2017年春学期 竹内 徹也(TAKEUCHI Tetsuya)

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2017年春学期 竹内 徹也(TAKEUCHI Tetsuya) tac01@nifty.com 簿記論  No.19&20 有価証券 固定資産 2017年春学期 竹内 徹也(TAKEUCHI Tetsuya) tac01@nifty.com

有価証券とは? 簿記上の有価証券 国債、地方債、社債、「 」、劣後債、優先株など 法律上の有価証券 国債、地方債、社債、「   」、劣後債、優先株など 法律上の有価証券 上記に加え、「 」も含む(換金性のある証券)

有価証券関連の勘定科目 「 」有価証券 短期的に売買することを目的として有価証券を購入した場合の勘定(資産) 有価証券売却益 「  」有価証券 短期的に売買することを目的として有価証券を購入した場合の勘定(資産) 有価証券売却益 取得原価が売却価額より大きい場合(利益が出る場合)[収益] 有価証券売却損 取得原価が売却価額より小さい場合(利益が出る場合)[費用] 証券会社に払う手数料などは、有価証券の「     」に入れる

有価証券関連の勘定科目 有価証券「    」 債券の利息を受け取った場合の勘定[収益] 受取配当金 株式の配当金を受け取った場合の勘定[収益]

有価証券の仕訳 売買目的でX社の株式3,000株を1株につき360円で買い入れ、代金は小切手で支払った。手数料は5,500円であった。  (借) 売買目的有価証券 1,085,500 (貸)当座預金 1,085,500 上記の株式につき、10,000円の配当を受取り、ただちに当座預金とした。  (借) 当座預金  10,000 (貸) 受取配当金  10,000 (借) 上記の株式のうち、2,000株を、385円で売却した。手数料は4,000円であった。代金は小切手で受け取った。     (借) 当座預金 766,000 (貸)売買目的有価証券   723,666    「          」   42,334   売却する売買目的有価証券の原価=1,085,500 x 2,000/3,000 =723,666   受取金額 = 385 x 2,000 – 4,000 = 766,000 有価証券売却益 = 766,000 – 723,666 = 42,334

有価証券の仕訳 売買目的でX社の社債額面2,000,000(年利2%)を単価96円で買い入れ、代金は小切手で支払った。  (借) 売買目的有価証券 1,920,000  (貸)当座預金 1,920,000 社債価格の計算 2,000,000 x 「    」 = 1,920,000 上記の社債につき、半年分の利息を現金で受け取った。  (借) 現金  20,000 (貸) 受取利息  20,000 社債利息の計算 2,000,000 x 2% x 6/12 =20,000

有価証券の仕訳 売買目的でX社の社債額面2,000,000(年利2%)を単価94円(簿価単価96円)で売却し、代金は当座預金に入金された。  (借) 当座預金  1,880,000 (貸)売買目的有価証券 1,920,000 有価証券売却損 40,000 社債簿価 2,000,000 x 0.96= 1,920,000 受取額   2,000,000 x 0.94 = 1,880,000 有価証券売却損 社債簿価 – 受取額 = 40,000

有価証券の期末評価 時価法 原価法 売買目的有価証券の場合、時価法を適用しなければならない その場合の簿価と時価の差額の損益勘定 期末において、有価証券を保有している場合、簿価価額と期末における時価(市場価格)が一致しない場合がある。その場合、有価証券の簿価価額を時価に置き換える(評価替えする)ことがある 原価法 時価法に対して、評価替えを行わない処理方法 売買目的有価証券の場合、時価法を適用しなければならない その場合の簿価と時価の差額の損益勘定     有価証券評価益 有価証券評価損

有価証券の期末評価時の仕訳 決算に際し、売買目的で保有している平塚商会の株式(取得原価@125,000) 20株を、@110,000(時価)に評価替えする。  (借) 有価証券評価損  300,000 (貸)売買目的有価証券300,000 125,000 x 20 – 110,000 x 20 =300,000 上記株式を、@143,000(時価)に評価替えする。 (借)売買目的有価証券  360,000 (貸)有価証券評価益 360,000 143,000 x 20 – 125,000 x 20 =360,000

