HPLCにおける分離と特徴 ~理論段数について~

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生物統計学・第 4 回 比べる準備をする 平均、分散、標準偏差、標準誤差、標準 化 2015 年 10 月 20 日 生命環境科学域 応用生命科学類 尾形 善之.
●母集団と標本 母集団 標本 母数 母平均、母分散 無作為抽出 標本データの分析(記述統計学) 母集団における状態の推測(推測統計学)
円形管における3次元骨組解析への適用事例 平成16年9月17日 (株)アイエスシイ 犬飼隆義.
4・6 相境界の位置 ◎ 2相が平衡: 化学ポテンシャルが等しい     ⇒ 2相が共存できる圧力と温度を精密に規定     ・相 α と β が平衡
相の安定性と相転移 ◎ 相図の特徴を熱力学的考察から説明 ◎ 以下の考察
◎ 本章  化学ポテンシャルという概念の導入   ・部分モル量という種類の性質の一つ   ・混合物の物性を記述するために,化学ポテンシャルがどのように使われるか   基本原理        平衡では,ある化学種の化学ポテンシャルはどの相でも同じ ◎ 化学  互いに反応できるものも含めて,混合物を扱う.
土性を考慮した有効水分量の検討 生産環境整備学講座  灌漑排水学研究室      玉内 翔子.
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Effect sizeの計算方法 標準偏差が正確に求められるほど症例数が十分ないときは、測定しえた症例の中で、最大値と最小値の値の差を4で割り算した値を代用することが出来る。この場合には正規分布に従うことを仮定することになる。
HPLCにおける分離と特徴 ~逆相・順相について~ (主に逆相です)
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◎ 本章  化学ポテンシャルという概念の導入   ・部分モル量という種類の性質の一つ   ・混合物の物性を記述するために,化学ポテンシャルがどのように使われるか   基本原理        平衡では,ある化学種の化学ポテンシャルはどの相でも同じ ◎ 化学  互いに反応できるものも含めて,混合物を扱う.
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HPLCにおける分離と特徴 ~理論段数について~ くろまとぐらふぃー その2 HPLCにおける分離と特徴 ~理論段数について~

固定相と移動相に対する親和力の違いを利用して溶質を分離する方法 クロマトグラフィー 移動相→固定相→移動相 カラム 分離の場

段理論:Plate Theory 分離の場であるカラムが“段”と呼ばれる多数の不連続な小容器から構成されると仮定して、試料成分の移動の様子を多段液分配(抽出)と同じように状況に例えて説明する理論を段理論という。 各段に含まれる移動相は全て次の段に流れ込んで停止し、その中の試料成分はその間に固定相と移動相に分配されて平衡に達し、また移動相全量が次の段に流れて平衡に達する、と考えると、理論段数が大きい場合には溶離曲線は正規分布で示される。

分離中のカラムはこんな感じのイメージ 試料分離中の相を考えると、 カラム各種 段理論により、この相(段)が多数集まったモノと考えると 固定相 移動相 段理論により、この相(段)が多数集まったモノと考えると 分離中のカラムはこんな感じのイメージ 移動相 移動相 固定相 固定相

2相間での物質の分配比の差を利用して物質の分離を行う装置の性能を表す指標 理論段数とは? 2相間での物質の分配比の差を利用して物質の分離を行う装置の性能を表す指標 カラムの性能を表す言葉 大きい・・・性能良い 小さい・・・性能悪い 例えると理論段数が大きいとは・・・ 固定相 移動相 固定相 移動相 これが多い

分離の理論 CA, MA, VA C:溶質の濃度 M:溶質の量 V:体積 A:移動相 B:固定相 CB, MB, VB CB CA 分配型カラムの分離について CA, MA, VA C:溶質の濃度 M:溶質の量 V:体積 A:移動相 B:固定相 CB, MB, VB CB CA 分配係数 K = 分配係数は成分により異なり、温度に対して定まった値をとる 相比 分配比 MB MB VA VB = = X = k X β MA MA VB VA

分配係数を1として考えると・・・ 16 8 4 2 6 1 例えば32μgの物質をカラムに通したとすると

16

理論段数が多いと正規分布に形が似てくる