子どもと向き合う ~居場所としての児童館~ 中部学院大学人間福祉学部 宮嶋 淳(みやじま じゅん)
自分をふり返って 人としての 強 み (すばらしさ) 人間関係がつくれる 自己を言語で表現できる 紹介(語っても良い)できる範囲を判断できる ユーモア、アイコンタクト、適切な距離を判断できる 他者に自分を印象付けることができる 情報発信と情報の交換ができる 人としての 強 み (すばらしさ) 自己紹介
私たちは、人としての強み(すばらしさ)を どのように獲得(身につけて)してきたのでしょうか。 私たちは、人としての強み(すばらしさ)を どのように獲得(身につけて)してきたのでしょうか。 生まれたとき 立ち上がったとき 泣いたとき 怒ったとき 家に帰ったとき 他者との 親密な・信頼できる・ 安心できる・無条件な愛
「できる」から育つこと かけっこ お絵かき 勉強 仕事 「できる」は 他者との比較 「できない」は 悪 のような今 競争と比較
健 全 育 成 とは 次代を担う子どもたちの心身の健康と福祉を増進し、 自己実現を図ること 対象=子ども 手段=心身の健康と福祉の増進 自己実現を図ること 対象=子ども 手段=心身の健康と福祉の増進 目標=自己実現 ・・・ マズローのニューマンニーズ論 戦略(方法)= 遊び、 集団、 地域、 公的組織、 主体性
子どもを取り巻く問題 い じ め ・学校いじめ防止基本方針 (H29.3.14.改訂) ・方針の改定による強調点 ・・・資料1 子どもを取り巻く問題 い じ め ・学校いじめ防止基本方針 (H29.3.14.改訂) ・方針の改定による強調点 ・・・資料1 (1) いじめ防止プログラムに「計画・内容・効果」を明記 (2) 外部の専門家の参画 (弁護士など) (3) いじめの「解消」を定義 (4) 自己有用感や自己肯定感 ・残された課題 (1) SNSへの対応 (2) 親子のコミュニケーション力 (3) 教員の発達障害
子どもを取り巻く問題 かぎっ子 ・放課後児童健全育成事業(放課後児童クラブ) (1) 厚生労働省発表の実施状況 子どもを取り巻く問題 かぎっ子 ・放課後児童健全育成事業(放課後児童クラブ) (1) 厚生労働省発表の実施状況 (2) 朝日新聞 (2018.2.4.朝刊) ・クラブの存在意義と待機児童問題 (1) 子どもの権利条約 (2) 新しい社会的養育ビジョン (3) 虐待の定義 ・宮嶋の見解
子どもを取り巻く問題 自己有用感や自己肯定感 子どもを取り巻く問題 自己有用感や自己肯定感 ・日本人全体が、「自信を失っている」傾向か? ・某大学の大学生の実態 ・・・資料5
主体性 自己実現へ向かうための土台 =自 尊 感 情 基本的自尊感情(BASE)は、成功や優越とは無関係の感情。あるがままの自 分自身を受け入れ、自分をかけがえのない存在として、丸ごとそのままに認 める感情。良いところも悪いところも、長所も欠点も併せ持った自分を、大 切な存在として尊重する感情。この感情こそが、自尊感情の基礎を支える大 切な感情。比較ではなく絶対的な無条件の感情。 社会的自尊感情(SOSE)は、上手くいったりほめられたりすると高まり、失 敗したり叱られたりするととたんにしぼむ。状況は状態に支配される感情。 他者との比較による相対的な優劣による感情。社会的自尊感情がつぶれたと きに、心を支えてくれるのが、基本的自尊感情。
自尊感情の測定尺度、開発の歴史 主体性 1890年、ウィリアム・ジェームズ ・・「自尊感情=成功÷要求」 1890年、ウィリアム・ジェームズ ・・「自尊感情=成功÷要求」 1960年代、モーリス・ローゼンバーグ ・・『Society and Adolescent Self-Image(青年の自 己像と社会)』 ・・good enough(今の自分を受け入れて、そのままに認める感情)と very good(他人との比較で、自分の良い点を認める感情) 1980年代、スーザン・ハーター ・・「学業成績などによる認知的能力」「友人関係に依存 する社会的能力」「スポーツや屋外の遊びの力に関係する身体的能力」 1980年代、アリス・ポープ ・・5つの領域における尺度 ①社会:友だちは自分を好きだろうか、自分の考え方を認めているだろうか。 ②学習:その子自身の基準でgood enoughと感じているかどうか。 ③家族:家族の一員として、自分をどう感じているか。 ④身体:身体的魅力と身体能力をどう感じているか。 ⑤全般:全体的に自分自身を良いと感じているか。
自尊感情の4つのタイプ 主体性 SBタイプ・・自尊感情の2つの部分がバランスよく形成されている
主体性 集 団 子どもの主体性を重視する ロジャー・ハートの「参画のはしご」
子どもの参画 と 自己効力感 田中治彦「子どもの参画とまちづくりを促すアクション・リサーチ」の見解 主体性 子どもの参画 と 自己効力感 田中治彦「子どもの参画とまちづくりを促すアクション・リサーチ」の見解 集 団 子どもの成長・発達に合わせて、子どもの力で解決可能な課題を特定して、そ の解決方法を考え実行させる どんなに小さい問題であっても、地域の問題=身の回りの問題を自分たちで解 決できれば、それは子どもの「効力感」を高める。 効力感とは、自分が言ったことややったことが、大人に聞き入れてもらえて、 問題を解決できるのだという実感である。 地 域
