平成21・22年度 鹿児島市教育委員会研究協力校 道徳教育研究公開 研究発表 平成22年11月24日 鹿児島市立西陵小学校.

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平成21・22年度 鹿児島市教育委員会研究協力校 道徳教育研究公開 研究発表 平成22年11月24日 鹿児島市立西陵小学校

「礼の心」が響き合う総合単元的な道徳学習の創造 研究テーマを設定するにあたって 本校の教育目標    「確かな学力を土台にすえ,      知・徳・体の調和のとれた力   を備えた西陵の子を育てる」 社会的要請 今日の教育的課題 これまでの 研究や道徳 教育の課題 研究テーマ 心を磨き,育てる道徳教育の在り方 「礼の心」が響き合う総合単元的な道徳学習の創造 研究紀要1ページ参照 

「道徳の時間」 「体験活動」 「心を磨き, 育てる」とは, テーマのとらえ方 心を磨く 心を育てる 響き合い 道徳的価値の自覚 研究紀要1ページ参照  テーマのとらえ方 「心を磨き,  育てる」とは, 心を磨く 心を育てる 「道徳の時間」 調和的に補充・深化・統合 「体験活動」 学校での全教育活動 家庭・地域での体験 響き合い 道徳的価値の自覚 道徳的価値に触れ, 感じ,考えて実践 させる      自己の生き方に ついて考える 道徳性の高まり 道徳的実践力の指導 道徳的実践の指導

よりよく生きようと,主体的に行動できる子どもの育成 研究紀要2ページ参照  テーマのとらえ方  人間関係づくりで基本となる 「あいさつ」を中心に・・・ 礼の心                    など 思いやり ・親切 礼 儀 友情・信頼 助け合い 尊敬・感謝 生命尊重 学校重点目標    「相手のことを大切に考える心」であり, よりよく生きようと,主体的に行動できる子どもの育成

学年の発達段階に合わせて,系統性を持たせて「礼の心」へ 研究紀要2ページ参照  テーマのとらえ方 「礼の心」への迫り方は・・・ 礼の心 低学年の 重点項目で 礼儀・思いやり 生命尊重など 自分自身と 中学年の 重点項目で 友情・信頼 助け合いなど 自分と相手と 高学年の 重点項目で 責任の自覚 勤労,公共心など 自分と社会と 学年の発達段階に合わせて,系統性を持たせて「礼の心」へ

研究紀要2ページ参照  研究仮説について 仮説1  価値の自覚をより深めるための道徳の時間の指導を工夫するならば,子どもの道徳的実践力を高め,自ら実践できる子どもの育成が図れるのではないか。 (視点1) 体験活動を生かした道徳の時間の工夫 (視点2)子どもの意識の持続を大切にした総合単元的な道徳学習 仮説2  学校と家庭・地域社会との連携を深めるならば,子どもの道徳的実践力が高まり,進んで実践する子どもの育成が図れるのではないか。 (視点3)家庭・地域社会とより一層,連携を深めるための取組

仮説1と仮説2は,それぞれに取り組んでいくものではなく, 「礼の心」の育成を中心に据え,互いに関連させながら取り組む。 研究紀要3ページ参照  テーマのとらえ方 「礼の心が響き合う道徳教育」    とは, 「学校生活での体験活動」仮説1(視点2) 各教科,特別活動,総合的な学習の時間 での活動やボランティア活動 等 (道徳的な視点から,教師が意図的に仕組んだ場) その他の活動 (休み時間や掃除, 給食時間等の場) 家庭生活 での体験  仮説2 地域社会 での体験  仮説2 道徳の時間 仮説1(視点1) 仮説1と仮説2は,それぞれに取り組んでいくものではなく, 「礼の心」の育成を中心に据え,互いに関連させながら取り組む。

「礼の心」が響き合う総合単元的な道徳学習の創造 そこで,このように研究を進めました。 心を磨き,育てる道徳教育の在り方 「礼の心」が響き合う総合単元的な道徳学習の創造 ○ 学校・学級の  道徳コーナー作り ○ 総合単元的な道徳  学習の環境設営 ○ 道徳的環境設営  ・校門での一礼  ・あいさつライン  ・あいさつ運動  ・あいさつチェック   授業研究班 ○ 理論研究 ○ 総合単元的な道徳      学習の創造 ○ 道徳の時間づくり  ・導入の工夫  ・動作化,役割演技の    工夫  ・発問,板書の工夫  ・終末の工夫 ○ 学校だよりや学級 だより「心の窓」 ○ 「心ののびゆく姿」 ○ 道徳一斉授業参観 と学級PTA ○ 保護者・地域の方  々との懇談会 ○ 各種アンケート  調査 家庭・地域 ネットワーク班 校内 ネットワーク班 仮説1(視点1) 仮説2(視点3) 仮説1(視点2) 研究紀要4ページ参照 

