第5回 10/22 会社組織の再編 組織横断的な活動(p.37) 2015年秋学期 経営学3 プロジェクトチーム

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1業務の実施方針等に関する事項 【1.1事業実施の基本方針、業務内容等】
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第5回 10/22 会社組織の再編 2-3-1 組織横断的な活動(p.37) 2015年秋学期 経営学3 プロジェクトチーム 第5回 10/22 会社組織の再編 『組織マネジメント入門』の第2章3節 2015年秋学期 経営学3 2-3-1 組織横断的な活動(p.37) プロジェクトチーム 特定の任務を遂行するために 組織横断的 なグループを編成することが必 要な際には、「プロジェクトチーム」が結成される。 プロジェクトチームは、 製品開発 やコスト削減などの特定任務を果たすた めに設けられる。必要な分野の専門家が幅広く集められ、一時的に、チームを 組んで任務を遂行する。 歴史上、最も有名なプロジェクトチームはアメリカ航空宇宙局(NASA)が行った  アポロ計画 (Apollo Program)である 。 ※アポロ計画は、人類を月に送るために1961年に決定され、1972年まで続いた。1969年に有 人宇宙船のアポロ11号が月への着陸に成功した。 ※有人の宇宙船を月に着陸させるためには、当時の最先端の技術を多様な方面から集める 必要があった。 プロジェクトチームは、当初の任務を遂行あるいは断念した時点で、 解散 と なる。企業のように組織内から集められた人員は、その任務の完遂後には、そ れぞれの事業部(部署)に戻る。

マトリクス組織 プロジェクトチーム以外にも、組織横断的な活動を意図した組 織として、「マトリクス組織」という組織形態がある。マトリクス 組織は、プロジェクトチームと違って、 恒常的 な組織形態 である。マトリクス組織の構造は下図のような形状をしている。 縦割り状態の組織に対して、   職能という 横串 を通す   ことによって、トップの意向を   各事業部に反映させること   や事業部間の バランス   を採ることなどを期待する   ものである。

マトリクス組織の特徴 マトリクス組織では、現場の構成員は、事業部と職能の 2人 の長(ボス)から指示・命令を受けることになる。 マトリクス組織では、現場の構成員は、事業部と職能の 2人 の長(ボス)から指示・命令を受けることになる。 このことによって、現場の構成員が戸惑う事態が発生すること が予想される。事業部長からの指示・命令は当該 事業部  の利益を重視したものが多い一方で、 職能 の長からはトッ プの意図や事業部間のバランスを重視したものが多くなる。時 には、縦と横からの指示・命令内容が相反する事態が生じるこ とがある。 整然としたマトリクス組織を組織全体で構築・運営するのは難 しい場合が多い。したがって、事業部を超えた連携の効果が大 きい経理、調達、研究開発などの部門に限定した 部分的  なマトリクス構造を採用する企業もある。

2-3-2 細分化した部門の統合(p.39) 社内分社(カンパニー)制 今日、事業の多角化が進んだ巨大企業が多数存在。事業部 の数が 増え 過ぎた場合、マトリクス組織のように、職能に よる横串によっても、各事業部をコントロールすることが困難 となる。 ※なぜなら、一人の人間が管理可能な人数と同様に、事業部の数に関 しても管理限界が存在すると考えられるからである。さらに、多様な事 業を 画一 的にコントロールしようとした場合、新たな無理や無駄が 生まれる。 しかし、社内の資源が事業部ごとに細分化されている状態で は、社内の資源を最大限活用することはできない。そこで、仮 想的に会社を複数に区分する社内分社( カンパニー )制 が登場。 「社内分社(カンパニー)制」は、多数の事業部の中から、比 較的類似している事業部を集約して一つの 会社 のように 扱うものである。

社内分社制のメリット 類似の事業部を集約することによって、各事業部に細分化さ れていた人材や技術などの資源をある程度 組織 として活 用することができるようになる。 これによって、単独の事業部で行うには荷が重かった新製品 の 開発 や 市場開拓 などにも取り組めるようになる。