固定資産とは? 資産は「 」資産、固定資産、「 」資産に分類できる 固定資産とは?  資産は「    」資産、固定資産、「    」資産に分類できる 流動資産とは 比較的短期間に現金化できる資産 例:現金、預金、受取手形、売掛金 繰延資産とは 既に使われた費用のうち、将来に効果が見込まれる部分について、効果が見込まれる期間にわたって資産として配分することが認められたもの 例:研究開発費、開業費、社債発行費など 固定資産とは 企業が長期にわたり使用または利用する資産で、営業のサイクルにはいらないもの 有形固定資産と、無形固定資産にわけられる  例:建物、土地、備品、ソフトウエア、特許権、商標権など

有形固定資産の会計処理 有形固定資産購入時は、取得原価で記帳する 取得原価には、仲介手数料、引取運賃、据付費用、登録費用、登記費用など、固定資産を使用するまでに要した付随費用を加える

資本的支出と収益的支出 建物などをお金を使って修理・修繕した場合、「    」支出、または「     」支出に分け、前者は建物(資産)、後者は修繕費(費用)に加える。 資本的支出は価値を高めるような支出、収益的支出は維持するための支出である。 例えば、大規模修繕など、耐用年数が延びるような支出は資本的支出。また、面積が増えるようなケースもここに含まれる 壁を洗浄してきれいにした、床がはがれたので補修した、といった修繕は、必ずしも建物の耐用年数を延ばさないので、収益的支出となり、修繕費とする このような分類は、特に「     」上注意が必要

有形固定資産の勘定の例 備品 机、いす、陳列棚などの家具や、パソコン、コピー機などの事務用品 備品 机、いす、陳列棚などの家具や、パソコン、コピー機などの事務用品    耐用年数1年未満または一定金額未満の備品について  は、「     」または消耗品費勘定で処理する 車両運搬具 営業用の乗用車、トラック、オートバイなど 建物 事務所、店舗、倉庫、社宅などの建物。登記料、仲介手数料などを含める 土地 上記建物を使用することを目的として保有する土地。整地費用、仲介手数料などを含める。 土地付建物を取得した場合には、固定資産「     」などを参考に、土地と建物に分け、それぞれ記帳する

減価償却 建物、備品、車両運搬具などの「 」以外の固定資産は、長く使ううちに価値が下がっていく (減価:価値が下がること) 建物、備品、車両運搬具などの「   」以外の固定資産は、長く使ううちに価値が下がっていく (減価:価値が下がること) したがって、実体に近づけるため、当期中の資産の減価を費用として計上し、固定資産の取得原価を減少させる必要がある この処理を減価償却と呼ぶ 減価させる費用額を、減価償却費と呼ぶ 例えば。。 購入時 300万円 3年目 180万円 5年目 60万円

減価償却費の計算 減価償却費の計算には、「 」法、「 」法、級数法、生産高比例法などがあるが、日本では定額法、定率法が使われることが多い 減価償却費の計算には、「    」法、「    」法、級数法、生産高比例法などがあるが、日本では定額法、定率法が使われることが多い 定額法 有形固定資産に耐用年数を定め、毎期同じ額の減価償却費を計上する 年度の途中で購入、または売却した場合は、1年分の減価償却費を月数で割って計算  減価償却費 = (取得原価 - 残存価額)/耐用年数 残存価額とは、耐用年数到達時に、資産がいくらで売れるかという見積処分金額(スクラップバリュー) 例: 車両運搬具の当期の減価償却費(耐用年数:6年、取得原価 3,000,000円、残存価額 取得原価の10%)   当期の減価償却費 = (3,000,000 – 3,000,000 x0.1)/6  = 450,000

減価償却費の計算 例: 車両運搬具の当期の減価償却費(耐用年数:6年、取得原価 3,000,000円、残存価額 取得原価の10%) 例: 車両運搬具の当期の減価償却費(耐用年数:6年、取得原価 3,000,000円、残存価額 取得原価の10%)   当期の減価償却費 = (3,000,000 – 3,000,000 x0.1)/6  = 450,000 例: 備品の当期の減価償却費(耐用年数:3年、取得原価 720,000円、残存価額 0) 2013年7月5日購入 決算日12月31日   当期の減価償却費 = 720,000/3 x 6/12 = 120,000

