政府の経済的役割 平成16年 6月 18日(金)
はじめに 現代経済事情 消費型社会、貧富の差の拡大 日本の一人あたりGNP →US$ 39,640
ゆたかな社会 大量消費社会の批判 ガルブレイスー「ゆたかな社会」 貧困の研究 アマルティア・センー「不平等の再検討」
私的財と公共財 私的財⇔公共財 私的財とは? ・我々が消費する殆んどの財やサービス。 一般に財と言えば私的財をさす。 公共財とは? ・我々が消費する殆んどの財やサービス。 一般に財と言えば私的財をさす。 公共財とは? ・非競合性、非排除性。 警察、道路など。 私的財⇔公共財
コモンズの悲劇 共有地の悲劇 (tragedy of the commons) 共有放牧地を自分の利益を最大化しようとして使う結果、過度の放牧が起こり、破滅的な結果が起こるという話。 ※ゲーム理論
囚人のジレンマ この状況下で2人の戦略を考えてみよう。 Q:「もし共に黙秘すれば、共に1年の懲役となる。共に自白すれば、共に20年の懲役となる。一方だけが自白した場合、自白したほうは警察に協力したということで釈放、自白しなかったほうは警察に協力しなかったということで無期懲役となる。」 としよう。 この状況下で2人の戦略を考えてみよう。
囚人のジレンマ2 黙秘 自白 (1,1) (無期,釈放) 自白 (釈放,無期) (20,20)
小さな政府と大きな政府 アダム・スミス (小さな政府) ・18世紀 ・夜警国家 ・市場がすべてを解決。 →自由放任主義 ケインズ (小さな政府) ・18世紀 ・夜警国家 ・市場がすべてを解決。 →自由放任主義 ケインズ (大きな政府) ・20世紀以降 ・福祉国家 ・市場を政府が補う。 (財政出動) 有効需要の創出 →修正資本主義 ex)ニューディール政策 資本主義の弊害 ・恐慌 ・失業 ・インフレ ・独占 ・貧富の差 →社会主義の誕生 →新自由主義へ
社会主義 19世紀、資本主義の弊害により新しい考えが生まれる。 → マルクス(ドイツ) → マルクス(ドイツ) 資本論により、生産手段の国有化、計画経済、利潤追求の否定を提唱。
政府の役割の変遷 資本主義の弊害 ・恐慌 ・環境問題 ・失業 ・国際化 ・インフレ ・規制緩和 ・独占 ・小さな政府への ・貧富の差 回帰 18世紀 19世紀 20世紀~ 資本主義の弊害 ・恐慌 ・失業 ・インフレ ・独占 ・貧富の差 ・環境問題 ・国際化 ・規制緩和 ・小さな政府への 回帰 アダム・ スミス ケインズ ・社会主義国の崩壊 ・市場経済への移行 マルクス
財政と財政制度(P.86~) 財政制度
財政投融資とは
一般会計の歳入(平成13年度)
一般会計の歳出(平成13年度)
租税一覧 租税一覧 国税 地方税 直接税 所得税 住民税 法人税 固定資産税 相続税 自動車税 間接税 消費税 特別地方消費税 酒税 都道府県たばこ税 揮発油税 市町村たばこ税 関税など 不動産取得税など
財政の働き 1、資源の適正配分 警察 消防 ごみ処理
2、所得の再分配 所得の格差を縮める。
3、景気の調整 景気がよいとき 景気が悪いとき
所得税と累進課税 所得が高いほど高額負担。 課税される 所得額 税率 330万円以下 10% 20% 30% 1,800万円超 37% 330万円~900万円 20% 900万円~1800万円 30% 1,800万円超 37%
財政政策 裁量的財政政策 (フィスカル・ポリシー) →ケインズ経済学の財政政策
・裁量的財政政策 好況時 歳入増加 歳出減少 不 況 時 増税により民間資金を吸い上げ、需要を抑制。 公共投資などの財政支出を抑え、需要を抑制する。 不 況 時 減税により民間の手元に残る資金を多くし、需要の落ち込みを緩和。 公債の発行により財政規模を拡大し、公共投資などの財政支出を増大して需要を増大させる。
財政上のしくみ 財政の自動安定化装置 (ビルト・イン・スタビライザー) →政策当局の裁量を待たずに発動。
・財政の自動安定化装置 好況時 歳入増加 歳出減少 不 況 時 累進課税により実質的な増税。 →需要の抑制 社会保険・生活保護などの社会関係費の支出が減少。 不 況 時 累進課税により実質的な減税。 →需要下落の緩和。 社会保険・生活保護などの社会関係費の支出が増大。 →その分の需要が拡大。
みなさんへ 教えるとは共に希望を語ること 学ぶとは胸に誠実を刻むこと ルイ・アラゴン(フランスの詩人)
今日の授業はここまで。