デザイン情報学科 メディア情報設計 河原英紀

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第 7 週目: 周波数伝達関数とボード線図 周波数伝達関数 ボード線図 TUT, System & Control laboratory 1/16.
情報通信システム( 2 ) 年 4 月 26 日 火曜日 午後 4 時 10 分~ 5 時 40 分 NTT-IT Corp. 加藤 洋一.
量子化(Mid-riser型) 出力y 入力x 通信ネットワーク特論(量子化・符号化).
情報通信システム(3) plala. or 情報通信システム(3) 年5月10日 火曜日  午後4時10分~5時40分 NTT-IT Corp. 加藤 洋一.
復習.
10.時系列データの解析 time-series data
ディジタル信号処理 Digital Signal Processing
プロセス制御工学 3.伝達関数と過渡応答 京都大学  加納 学.
「データ学習アルゴリズム」 第3章 複雑な学習モデル 3.1 関数近似モデル ….. … 3層パーセプトロン
第三章 ディジタル符号変換の基礎 3・1PCMパルス符号変換 3・2符号変換 3・3通信路符号形式 3・4スクランブル.
クロストーク成分の相互相関に 着目した音場再生システム
デジタル信号処理①
デジタル信号処理③
担当 : 山口 匡 伊藤 祐吾 (TA) 宮内 裕輔 (TA)
デジタル信号処理④
ガウス誤差関数を利用した 収束の速いヒルベルト変換ディジタルフィルタ
羽佐田葉子 2007年3月24日 アクロス研究会@静岡大学
(ラプラス変換の復習) 教科書には相当する章はない
表紙 MATLAB 応用講習会(A) 情報アシスタント M1 山本幸司.
ー 第1日目 ー 確率過程について 抵抗の熱雑音の測定実験
ー 第3日目 ー ねじれ型振動子のブラウン運動の測定
電気回路学Ⅱ エネルギーインテリジェンスコース 5セメ 山田 博仁.
計測工学 復習.
システムモデルと伝達関数 1. インパルス応答と伝達関数 キーワード : 伝達関数、インパルス応答、 ステップ応答、ランプ応答
Digital Filter ディジタルフィルタ
計測工学 ブリッジ・フィルタ・ノイズ・AD変換
第7回 フィルタとは.
音信号表現 音声波形のデジタル化(PCM) サンプリング、標本化定理、量子化 ソースフィルタモデル
電気回路学Ⅱ エネルギーインテリジェンスコース 5セメ 山田 博仁.
電気回路学Ⅱ 通信工学コース 5セメ 山田 博仁.
アクティブフィルタによるW-CDMA受信機の歪抑制に関する検討
電気回路学Ⅱ エネルギーインテリジェンスコース 5セメ 山田 博仁.
P4 通信システム P4.1 ディジタルフィルタの設計とその応用 P4.2 伝送線路のFDTD解析 P4.2 H4.1 P4.1 H4.1
第4回 信号表現とエリアシング.
デザイン情報学科 メディア情報設計 河原英紀
機械創造工学課程 西久保智昭 担当教員 小林泰秀 准教授
6. ラプラス変換.
第10回 FIR回路とIIR回路.
ディジタル信号処理 Digital Signal Processing
今後の講義スケジュール 日程 内容 11/17 二端子対網、 Y行列、 Z行列 11/24 縦続行列 12/1 諸行列間の関係、 Y-D変換
ディジタルフィルタの設計.
デザイン情報学科 メディア情報設計 河原英紀
デザイン情報学科 メディア情報設計 河原英紀
高次システムのボード線図 周波数応答によるシステムの同定
ー 第3日目 ー ねじれ型振動子のブラウン運動の測定
ディジタル信号処理 Digital Signal Processing
電気回路学Ⅱ コミュニケーションネットワークコース 5セメ 山田 博仁.
ディジタル信号処理 Digital Signal Processing
音声分析 フーリエ解析の定性的理解のために.
電機制御工学 定量的制御編 清弘 智昭.
Fourier 変換 Mellin変換 演習課題
ディジタル信号処理 Digital Signal Processing
インピーダンスp型回路⇔T型回路間での変換
電気回路学Ⅱ エネルギーインテリジェンスコース 5セメ 山田 博仁.
ディジタル信号処理 Digital Signal Processing
電気回路学Ⅱ コミュニケーションネットワークコース 5セメ 山田 博仁.
P4 通信システム P4.1 ディジタルフィルタの設計とその応用 P4.2 伝送線路のFDTD解析 P4.2 H4.1 P4.1 H4.1
尤度最大化基準を用いたエコー推定に基づく 車室内音響エコーキャンセラの検討
第 5 章 :周波数応答 5.1 周波数応答と伝達関数 周波数伝達関数,ゲイン,位相 キーワード : 5.2 ベクトル軌跡 ベクトル軌跡
音響伝達特性を用いたシングルチャネル音源方向推定
物理学実験 II ブラウン運動 ー 第2日目 ー 電気力学結合系の特性評価 物理学実験II (ブラウン運動) 説明資料.
電気回路学Ⅱ 通信工学コース 5セメ 山田 博仁.
第3回 標本化定理.
ソースフィルタモデル.
電気回路学Ⅱ 通信工学コース 5セメ 山田 博仁.
情報数理Ⅱ 第10章 オートマトン 平成28年12月21日.
電気回路学Ⅱ 通信工学コース 5セメ 山田 博仁.
電気回路学Ⅱ コミュニケーションネットワークコース 5セメ 山田 博仁.
Fourier 変換 Mellin変換 演習課題
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デザイン情報学科 メディア情報設計 河原英紀 ディジタル信号処理 デザイン情報学科 メディア情報設計 河原英紀 2002.7.11 ディジタル信号処理

