「経営システム工学総合実験」 モデリング&シミュレーション ビールゲーム 担当: 森戸 晋 担当助手: 後藤 允 2006年5月12日(金) 協力: 森戸研究室修士,4年
「経営システム工学総合実験」 モデリング&シミュレーションの狙い サプライチェーンマネジメントを「体感」 基礎知識の(再)確認 在庫管理 ロジスティクス サプライチェーンマネジメント 問題発見 →情報収集の仕方 →研究・調査・分析の企画、企画書の作成 →問題分析/問題解決、結果概要書の作成
サプライチェーン(Supply Chain) 製品の流れ サプライヤー メーカー 配送業者 卸売業者 小売業者 顧客 需要情報の流れ
全3回の実験の概要 第1回 ロールプレイングゲーム 第2・3回 コンピュータ・ビ-ルゲーム(シミュレーション) 第1回 ロールプレイングゲーム 第2・3回 コンピュータ・ビ-ルゲーム(シミュレーション) 第2回 問題発見(情報の収集、問題点の把握、 問題の整理と構造化) → 情報収集(文献データベースの検索) → 分析計画の提案(研究企画書作成) 第3回 問題分析/問題解決 → 分析結果の報告(結果概要書作成)
サプライチェーンマネジメント 問題の発見と構造を学ぶ 「サプライチェーンの特性は?」、「どう設計・制御したらよいか」などに関する洞察を得る 問題やそのキーパラメータはなにか パラメータ間の関係はどうなっているか 「サプライチェーンの特性は?」、「どう設計・制御したらよいか」などに関する洞察を得る サプライチェーンにはどんな特性があるか どのような制御方法がよいか パラメータをどう設定すればよいか 在庫管理技法を復習/勉強する シミュレーションなどのモデル分析によりシステムの特性や設計・制御方法を解明する
実験で注目してほしい点 1.サプライチェーンの問題点の把握 どういう現象が発生しているか? どういう問題が生じそうか? どういう現象が発生しているか? どういう問題が生じそうか? 2.問題の整理と構造化 影響を与える主な要因や評価尺度は何か? 問題の発生原因は何か? 主な要因と問題や評価尺度との定量的関係はどうなっているか? 3.授業等で学んだこととの関連
MIT ビールゲーム システムダイナミックス(System Dynamics: SD)を学習するロールプレイングゲームとして、MITで開発 当初は,「生産流通システムゲーム(production distribution game)」と呼ばれていた ゲーム盤には「工場」・「一次卸」・「二次卸」・「小売店」の4つのコンポーネントがあり,参加者はチームとなって各ビールゲーム盤に向かい勝敗を競う ゲームの目的は、勝つこと 参加者が,各コンポーネントの意思決定を分担し,相互に圧力を感じながら自らの意思決定を遂行するロールプレイングを通して,実社会における意思決定の雰囲気や意思決定がどのような結果を起こすかを体感する 「システムの内的構造が行動を生む」というSDの大原則と共に、システム思考とはどういうものかを体験的に学習する
ビールゲームのボード 情報(注文)の流れ もの(ビール)の流れ
ビールゲームの重要ポイント 工場→一次卸→二次卸→小売店と、もの(ビール)が流れる 各コンポーネントで、 小売店で発生する需要量は未知 在庫発生→在庫管理費用がかかる 品切れ発生→品切れ損失費用がかかる 小売店で発生する需要量は未知 在庫を持ちすぎず、かつ品切れがないように ものを流したい! 各コンポーネントが、全体の流れを考えながら、うまく発注数を決めなければならない
ビールゲームの基本ルール(1) 1.ゲームの目的:チームの総費用最小化 2.社名を決め、記録シートに記入 3.成績優秀チームは表彰 費用の計算方法: ・各コンポーネント分担者が、各週に在庫および受注残を計算し、全期間にわたって合計 ・在庫=0.5ドル、受注残=1ドルをかけて費用を計算し、各コンポーネントの総費用を求める. ・全期間・全コンポーネントの費用合計を集計する. 2.社名を決め、記録シートに記入 3.成績優秀チームは表彰
ビールゲームの基本ルール(2) 4.(同一コンポーネント担当者以外は)お互いにコミュニケーションはしない! (これは、お互いに他人の活動は分からない、という実世界を反映する). ゲームボード盤を見渡すことだけが許される. 5.顧客からの受注量は「小売店」だけが知る. 「小売店」は、他に情報を伝えてはならない!
