成関数の微分則を使って、 が何のシュヴァルツ導関数になっているかを 見抜けばよい

  を変形していく (何かの合成関数とみる) 合成関数に対する シュヴァルツ導関数 これも何かの 合成関数とみる ただし

これを繰り返す。以下     とする。 ただし

は知っている関数のシュヴァルツ導関数で書ける ただし は知っている関数のシュヴァルツ導関数で書ける

ただし

こうして よって解のひとつとして以下を得る

より も解。これが一般解 が解なら (ただし ) よって を使って 3階微分式 ↓ 積分定数3つ のように一般解が求まる

Complete Solution η’の積分

Complete Solution β’の積分 η’とまったく同様で、

Yを求める

これより、 ただし とおいた あとは とすればよい

結果

     のとき のもと、

ここでもう一度 ansatz を確認

    のとき (    のときは       として、                 に読み替える)

10-dim. 4-parameter solution 以下、 と入れ替える

10-dim. 3-parameter solution

A.G.Agnese & M. La Camera, PRD31(1985)1280 4-dim. 3-parameter solution M.Wyman, PRD24(1981)839 A.G.Agnese & M. La Camera, PRD31(1985)1280 で Wyman解

思いつくままに なぜこの方程式系はシュヴァルツ導関数でまとまったのか? どこまで拡張できるか? 行列模型との関係 対称性は効いているか? diffeo と SL(2,C) との関係はどうか パンルヴェ性、ベックルント変換との関係は? どこまで拡張できるか? 対称性を崩す(1変数) 2変数はどうか? → 偏微分方程式の話でシュヴァルツ導関数は出てくる 行列模型との関係 背後に Virasoro 代数が潜んでいる? 弦理論の影響・・・?