減価償却の記帳 「 」法 当期の減価償却額を減価償却費勘定(費用)の借方と、有形固定資産の貸方に記入 固定資産の帳簿価額が、直接減価される 「    」法 当期の減価償却額を減価償却費勘定(費用)の借方と、有形固定資産の貸方に記入 固定資産の帳簿価額が、直接減価される (借) 減価償却費 100,000 (貸)建物 100,000 「    」法 当期の減価償却額を減価償却費勘定(費用)の借方と、減価償却累計額勘定の貸方に記入する (借) 減価償却費 100,000 (貸)建物減価償却累計額 100,000

減価償却の記帳方法 間接法(続き)   間接法の場合、有形固定資産の帳簿価額が減額されず、減価償却累計額が併記されるため、下記の式によって有形固定資産の帳簿価額を計算する必要がある 有形固定資産の帳簿価額 = 取得原価 – 減価償却累計額

有形固定資産の売却 有形固定資産を売却したときには、帳簿価額と売価の差額を固定資産売却益(収益)または固定資産売却損(費用)で処理する。 例 保有する土地(帳簿価額が15,000,000円)を17,000,000円で売却し、代金は当座預金に振り込んでもらった。 (借) 当座預金 17,000,000   (貸) 土地  15,000,000 固定資産売却益 2,000,000 例 保有する土地(帳簿価額が15,000,000円)を12,000,000円で売却し、代金は当座預金に振り込んでもらった。 (借) 当座預金  12,000,000   (貸)土地  15,000,000 固定資産売却損   3,000,000

有形固定資産に関する仕訳例 事務所用建物25,000,000円を購入し、小切手を振り出して払った。なお登記費用300,000円と仲介手数料850,000円は現金で支払った。 (借)建物  26,150,000 (貸) 当座預金  25,000,000 現金     1,150,000 事務用のコピー機3台を購入し、代金460,000円のうち半分は小切手で振出し、残額は月末に払うことにした。なお引取り運賃12,000円と据付費7,000円は現金で支払った。 (借)備品  479,000 (貸) 当座預金  230,000 未払金   230,000 現金     19,000

有形固定資産に関する仕訳例 土地の整地の費用1,300,000円を、小切手で支払った。 (借)土地  1,300,000 (貸) 当座預金  1,300,000 長期的な土地の利用に役立つ整地費用は資本的支出なので、土地の「 」に加える。 営業用車両の定期整備を行い、整備費55,000円を小切手を振り出して支払った。 (借)修繕費  55,000 (貸) 当座預金  55,000 維持のための費用は収益的支出なので修繕費

減価償却費に関する仕訳例 本日決算(12月31日)にあたり、備品4,000,000円につき定額法(耐用年数10年、残存価額は取得原価の20%,間接法)により減価償却を行う。なお4,000,000円のうち2,400,000円は購入後4年度目であるが、1,600,000円は今年度の4月10日に購入したものである。 減価償却費(4年度目)=(2,400,000 – 480,000) x 1/10 =192,000 減価償却費(4月購入分)=(1,600,000 – 320,000) x 1/10 x9/12 =96,000 (借)減価償却費 288,000 (貸) 備品減価償却費累計額 288,000

減価償却費に関する仕訳例 2009年度の4月3日に購入した備品(取得原価400,000円、耐用年数6年、 残存価額は取得原価の10%、定額法により減価償却を行っており、間接     法で記帳)を2012年度末に130,000円で売却し、代金は翌月末に受け取ることした。 2009年4月3日-2011年末まで、2年と9/12か月 減価償却費累計額 =(400,000 -40,000) x 1/6 x (2+9/12) = 360,000 x 33/72 = 165,000 減価償却費(今期)=(400,000 -40,000) x 1/6 =60,000 固定資産売却損  = 400,000 -165,000 -60,000 – 130,000 = 45,000 (借)備品減価償却費累計額 165,000 (貸)備品    400,000    減価償却費   60,000 固定資産売却損   45,000     未収金           130,000