第4課 臓器移植
といえば ある話題を受けて、そこから連想されることについて述べたり、それについて説明を加えたりするのに用いる。 日本料理といえば、なんといってもてんぷらでしょう 安いと言えば、この店ほど安い店はない。 なぜ心臓移植ができないかといえば、脳死を死と考えられない人が多いからです。
ようにできている 動詞の連体形に付いて、実現したことの内容を表す。 前後に動詞を伴い、『そのような状態・状況を成立させるために~する/しないように~する』という意味を表す。「に」は省略されることもある。「ように」の前には「なる」「できる」など人間の意志に関わらない無意志的な行為を表す動詞や可能を表す「v-れる」、あるいは動詞の否定形など、状態的な意味を表す表現が用いられることが多く、後の節には話し手の意志的な行為を表す動詞が続く。 なお、前後の主語が同一で前の動詞も意志的な動作を表す場合は「ために」を用いるのが普通。 息子が家で仕事ができるように父親は家を改築した。
ようにできている この装置は部屋に煙が出ると、音を鳴らすようにできている。 このロボットはリモコンで操作できるように作られている。 この機械は切符のない人が改札口を通れないように作られている。 このグラスは床に落ちても壊れないように丈夫な材料で作られた。
かといって 「しかしながら」という意味。前文の状況を認めた上で、そこから予測されるのとは別の事態が続くことを表す。 接続詞的に用いる。そうかといって、そうだからといって。 子供を甘やかすべきではない。かといって、いつも厳しくしかることもよくない。 その子は栄養が足りないので体が弱い。かといって、無理にたくさん食べさせたら、消化不良になってしまいます。 この病気は手術しなければ治らない。かといって、心臓も腎臓も悪くなったこの患者に手術を施すのは、非常に危険だ。
~は~をいう 意味や性質を説明するのに用いる表現である。説明しようとする部分を「は」で提示して、それを説明する部分を「をいう」で表す。 脳死は脳が死んだ状態をいう。 免疫は病原菌や毒素が体にはいっても抗原抗体反応によって病気にかからないことをいう。 ラッシュアワーは通学、通勤者が一斉に乗り合わせるために交通機関が混雑する時間をいう。
~(ている)ことがある たまたま、その事が起こったり、その状態が続いたりする場合があるという意味を表す。 高速道路はラッシュアワーの時間帯でなくても、込んでいることがある。 脳が死んだ状態でも、心臓が動いていることがある。 この花は冬になっても咲いていることがある。
言葉 自分の内臓を他人にあげる 臓器移植 心臓 内臓 腎臓 肝臓 内臓がだめになる 拒絶反応がおきる 拒絶反応がおこる 拒絶反応を抑える 臓器移植 心臓 内臓 腎臓 肝臓 内臓がだめになる 拒絶反応がおきる 拒絶反応がおこる 拒絶反応を抑える 免疫の働きを抑える 重い心臓病 生きた心臓 手術を受ける
リーディング2 脳死が起きる 心臓が止まる 脳をやられる:やられる被打败;被杀;被破坏。被打中。得病。受灾。 わたしもやられた。 うまくやられた。整的我好苦 不良にやられた 全部で10人コレラにやられた 出水(でみず:洪水)で田畑(たはた水田和旱田)がだいぶやられた。
頭を打つ 撞;碰 倒れて頭を打った。 全身を強く打って死亡する 波が岸を打つ
リーディング3 人工呼吸器をつける 人工呼吸器をはずす 途絶える:とだえる 中断 大脳:だいのう 脳幹:のうかん 瞳を閉じる:ひとみをとじる 途絶える:とだえる 中断 大脳:だいのう 脳幹:のうかん 瞳を閉じる:ひとみをとじる 管:くだ 送り込む:おくりこむ 酸素:さんそ 針を刺す:はりをさす 痛みを感じる:いたみをかんじる 呼吸をする:こきゅうをする
一、背景の紹介 1.臓器移植 疾病(しっぺい)や外傷によって臓器が機能しなくなった場合、自己または他人の臓器を移植すること。皮膚、角膜(かくまく)、血管、神経の移植は以前から行われ、最近では腎臓、心臓、肝臓などの移植も行われる。 2.拒絶反応 生体に異種または他の個体の組織あるいは臓器を移植した時、免疫反応によってその定着が妨げられ、排除される現象。
3.脳死についての法律 日本では1997年10月に「臓器移植法」ができた。この法律に依れば、脳死の状態で臓器を取り出し、他の患者に移植することができる。条件として、まず提供者が生前「臓器提供意思表示カード」に記入していることと、さらに家族の同意が必要である。この2つの条件を満たせば、脳死かどうかの判定が行われる。「脳死判定」の基準は5項目あり、判定は6時間以上において2回実施されなければならない。
4.クローン 生物学的には、全く同じ遺伝子を持つ生物や細胞を指す。語源は、小枝を意味するギリシャ語。さし木で増やした樹木、一卵性双生児、がんのひとつひとつの細胞もクローンだ。最近はバイオ技術で複製した人為的コピーを指すことが多い。
二、練習問題の解答 リーディング1 1.次の質問に答えよ。 (1)臓器移植した場合、どうして拒絶反応が起きるか。 免疫によって移植された臓器が異物と判断されて攻撃を受けるようになっているから。 (2)臓器移植が可能となった条件は何か。 免疫抑制剤が開発されたことである。 (3)心臓移植と肝臓や腎臓の移植との最も大きな違いについて話せ。
肝臓、腎臓などは持ち主が死亡してもしばらくは生きているので他人に移植できる。それに対して、心臓移植をする場合、生きている人の心臓を使わなければならない。 (4)心臓移植の前提条件は何か。 「脳死」が認められるようになることである。 (5)あなたは臓器移植についてどう考えているか。 人がなくなったら、土葬、火葬されるのが普通であるが、そうすると、その肉体は土や灰になる。しかし、その内臓は病気で苦しんでいる人にとって命を救ってくれる貴重なものである。また、なくなった人にとって、自分の内臓で人を助けることができるのであれば、うれしいことではないだろうか。
2.リーディング1の内容と合っているものに○、合わないものに×をつけよ。 (1) ○ (2) × (3) ○ (4) ○ (5) × (6) × 3.「それが、『脳死』の考え方」(p43.14)の「それ」が指す内容を文中から捜せ。 心臓が止まらなくても、「死んだ」と判断されること。 4.臓器移植に必要な条件は何か、15字以内で書け。(漢字、仮名、句点を含める) その臓器がまだ生きていること。
5.リーディング1の要旨を150字以内でまとめよ。 免疫抑制剤が開発されて以来、肝臓や腎臓などの臓器移植はごく普通に行われるようになった。心臓も「脳死」を人間の死亡と考えることが可能であれば、移植ができるのである。今アメリカでは手術を受けた人の75%は他人からもらった心臓で新しい人生を生きているのである。
リーディング2 1.c 2.a 3.a 4.c 5.A リーディング3 1.b 2.a 3.c 4.a 5.a