2-3-3 外部組織の活用(p.40) 組織の一部を別組織に変更する要因 ①組織の 合理化 あるいは 独立採算の徹底 巨大な組織の一部が非効率であった場合には、そこから出された欠損 は補填(内部補助)される。それによって、当該部門に対して効 率化への 動機づけ が十分に行われないことがある。 それに対して、非効率部門を別組織に変更した場合には、甘えが無くな り、 改革 や改善が行い易くなり、合理化を徹底することできる ようになる。 ②管理上の負担軽減 巨大組織を管理するには莫大な労力と多大な管理費用が必要となる。 特に、事業領域あるいは文化が大きく異なっている事業部間では、水と 油のように調和しないこともあり、 画一的 な管理では無理が生じる。 ③組織内部で 蓄積 した知識やノウハウおよび 保有 する資源を外部 で活用するために、組織の枠を超えて、活動できるようにすることを 目的として別組織に変更されることもある。

特定部門を別会社(子会社)に変更した場合の変化 下図の左側のC部門が赤字だとしても、他のA部門とB部門から損 失の 補てん を受けられ、存続することができる。しかし、別会 社に変更された場合には、 倒産の危機 が生じ、抜本的な改 革や徹底した改善努力を誘発し易くなる。 別会社になる前には、会社全体のルールが制約となってできな かったことも果敢に挑戦できるようになる。さらに、 会社 の枠を 超えた取引を自由に行えることにより、新規の顧客の獲得や経費 の削減が進むことも考えられる。

外部資源の活用の理由 ある時点での組織の力では目的を達成することが不可能な事態 は当然存在する。そのような時に、自前で必要な資源を 育成  するという選択肢と 外部 の組織を活用する選択肢がある。 スピードやリスク回避が重要視されている今日では、内部で育成 するという選択肢は、時間と労力がかかり、大きな リスク を抱 えることになり、外部組織を活用する選択肢が採択されやすい。 必要な資源やノウハウを持つ組織を自らの組織内部に吸収・合 併することが、ビジネスの世界では頻繁に用いられる。しかし、異 質の組織を内部に取り込むことによって、両者の文化や慣習の違 いなどから 摩擦 が生じることや吸収した組織の 長所 を消 してしまうケースもあり、このような事態を避けるために、別組織 の状態を維持する方策も考えられる。 それ以外にも、 市場取引 (売買)や 戦略的提携 などの 契約行為に基づく方法によって、外部組織の力を効果的に活用 する選択肢などがある。

2-3-4法律に基づく会社組織の再編(p.42) 関連する主な法令 会社が状況に応じて、事業譲渡(譲受)、会社分割、合併、 「 グループ  経営管理」などを行って、会社組織の再編を行うことがある。 このような会社組織の再編は、法律上の手続きに則って進めなければなら ない。 会社法 において、会社組織の再編のおおよそが規定されている。 特に、グループ経営管理に関しては、 市場支配力 の過度の集中を防 ぎ、公正かつ自由な競争を促進するために、「私的独占の禁止及び公正 取引の確保に関する法律」  ( 独占禁止法 )によって、制限されてい る。

別組織化の手法 事業譲渡 (譲受)によるスリム化(拡大): 会社分割 : 合併 : 事業譲渡 (譲受)によるスリム化(拡大): 会社間の営業財産の一部移転である。例えば、戦略的な観点 からある事業部を譲渡(譲受)する意思決定を行った場合には、 その事業部の譲渡(譲受)先を探し、その事業関連の工場や 設備などの営業財産の譲渡(譲受)を行うことになる。  会社分割 : 特定の事業や部門を別会社に分離独立させることである。新 しく会社を設立し、その会社に、営業財産に加えて、当該部門 の権利や権限を移転する。当然、義務なども移転させることは 認められている。  合併 : 複数の会社が一つになることである。合併には、 新設 合併 と 吸収 合併がある。新設合併では、複数の会社で新たに 会社を設立し、他の会社が解散・消滅する。吸収合併では、存 続する会社がある一方で、その他の会社は解散・消滅する。 \\\\

グループ経営管理 グループ経営管理とは、グループとして力を最大限発揮するた めに、 資本 において親子(親会社-子会社)関係にある複数 の会社を統制・管理することである 。 グループ経営の中心となる会社(本社)は、連結決算書類の作 成だけでなく、 グループ全体 の企画・戦略立案と各企業 間の 調整 などを行う役割を有する。 特に、本社の総資産に対して、子会社の株式の取得価額が過 半となっている場合には、そのような本社は 持株会社 と呼 ばれる 。持株会社は保有する資産の状況から、株式の所有を 通して子会社を 支配 することを目的とする会社とみなされ る 。

