「携帯電話のコミュニケーション」 京都市立桂東小学校 上坊由美子・原田あずさ 研究実践交流会<小学校> 情報モラル指導 (道徳・心の教育)

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「携帯電話のコミュニケーション」 京都市立桂東小学校 上坊由美子・原田あずさ 研究実践交流会<小学校> 情報モラル指導 (道徳・心の教育) 研究実践交流会<小学校>    情報モラル指導                       (道徳・心の教育)    心と心をつなぐネットワーク    「携帯電話のコミュニケーション」 こんにちは 桂東小学校の原田です。発表者の上坊由美子教諭が都合で出席できませんので、私が代わりに発表させていただきます。 本日は桂東小学校の情報モラルの指導の取組、特に携帯電話のモラルの指導を中心に報告させていただきます。 京都市立桂東小学校    上坊由美子・原田あずさ

全校児童約550名 平成15年度夏,コンピュータ室児童機 20台 平成16年度末(平成17年1月)校内LAN整備 私の勤務する桂東小学校は阪急京都線桂駅から徒歩5分の場所にあります。 全校児童約550名ほどの中規模校で大変落ち着いた学校です。 平成15年度夏にコンピュータ室が更新され児童機20台 平成16年度末(平成17年1月)に校内LANが整備され, 各教室と理科室にデスクトップPC ,図書室にノートPCが設置されています。 また,職員室には,教員一人に1台と特別教室用に6台が配備されています。 平成15年度夏,コンピュータ室児童機 20台 平成16年度末(平成17年1月)校内LAN整備            各教室に1台・理科室・図書室

平成17年度の情報モラル指導の取組 ① 京都市教育委員会「情報モラル」学習指導資料集 全学年年4回指導(道徳・総合・学級活動等) ① 京都市教育委員会「情報モラル」学習指導資料集  全学年年4回指導(道徳・総合・学級活動等) ①桂東小学校では平成17年度より京都市教育委員会の作成した「情報モラル」学習指導資料集を もとに全学年年4回以上の指導を道徳・総合・学級活動の時間を活用し取り組み始めました。 情報教育部が授業に使う資料・プレゼンを作成し,次年度以降も活用できるようにしました。 ②指導を進めるにあたって,本校児童の実態を把握して進めることが効果的であると考え,9月に3年生以上の全児童に アンケート調査を実施しました。 ② コンピュータに関するアンケート実施              ( 9月: 3年生以上の児童)

3年生以上の児童対象に行ったアンケート調査結果 1)コンピュータがある家庭 83.4% 2)インターネット接続家庭 73.8% (H.17年9月実施) 1)コンピュータがある家庭         83.4% 2)インターネット接続家庭         73.8% 3)自由に使用できる家庭          63.3% 4) 家でメールをしたことがある児童    19.4% 5)自分のアドレスを持つ児童        6.9% 6)家でチャットをしたことがある児童   7.8% 7)携帯電話でメールをしたことがある児童  45.9%                アンケート調査の結果は次のようになりました。 3)の回答から、教師の予想以上に子どもたちは家で自由にインターネットを活用したりしていること,7)の回答から、携帯電話を使っていることが分かりました。 このアンケート調査を生かし、次年度の取り組みの重点を、家庭との連携、携帯電話のモラルの授業にすることとなりました。

