内容の説明 対象:小学校高学年 【薬の正しい使い方】 ①健康の3原則 ②自然治癒力とくすりのはたらき ③血中濃度(血液の中の薬の量) ④薬が正しく効くために ⑤薬の保管 【薬物乱用防止】 ①「乱用」 「乱用薬物」 「依存」 ②代表的薬物 ③薬物の誘惑 ④大麻の間違った情報 ⑤薬物の怖さ ⑥薬物の断り方
くすりの 正しい使い方 屋形原特別支援学校 学校薬剤師 瀬尾 隆 平成23年9月7日
健康な毎日を過ごすために 健康の3原則 ・適度な運動 ・栄養バランスの取れた食事 ・十分なすいみん 外で元気よく遊んでいるかな? けん こう まい にち す 健康な毎日を過ごすために けん こう げん そく 健康の3原則 てき ど うんどう ・適度な運動 外で元気よく遊んでいるかな? ・栄養バランスの取れた食事 食べ物に好ききらいはないかな? 朝食はしっかり食べているかな? ・十分なすいみん 夜ふかしをしてはいないかな? そと げん き あそ えい よう と しょく じ た もの す ちょうしょく た ■まず、「今日は何を学ぶか?」を簡単に説明 【講義例】 ○みんな、健康に過ごすためには、 1.適度な運動(きちんと体を動かしていますか?外で元気に遊んでいますか?) 2.栄養バランスの取れた食事(食べ物に好き嫌いはないですか?朝食はきちんと 食べていますか?) 3.十分な睡眠(夜更かしなんかしてないかな?) が必要だと言われているんだ。しっかりと覚えておこうね。 ○でも、いくら健康に注意しても、病気にかかることあるよね。そんなときお世話に なるのが「くすり」です。 ○今日は、「くすりの正しい使い方」について、みなさんと一緒に勉強していきましょう。 【講義のポイント】 小学生の場合、一方的に説明するのではなく、子ども達に問いかけながら進める方法も有効。 例:○みなさん、健康にすごすためには、何が大切だと思いますか? → 運動、食事、睡眠などの答えを引き出す。 ○健康に注意していても、病気になることあるよね。そんな時、みんなだったら どうする? → 「くすりを飲む」という答えを引き出し、次の話に繋げる。 等 じゅうぶん よ
それでも 『病気』になることがあります ヒトには 自分で病気を治そうとする力 しぜん ちゆ りょく 『自然治癒力』 があります
では、 くすりは、何のために あるの? ■ 「自然治癒力」を手助けするのが「くすり」の役割であることを理解させる。 【講義例】 再度、薬の役割を問いかけてみる。 ○じゃあ、 病気になっても体が自然に直してくれるなら、薬なんて必要ないと思わない? ○でも、病気になったら薬を飲むよね。 ○薬って、なんのためにあるんだろう?
くすりの働き くすりは、病気やケガを 早く治すのに 役立つんだ。 バイキンを やっつけたり、 いたみや熱を おさえたりして、 はたら くすりの働き びょうき くすりは、病気やケガを 早く治すのに 役立つんだ。 バイキンを やっつけたり、 いたみや熱を おさえたりして、 健康な状態にもどるのを助けるんだよ。 はや なお 『自然治癒力』 のはたらきを助ける やくだ ねつ けんこう じょうたい 【講義例】 ○実は薬って、バイ菌をやっつけたり、痛みや熱を押さえたりして、人間の持っている 自然治癒力が十分に働き健康な状態に戻れる手助けをしているんだね。 ○どう、薬の働きって、分かったかな? たす
くすりの 効き方 くすりは からだの中で どうやって効くの? き かた ■くすりがどのように体に働き、効き目を発揮しているかを理解させる。 効き方 き かた くすりは からだの中で どうやって効くの? ■くすりがどのように体に働き、効き目を発揮しているかを理解させる。 【講義例】 ○じゃあ次に、薬の効き方について考えてみよう。 ■時間があれば、以下も簡単に説明。 ○大きく分けると、薬の働きは4つに分類できるんだよ。 1.原因療法 病気の原因そのものを取り除くもの(抗生物質製剤など) 2.対症療法 病気により発生する熱や痛みのような不快な症状を取り除くもの(解熱鎮痛剤など) 3.予防療法 病気に罹らないようにするもの(ワクチンなど)。 4.補充療法 何らかの原因で身体の機能維持に必要な物質が不足した場合に、それを補充するもの (ホルモン、ビタミンなど)。
くすりは からだの中を どのように 動いているのかな? くすりは からだの中を どのように 動いているのかな?