「価値のすばらしさを実感する」授業とは?  「道徳の時間」は,道徳的価値の自覚と自己の生き方についての考えを深め,道徳的実践力を育成する。 道徳的価値への気付きを深める (いいな,すばらしいな) もっといい 自分への あこがれ 自己の生き方 の考えを深める 体験活動 を生かして 価値の よさ,すごさ 力強さ,美しさ など 自分を見つめ,自分を発見する (今までの自分はこうだった) 自分へのあこがれを高める (こうしたいな,やってみたいな) 〈目指す道徳の時間〉 研究紀要4ページ参照 

「道徳の授業」について ポイント①②-価値のすばらしさを明確に(授業前) ① 指導内容を重点化し,主題を設定する。 研究紀要6~8ページ参照  ポイント①②-価値のすばらしさを明確に(授業前) 指導案 3ページ 参照 ① 指導内容を重点化し,主題を設定する。 ② 実感させたい価値のすばらしさを具体化する。 ポイント③④⑤-価値のすばらしさを実感させる(授業) ③ 主題につながる意識を高める。(導入) ④ 追求場面を焦点化して道徳的価値のすばらしさに気付  かせる。(展開) ⑤ 価値のすばらしさからあこがれや心構えを自覚させる。    (終末)

価値のすばらしさを実感させ,あこがれや心構えを高めるために,どのような授業を・・・ 研究紀要6ページ参照   価値のすばらしさを実感させ,あこがれや心構えを高めるために,どのような授業を・・・ ③ 主題につながる意識を高める。(導入段階の工夫) ( 学 習 の め あ て ) 内容の特性に応じて,その価値を じっくり考えようとするようなもの 「本当の友情とは・・・」 「親切にするにはどんな気持ちが大切なのだろう」 今日は,こんな学習をするんだ。 体験活動を生かして (具体的な手だて) ○ できた経験とできなかった経験の矛盾から ○ できた経験の感動から ○ 自分の経験とは別に,他の事象を客観的に見て  ○ 資料の内容に関連することにふれて など

動作化 小グループ活動 役割演技 書く活動 どのように授業を改善していくの? ④ 追求場面を焦点化して,道徳的価値のすばらしさに気付 研究紀要7ページ参照   どのように授業を改善していくの?  ④ 追求場面を焦点化して,道徳的価値のすばらしさに気付  かせる。(展開) (中心場面の設定)      ねらいとする価値のすばらしさを感じることができる場面を取り上げる。   「いいな」「すごいな」       「すばらしいな」  「こういうことだったんだ」  表現活動を生かして  多様な学習活動を工夫し,すばらしさが,より実感できるようにする。                        など 動作化 小グループ活動 役割演技 書く活動

⑤ 価値のすばらしさからあこがれや心構えを自覚させる。 (終末段階) 研究紀要8ページ参照   どのように授業を改善していくの? ⑤ 価値のすばらしさからあこがれや心構えを自覚させる。   (終末段階) 体験活動を生かして ○学習した感想を話し合う  ・ 感動したこと  ・ 自分を見つめたこと  ・ これからの生き方を      考えたこと など もっといい 自分への あこがれ 自己の生き 方の考えを 深める 高まった価値観 から今までの自分 を見つめ,自分の 生き方を 考える ○ 教師やゲストティー   チャーの体験談を聞く  ○ 子どもの日記や作文な   どを聞く ○ 名言や詩などを聞く

子どもの意識 を持続させる 教師自ら 意識を高める 総合単元的な道徳学習 家庭・地域とも連携して なぜ,総合単元的な道徳学習を 研究紀要8ページ参照  道徳の時間が単発的なものになりやすく, なかなか実践化につながっていかない。 課題 子どもの意識 を持続させる 道徳の時間で培った道徳実践力 を生かし,実践できる子どもを 教師自ら 意識を高める その手立てとして 総合単元的な道徳学習 家庭・地域とも連携して 学期一回ずつ, 学年ごとに系統立てて計画・実践

