日本教育工学会 第22回大会報告 大学院での遠隔教育と 障害学生支援

Slides:



Advertisements
Similar presentations
パーソナライズドウェブページに よる 学生レポートシステムの開発 小濱隆司 斎藤博人 中村尚五 東京電機大学 情報環境学部 2004年電子情報通信学会総合大会.
Advertisements

メディアリテラシー教 育 に関する調査研究 ○ 小野 幸子 ・ 鈴木克明 岩手県立大学大学院 ソフトウェア情報学研究科 ソフトウェア情報学部.
スマートフォン ~新学内システムで広げる 輪 IN 大学 ~ 明治大学経営学部経営学科 中西ゼミナール D班 佐孝 雅也 鶴岡 雄太 布施 駿 吉野 はる香 パクランウン.
新設科目:応用数学 イントロダクション 情報工学科 2 年前期 専門科目 担当:准教授 青木義満.
設置者・管理者の責務② ~職員の育成指導等~ 平成 26 年度 青森県障害者虐待防止・権利擁護研修 公益社団法人 日本社会福祉士会 平成 26 年度障害者虐待防止・権利擁護指導者養成研修から.
南山大学法科大学院 FD研修会1 インターネットとコンピュータの法学教育利用
卒業見込み判定資料作成のための工数大幅削減施策
初めてのパソコン目次へ パソコンでできること
第2章 ネットサービスとその仕組み(前編) [近代科学社刊]
情報技術基礎クラス8 第1回( ) 講師:斉藤匡人.
動物実験計画書の 添付による審査 秋田大学 バイオサイエンス教育・研究センター 動物実験部門 松田幸久.
メディアル教育内容を含む 初級物理学の最適化IT教材開発
情報処理 第12回の教材 プレゼンテーションソフト PowerPoint 高知大学 共通教育 理学部 対象 担当教員 : 塩田
財団法人倶進会助成研究 高等教育における 障害学生支援の研究
相互評価システムの開発と大学情報科目における利用 柴田好章(名古屋大学大学院) 小川亮(富山大学教育学部)
フィールドスタディ後の 教育と報告書作成 東洋大学 国際地域学部 子島進 秋谷公博.
2004年11月22日 第2分科会 国際競争力のある人材育成.
進化する香川大学 -地域の知の総合拠点- 2009年6月29日 一井 眞比古 KAGAWA UNIVERSITY.
e-learningを利用した看護大学大学院・継続教育システムの 構築と評価
― 高大連携 入学前教育(学習)の 充実と合理的な進展を目指して -
NAIST 海外FD研修 in UNCC 報告      -FCTeLの活動を中心に-             応用システム科学  平田 健太郎.
有機化学基礎II 担当:超分子化学講座 伊藤(智)
すばるの中期長期計画 国際連携 有本信雄 国立天文台・ハワイ観測所.
2009年7月16日 (初版 ) 駒澤大学 経営学部 教授 西村 和夫
情報系大学生の将来目標に関する 情報共有システムの構築と活性化方法
教師教育を担うのは誰か? 日本教育学会第70回大会ラウンドテーブル 2011年8月24日 千葉大学 2108教室
アジア系留学生に対する ソーシャルワーク教育に関する研究(2)
ONLINE植物アルバム 運営のサポート 情報数理専攻   D8691 根本亜由美 1.
国立大学法人 宮城教育大学 平成19年度学生支援GP 「障害学生も共に学べる総合的学生支援」.
聴覚障害学生高等教育支援ネットワークの構築に向けて
九州大学を学問の府に 小 田 垣 孝 学問の府 ・真理を求め、真理に基づいた発言と行動 ・市民全体に対して直接責任を負った発言と行動
学科組織・学科教育カリキュラム・ 化学実験教育・入学前教育、等
総合情報処理センター 利用ガイド(2017年度新入生版)
クリッカブル三次元地図の制作 情報工学科 服部 真和 (指導教員: 金子 教授) 研究背景 目的
P2P型ウェブ閲覧者間コミュニケーションに関する研究
新しい法人への移行に向けて (社)日本畜産学会 将来検討委員会.
障害者福祉ゼミとインターネット 広がる当事者へのアプローチの可能性と課題
聴覚障害学生高等教育支援ネットワークの構築に向けて
達成度判定分科会.
2017/07/13 大学院とはどんなところか? 大学院進学推進WG.
卒業研究発表 第6回       04A1010 岩永逸平.
新機能のご紹介とV6.1とV7.0の比較 2013/3/14.
第一回 掲示板                 05A1054         前田嵩公.
情報検索(6) メディア検索の仕組み 教員 岩村 雅一
高度情報演習1A “テーマC” 実践 画像処理プログラミング 第六回 最終課題 画像処理による動物体自動抽出、モーションキャプチャ
© Yukiko Abe 2011 All rights reserved.
平成19年度「特色ある大学教育支援プログラム」(特色GP)
久長穣 村田孝子 立山紘毅* 刈谷丈治 山口大学総合情報処理センター 山口大学経済学部*
湘南工科大学 2013年10月22日 プログラミング基礎1 湘南工科大学情報工学科 准教授 小林 学.
「国際学会等参加補助企画」 希望者の募集について
学生の学力低下と化学教育における工夫 日本大学理工学部の教育事例紹介 私化連シンポジウム 日本大学 理工学部 物質応用化学科
“SFC SUBWAY Maniacs” プロジェクト計画書
東北大学川内北キャンパス A棟A202教室で開催! ~宇宙/土木分野の連携・相乗的発展に向けて~
情報技術演習Ⅰ 人文学研究のための情報技術入門 2017/06/08
SCSプログラム 高等教育に学ぶ障害者への配慮と学習支援 筑波技術短期大学 Feb 12, 2004 SCS障害者高等教育.
楽天広場が仕掛ける webサービスの世界 2003/6/13 楽天株式会社 田中良和.
情報処理 第13回の教材 プレゼンテーションソフト PowerPoint 高知大学 共通教育 理学部 対象 担当教員 : 塩田
平成16年度大学情報化職員基礎講習会 「これからの教育・研究支援と その体制」
関西大学の取組紹介 小林 至道 (関西大学 教育推進部 特任助教) 関西大学・津田塾大学主催 シンポジウム
名古屋大学の チューター制度                                    
発表32 レポート評価支援について (剽窃部分と指導箇所の検出)
Cisco Spark & Spark Board による大学教育現場の 新たなコラボレーション スタイル ― 東洋大学
SCS研修 高等教育に学ぶ障害者への 配慮と学習支援
(1)島根大学 メディカルITセンター、 (1)島根大学 大学院医学研究科
1日目 10:05~10:25〔20分〕 【講義】研修の意図と期待すること
教育助成プログラム.
学生ボランティアを中心とした障害学生支援の課題 日本福祉大学における障害学生支援を手がかりとしての考察
新潟大学学術情報部学術情報管理課 山城 光生
あいサポート条例(愛称)素案の概要 1 制定の目的 2 条例案の内容
H21年度教務WG FD担当から報告 教務WG:山澤一誠,眞鍋佳嗣 2010年2月25日 奈良先端科学技術大学院大学 情報科学研究科
Presentation transcript:

日本教育工学会 第22回大会報告 大学院での遠隔教育と 障害学生支援 日本教育工学会 第22回大会報告 大学院での遠隔教育と 障害学生支援 2006/11/05 青木 慎太朗 立命館大学 大学院 先端総合学術研究科 http://www.ritsumei.ac.jp/acd/gr/gsce/g/as01.htm

本報告の背景 立命館大学大学院先端総合学術研究科  在籍者数・・・約120人  →そのうち、遠隔地居住・有職者等で    何らかの配慮を要する院生・・・39人 視覚障害をもつ大学院生が2人在籍  →研究する上で支援の必要 上記2つのニーズにIT技術を活用して対応

先端総合学術研究科の特徴 2003年4月開設の人文社会系大学院 学部がなく学際領域である 5年間の一貫性博士課程 社会人・有職者が多い 遠隔地居住の院生がいる

遠隔地・社会人院生の抱える問題 授業に出ることができない 大学が発信する情報が受け取れない 大学の研究設備が利用できない 論文指導が困難

先端研で工夫してきたこと 掲示板情報のメールマガジンにる配信 メーリングリスト(ML)の活用 週末に研究会等を開催

従来型の支援体制の問題点 MLを活用しているのは一部の教員のみ 議論に参加している院生も少数 ゼミ報告のレジュメ等の共有が添付ファイルでは難しい

検討された支援策 e-learning等の遠隔教育システム 将来的にはありえるかもしれないが、技術や予算の面からも、そして何より、現に今在籍している院生としては、とにかくできるところから早急に取り組んでほしいという要求が出された。 Yahoo!ブリーフケースの利用(2005年) ゼミ報告のレジュメ等を共有 院内限定ホームページ開設(2006年)

院内限定ホームページ .htaccessと.htpasswdによるアクセス制限 ゼミのレジュメなどはウエブ上から提供 スレッド型掲示板(WwwLounge)とリンク 院生専用の情報掲示板も設置

視覚障害院生の支援との連携 視覚障害院生が2名在籍 ゼミのレジュメや掲示板情報へのアクセスが困難だった 院内限定ページからレジュメ等の電子ファイルを入手 → 音声で内容を聴くor点訳 報告者は前日までにデータをTAに提出することが求められる 他の参加者も予習できる

視覚障害学生支援から見た問題 ――大学HP全体に対して言えること―― ホームページのアクセシビリティへの配慮が従来は不十分だった 画像やグラフィックを多用した大学HP 代替テキスト、テキストページの不在

院内限定ホームページの課題 一部の授業・ゼミでしか使われていない 利用が一部の人に偏っている 掲示板の書き込みも偏っている その結果、現時点ではファイル置き場になっている

さらなる課題 画像・数式・グラフ・PDFファイルなど 教員からの論文指導(個別指導) 聴覚障害をもつ院生が入学したら? そもそも、遠隔地院生支援と連動しないと、障害学生支援が発展しないという現実をどう考えるか?

結語 遠隔地院生+視覚障害院生の共通のニーズに応えるための取り組みとその背景 これらは、たいそうな技術を必要とせず、ちょっとした工夫と予算で実現することができる しかし、障害者支援という枠組みでは動かず、遠隔地院生(しかも全院生の約3分の1)の要求と合致して、ようやくその共通部分に対して実現されてきた 障害学生支援固有の問題は、残されたままである

参考URL 立命館大学大学院先端総合学術研究科 http://www.ritsumei.ac.jp/acd/gr/gsce/ 先端総合学術研究科院内限定ホームページ http://coreethics.kir.jp/  ←リンク先には入れません 立岩教授発MLバックナンバー(一例) http://www.arsvi.com/0r/2006p6.htm 大学の障害者支援データベース(NIME内) http://ship.nime.ac.jp/~disable/database-university1.htm 障害学会第3回大会 http://www2.ipcku.kansai-u.ac.jp/~suginoa/jsds/2006/20060603.htm