平成17年度の情報モラル指導の成果と課題 〈成果〉 ・全校児童の交流の深まり ・児童同士の問題点の指摘 ・日常生活の人権意識の高まり  ・全校児童の交流の深まり  ・児童同士の問題点の指摘  ・日常生活の人権意識の高まり  ・児童の安心感の広がり  ・系統的な学習の定着  ・教員の意識の高まり 平成17年度の情報モラルの取組を振り返り,次のような成果と課題がありました。 成果として、 ・校内電子掲示板が活用されるようになり,全校児童の交流が深まった。 ・児童がネットワーク活用上の問題に気がつくとお互いに注意をしあったり,教師に連絡し解決しようとする態度が育った。 ・情報モラルの指導は日常のモラルの延長線上にあり,日常生活のモラルにも生かされ人権意識が高まった。 ・児童はトラブルに巻き込まれた時の解決の方法やこんなトラブルがあると知ることで安心感をもつことができた。 ・全校的に取り組むことで指導するクラス・しないクラス,指導する学年・しない学年というばらつきがなくなり,系統的に学習の積み重ねが行えるようになった。 ・実際に指導をすることで教員側の情報モラルについての意識・指導の必要性についての意識が高まった。 課題として,先ほどのアンケート調査を生かし ・本校の実態に合わせたカリキュラムの改訂が必要だと考えました。特に携帯電話のモラル指導を導入したいと考えました。 ・また情報モラルの授業は家庭との連携が不可欠であることから、家庭との連携をどのように図るかを考えていかなければならないと思いました。 〈課題〉  ・本校の実態に合ったカリキュラム作成      (携帯電話のモラル指導の必要性)  ・家庭(保護者)との連携 

平成18年度の情報モラル指導の取組 <アンケートをもとにした今年度の重点目標> ・休日参観に授業を実施し,保護者啓発をする。  <アンケートをもとにした今年度の重点目標> そこで,本年度の情報教育部の年間計画の作成にあたっては, ・休日参観に携帯電話のモラルの授業を実施し,保護者の方にも一緒に考えてもらう。 ・アンケート調査を実施し,保護者が情報モラルについて,どのような考えを持っておられるか把握し,今後の指導に生かす。 の以上2点を18年度の重点目標としました。 ・休日参観に授業を実施し,保護者啓発をする。 ・アンケート実施し,保護者の意識調査を行う。

桂東小学校の第5学年の取組 総合的な学習の時間の取組を生かして 5年生の総合的な学習の時間では、「心と心をつなぐネットワーク」をテーマに、日々のモラル学習の実践の場として「ハートネット桂東5」を位置づけました。 具体的には、3つの会社、インターネット会社、放送会社、新聞会社を設立し、児童はどこかの会社に就職して、受け手を意識した情報を発信する活動を行っています。 発信者になって、「なぜ発信するのか」「発信するために大切なことは何か」ということを考えるなど、常に情報モラルと向き合ってきました。

学年だより モラルの指導は、家庭との連係が重要であることから、学年便りでも取り上げるようにしています。 アンケートの結果をふまえ、児童にとって身近なコミュニケーションツールである携帯電話の授業を、家庭への啓発もかねて、休日参観で実施することにしました。

9月9日休日参観日に実施 <心と心をつなぐネットワーク> 道徳の時間 「携帯電話のコミュニケーション」 全2時間  <心と心をつなぐネットワーク>  道徳の時間       「携帯電話のコミュニケーション」  全2時間          視点2 他の人とのかかわりに関する(1)・(2) <第1時>  日常生活における時と場に応じた心づかいは心と心をつなぐネットワークを広げることを理解し,自分の言葉づかいや態度を見直そうとする心情を育てる。(心のノート:文部科学省) <第2時>   携帯電話は時と場に応じた使い方をすることで心と心をつなぐネットワークを広げるが,安全に使うために必要なことや守るべきことを理解し,これからの自分の生活に生かしていこうとする心情を育てる。 情報モラルの指導は、日常社会のモラルがベースとなります。よりよい人間関係をつくる道具として、携帯電話のよさを実感させ、心の面から考えさせることを重視しました。 そこで、携帯電話の問題を、「心と心をつなぐ」という視点にしぼって、授業を展開するように工夫しました。

第1時の流れ 1 心と心をつなぐネットワークとは,どういうことか考えよう。 2 心と心のつながり合う経験を出し合おう。 1 心と心をつなぐネットワークとは,どういうことか考えよう。 2 心と心のつながり合う経験を出し合おう。 3 心と心がつながり合うために大切なことは何か話し合おう。 4 今の自分の生活をふり返ろう。 まず第1時では、人とよりよい関係を作っていった経験を出し合い、日常的な経験から「心と心をつなぐ」ことを考えていきました。