地域で組織的に子どもを育てるということ 延藤安弘「『まち育て』の中の子どもの参画」 地域で組織的に子どもを育てるということ 延藤安弘「『まち育て』の中の子どもの参画」 主体性 集 団 子どもの参画とは、子どもの自発的活動にみられる <キモチ><カタチ><イノチ>の3つの「チ」のぐるぐるめぐり 人間と人工と自然の柔らかな関係を育み、 そのことに関わるヒトの意識の育みの過程を「まち育て」と呼ぶ。 「育む」とは、「発展を願って大切にすること」 「育てる」とは、「自発のココロ」と「慈しみのココロ」をはらむ。 「対象」としての環境を作り直す「まちづくり」を越えて、人間も環境も子どもも まわりも時とともにお互いに育み合う「関係」としての「まち育て」 参加とは、生きる姿勢である。 地 域 組 織
健全育成の 5つの目標
主体性 集 団 地 域 組 織 遊 び 児童館でできる 健全育成活動
私が関わっている事例から 小児がん経験者と小児がん患児の野外活動キャンプ:にこスマ九州 子どもとの接し方を楽しく学ぶ:わらべうたベビーマッサージ 時間を気にせず遊び続ける:ニュージーランドのプレイセンター 発達障がい児の野球チーム:フレンズの活動 障がい児の発達をアートで支援する:NPO法人みらいの活動 スクールソーシャルワークという活動
「ハグ」を学ぶ 小貫大輔「愛と信頼 大学生に伝える授業」 「ハグ」 「お辞儀⇒握手⇒ハグ⇒キス」の文化 小貫大輔「愛と信頼 大学生に伝える授業」 「ハグ」 「お辞儀⇒握手⇒ハグ⇒キス」の文化 「ふれ合いのホルモン=オキシトシン」・・・母乳育児で出てくるホルモン。親子の絆(愛着)に欠かせない。 別名「恥ずかしがり屋のホルモン」・・・リラックスして周りの人を信頼していないとスムーズに流れない。 オキシトシン・システムを構築し、不安を解消できる、人を信頼できる人を育てていくこと。
NPO法人DOREMIみらい キャッチフレーズ:あなたの健康と笑顔を応援します 健康塾 アート塾 元気塾
アート(臨床美術)でQOLを高める 芸術的な創作活動による認知症の予防・改善を目的として、1996年より取り組みが始まり、現在は病院、施設など介護予防事業として全国数箇所の地方自治体で実践されている。また、子どもの感性教育や発達が気になる子どもたちへの取り組みも期待されている。 対象 認知症高齢者(介護家族) 認知症予防 一般 子どもの感性教育 自閉症、ADHD、不登校
「臨床美術」の特徴 右脳を使って作品を仕上げる ・具体的な形・シンボル的なことは一切描かない ・早い直線 ゆっくりな直線 曲線 点 塗る 2015/1/31-2/1 CSW-s-8 「臨床美術」の特徴 右脳を使って作品を仕上げる ・具体的な形・シンボル的なことは一切描かない ・早い直線 ゆっくりな直線 曲線 点 塗る ・点・線・画の手法
林檎に関する話をしてイメージを膨らませる 五感で感じてみて 2015/1/31-2/1 CSW-s-8 オイルパステルで描く場合 林檎に関する話をしてイメージを膨らませる 昔の記憶・思い出など 五感で感じてみて 重み 肌触り 張り具合 香り 味 etc 具体的には・・・。
臨床美術(クリ二カルアート)とは‥ 脳科学に基づいた独自のアートプログラムに沿って 絵画や立体造形など創造的な活動を行うことにより脳機能の活性を促 すことが目的。 対象は、認知症高齢者、MCI(いわゆる前認知症の人)、発達が気にな る子どもたちの他、認知症予防、子どもの感性を育む教育、社会人の メンタルヘルスケアにおいても評価されています。 医療・美術・福祉の壁を越えたアプローチが大きな特色。 (特定非営利活動法人日本臨床美術協会)
フレンズ・子どもたちの野球チーム 「気になる子ども」と共に経験する:学生たちの取り組み フレンズ・子どもたちの野球チーム 「気になる子ども」と共に経験する:学生たちの取り組み 目標=子どもたちの達成感、主体性 関わり=子どもが主体となる 実施内容=成長できる活動
コミュニケーション をとるのが苦手な子 喋りやすい環境や雰 囲気を作る 活発になり、自己主 張できる 活動から見えてきたこと コミュニケーション をとるのが苦手な子 喋りやすい環境や雰 囲気を作る 活発になり、自己主 張できる できない できる!!! 変化 練習を「楽しみに」!
学生たちの考察 ⇒ 子どもたちの成長過程の中で一つの財産になる。 子どもたちが「憧れ」や「やる気」を持ち、毎回の練習に「大学生が来 るかも」といった「楽しみ」が構築される。 ⇒ 子どもたちの成長過程の中で一つの財産になる。 自分の意志を表明し、意欲や積極性を表現する姿は、今まで と比較して、大きな変化であり、成長だ。 子どもたちが大学生や色々な人と関わることで、・社会生活 でのマナー、・集団生活への適用、 人格形成の助けとなる 可能性がある。 環境を整えることは子どもにとって前向きな成長に繋がる。