4-5 風の道ビジョン 風を感じていますか? 大阪市 (紙芝居風に) この場所は、夏だというのに、風がとても気持ちいい。西風だわ! 4-5 風の道ビジョン 大阪市 風を感じていますか? (紙芝居風に) この場所は、夏だというのに、風がとても気持ちいい。西風だわ! どうして西風はすずしいのかしら? 大阪の夏はとても暑いと聞いてきたのに、きっと何かわけがあるわね。 こんな街だったら、住み続けたい・・・ このような場所が多く大阪に出現しますように・・ ・さてと・・・。
4-5 風の道ビジョン 大阪市 なぜ西風が吹くの? 大阪では、夏場、穏やかな晴天の昼間には、この絵のような仕組みで海から涼しい風、海風が吹き込んできます。 具体的にいうと、陸と海では暖まり易さ、冷め易さのスピードが違うので、その温度差によって、風が生まれます。日中は陸が暖まりやすいので、陸の上に上昇気流が出来、対流して海から風を呼び込んできます。夜はこの逆が発生しますが、大阪の夜は暑いので、この逆の現象は起こりにくくなっています。 前の画面はこの風を利用しようと、言っているのです。
4-5 風の道ビジョン 大阪の風の流れ 大阪市 出典:「風の道」ビジョン(大阪市) 4-5 風の道ビジョン 大阪市 大阪の風の流れ この絵は、大阪湾から海風が吹いている時に、地表面近くにおいても風が吹くと考えられる主な河川と道路、クールスポットすなわち、涼しく感じる場所となる主要な公園緑地を示したものです。 河川や東西方向の幹線道路は風の道の機能を持っています。 また、公園緑地は、都市の冷却装置として機能します。 出典:「風の道」ビジョン(大阪市)
4-5 風の道ビジョン 風の道ビジョンとは?① 大阪市 出典:「風の道」ビジョン(大阪市) 4-5 風の道ビジョン 大阪市 風の道ビジョンとは?① そこで、大阪湾から吹き込む涼しい海風を利用して、ヒートアイランド現象を緩和するために、暑い大阪の夏を少しでも快適にしようと、「風の道ビジョン」をつくりました。 この絵は生駒山の麓に向かって西から風が流れ込んでいるイメージ図です。風が街を冷やしている、そんなイメージです。 出典:「風の道」ビジョン(大阪市)
4-5 風の道ビジョン 風の道ビジョンとは?② ○ヒートアイランド対策の1つとして。 長期的な視点で、「風」を活用する方策 をまとめたもの 4-5 風の道ビジョン 大阪市 風の道ビジョンとは?② ○ヒートアイランド対策の1つとして。 長期的な視点で、「風」を活用する方策 をまとめたもの ○快適な都市環境の創造。 風の道に配慮し、快適な都市環境を実現 するための指針 「風の道ビジョン」は、 ヒートアイランド対策の一つに「風」の活用を位置付け、長期的な視点で、大阪湾からの涼しい海風を活用する方策を取りまとめたものです。 また、大阪市、市民、企業が協働して「風の道」に配慮し、快適な都市環境を創造するための指針でもあります。 「水と緑に包まれ 心地よい風が流れる 環境先進都市 大阪」、これがこのビジョンの目指すべき将来像です。
大阪湾から吹き込む涼しい海風を 地上に導いて、 市域全体に風を行き渡らせる 風通しのよいまちをつくる 4-5 風の道ビジョン 4-5 風の道ビジョン 大阪市 将来像を実現する戦略① 風通しのよいまちをつくる 大阪湾から吹き込む涼しい海風を 地上に導いて、 市域全体に風を行き渡らせる 風の道ビジョンの将来像を実現する戦略の一つ目は、「風通しのよいまちをつくる」です。 ヒートアイランド対策に風を活用し、風通しのよい快適なまちをつくるためには、大阪市の地理的特徴や都市基盤を活かして、東西方向の河川や道路、公園緑地を利用して、海風を地上に導くことが重要です。 こうして導かれた風を街区内にまでスムーズに誘導し、最終的には大阪市全域に風が行き渡ることが望まれます。 具体的に言うと、地区レベルで海風を導き、敷地レベルで細やかな通風を確保する、こういった取組を行います。
4-5 風の道ビジョン 風通しが悪い状態 大阪市 出典:「風の道」ビジョン(大阪市) これは風通しが悪い状態のイメージです。 4-5 風の道ビジョン 大阪市 風通しが悪い状態 これは風通しが悪い状態のイメージです。 建物に風が邪魔をされるのはもちろんですが、風がないので、建物や路面から放出される熱、車やエアコンからの排熱が拡散されずに滞留しています。 こうなると、温度がますます上がりやすくなるのです。 これを改善しようとしています。 出典:「風の道」ビジョン(大阪市)
