3.労働時間の弾力化と課題 ◇新しい労働時間制度の導入◇ ◇弾力的な労働時間制度とは◇ 1987年、93年、98年

Slides:



Advertisements
Similar presentations
1.情報教育について 2 情報教育. 情報教育とは 児童生徒が自ら考え、 主体的に判断・表現・行動 児童生徒は主体的に学ぶ 「情報活用能力」を育成する教育.
Advertisements

第 15 章ケース紹介 どらみ 1. 目次 ワークライフバランスの概要 事例紹介 2 ワーク・ライフ・バランス( WLB )とは 3 個人の働き方や企業の制度を見直すことで、 ワークとライフを共に充実 → 個人も企業も HAPPY !! 個人の働き方や企業の制度を見直すことで、 ワークとライフを共に充実.
圧力容器/格納容器の健全性評価技術の開発(原子炉建屋-大型機器系連成 地震応答解析による地震力算定) 入札 提案書 1 【 1 事業の内容及び実施方法】 1.1. 事業内容(実施方法を含む) 1 . 1 . 1 現状想定されるプラント状態における地震応答解析  事業内容(実施方法を含む)  事業内容(実施方法を含む)について具体的に記述する。
免震システム評価手法の開発(航空機衝突に対する免震建屋の概略評価) 【 1 事業の内容及び実施方法】 1. 1. 事業内容(実施方法を含む) 1 . 1 . 1 航空機衝突条件の設定作業  事業内容(実施方法を含む)  事業内容(実施方法を含む)について具体的に記述する。 6.1( 別紙 1) 提案書雛型.
2010 年 12 月 16 日(木) 王 暁華 経営情報学入門 ― 生産管理 (1) /12/16 経営情報学入門-生産管理(1)
第6章 労働時間管理 労働サービスの供給量とタイミングの管理
 公的年金・定年  引き上げの是非 小瀬村  柏嶋 阿部  藤田.
2014年6月男女平等月間 学習会資料 連合総合男女平等局
【1 事業の内容及び実施方法】 1.1. 事業内容(実施方法を含む) 1.1.1 FPガスγ線による再臨界検知システム開発補助
企業における母性健康管理体制の現状と課題についてお話いたします。
   Webサイトの       ROIについて 理工学部 情報学科 吉田 克己.
【1 事業の内容及び実施方法】 1.1. 事業内容(実施方法を含む) ペデスタル外調査装置の装置改善仕様及び改善効果の整理
キャリアアップ助成金(人材育成コース)の活用事例

AGホット活動報告 味の素グループ労働組合協議会主催 「第2回ユニオンセミナー」開催!! ・新しい世界に気付き、行動変容を促す
    1.採用管理   ○採用計画    短期→欠員が発生してから立案(欠員補充型採用)    中長期→中長期の事業計画に基づく将来の必要要員数の予想
ー大学院教育課程強化に関するプログラムについてー
      特別支援学校 高等部学習指導要領 聴覚障害教育について.
2.非正規従業員の活用 非正規従業員の雇用量と構成 非正規雇用・・・雇用期間に定めのある(有期契約)労働者
FOODS eBASE Cloudプラットフォームで構築
人事労務管理論A 人事労務管理論A(第7回目) LT1011教室 LT1012教室
ラーニング・ウェブ・プロジェクト(Learning Web Project) -自立・共愉的な学習ネットワークの形成に向けて-
人事労務管理の仕組み・体系と労働市場・労働法 2016 年5月24日
14人事労務管理論B 人事労務管理論B (第12回) LT1011教室 LT1012教室
TOC(制約条件理論).
児童労働問題とILOの取り組み ー条約の重要性ー
若者はいま -新しいライフスタイルを求めて- 労働調査協議会
2007年度後期 労働法政策 第7講 労働時間制度 ホワイト・エグゼンプション.