BEER GAME 手順① 発注 注文中 発注 注文中 在庫 注文票 生産要請 遅れ 遅れ 遅れ 『在庫』に近い『遅れ』のチップを在庫に移す
BEER GAME 手順① 『在庫』から遠い『遅れ』のチップを近い『遅れ』に移す 発注 注文中 発注 注文中 在庫 注文票 生産要請 遅れ
BEER GAME 手順② 発注 注文中 発注 注文中 4 在庫 注文票 生産要請 遅れ 遅れ 遅れ 左上の『注文中』に貼られた付箋をめくって、書かれた数と同数のチップを左隣の『遅れ』に移す。 受注残があるとき:(書かれた数)+(受注残数)を移す。
BEER GAME 手順③ 週 在庫 受注残 注文 1 2 3 12 0 記録シートに現時点での在庫数・受注残数を記録 (他のコンポーネント担当者に見せないこと!)
BEER GAME 手順④ 『発注』の付箋を右隣の『注文中』に移す 工場は『生産要請』の付箋を開け、その数を最初の生産遅れに置く 発注 在庫 注文票 生産要請 遅れ 遅れ 遅れ 『発注』の付箋を右隣の『注文中』に移す 工場は『生産要請』の付箋を開け、その数を最初の生産遅れに置く
BEER GAME 手順⑤ 新たに付箋を用意し、自分の注文したい数を 書きこみ、裏返しにして『発注』に貼り付ける 発注 注文中 発注 注文中 4 4 4 4 在庫 注文票 生産要請 遅れ 遅れ 遅れ 新たに付箋を用意し、自分の注文したい数を 書きこみ、裏返しにして『発注』に貼り付ける
BEER GAME 手順⑤ 新たに付箋を用意し、自分の注文したい数を 書きこみ、裏返しにして『発注』に貼り付ける 発注 注文中 発注 注文中 4 4 4 在庫 注文票 生産要請 遅れ 遅れ 遅れ 新たに付箋を用意し、自分の注文したい数を 書きこみ、裏返しにして『発注』に貼り付ける
BEER GAME 手順⑤ 週 在庫 受注残 注文 1 2 3 12 0 4 記録シートに注文数を記録 (他のコンポーネント担当者に見せないこと!)
BEER GAME 発注 注文中 発注 注文中 在庫 注文票 生産要請 遅れ 遅れ 遅れ 始めに戻るので、これを繰り返す
ビールゲーム:再確認(1) ビールのサプライチェーンを想定 ゲーム期数=50週 サプライチェーンは,それぞれ1施設からなる「小売店」、「一次卸」、「二次卸」、「工場」で構成 工場の生産能力は無制限 各コンポーネントの在庫保有量は無制限
ビールゲーム:再確認(2) 各コンポーネントは直下の需要を可能な限り満足しようとする 満足できなかった需要は受注残(バックオーダー)として記録され,可能な限り即座に満たす 注文(オーダー)が無視されることはなく、最終的には必ず満たされる 需要を満たせなかったときは受注残(品切れ)となり,ペナルティとして1個当り1ドル/週の費用がかかる 在庫保持には1個当り0.5ドル/週の費用がかかる
ビールゲーム:再確認(3) 各コンポーネントは,週ごとにオーダーを出す 発注リードタイム(左のコンポーネントがすぐ右隣のコンポーネントに注文を出し,注文が右隣のコンポーネントに届くまでの期間)は2週間 納入リードタイム(発注を受けてから商品を届けるのにかかる期間)は2週間; つまり全体として発注から納入まで4週間かかる
ゲーム終了後... 各チーム毎に記録シートで総費用を計算 TAを通じて、総費用を連絡 各チーム毎にグラフ作成 在庫と受注残のグラフ 注文量のグラフ チーム内でゲームを振り返って検討 来週、各チーム5分間の発表