本日の予定 レポートから 課題の解答 補足(これまでの課題等) フィルタ FFTを用いた実現 フィルタの設計 2002.7.11 ディジタル信号処理

課題: あるインパルス応答h[k],k=-M,...,Mを用いて作成したFIRフィルターと、同じ係数を用いて作成したIIRフィルターがある。(ただし、IIRフィルタの場合、同じ係数をk=1,...,2M+1番目の係数として用いるものとする)これらのフィルターを直列に接続したシステムの伝達特性を求めよ。 2002.7.11 ディジタル信号処理

レポートから 理解できないままに進むので、試験が心配 直線位相FIRフィルタの説明の「だめ押し」の部分が良く分らなかった 音楽がかかったのが良かった やりたかったことを実現できるのがフィルターだと分かったので、フィルターが好きになった FIRフィルターと直線位相フィルタの違いが分らない 2002.7.11 ディジタル信号処理

レポートから 今回の内容は理解できた デモの説明が早くて、授業との関係が分らなかった 未だにz変換やFourier変換の関係が良く分らない。復習して欲しい DFTの性質がまとめてあって分かりやすかった プリント配付は非常にいい。授業に集中できる。 因果律という言葉が出たので分らなくなった。 2002.7.11 ディジタル信号処理

レポートから 畳込み法則が良く分らない 式の展開を追うことが難しい 結局h[k]をいじることでLPF, HPFなどが作れるということか? プリントにミスがあるとすごく理解に苦労するので、注意して欲しい 今やっていることがどのように体系立ってつながっているのか全体像が分らない CDよりもAMの音が悪いのはフィルタで説明できるのか? 2002.7.11 ディジタル信号処理

FIRフィルター x[n] h[k] y[n] 2002.7.11 ディジタル信号処理

IIRフィルター y[n] x[n] h[k] 2002.7.11 ディジタル信号処理

課題の解答例 z変換の定義を用いて 伝達特性を求める FIRフィルター IIRフィルター 2002.7.11 ディジタル信号処理

課題の解答例 直列に接続したシステムの伝達特性をT(z)とすると、 T(z)はそれぞれの伝達特性の積になる ただし、Q(z)=0の根が 単位円内部にあること 2002.7.11 ディジタル信号処理

課題の補足 あるIIRフィルタがある場合 Q(z)を伝達関数とするようなFIRフィルタを直列に 接続すると、伝達関数が1となる。 →入力が復元される。 (逆フィルタ) 2002.7.11 ディジタル信号処理

補足(これまでの課題等) 時不変性 出力は入力を入れた時刻に依存しない というシステムがある時に、時刻をずらして 作成した新しい入力を入れた場合の出力が、 上記の出力の時刻をずらしたものと一致する。 という入力を作成し 出力を求めると 時刻をずらせたものと一致する 2002.7.11 ディジタル信号処理

補足(これまでの課題等) 時不変性の判定の例題 の場合 という入力を作成し 出力を求めると 時刻をずらせたものと一致しない したがって、このシステムは 時不変ではない 2002.7.11 ディジタル信号処理

様々なフィルター 低域通過フィルタ LPF (Low Pass Filter) 通過域 高域通過フィルタ HPF (High Pass Filter) 帯域阻止フィルタ BEF (Band Elimination Filter) 帯域通過フィルタ BPF (Band Pass Filter) 2002.7.11 ディジタル信号処理

フィルターの実現方法 FIRフィルター IIRフィルター FFTを用いた実現 DFTを用いることにより、畳込みを周波数領域でのかけ算により実現する DFTにより実現される畳込みが循環(あるいは円環)畳込みであるため、通常の畳込み(直線畳込み)を計算するための工夫が必要 DFTを高速に計算するために、FFTを用いる 2002.7.11 ディジタル信号処理

FFTを用いた実現 DFTを用いることにより、畳込みを周波数領域でのかけ算により実現する h[n] DFT H(k) Y(k) かけ算 IDFT DFT x[n] X(k) y[n] 2002.7.11 ディジタル信号処理

FFTを用いた実現 循環(あるいは円環)畳込みを用いて、通常の畳込み(直線畳込み)を計算する N>K+M-1であれば 直線畳込みと同じ 2002.7.11 ディジタル信号処理

FFTを用いた実現 循環(あるいは円環)畳込みを用いて、通常の畳込み(直線畳込み)を計算する 切り出した それぞれの部分を x2 とみなす 長さK それぞれの 計算(畳込み) の結果 x2 重なる部分は 加え合わせる 長さM 長さN>K+L-1 overlap and add 2002.7.11 ディジタル信号処理

フィルターの設計方法 アナログシステムのインパルス応答に基づく方法(IIR) 目的とする振幅周波数特性から窓関数を用いて実現する方法(FIR) 目的とする周波数特性と時間特性の双方を満足するように設計する方法 →計算機を用いた設計手法 2002.7.11 ディジタル信号処理

窓関数を用いた設計 目標とする振幅周波数特性を逆フーリエ変換しただけではなぜいけないか? インパルス応答の長さ ギブスの現象 鋭い遮断特性は、時間方向での減衰の遅いインパルス応答を生み出す ギブスの現象 インパルス応答を有限長で打ち切ると、遮断周波数付近での振動が発生する 2002.7.11 ディジタル信号処理

ディジタル信号処理の試験 7月18日(木)1.2時限 A101(変更の可能性有り) 資料の持ち込み可能 ただし、計算機や携帯等の通信機器を用いることは禁止 2002.7.11 ディジタル信号処理