4-5 風の道ビジョン 風通しが改善された状態 大阪市 出典:「風の道」ビジョン(大阪市) 改善されたイメージはこのような感じです。 4-5 風の道ビジョン 大阪市 風通しが改善された状態 改善されたイメージはこのような感じです。 風通しを改善すると、上空と地表面の空気の間で熱の受け渡しが促進され、気温を上昇させる要因となっている熱が上空へと拡散されます。 また、風によって建物や路面が冷却され、それらからの放熱が抑制されるため、気温の上昇が抑えられます。 出典:「風の道」ビジョン(大阪市)
自然や環境技術を活かして、涼しい海風が暖められること なく、市域全体に行き渡らせる 4-5 風の道ビジョン 大阪市 将来像を実現する戦略② 涼しい「風」を保つ 自然や環境技術を活かして、涼しい海風が暖められること なく、市域全体に行き渡らせる 将来像を実現する戦略の2つ目の戦略は、「涼しい”風”を保つ」です。自然や環境技術を活かし、涼しい海風が暖められることなく、市域全体に行き渡り、涼しい「風」を保とうという試みです。 具体的には、緑のカーテン・カーペットや打ち水、輻射熱の抑制等により工夫などです。 これらの取組はすでに実際に、行われています。
4-5 風の道ビジョン 街路樹とドライ型ミスト散布 大阪市 出典:「風の道」ビジョン(大阪市) 4-5 風の道ビジョン 大阪市 街路樹とドライ型ミスト散布 出典:「風の道」ビジョン(大阪市) 涼しい風を保つということで、左の写真は街路樹です。 樹木が大きな影をつくって涼しそうですね。 右の写真はドライ型ミスト散布といって、こまかな霧状の水が出ているのですが、水の粒子が小さいため素早く蒸発し、ぬれることはありません。 蒸発する際の気化熱を利用して空気を冷却する装置です。
公共空間、民有地にかかわらず、 公民一体となって、 風通しのよいまちの実現と、 快適性の向上をめざす 協働と連携を強化する 4-5 風の道ビジョン 大阪市 将来像を実現する戦略③ 協働と連携を強化する 公共空間、民有地にかかわらず、 公民一体となって、 風通しのよいまちの実現と、 快適性の向上をめざす 将来像を実現する3つ目の戦略は、「協働を強化する」です。 大阪市では、市域全体にわたって西から海風が吹いていることは、先ほど言いましたが、その風をいかに活用するかがポイントです。 そのためには、市だけではなく、皆さんや企業にも協力してもらうことが大事といえます。 具体的には、先ほども出ましたが、緑のカーテン・カーペットづくりや打ち水では市民や企業と協力して取組を進めています。 また、風の流れは他の自治体にも関係しますので、周辺自治体とも連携して風の道づくりを進めていきます。
4-5 風の道ビジョン 将来イメージ 大阪市 出典:「風の道」ビジョン(大阪市) この図は、風の道ビジョンの将来イメージです。 4-5 風の道ビジョン 大阪市 将来イメージ この図は、風の道ビジョンの将来イメージです。 これまでにご説明した、将来像を実現する3っつの戦略によって街をどのようにするのかをまとめています。 戦略①として、 建物は、風を遮らないよう空間を確保し、オープンスペースをつくることで、“風”通しのよいまちができます。 また、戦略②として、 屋上緑化、街路樹などの“緑”や、ミスト散布、道路散水、保水性舗装など“水”を活用して涼しい風を保ちます。 さらに、戦略③として、 緑のカーテンづくりや、打ち水など、協働・連携による対策を強化し、 みんなで、風に配慮したまちづくりをめざしましょう。 出典:「風の道」ビジョン(大阪市)
4-5 風の道ビジョン 風の道の見える化 行政・市民・企業が快適性を向上させる施策を 先行的に実施して、涼しい空間を創出 大阪市 4-5 風の道ビジョン 大阪市 風の道の見える化 行政・市民・企業が快適性を向上させる施策を 先行的に実施して、涼しい空間を創出 風の道ビジョンでは、 「風の道の見える化」を目指して、市内に、この図に示すとおり、6つのクールゾーンを設定しています。 クールゾーンでは、効果が体感できる場として、行政のほか市民や企業の率先的な取組みにより快適性を向上させる施策を先行的に実施しています。 具体的な取組として、 ・緑化の推進 ・保水性舗装、遮熱性舗装、日陰の創出、木材の利用 ・ドライ型ミスト散布、大規模ミスト散布、道路散水 ・緑のカーテン、カーペット、打ち水 を集中的に推進していきます。 この講座の説明はこれで終了です。 お疲れ様でした。 出典:「風の道」ビジョン(大阪市)