深部静脈血栓症の診断
DVTのrisk factor risk factor odds ratio male gender 1.7 age > 60yo 1.6 cancer 2.4 heart Failure 1.8 SLE 4.4 lower limb arteriopathy 1.9 DVTの鑑別 筋肉損傷（strain/tear/twisting） リンパ浮腫、リンパ管炎 静脈弁不全 Baker’s cyst 蜂窩織炎 薬剤性浮腫 JAMA The Rational Clinical Examination 1998:279;1094-1099
理学所見をとる上でのポイント 視診 LR+ 健側と比較して2cm以上の下腿腫脹 2.1 大腿部腫脹 2.5 皮静脈の怒張 1.9 Evidence-Based Physical Diagnosis 視診 LR+ 健側と比較して2cm以上の下腿腫脹 2.1 大腿部腫脹 2.5 皮静脈の怒張 1.9 紅斑や足背の腫脹は有用な所見ではない 触診 LR+ 非対称性の皮膚の熱感 1.4 圧痛や皮膚冷感などは有用な所見でない Homans’ signも有用ではない
①DVTの可能性をチェック ～clinical parameterを使用 active cancer（治療中、6ヶ月以内、palliative) +1 麻痺、下肢を動かしていない +1 3日以上ベッド安静、4週間以内に手術 +1 深部静脈の灌流域での局所的圧痛 +1 下肢浮腫 +1 健側と比較して3cm以上の下腿腫脹 +1 pitting edema +1 側副皮静脈（collateral superficial vein）(nonvaricose) +1 DVT以上に疑わしい鑑別診断があること -2 Lancet 1997:350;1795-1997
② clinical parameterの評価 score ≧3 ⇒ high probability score 1-2 ⇒ moderate probability score ≦0 ⇒ low probability DVT診断の精度 感度 特異度 LR+ score ≧3 56-60% 94-96% 13.2 score 1-2 33-34% 1.0 score ≦0 7-11% 36-43% 0.16 Lancet 1997:350;1795-1997
③ DVT診断のアルゴリズム ②を基にして Low Moderate High 下肢のエコー検査を行う。 正常 異常 正常 異常 正常 異常 下肢のエコー検査を行う。 正常 異常 正常 異常 正常 異常 DVT DVTを除外 静脈造影 一週間後に 再エコ－ DVT 静脈造影 正常 異常 正常 異常 正常 異常 DVTを 除外 DVT DVTを 除外 DVT DVTを 除外 DVT Lancet 1997:350;1795-1997
D-ダイマーについて DVTの診断にはD-ダイマーの値は当てにならないことに注意！ 値が高くてもDVTとは言えない！ 重要なことは、normal、またはlowの結果が出たときのみ。 negative predictive valueに注目。 (NPV:陰性的中率 検査結果が陰性に出た場合DVTで無い確率 ) 一般にNPVは94％ （検査前確率55％とすると、 D-ダイマー （-）で 検査後確率は10％に下がる。） 1337例のmeta-analysisでの検討 Thromb Haemost 1994 Jan;71(1):1-6. high risk ケース（悪性疾患合併例、術後症例）ではNPVが80％ぐらいになることがある。