インフレはなぜ止まらないのか?
ジンパブエでは、物価が数年間で100億倍に上昇 通貨単位を100億分の1に切り下げるデノミが実施された 原油価格の上昇に押される形で、日本でもさまざまな商品の価格が上がっている しかし!! 日本とは比べものにならない、強烈なインフレに苦しんでいる国がある アフリカのジンパブエ ジンパブエでは、物価が数年間で100億倍に上昇 1000億ジンパブエドルという超高額紙幣が登場 通貨単位を100億分の1に切り下げるデノミが実施された
史上最悪のインフレは‥‥ 第2次世界大戦直後のハンガリーで起きた わずか1年の間に、物価が1億倍の1億倍の1億倍以上にも上昇 よく知られた考え方 通貨の発行量が多くなるとインフレになる だが‥‥ 通貨の発行量の増加はインフレのきっかけにはなるが、インフレを加速させるのは、これとは別のメカニズム インフレの基本的な原動力 人々がインフレを予想する行為そのもの
たとえば 過去1ヵ月で物価が2倍に上昇したとする ほとんどの人が、今後1 ヵ月の間に物価が2倍に上昇するだろう、と考える それに沿った値付けが当然となり、本当に物価が2倍になる こうした集団心理が起きると、物価上昇率はさらに加速していき、ハイパーインフレに突入する
例‥ 水の温度が100℃を超えると突然、液体から気体になる ☆市場価格も、あるパラメーター(条件)の値によって、通常の状態から突然、インフレ状態に遷移する インフレを支配するパラメーターとは、市場構成者が過去の価格上昇にどの程度敏感に反応するかを表す量 ある点を超えると、さらにパラメーター上昇し、二重指数関数のハイパーインフレに移行する
このように、連続的にパラメーターを変えていったときに突然、性質が変わる現象のことを相転移という 相転移は基本的に物理学の概念だが、これを使って経済現象に迫ったのが、経済物理学と呼ばれる新しい学問 経済物理学で研究されるテーマ ゆらぎ‥統計平均からのズレ 金融市場における価格・時間のゆらぎや長期記憶と、それらの起源 株式や土地などのリスク資産の分布とそのゆらぎ 個人や企業の所得・サイズ分布とその成長とゆらぎ、確率過程モデル 企業や金融のなすネットワークの構造とモノやお金の流れ 経済物理学で解決できるかもしれない問題は、たくさんある
10~20年以内には実現され、インフレ対策となるだろう 経済物理学でインフレ対策をする 企業通貨という概念 企業が通貨を発行し取引に用いることで、為替の変動による損得の影響がなるべく小さくなるような経済環境を作る 現在だと、企業の損益はかなり為替レートに影響を受けており、円建てで計算すると赤字・ドル建てで計算すると黒字ということが起きている 結局儲けるのは為替を動かして当った人、金融保険の側になってしまう 企業通貨が実現すれば、企業として膨らんだのかは一目瞭然であり、モノとお金の取引が為替に影響されないから、日本の企業であれば、円の上下を気にする必要もほとんどなくなる たとえ仮に円がひどいインフレを起こしたとしても、こうした経済環境が実現していれば、影響は少ない 10~20年以内には実現され、インフレ対策となるだろう