地域へ大学の風を呼び込む -地域に大学のない自治体の取り組み- 滋賀県市町村職員研修センター係長級研修 2010.7.2 第2部 調査研究の取り組み事例 3 地域へ大学の風を呼び込む -地域に大学のない自治体の取り組み-
本研究のポイント ① 現在戸田市で実施している大学連携事業を整理し、目的・課題等 を明らかにする。 ① 現在戸田市で実施している大学連携事業を整理し、目的・課題等 を明らかにする。 ② 大学や市民の大学連携に関する意識調査から、実際に大学と連携 をする際の方向性や、市民が大学連携に何を求めるかを検証する。 ③ 今後の戸田市の大学連携事業の道筋を検討し、地域内に大学のな い自治体にとっての成功の方程式を導き出す。 2010/7/2 戸田市政策研究所
目 次 1 研究の背景 2 研究の目的 3 大学連携に関するアンケート結果 4 戸田市における大学連携の可能性 5 今後の展望 目 次 1 研究の背景 2 研究の目的 3 大学連携に関するアンケート結果 4 戸田市における大学連携の可能性 5 今後の展望 2010/7/2 戸田市政策研究所
1 研究の背景 ①地方自治体を取り巻く環境 ②行政と大学の連携について(潮流) ③戸田市政策研究所の運営について 1 研究の背景 ①地方自治体を取り巻く環境 地方分権改革の進展 特に今年は「地域主権革命元年」と位置付け られている。独自の責任と判断で市政運営を行うことが求められて いる。 住民ニーズの多様化 転出入の多い戸田市では、様々な住民ニーズ がある。 ②行政と大学の連携について(潮流) 約60年経過した教育基本法の改正により、教育振興計画が策定さ れ、国公私立大学等との連携を通じた地域振興のための取り組みを 支援することが掲げられている。埼玉県では、約4割の自治体が大 学と協定等を締結し連携を図っている。 ③戸田市政策研究所の運営について 2010/7/2 戸田市政策研究所
1 研究の背景 政策研究所の調査研究事業 ~戸田市政策研究所の運営について~ ○必要最小限の人員と予算で運営することを基本として 1 研究の背景 ~戸田市政策研究所の運営について~ 政策研究所の調査研究事業 ○必要最小限の人員と予算で運営することを基本として いるため、研究員は職員が務めるそのため、研究知識 ・技術が不十分 ※他の自治体シンクタンクは大学教授等が所長や研究員 を務める 今後は、大学との連携により調査研究活動の基礎的な 技術の補完が必要 2010/7/2 戸田市政策研究所
2 研究の目的 ①戸田市と大学の連携の可能性 ②戸田市民大学の充実 ③戸田市への大学誘致 2 研究の目的 ①戸田市と大学の連携の可能性 戸田市と大学による協定締結によるまちづくり全般の協働が想定さ れる。そこで、大学との連携の成功方程式を明らかにする。 ②戸田市民大学の充実 生涯を通じて学べる環境づくりという視点から、大学との連携によ り、専門的な内容であり、系統的・継続的・実践的な市民大学講座 を検討するとともに、戸田市民大学に対する大学と市民の需要を明 らかにする。 ③戸田市への大学誘致 現実的には大学本体の誘致は難しいため、サテライトキャンパスの 誘致というアプローチから検討し、大学の拠点づくりについて明ら かにする。 2010/7/2 戸田市政策研究所
2 研究の目的~行政と大学の連携について~ ①<大学の機能> ・研究機能 ・教育機能 ・施設機能 ・社会貢献機能 等 ②<戸田市の機能> 2 研究の目的~行政と大学の連携について~ 行政と大学が連携する場合、両者がともに発展で きるWin&Winの関係でなければならない。また、 行政としては大学の機能のどこを生かした連携 をするべきか、検討する必要がある。 ①<大学の機能> ・研究機能 ・教育機能 ・施設機能 ・社会貢献機能 等 ②<戸田市の機能> ・実践の場の提供 ・社会実験の実施 等 2010/7/2 戸田市政策研究所
3 大学連携に関するアンケート結果 ①首都圏大学への本市との連携意向調査 ②市民への大学連携講座の意向調査 調査方法:電子メール 3 大学連携に関するアンケート結果 ①首都圏大学への本市との連携意向調査 大学の行政との連携への関心を把握し、今後の方向性を検討するために、大学に対 し調査を実施した。その際、調査対象は今後の連携の可能性を考え、戸田市のある 埼玉県及び近隣の東京都・神奈川県内の大学129校とした。 ②市民への大学連携講座の意向調査 連携の方向性の一つとして、市内での大学連携講座開設が検討されていたことから、 市民の大学連携講座に関する関心を把握するため、調査を実施した。調査対象は、 2009年6、7月に戸田市が主催する市民向け講座22講座の受講者とした。 調査方法:電子メール 調査対象:埼玉県・東京都・神奈川県内大学校129校 調査時期:2009年6月~8月 有効回答:50校(38.75%) 調査方法:集合調査 調査対象:市主催の市民向け講座等の受講者 調査時期:2009年6月~7月 有効回答:461人(男性125人、女性335人、不詳1人) 2010/7/2 戸田市政策研究所