各学年の総合単元的な 道徳学習の計画について 研究紀要10ページ参照  ① 学校重点目標,学年ごとの系統性,子どもの実態によりテーマ    を設定 ② 関連する教科や体験活動を洗い出し,基本的な実践計画の作成  ※ 計画された内容だけの範囲にこだわらず,広い視野で実践し     ながら,計画の修正,新たな活動の挿入等に取り組んでいく。 ③ 子どもの意識を持続させるための手立て  ・ テーマに関する価値のキーワード化   ・ 単元全体のワークシートの効果的な活用  ・ 学級や学年の道徳コーナーの充実 等 ④ 家庭・地域との連携の工夫  ・ 学級通信等での広報活動  ・ 道徳の参観授業を実施     ・ アンケート調査や学級PTAでの協議  ・ 道徳ノートやワークシートへ保護者からのコメント記入 等

各学年のテーマと 計画表について 研究紀要9,10ページ参照  2年生2学期分の「総合単元的な道徳学習」

総合単元的な道徳学習ワークシート 子どもの意識を持続させるための手立て 学校重点目標,学年ごとの系統性,子どもの実態によりテーマを設定 総合単元的な道徳学習ワークシート  単元全体のワークシート(22年度 第4学年) 学校重点目標,学年ごとの系統性,子どもの実態によりテーマを設定 直接関連する「道徳の時間」や体験活動等のめあてや感想を記入 ※ テーマに関するめあてや感想 その他の体験活動でテーマに関連する感想等を記入 研究紀要11ページ参照 

総合単元的な道徳学習の流れに沿った構成で子どもたちの意識の持続を図っている。 子どもの意識を持続させるための手立て 学年・学級の道徳コーナーの充実 研究紀要12・13ページ参照   総合単元的な道徳学習の流れに沿った構成で子どもたちの意識の持続を図っている。

・校門での一礼・教室入り口あいさつライン 「あいさつ」指導を中心に・・・ 道徳的実践の場としての全教育活動の展開 全教室の入り口の床に貼り付けて ・校門での一礼・教室入り口あいさつライン  全職員が共通理解を深め,一貫した指導の展開することが大切!  研究紀要14ページ参照 

家庭・地域とのきずなづくりについて 連携を深める手立てとして・・・ 研究紀要16ページ参照 全学級による道徳の参観授業 ・日曜参観 研究紀要16ページ参照  連携を深める手立てとして・・・ 全学級による道徳の参観授業 ・日曜参観 ・「地域が育む『かごしまの教育』県民週間」 道徳教育の広報活動 実践状況の評価 ・学校だより,学年通信 ・学級通信「心の窓」等 ・「こころののびゆくすがた」の取組 ・各種アンケート,学校評価 等 保護者や地域住民との意見交換 ・学級PTAや学年PTAでの協議 ・「地域が育む『かごしまの教育』県民週間」での意見交換会

家庭・地域とのきずなづくりについて 「地域が育む『かごしまの教育』県民週間」で・・・ 全学級道徳授業参観の様子 研究紀要16ページ参照 

家庭・地域とのきずなづくりについて 「地域が育む『かごしまの教育』県民週間」で・・・ 地域の方々や保護者との意見交換会 研究紀要20~ページ参照 

1学期と2学期の2回評価をし,学級や学年の集計を学級PTAで出し,保護者と共に課題について考え,意見交換を行うようにした。 家庭・地域とのきずなづくりについて  本校の大きな課題でもあるあいさつについて重点的に取り組んでいく上で,意識化を図った。 「こころののびゆくすがた」 の取組について・・・ 研究紀要20~ページ参照  (評価の欄は保護者が記入)  1学期と2学期の2回評価をし,学級や学年の集計を学級PTAで出し,保護者と共に課題について考え,意見交換を行うようにした。 (あなたへの手紙)  これからの道徳的実践に関しての子どもへの励ましや意欲付けを図るために設けたものである。

研究紀要22ページ参照  家庭・地域とのきずなづくりについて その他の取組・・・地域行事への参加の働きかけ 校区運動会 あいご会行事の準備・運営 校区文化祭 6年生の発表

仮説1(視点1)について 体験活動を生かした道徳の時間の工夫 成果と課題~その1~ 研究紀要54ページ参照  仮説1(視点1)について  体験活動を生かした道徳の時間の工夫 子どものアンケートより ○ おおむね道徳の授業が楽しみ 下学年「役割演技が楽しい」 上学年「資料を読むのが楽しみ」  役割演技等表現活動の工夫や 資料の精選,開発が今後の課題  ● 楽しみでない・・・  「何を道徳ノートに書いてよい    かわからない。」  「主人公の気持ちをうまく発表      できない。」  子どもの考えを引き出す発問や具体的な指示の仕方  全教育活動を通しての発表力・表現力の育成が今後の課題  道徳の授業を楽しみ にしていますか。 とても楽しみ 33% ふつう 48% 楽しみでない 19%