くすりは 決められた量を飲みます! くすりが 血液の中に どれくらいあるのか というのを けっちゅう のうど 『血中濃度』 といいます
決められた「くすりの量」を 飲みましょう 副作用が 出る 効き目が 出る量 効き目が 出ない
くすりが正しく効くために 決められたルールを 守ってくすりを 飲みましょう ・「何時」飲みますか ・「何回」飲みますか い つ ・「何時」飲みますか ・「何回」飲みますか ・1回に「どれだけ(何錠)」飲みますか
くすりを飲む時の注意 くすりは なぜ、「水やぬるま湯」で飲むの? くすりを飲み忘れたときは どうすればいいの・・・
副作用を防ぐために 副作用もでやすくなる *くすりを勝手にやめてしまうと →→ 病気が治らないだけでなく、 病気がひどくなってしまします →→ 病気が治らないだけでなく、 病気がひどくなってしまします *くすりの量を増やす *強い薬を使う 副作用もでやすくなる くすりは、お医者さん薬剤師の指示通り 正しく使いましょう
くすりの 保管について ほ かん ■薬を保管する上で注意すべき点などを理解させる 【講義例】 ○じゃあ次は、薬の保管について勉強しよう。
〇 × × くすりは、こうやって保管しておこう くすりは、いつも同じ所にきちんと保管して おくと、すぐに取り出すことができるんだ。 ほ かん くすりは、こうやって保管しておこう 〇 おな ところ ほ かん くすりは、いつも同じ所にきちんと保管して おくと、すぐに取り出すことができるんだ。 と だ × × おん ど たか ところ さっちゅう ぼうちゅう 温度の高い所、 しっ気のある所、 日光が直接当る所、 だんぼう器具の そばなどはダメ。 殺虫ざいや防虫ざいとは絶対にいっしょに保管しない。 け ところ ぜったい にっこう ちょくせつ あた ところ 【講義例】 ○一つには、間違って飲んでしまうと危険だからなんだね。 ○他の人の薬を間違って飲んでしまうとか、ここに書いてあるように殺虫剤とかを薬と 間違って飲んでしまったりすると危ないよね。 ○それから、実際にあった話なんだけど、農薬をジュースの空き瓶に移し替えて冷蔵庫 に入れておいたら、間違って子供さんが飲んじゃった、なんていう事故もあったんだよ。 だから、絶対に薬を別の容器に移し替えたりしちゃいけないんだ。 ○もう一つの理由は、薬って、熱とか湿気に弱いんだね。だから、お家の中でも、温度が 高くなる場所とか直射日光が当たる場所、湿気のある場所なんかには置かないように しようね。 ○薬を保管する時には、ビンのフタは使うたびにしっかり閉め、薬箱などに入れて、 お家の涼しい場所に置いておくようにしてね。それから、シロップのような液体の薬は、 冷蔵庫にしまっておくといいよ。そうやっていつも同じ場所に置いておくと、すぐに 取り出すこともできるしね。 ○なお、薬によっては、必ず冷蔵庫に入れておかないといけないものもあるんだ。それと、 長い間保管しておくと変化してしまうから、あまり長い間保管しておくのは良くないん だ。特に目薬は変化し易いから、外箱などに記載してある使用期限内であっても、使い 始めてから3~6カ月くらい経っていれば、新しいものに替えた方が良いよ。 ほかん き ぐ
くすりは、 赤ちゃんのそばに置かない 大切! 赤ちゃんは何でも口に 入れてしまうくせがあるから、 くすりが入っているふくろやビンを たいせつ あか お あか なん くち 赤ちゃんは何でも口に 入れてしまうくせがあるから、 くすりが入っているふくろやビンを 赤ちゃんの手のとどく所に 置かないようにしよう。 い はい て ところ あか お 【講義例】 ○それから、赤ちゃんがいるお家の場合は、薬を赤ちゃんのそばに置きっぱなしにしない ように注意してね。赤ちゃんて、何でも口に入れてしまう癖があるからね。
