Heidelberger Seminar WS14/5

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Heidelberger Seminar WS14/5 Kapitel Die Entdeckung der Landschaft 2 風景の発見 2

Heidelberger Seminar WS14/5 KUNIKIDA Doppo (国木田独歩)(1871-1908) zuerst Romantiker dann Pionier des Naturalismus Musashino   『武蔵野』 Unvergeßliche Menschen   『忘れえぬ人々』

Heidelberger Seminar WS14/5 Abs. 3 Entdeckung der Landschaft in der Umkehrung Im Roman Unvergeßliche Menschen: Wenn ich an einem Abend wie heute allein bis tief in die Nacht beim Schein der Lampe sitze, überfällt mich die Einsamkeit meines Lebens und eine fast unerträgliche Traurigkeit. [...] In solchen Momenten drängen diese Menschen in meinem Herzen hervor. Nein, es sind eher die Menschen inmitten der Szenerie, in der ich ihrer gewahr wurde. (26f.) ⇒enge Verknüpfung der Landschaft mit einem einsamen inneren Zustand

Heidelberger Seminar WS14/5 Abs. 4 Landschaft in Malerei und Literatur Paul Valéry schreibt: [...] die Bevorzugung der Beschreibung in der Literatur ging parallel mit derjenigen der Landschaft in der Malerei [...] (28) ⇒da Vinchi thematisieren

Heidelberger Seminar WS14/5 ››Mona Lisa‹‹ als das erste westliche Bild, auf dem Landschaft als Landschaft erscheint Landschaft als Landschaft und der innere Mensch gleichzeitig entdeckt ⇒Realist als innerer Mensch

Heidelberger Seminar WS14/5 ・KITAMURA Tokoku (北村透谷、1868-1894) ・freidemokratische Bewegung ・Romantiker Tokoku schreibt: Wenn sich der Realismus nicht auf die Leidenschaft stützt, wird er niemals dem Übel entrinnen, Realismus um des Realismus willen zu betreiben. (31)

Heidelberger Seminar WS14/5 リアリズムもしくは自然主義は、風景を風景として、人間とは関係のないものとして、描こうとするものである。それは、文学においても絵画においても変わることはない。 だとすれば、描かれる対象は、つねにそれまで「見えていなかったもの」である。なぜなら、すでに「見えていたもの」は、人間と関係しており、風景としての風景ではないからである。

Heidelberger Seminar WS14/5 ではどうすれば、これまでだれも「見えていなかったもの」を発見することができるだろうか。人間の外にあって「見えているもの」は、すでに「見えているもの」に過ぎないではないか。 だからこそ、「見えていなかったもの」、風景としての風景を発見できるのは、外を見ない者=内的な人間なのである。

Heidelberger Seminar WS14/5 問題です。 1.リアリズムもしくは自然主義が求める対象は何か。 2.「ロマン主義からリアリズムもしくは自然主義へ」という見方は、どこに問題があるのか?

Heidelberger Seminar WS14/5 Jun Eto (江藤淳、1932-1999)

Heidelberger Seminar WS14/5 戦後日本の重要な文芸評論家のひとり。文芸評論家としては、作家を公平に評価する。たとえば、左翼の中野重治も保守派の石原慎太郎も思想的な立場とは無関係に、文筆家として積極的に評価した。他方、政治的には明確に保守主義者である。しばしば、戦後日本が大きくアメリカナイズされてきたことを批判的に論じており、「反米主義者」を自覚している。文学批評に関して、柄谷は江藤に大きく影響されている。江藤の漱石論は非常に重要な作品とされ、柄谷の処女作である漱石論も、江藤に向けて書かれたと言われている。言うまでもなく、政治的には、柄谷は保守主義者ではなく、江藤とは対極に位置している。  

Heidelberger Seminar WS14/5 【柄谷】 江藤淳のいう「リアリズムの源流」は同時に「ロマン主義の源流」でもあって、私がそれを「風景の発見」として語るのは、……すでに「風景」によって生じた認識的な布置に慣れてしまったわれわれの起源を問うためである。(33f.)