仮説1(視点1)について 体験活動を生かした道徳の時間の工夫 成果と課題~その2~ 研究紀要54ページ参照  仮説1(視点1)について  体験活動を生かした道徳の時間の工夫 子どものアンケートより  道徳の授業では,新たに学んだ ことや気付いたこと,これからし ようと思うことがありますか。 ○ 体験活動を生かした授業  の在り方(動作化,役割演  技,板書の工夫,体験活動  の想起等)に一定の効果が  表れると考えられる。 ● 中心場面の指導の工夫や  高められた価値観で自己を  見つめさせる自覚化の指導  の在り方(道徳の授業で最  も根幹となる部分)が,十  分ではないと思われる。 あまりない 2% いつもある 47% 時々 51%

仮説1(視点1)について 体験活動を生かした道徳の時間の工夫 成果と課題~その3~ 研究紀要54ページ参照  仮説1(視点1)について  体験活動を生かした道徳の時間の工夫 ○ 動作化・役割演技等を取り入れることで,子どもたち   が本音で語り合う姿が見られ,主人公の心情をより深く   共感させることができた。 ○ 主人公の心情を視覚的に表現させたり,板書の構造を  工夫したりすることで,より子どもたちの共感を深め,  ねらいとする価値に迫らせることができた。 ● 限られた時間内で,ねらいとする価値をいかに自覚さ  せることができるか,発問の精選・的確な揺さぶり,切  り返し等の研究実践をする必要がある。 ● ねらいとする価値に対して,より深く自分の生き方を  見つめ,これからの自分につなげていけるような体験活  動の生かし方の研究実践を深めていく必要がある。

仮説1(視点2)子どもの意識の持続を大切にした総合単元的な道徳学習 成果と課題~その4~ 研究紀要55ページ参照  仮説1(視点2)子どもの意識の持続を大切にした総合単元的な道徳学習 ○ 学校経営方針を基に,学校全体で取り組むべき内容と    各学年の発達段階に応じた内容を重点的に設定し,意図  的・計画的・組織的な道徳実践を行うことができた。 ○ 子どもも保護者も教師も重点テーマを意識するように  なり,実践,評価・反省,改善というサイクルで,目標  達成に向けた粘り強い取組がなされた。 ● 子どもの自主性が表れるような道徳コーナーの在り方  や環境整備について,総合単元的な道徳学習と関連させ  ながら,さらに充実させていく必要がある。 ● 「道徳の時間」と「体験活動」との意識のつながりを  自然にもたせていくように,子ども一人一人をていねい   に見取ることが課題である。

仮説2(視点3)家庭・地域社会とより一層,連携を深めるための取組 成果と課題~その5~ 研究紀要55ページ参照  仮説2(視点3)家庭・地域社会とより一層,連携を深めるための取組 ○ 学級通信や「こころののびゆくすがた」の取組で,保  護者の道徳教育に対する理解が深まり,学校と家庭が一  緒に子どもたちを育てていこうという意欲が高まった。 ○ 学校開放日での地域の方々との懇談会や地域の行事へ  の積極的な参加を促すことで,学校・家庭・地域社会と  の三者連携がより深まった。 ● 各家庭での道徳教育に対する意識を高めていくための  広報活動(学級通信「心の窓」等)や学級PTAでの協  議内容を,さらに充実させていく必要がある。 ● 学校・家庭・地域社会(三者連携)の中心となる学校  として,よりよく連携が深まるような話合いや体験活動  の場の提供を,今後も積極的に進めていく必要がある。

ご静聴, ありがとうございました。 総合単元名・主題名・資料名 思いやりの花をさかせよう 相手の本当の気持ちは 「公園のおにごっこ」(学研) 公開授業(13:55~14:40) 学 年 総合単元名・主題名・資料名 授業会場 分科会会場 第2学年 思いやりの花をさかせよう 相手の本当の気持ちは 「公園のおにごっこ」(学研) 2年3組 2年2組 第4学年 正直で明るく友達と仲良くすごそう 正直に生きる 「百点を十回とれば」(学研) 4年2組 4年1組 第6学年 本当の友情とは 強い心をもって 「みんなの人権」(学研) 6年2組 6年1組 ご静聴, ありがとうございました。