くすりを飲む時の7つの約束 ①.毎日決まった時間にくすりを飲みます。 ②.くすりを飲む量を守ります。 の とき やく そく くすりを飲む時の7つの約束 まいにち き じかん の ①.毎日決まった時間にくすりを飲みます。 ②.くすりを飲む量を守ります。 ③.病気が治ったと思っても決められた日までくすりを飲み続けます。 ④.他の人からもらってくすりを飲んだりしません。 ⑤.他の人に自分のくすりをあげたりしません。 ⑥.前の病気の時にもらったくすりは使いません。 ⑦.くすりはいつもきちんと整理して保管します。 の りょう まも びょうき なお おも き ひ の つづ の ほか ひと ほか ひと じぶん まえ びょうき とき つか ■薬を使うときの注意について、ポイントをおさらいする。 【講義例】 ○じゃあここで、今までのお話の中で大事なところをおさらいしてみよう。 → ①~⑦を再確認。 ○どう、みんな分かったかな? せいり ほかん (出典:福島県立医大附属病院 斎藤百枝美先生、編集:くすりの適正使用協議会)
NO DRUG, KNOW DRUG やめよう乱用 正しく学ぼう薬の知識 『乱用』 ってなに? 「乱用」とは *正しくない使い方、間違った使い方 のことを言います *病院の薬でも、薬局で買う薬でも 正しくない使い方(乱用) はあります
乱用薬物 『乱用薬物』 ってなに? 『脳に作用』して 『依存性』があるもの
依 存 (いぞん) 『依存』 ってなに? *脳には「快中枢」と「不快中枢」がある *脳は一度覚えた「快中枢の記憶」は 忘れない 依 存 (いぞん) 『依存』 ってなに? *脳には「快中枢」と「不快中枢」がある *脳は一度覚えた「快中枢の記憶」は 忘れない *「依存」とは 快中枢の記憶を追い求める行動
*日本の代表的乱用薬物 「シンナー」 「覚せい剤」 *このごろ急に増えてきた乱用薬物 「大麻 (マリファナ)」 「シンナー」 「覚せい剤」 *このごろ急に増えてきた乱用薬物 「大麻 (マリファナ)」
薬物の誘惑 薬物がどこで売ってるなんか 知らないよ・・ *薬物を誘ってくるのは 『友人』『先輩』 が一番多いんだよ *その場所は、 『友人』『先輩』 が一番多いんだよ *その場所は、 『コンビニ』『ゲームセンター』 『カラオケボックス』の順番だよ
薬物の誘惑② 誘われたって断るよ *「薬物だよ」っては誘わないんだよ *「やせるサプリがあるよ」とか 「元気になるんだよ」とか 「元気になるんだよ」とか 「気分がすっきりするよ」とか ・・・・・・・・・
大麻の間違った情報 大麻は安全だって誰か言ってたよ *大麻の間違った情報が インターネット等で氾濫してます *大麻も「脳に作用」して インターネット等で氾濫してます *大麻も「脳に作用」して 「依存性がある」乱用薬物です
中毒症状から逃げたくて、また薬物を使う →→→ 悪循環 薬物の恐しさ 薬物中毒の症状 薬物は「脳」に作用する 中毒症状も「脳」のはたらきを狂わせる *からだ中を虫は這いまわっている *誰かか自分を追いかけてくる *誰かが自分の悪口を言っている 幻覚(げんかく)・・・見えないものが見える 幻聴(げんちょう)・・・聞こえないものが聞こえる 中毒症状から逃げたくて、また薬物を使う →→→ 悪循環
「自分自身」も「親」も「家庭」も「友人」も 薬物の恐しさ② ・薬物に手を出すと ・薬物依存となり、どうしても「薬物が欲しい」 ・お金がいる →「親から家から持ち出す」「友達に借りる」 →暴力を振るう →盗む、恐喝をする *薬物のためなら何でもするようになる 「自分自身」も「親」も「家庭」も「友人」も 「学校」も「社会」も みんなを不幸にしてしまう
薬物の断り方 それでも断りきれないとき・・・ (麻薬Gメンの話) *実際誘われたらに断ることは非常に難しい 断るときは *実際誘われたらに断ることは非常に難しい 断るときは 『短いことば』で『強い調子』で『明確に拒否の意思』を示す 「薬物はイヤダ」 「中毒になる」 「廃人になる」 「薬物は怖い」 「警察に捕まる」 それでも断りきれないとき・・・ その場から逃げる
ひとつの命を大切に NO DRUG,KNOW DRUG やめよう乱用, 正しく学ぼうくすりの知識 薬物はダメ。ゼッタイ。 ひとつの命を大切に NO DRUG,KNOW DRUG やめよう乱用, 正しく学ぼうくすりの知識