3 大学連携に関するアンケート結果 ~首都圏大学への本市との連携意向調査~ ☆貴学において本市との連携で検討していただけるものはありますか。 3 大学連携に関するアンケート結果 ~首都圏大学への本市との連携意向調査~ ☆貴学において本市との連携で検討していただけるものはありますか。 ※( )内の%は興味があると回答いただいた(①~⑥)ものの割合である。 「包括協定に基づく連携」を検討すると回答したのは約9%に対し、「まちづくりに関する共同研究やフィールドワークとして活用」を検討すると回答したのは約27%と大きく差がある。 MA=60 2010/7/2 戸田市政策研究所
3 大学連携に関するアンケート結果 ~市民への大学連携講座の意向調査~ ☆大学と連携してより専門的な講座を開設した場合、受講しますか。 3 大学連携に関するアンケート結果 ~市民への大学連携講座の意向調査~ ☆大学と連携してより専門的な講座を開設した場合、受講しますか。 回答者の約60%が専門的な講座の受講を希望している。 N=461 2010/7/2 戸田市政策研究所
3 大学連携に関するアンケート結果 ~市民への大学連携講座の意向調査~ ☆大学の単位が取得できる講座を開設した場合、受講しますか。 3 大学連携に関するアンケート結果 ~市民への大学連携講座の意向調査~ ☆大学の単位が取得できる講座を開設した場合、受講しますか。 回答者の約28%が大学の単位取得講座の受講を希望している。 約70%の人が市が一部負担・全額負担と回答している。 ※【設問4】から N=461 2010/7/2 戸田市政策研究所
4 戸田市における大学連携の可能性 2010/7/2 戸田市政策研究所
4 戸田市における大学連携の可能性 包括協定等による連携を図っている自治体の約9割は地域内に大学がある。 4 戸田市における大学連携の可能性 ~STEP1「大学との関係づくり」~ ○戸田市には大学がないため、何よりまずは大学との関係 づくりが必要である。 インターンシップの受け入れ 市民大学における連携講座 寄附講座の開設 包括協定等による連携を図っている自治体の約9割は地域内に大学がある。 ※埼玉県大学連携実態調査より 関係づくり 2010/7/2 戸田市政策研究所
連携大学を増やし、各大学の特色を生かした講座を開設 連携大学の修了書発行や履修証明プログラムの活用、科目聴講生制度を活用した派遣制度の創設 4 戸田市における大学連携の可能性 ~STEP1「大学との関係づくり」~ ○戸田市民大学の充実 (現在) 目白大学との連携による講座開講 (将来) メニューを充実し、継続的な受講を維持できる環境を整備 する メニューの充実 連携大学を増やし、各大学の特色を生かした講座を開設 継続的な受講 学習の成果として、 連携大学の修了書発行や履修証明プログラムの活用、科目聴講生制度を活用した派遣制度の創設 2010/7/2 戸田市政策研究所
4 戸田市における大学連携の可能性 包括協定を締結している大学は約60% 共同研究を実施している大学は約20% 合計すると約80% 4 戸田市における大学連携の可能性 ~STEP2「大学との協定締結」~ ○包括協定締結によるまちづくりに関する共同研究 (現在) まちづくりに関する課題についての調査研究 ⇒戸田市政策研究所が実施 (将来) 学術的な支援として、包括協定締結により知の資源である 大学と協働により実施 包括協定を締結している大学は約60% ※包括協定の多くはまちづくりに関する共同研究が連携内容として盛り込まれている。 共同研究を実施している大学は約20% 合計すると約80% ※研究所実施のアンケート結果から 2010/7/2 戸田市政策研究所
大学連携の実践事例 戸田市寄附講座 市職員が講師となり、研究成果や市の特徴的な 取り組みを紹介する講座 20年度 法政大学(全1回) 市職員が講師となり、研究成果や市の特徴的な 取り組みを紹介する講座 20年度 法政大学(全1回) 21年度 目白大学(全15回) 22年度 敬愛大学(全1回) 目白大学(全15回予定) 法政大学大学院政策創造研究科 (全8回予定) ※特別講座による確認書とりかわし 2010/7/2 戸田市政策研究所
4 戸田市における大学連携の可能性 ~STEP3「大学の拠点づくり」~ 4 戸田市における大学連携の可能性 ~STEP3「大学の拠点づくり」~ (現在) 大学連携を図っている自治体の多くは、自治体内に大学が あるケースである。 (将来) サテライトキャンパス(学習拠点としてではなく、自治体 との連携活動の拠点)の誘致により、大学連携の強化を図 る。 戸田市は、都心に隣接し駅前周辺に市所有地が存在する。来年度戸田公園駅前には、行政センターを開設予定。埼玉県一平均年齢が低い市であり、大学にとっても新たな市場拡大拠点としては有利である。 2010/7/2 戸田市政策研究所
ともにWin(住民福祉の増進)&Win(大学間競争の勝者)の連携 5 今後の展望~大学連携の成功のためには~ 人口減少化社会 行政においては 大学においては 自治体間競争の激化 大学間競争の激化 大学との連携のための専門的な組織の設置が第一歩 行政との連携のための専門的な組織の設置が第一歩 ともにWin(住民福祉の増進)&Win(大学間競争の勝者)の連携 2010/7/2 戸田市政策研究所
ご清聴ありがとうございました 2010/7/2 戸田市政策研究所