第1章 貨幣とは何か② §2.貨幣の系譜・歴史 第3回 2017.4.12
本日のキーワード 貨幣の系譜・歴史 商品貨幣 金属貨幣(秤量貨幣) 鋳造貨幣 紙幣(銀行券) 現金通貨 電子マネー 硬貨 日本銀行券 鋳造貨幣 紙幣(銀行券) 現金通貨 電子マネー 硬貨 日本銀行券 預金通貨
商品貨幣 商品貨幣「それ自体使用価値を持っていて、交換手段にも利用 されるもの」 ある共同社会の中で使用価値を持つものが貨幣として選ばれる 古代中国:子安貝 (ヤップ島の)石、牛 米、布、塩、砂糖、なめし皮etc 買や貨 に 貝 の字 牛 cattle Capital 資本 塩(サラリウム) 給料:サラリー 稲 ね、値 布 貨幣
ミクロネシアヤップ島の『石貨』 http://ron-san.at.webry.info/201108/article_13.html
これは25年にヤップ島(現ミクロネシア連邦)から寄贈された石のお金「石貨」だとか。 当時ヤップ島は日本の委任統治領。 戦時中はほかの国にも多く持ち出されたとみられ、現在は持ち出しが禁止されている貴重な品だという。 出典 南極の石、石貨… 日比谷公園で珍品探し :日本経済新聞 出典 tokyochiyoda.blog.shinobi.jp 千代田区日比谷公園
①持ち運びが便利 ②【時間がたっても】 品質安定(価値の安定、耐久性) ③分割可能 【さまざまなものと交換可能であるためには】
金・銀・銅の金属貨幣 重さを量ったり、分割したり、品質の評価が大変 あらかじめ一定量の金属を含むように鋳造する 鋳造貨幣(鋳貨、coin)
貨幣の偽造 財政上の問題や個人的欲望から、 鋳貨に含まれている金や銀の量をごまかす 鋳貨の端を切り取ったり、削り取ったりする
グレシャムの法則: 悪貨が良貨を駆逐する 純度の低い悪貨が出回るようになると、 純度の高い良貨が流通しなくなる このとき、もし人々が 鋳貨を交換手段として受けとらなくなると、 貨幣としての機能を失う
「預り証」を発行 純度を秤量して確認するわずらわしさ 人々から鋳貨を預かり、その中に含まれている金属の量を秤る専門家・金細工職人 預り証(借用証書):金細工職人手形 Goldsmith note Aさんが金貨を金細工職人に預け、3日後の取りに来るということになっているとしよう。 ところが、 翌日AさんはBさんから洋服を買うという必要が生じた。 しかしAさんはいま金貨を持っていない。 そこでBさんに事情を話して、 すなわち この預かり証をもっていけば、必ず金貨に変えてもらえると説明して この預かり証との交換で洋服を手に入れることができた。 さらにBさんはこの預かり証でCさんからパンを購入した・・・・・。 「預り証」を発行 預り証(借用証書)を見せれば、いつでももとの鋳貨と交換できる
紙幣(paper money)の登場 「預り証」 銀行券 人々はわざわざ預り証を鋳貨に 変えようとはせずに 預り証をそのまま交換手段すなわち 貨幣として使用するようになる こうして誰もが、この預かり証を決算手段として認め受け入れれば 預かり証は交換手段、すなわち貨幣としての役割を持つようになる。 金貨と預かり証の関係は1対1 第1段階 次に第2段階 Asannha 3日後に預かり証を持って、金貨を取りに来ると言った。 しかし一向に取りに来ない。金貨は金細工職人のもとにある。 100人の人から金貨をあずかると、 1日に2~3人は受け取りに来るが、多くは取りに来ない。 そこで 金細工職人、goldsmith は考えた。 預かっている金貨以上の証書を発行して貸し出すことができると。 (すぐに取りにくることはないから。)その際に利子を取ろうと。 これが銀行貸し出しの始まりとなっていったといわれている。 「預り証」 銀行券
発券銀行 こうした発券銀行は日本でも外国でも多数存在した 現代では銀行券を発行できるのは中央銀行のみ 日本: アメリカ: イギリス: 日本: アメリカ: イギリス: 日本銀行 FRB(連邦準備制度理事会) イングランド銀行(英蘭銀行)
金本位制度と管理通貨制度 第2次世界大戦まで:金本位制 第2次世界大戦後:不換紙幣、管理通貨制度 管理通貨制度「金融当局によって貨幣の量を調整できる制度」 中央銀行が発行する銀行券は一定量の金と交換できる 兌換制度が採用されていた 法貨(legal tender)は法によって一般的交換手段に指定されている ドル紙幣:THIS NOTE IS LEGAL TENDER FOR ALL DEBT,PUBLIC AND PRIVATE ポンド紙幣:I PROMISE TO PAY BEARER ON DEMAND THE SUM OF ・・・・POUNDS 不換紙幣(フィアットマネーfiat money) 日本:日本銀行券 1万円札、5000円札、2000円札、1000円札
貨幣に対する信認 人々が何の心配もなく銀行券を使用するのは、 他の人々もまた銀行券を交換手段として受け取ると信じているからである。 今日の貨幣制度あるいは通貨制度は 人々の貨幣に対する信認から成立している。 他の人々もまた銀行券を交換手段として受け取ると信じているからである。 これを貨幣に対する信認という。
貨幣に対する信認 貨幣・日本銀行券の価値を安定に保つことが必要 貨幣価値:それでどれだけのモノ・サービスを買えるかという購買力 貨幣価値の安定=物価の安定 :中央銀行の第1の任務
現金通貨 現金通貨: と 日本銀行券 硬貨 日本銀行券:法律によって公私一切の取引に無制限に通用すると定められた法貨 硬貨:500円、100円、50円、10円、5円、1円 現金通貨の大半は日本銀行券であり、 硬貨は補完、補助的に使用 硬貨:法貨として強制的に通用するのは額面価額の20倍まで、それ以上は受け取り拒否
預金通貨の登場 現金通貨の問題点 多額の取引の決済には、 安全性もなく、持ち運びも不便 民間銀行の預金通貨の登場 当座預金と普通預金
貨幣の系譜・歴史(まとめ) 商品貨幣 金属貨幣(秤量貨幣) 鋳造貨幣 紙幣(銀行券) 硬貨 現金通貨 電子マネー ビットコイン 日本銀行券 鋳造貨幣 紙幣(銀行券) 電子マネー ビットコイン 硬貨 現金通貨 日本銀行券 預金通貨
●表2‐2● 主要電子マネー(前払い式) 主要電子マネー 〈→21ページ〉
銀行の登場 銀行は人々から鋳貨を受け入れ、その中に含まれている金属の量を秤って、その量に見合った価値を示す鋳貨の「預り証」を鋳貨を預けるものに渡す 「預り証」 銀行券 銀行券は発行した銀行へ持っていけば、いつでもそれに示された価値に等しい鋳貨と交換できる保証が与えられていた
紙幣(paper money)の登場 人々はわざわざ銀行券を鋳貨に変えようとはせずに 銀行券を貨幣として使用するようになる。
電子マネー「金銭的な価値を持つ電子的なデータ」(日本銀行) ●表2‐2● 電子マネー各陣営の会員数(2007年3月末時点) 電子マネー「金銭的な価値を持つ電子的なデータ」(日本銀行) 〈→19ページ〉