Excelシートによる結果の集計 実験のホームページ「モデリング&シミュレーション」の「演習資料」から、集計シートをダウンロード 各コンポーネントの在庫量の推移グラフ・発注量の推移グラフが自動で作成される 集計シートを作成したら、メール添付で提出すること(締切:翌日5/13(土)午後5時まで) アドレス beergame@morito.mgmt.waseda.ac.jp ファイル名 班番号.xls (例 12.xls)
「経営システム工学総合実験 モデリング&シミュレーション」 第1回宿題 「経営システム工学総合実験 モデリング&シミュレーション」 第1回宿題 班単位で 次回 5/19(金)の「ゲーム結果の評価と考察」に関する発表の準備; PowerPointでスライド作成 発表用pptファイル(ファイル名は班番号)をメール添付で提出 締切:5/17(水)午後5時 アドレス beergame@morito.mgmt.waseda.ac.jp 個人単位で サプライチェーンにおけるブルウィップ効果(鞭効果)について、資料を読んでまとめよ。 (関連する他の資料も参考にしてよい) 森戸研メールボックスへ提出 締切:5/17(水)午後5時
「経営システム工学総合実験 モデリング&シミュレーション」 ゲーム終了後の検討項目例(1) 「経営システム工学総合実験 モデリング&シミュレーション」 ゲーム終了後の検討項目例(1) できるだけ「系統的」に検討すること ゲーム結果の集計 在庫、受注残、発注量の平均、標準偏差、推移 ゲーム結果の評価 どういう方針でプレイしたか ゲームは思ったようにプレイできたか ゲームの流れのなかでシステムに振り回されていると感じなかったか 思うようにプレイできないのは誰か(たとえば隣)のせいだろうか 上流では最終需要はどれぐらいと考えていたか 各コンポーネントがうまくやれば、全体がうまく動くのだろうか (他チームの結果と見比べたりして)システムの挙動には普遍性があるのだろうか;その裏にシステム固有の構造が潜んでいるのではないか
「経営システム工学総合実験 モデリング&シミュレーション」 ゲーム終了後の検討項目例(2) 「経営システム工学総合実験 モデリング&シミュレーション」 ゲーム終了後の検討項目例(2) ゲームで学んだこと、授業等で学んでいることとの関連、検討対象となる事柄 ゲームからどのようなことを学んだか 意思決定(発注数決定)にあたって重要な要因はなにか 授業等で学んだ何がどこに役立つのだろうか ゲームで体感したことは、現実の意思決定とどう関連するか 構造的な問題が存在するならば、いかなる対処の方法があるか その他(ゲームそのものについての意見) ゲーム自体をどう思ったか ゲームのよくできているところ、非現実的なところはどこか ゲームに不具合があるとするとどう修正するのがよいか 「網羅的」というより、視点を明確に定めて「論点」のはっきりした発表を心がけること; 定量的結果と関連づけること
速報: 集計結果(各班の総コスト) 1 9 10 2 11 3 12 4 13 5 14 6 15 7 16 8 17 班 総コスト 班 速報: 集計結果(各班の総コスト) 班 総コスト 1 2 3 4 5 6 7 8 班 総コスト 9 10 11 12 13 14 15 16 17
班単位の宿題の ファイル名とメールタイトル名 班単位の宿題提出にあたっては, 集計シートExcelファイルの名称 班番号.xls (例 12.xls) 集計シート送付メールのタイトル名 集計シート提出○班 ○○班 (例 集計シート提出12班 ) 発表スライドの名称 班番号.ppt (例 12.ppt) 発表スライド提出メールのタイトル名 発表スライド提出○班 (例 集計シート提出12班 )