第1時の板書 桂東小学校の第5学年の取組 これは授業の板書です。 まず、自分とつながっていると思う人を考え、その後で、その人たちと、「心がつながった」経験を出し合いました。 そして、人と人との心と心をつなぐためには、言葉づかいやあいさつ、お礼、敬語といった時と場に合わせたエチケットが大切であるということが、児童の中から出されました。

第2時の板書 1 心と心をつなぐためのエチケットについて前時を想起しよう。 2 心と心をつなぐ道具として携帯電話のよさについて話し合おう。 1 心と心をつなぐためのエチケットについて前時を想起しよう。 2 心と心をつなぐ道具として携帯電話のよさについて話し合おう。     よさを体験 → 元担任の先生と携帯電話で話す。 3 携帯電話の問題点について話し合おう。     グループによる話し合い      全体交流 4 携帯電話のマナーについてまとめよう。     標語   「携帯電話のあいうえお」 5 本時の学習を生かしていろいろな問題事例について考えよう。     校内電子掲示板を活用 第2時の授業の流れです。 3では、携帯電話の問題といっても多様なので、「心と心をつなぐ」というテーマにそって話し合いを進められるよう。話し合いを始める前に確認しました。 では、実際の授業の様子をビデオでご覧ください。

「携帯電話のあいうえお」 『あ』 あっという間の使いすぎに注意 『い』 いやなメールは書かない,受け取らない 『あ』 あっという間の使いすぎに注意 『い』 いやなメールは書かない,受け取らない 『う』  うつす時,肖像権に気をつけて 『え』 えらぼうね。使ってよい時・よいところ 『お』 おかしいな?と思ったらすぐ相談 今回は保護者啓発を兼ねることもあり,いろいろな内容を幅広く扱いました。 児童にはこれからもこの『携帯電話のあいうえお』を掲示し、継続的にふり返る機会を持ちたいと考えています。

ケース8 けい帯のウェブページを見ていたら、占いのページがあったのでそれを見たり、着メロのページがあったので、お気に入りの着メロをダウンロードしたら、あとで3万円の請求がきた。 校内電子掲示板 今回は校内電子掲示板を活用することで,授業時間に書ききれなかった意見交流を継続できるように、また,他のクラスや他の学年との交流も図れるように考えて実践しました。 具体的な事例を通して考えを深めると同時に、たがいの意見を交流する場となったようです。

本時の児童・保護者の感想 桂東小学校の第5学年の取組 児童 ・前の先生の声が聞けてびっくりした。うれしかった。  ・前の先生の声が聞けてびっくりした。うれしかった。  ・携帯電話にはいろいろ問題があるんだなあと思った。  ・便利だけど気をつけて使わないといけない。 保護者  ・学習内容の変化に時代の流れを感じる。  ・とても分かりやすかった。  ・これからも継続的に学習を続けて欲しい。  情報モラルの授業後聞いた児童、保護者の感想です。

保護者アンケート 家庭で約束をきちんとすれば安全性の面で有効である。 メール中心ではコミュニケーションに誤解が生じやすい。 友人関係を親が把握しきれないので不安である。 学校でのモラル指導は有効で,親も勉強になる。 脳に与える影響が心配である。 姉がトラブルに巻き込まれ大変な思いをしたので解約した。 相手を見て話す当たり前のことができなくなる。 自分の家は約束を決めていても,相手に通用しない。 今回の授業の大きな目的である、保護者への啓発については、事後のアンケートの結果から、情報モラルの問題を身近に感じてもらうことができたことがわかりました。 また、これからの課題が見えてきました。

桂東小学校の第5学年の取組 今回の取組の成果と課題 児童に携帯電話のよさと問題点を考えるきっかけをつくることができた。  休日参観での授業を通して,家庭と一緒に情報モラルについて考えることができた。 アンケートにより保護者の意識を把握することができた。 課題 目的を「心と心のネットワーク」にしぼり,カリキュラムを再考する。 今回の取組の成果と課題は以下のとおりでした。 今回の取組を生かし,学校として情報モラルの授業を保護者と共に考えていく取組をこれからも進めていきたいと 考えています。