純粋持株会社と事業持ち株会社 持株会社には、「 純粋 持株会社」と「 事業 持株会社」がある。 持株会社には、「 純粋 持株会社」と「 事業 持株会社」がある。 純粋持株会社は、右図のような形状をしており、対外向けの生産・販売などの事業をあまり行わずに、子会社の活動を 支配 することに専念している会社である。 それに対して、事業持株会社は、持株会社自身が相当規模の 事業 を行ないながら、子会社を支配している会社である。

2-3-5 会社組織の変遷(p.44) 会社組織構造の変遷について、整理したものが下図である。 下図では、会社組織の形態を 事業 の幅と 管理 のタイプの2軸から各組織の位置を捉え直している。 横軸の事業の幅は保有する 事業 の数や多様性を意味している。会社が成長するとともに、事業の幅が多様になる傾向がある。 事業の幅が多様化するのに伴って、 中央集権 と 分権 のバランスがどのように維持されてきているのかを示している。

組織構造の変遷 事業の幅が狭い時点では、 中央集権的 な組織構造で全体を 適切に管理することは可能である。 事業の幅が狭い時点では、 中央集権的 な組織構造で全体を 適切に管理することは可能である。 しかし、事業の幅がある程度広がると、中央集権的な構造では、適 切かつ迅速に多様な状況( 市場 )に対応することが困難となる。 そこで、分権的な 事業部制 組織が登場する。 しかし、さらに事業の幅が広がると、事業部制組織の弊害も大きく なり、会社としての一体感を保つために、縦割りの事業部制組織に  横串 を入れた マトリクス 組織が出現する。 さらに、事業の幅が一層広がると、横串が長くなり過ぎ、横串で会 社全体をコントロールするのに無理が生じるようになる。そこで、  社内分社 (カンパニー)制を採用し、複数の事業部を集約して管 理するようになる。 それでも、効果的かつ効率的に対応できない場合は、グループ  経営管理などが行われるようになる。

事業部制組織、社内分社制、グループ経営の特徴 ※マトリクス組織や社内分社制においても事業部は存在するが、事業部制組織という言葉は、一般的に、独立採算を重視した事業部単位に縦割りされた組織構造に限定して用いられていることが多い。

各事業の利益への貢献の把握 事業の数が少ない段階では、部門や職能単位で 利益 への貢献 度合いを正確に算出する必要性が小さく、機能別組織で全体を管 理することができる。しかし、事業の数が多くなると、事業部 単位  で管理する方が効率的となる。 マトリクス組織は、事業部制組織における 横断的 な活動を強化 したものである。マトリクス組織の横串は会社横断的であった。 しかし、会社の事業の幅が広がりすぎた場合には、足並みが揃いづ らくなる。そこで、 社内分社 (カンパニー)制を採用し仮想的に 社内を管理しやすい大きさに分割する試みがみられるようになる。 社内カンパニー制はあくまでも 内部 の組織であり、損失が発生 した場合は内部で補填される。 独立採算を徹底する場合には、ある事業を 別会社 として、グ ループ経営に移行することになる。

事業部制組織で評価される主な指標 事業部制で評価される主な指標は「 損益計算書 項目」 である(各事業の売上と費用から採算を把握)。 事業部制で評価される主な指標は「 損益計算書 項目」 である(各事業の売上と費用から採算を把握)。 ある事業部が獲得した利益を事業部内に利益を 留保 す ることは一般的に行われていない。 本社が 予算 を管理し、事業部が行う投資の意思決定に 関与する。 その際、事業部に対しては、 与えられた条件 の下で利 益を増加させたかあるいは損失を抑えたかで評価が行われ る。

社内分社制とグループ経営の評価指標 社内分社制では、「 貸借対照表 項目」も主要な評価指標と なる(資産の保有状況の把握)。 社内分社制では、「 貸借対照表 項目」も主要な評価指標と なる(資産の保有状況の把握)。 社内カンパニーでは、獲得した利益の 内部留保 が認めら れ、その範囲内での投資などもある程度認められている。社内 分社単位での資産の状況を把握し、社内分社単位で、資産を適 切に管理し、有効活用しようとする動きにつながる。 グループ経営の場合は、各グループ会社の 市場価値 も重 要な評価指標になる。本社にとって各子会社は別の会社なので、 状況に応じて、子会社の株式を 売却 することも選択肢の一 つとなるからである。 グループ経営の場合には、親会社あるいは子会社の損失を他 のグループ企業が補填する行為は 寄付 とみなされ、補填し た会社の 経費 としては認められない。