事業内容(実施方法を含む) 記述内容 6.1(別紙1) 提案書雛形 【雛形頁番号1】
【1 事業の内容及び実施方法】 1.1. 事業内容(実施方法を含む) 水-空気試験ループの製作
A型事業所の利用者サービスの質を高めるために ~「はたらくNIPPON!計画」 A型フォーラムin福岡~
3.派遣労働者の活用 ・派遣システム 派遣先 派遣元 派遣業 派遣労働者
給与明細票に注目する 給与明細票とは ・支給総額…基本給、諸手当
2018/11/9 第7章  非正規従業員と派遣労働者 E班 岩橋・片山・高倉・水上・森下.
労働時間短縮の課題 課題 ②所定外労働時間の短縮 ③有給休暇の所得率を上げる +職業生涯でみた労働時間の短縮 →これらを実現するためには?
麗澤大学 国際経済学部 国際経済学科4年 下田ゼミ 網澤隆之
~労働サービスの供給量とタイミングの管理~ B班・木村・田中・西山・小川・大平
労働時間相談・支援コーナー を設置しました。 「働き方改革」 への取り組みを支えるため 宮城労働局・労働基準監督署
創業希望者、創業者 連携 特徴 <全体像> ※下線は特定創業支援事業 市区町村 赤穂市 赤穂商工会議所 概 要 地域金融機関
麗澤大学 国際経済学部 国際経済学科4年 下田ゼミ 網澤隆之
【1 事業の内容及び実施方法】 1.1. 事業内容(実施方法を含む) 水素発生量評価試験
「人生100年時代」に求められるスキル 【OS】 【アプリ】 人生100年時代の働き手は、【アプリ】と【OS】を
宣言署名、御連絡先を記入の上労働局にお送りいただければ、HP上に登録いたします。
会社の会議名 発表者.
上級アドミニストレータ連絡会 関西研修会 平成18年11月25日 公認会計士・公認システム監査人 藤野正純
課題研究ルーブリック評価の 活用マニュアル 平成30年1月10日 愛媛大学高大接続推進委員会 「課題研究」評価ワーキンググループ
教師にとっての「生の質」 青木直子(大阪大学).
2014年6月男女平等月間 学習会資料 連合総合男女平等局
(C)2011女性にやさしい職場づくりナビ.
【1 事業の内容及び実施方法】 1.1. 事業内容(実施方法を含む) シリコン製ガスケットの高温特性分析
社員育成 ~企業変革における社員教育の重要性と戦略との適合性~
5章 労働時間管理 B班 大下内・平野・兵藤・すまだ・渡辺.
【1 事業の内容及び実施方法】 1.1. 事業内容(実施方法を含む) 1.1.1アクセス装置の概念検討
人事制度の変遷 (1)電産型賃金 (2)学歴別年次別管理 ①身分制を採用せず、全員が一つの制度に統合された ②月単位で計算された
人事制度の変遷 電産型賃金 ①身分制ではなく全員が1つの制度のもとに統合された →電力産業への導入 ②月当たりの生産にした
経営計画策定の心得.
1業務の実施方針等に関する事項 【1.1調査内容の妥当性、独創性】
【1 事業の内容及び実施方法】 1.1. 事業内容(実施方法を含む) クロスフロー試験装置及び試験体の製作
【1 事業の内容及び実施方法】 1.1. 事業内容(実施方法を含む) 実機大収納缶の健全性確認試験の計画
ワークライフバランス ~働く女性がキャリアアップのしやすい社会を目指す~
職能資格制度 1970年代以降普及 ⇒ 職務遂行能を力によって従業員を職能資格に分類し、職能資格を基準に 〈利点〉 〈問題点〉
職能資格制度 1970年代以降普及 ⇒ 職務遂行能を力によって従業員を職能資格に分類し、職能資格を基準に 〈利点〉 〈問題点〉
第1章 企業経営と人事労務管理 人事労務管理の機能と担い手
7章 能力開発 1、能力とは何か ~仕事に必要とされる能力~ ▼能力開発の必要性
令和元年度 商工労働施策について 施 策 目 標 主 要 施 策 基 本 姿 勢 Ⅰ Ⅱ Ⅲ 海外ビジネス 創業・ベンチャー 事業承継
事業内容(実施方法を含む) 記述内容 6.1(別紙1) 提案書雛形 【雛形頁番号1】
【1 事業の内容及び実施方法】 1.1. 事業内容(実施方法を含む) クロスフロー試験装置の製作(屋外設備)
ワーク・ライフ・バランスの実現 重要性を増す生活と仕事の調和 従業員がワーク・ライフ・バランスを重要視する背景要因 ⒈家族形態の多様化
第8回北海道産業人材育成企業知事表彰募集 1 目的
Presentation transcript:

3.労働時間の弾力化と課題 ◇新しい労働時間制度の導入◇ ◇弾力的な労働時間制度とは◇ 1987年、93年、98年  1987年、93年、98年 労働法の改正により、弾力的な労働時間制度が可能になる メリット ①労働力需要の変動への対応が可能に(企業にとっての弾力化) ②労働時間の自己決定を可能に(個人にとっての弾力化) ◇弾力的な労働時間制度とは◇ 変形労働時間制度…企業の労働力需要の予測に合わせて、労働者自身が働く  時間の配分を決めることができる フレックスタイム制…一定の枠内であれば、勤務時間を自分で選択できるよ  うにすること(図を参照) 裁量労働制…仕事の進め方を自分で決定できるよう、労働者に決定権を与え  る。「専門業務型」と「企画業務型」に適用される制度で、労働時間の上  限は「みなし労働時間制」として定められる みなし労働時間制…定められた時間はたらくことで、職務を完了させたとみなす制度。

3.労働時間の弾力化と課題 ◇弾力的な労働時間制度を推進する意図と背景◇ ◇労働時間弾力化の前提条件◇ 意図 ・労働時間を労働者自身が変更できるようにする→勤労意欲の上昇 ・時間管理に関する"意識"を身につけさせる→時間あたりの生産性向上 ・労働者の生活リズムの調和→ワークライフバランスの追求 背景 ・裁量性が高い仕事の増加  ・・・上司が管理するよりも労働者自身がマネジメントした方が効率的 ・効率化や創造性が必要とされる仕事の増加  ・・・時間管理を身につけさせることで発揮できるように ・生活リズムや仕事の進捗状況に調和可能な労働時間へ  ・・・労働者自身がワークライフバランスを ◇労働時間弾力化の前提条件◇ ・需要予測が正確であること ・権利行使の条件が揃っていなければ実行不可能である  (いわゆるブラック企業では難しい。また労働組合の存在も重要である)

3.労働時間の弾力化と課題 ◇労働時間の弾力化が機能するための諸条件◇ a.仕事の質・量と納期:適正な仕事の質・量と納期が定められていること ・・・納期から逆算したとき、作業量やクオリティが適切かどうか b.仕事の目標設定:明確な仕事の目標があるかどうか ・・・業務内容が明確か、タスクを詳細にリストアップできているか c.仕事の裁量度:進捗管理や遂行手段の選択権付与 ・・・課題…参加義務のある会議や朝会を減らせるか    解決策…クラウド型グループウェアの活用 d.評価制度:成果による評価と評価基準の明確化 ・・・業績評価と情意評価を適切に運用しないと、弾力化は望めない  解決策…歪んだ評価(例:労働時間の長さで出世が決まる)の廃絶 e.自己管理能力:労働者の自己管理能力の育成 ・・・自己管理できない人間が労働力を短縮するのは不可能

おわりに:労働時間の弾力化を目指して ◇ディスカッション◇ -議題- 労働時間の弾力化に向けて、学生のうちに取り組めることとは何か 労働時間を短縮化させることで、我々は様々な恩恵にあずかることができる。 具体的には、仕事と私生活の調和を保ったり、一時間あたりの生産性を向上させたり、より創造性や効率性を発揮して働けるようになるだろう。 さて、労働時間の短縮化を実現するためには、「労働時間の弾力化が機能するための諸条件」のスライドで確認したように、労働者自身に「五つの条件」が求められることを先ほど指摘した。 そこで今回のディスカッションでは、我々が先ほど挙げた「五つの条件」を満たすような労働者になるために、「学生時代にどのような取り組みをするべきなのか」「どのように生活するべきなのか」を考えてみたい。