司法精神科領域における作業療法 医療観察法における作業療法士の役割と 関連する領域における経験より

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介護支援サービス(ケアマネジメント) 要援護者やその家族がもつ複数のニーズと社会資源 を結びつけること。 要援護者の生活の質を高めること。 保健,医療,福祉,住宅等の各種公的サービスだけ でなく,家族、ボランティア,近隣等の支援とも調整 し,在宅生活を支えていくもの.
キー・コンピテンシーと生きる 力 キー・コンピテンシー – 社会・文化的,技術的道具を相互作用的に活用する力 – 自律的に行動する力 – 社会的に異質な集団で交流する力 生きる力 – 基礎・基本を確実に身に付け,いかに社会が変化しようと, 自ら課題を見つけ,自ら学び,自ら考え, 主体的に判断 し,行動し,よりよく問題を解決する資質や能力.
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文脈 テクノロジに関する知識 教科内容に関する知識 教育学 的知識
*:「自己理解・自己成長プログラム」を含む B:ベーシックコース、E:エキスパートコース、P:プロフェッショナルコース
広島県作業療法士会講演会 10月14日 9:00-12:30 金 触法者,司法精神科領域に対する作業療法について
現在対応 将来展望 変動的 操作スキル プログラミング 情報モラル 探究スキル 普遍的 図13−1 情報活用能力の構成要素 (p.176)
タイプ別ストレス対処法.
未病はなぜよくならないのか? 医療者の問題 ① 未病をみることができない ② 健診に携わる医師や総合内科医の不足 ③ 患者さんとの意思疎通力の不足 患者さんの問題 ① 未病の概念をしらない ② 「薬」に対する絶大な信仰心.
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司法精神科領域における作業療法 医療観察法における作業療法士の役割と 関連する領域における経験より 平成30年度 広島県作業療法士会研修 司法精神科領域における作業療法 医療観察法における作業療法士の役割と 関連する領域における経験より 三澤剛 独立行政法人国立病院機構久里浜医療センター リハビリテーション科

セキュリティと治療のバランス ○生活技能の低下を招く ○フラストレーションの増加 ○意欲・関心の低下 ○社会性の低下 対象者およびスタッフが 安全・安心な治療的空間を守るためには 適切なセキュリティは必要であるが、一方で・・・ セキュリティが過度に高いと以下のような弊害を招く。 ○生活技能の低下を招く ○フラストレーションの増加 ○意欲・関心の低下 ○社会性の低下 ○動的なリスクアセスメントが困難 ○技能の般化、定着を疎外

治療とリスクマネジメント ・・・物品・環境・対人交流・・・ ①管理:リスク評価に基づいた環境の管理 ②個別の特性について情報共有しておく  (対象行為、行動特性、環境との相互作用など) ③MDTによるリスクアセスメントに基づいて、  段階づけされた使用および参加を試みる。 ④適切な使用、管理の仕方を覚え、自己管理能力、 自己対処技能を高める。 ⑤適切な対処技能を獲得し、生活に支障がないよう にする ⑥生活環境におけるマネジメント方策、定着訓練 リスクマネジメント:物品・環境・対人交流・・・  危険だから遠ざければよいのか? ⇒個数を一緒に数える、収納する(GWⅡ)ことに より、安全管理に主体的に取り組む意識、信頼感 を構築する。  ⇒暴力では解決しないことの教育(ユニットミーティ ングなど) リスク・マネジメントの留意点 1)適切な物品(状況)の管理、使用方法を学習す   ること(基本的な作業遂行能力) 2)状況・環境に応じて適切に振舞うことの学習      い(環境適応能力) 3)対象行為に類似する用具、空間、状況に対する   過度の不安、緊張、回避による生活への影響を   評価し、適切に対処する方策を検討する。 4)アセスメントができていないことによる過剰な   管理とさらなる予測の困難を防ぐ。 5)リスクレベルは継続的に検討、更新する。 リハビリテーションとセキュリティ リハビリテーションには本人の自発性が必要 →危険を避けること、安全に取り扱えるようになることの相乗効果 過度に保護的になると、対象者の意識づけは妨げられる。 物品の管理については、参加者にも責任をシェアすることを スタッフだけが管理しようとしない。 どうせ危ないと思われてるんでしょ→不信感、基本的信頼感の欠如 物品管理の実際→写真 生活の場所の安全をみんなで守ろう→ユニットMで普段から場の共有、他者への配慮について話し合いをしていること。 一方的に管理するのではなく、管理できるように働きかけ、安全な環境を共有すること。

物品の管理

生活の中でのつまづきやすさ やりたくないわけじゃないけれど・・・

司法精神科医療の対象者にみられる 生活活動における社会復帰要因 Occupational Risk Factor 1)自己認識・自己コントロール 2)生活のバランス 3)作業遂行能力(運動・認知) 4)コミュニケーション・相互交流能力 5)日常生活技能の低下 6)社会的要因

生活活動におけるリスク (1) 自己認識:ボディイメージ、気分、疲労、身体感覚の低下により自己の状態に気づきにくい。 生活活動におけるリスク (1)  個人的要因 意志、価値 個人的原因帰属 習慣・役割 自己認識:ボディイメージ、気分、疲労、身体感覚の低下により自己の状態に気づきにくい。 自己評価:過剰・過少、非現実的 動機づけ:消極的、受動的、失敗に弱い、過剰に挑戦的 自発性の欠如、一貫性がない、欲求不満耐性の低下 自己効力感の低さ、不全感←否定的体験、肯定的体験が少ない 日課:決まった日課がない 習慣:生活を安定さえる習慣的行動が身につかない 役割・責任:自尊心、価値を支えるものがない、ストレス。 価値:価値を置く時間の使い方・活動がない。 生活のバランス セルフケア:気分・感情のコントロール、金銭管理 生産的活動:生産的意味を見出す活動、役割の欠如(仕事、家事、教育など) 余暇・休息:リラックスできない、楽しめる活動がない、限られている。 生活のリスク 生活のしずらさ、生活の中での破綻のしやすさ、脆弱性をもった対象者は少なくない。 これらの対象者の能力や、行動の特性を構成的、非構成的場面のなかでアセスメントすることは 作業療法士の能力を発揮できる分野である。 それを行うためにどのような段階づけをするのか?どのような作業や活動を用いることができるのか? それは作業療法士のスキルにかかっているのではないだろうか? 退院後の生活を想定して、院内では何ができるのか? 狭義の作業療法のセッションの場面だけでは不十分である。 般化、定着させ本人の価値や環境変化に応じた再構成reflamingに至るまでのプロセスを どのように構築するのか?

生活活動におけるリスク (2)  運動技能 手指の操作性、協調運動の稚拙さ、耐久性の低下、身体感覚の気づきなどの低下などにより、基本的な生活が円滑にできないことから、意欲、自信喪失、自己効力感低下などにより日常生活、社会生活に破綻しやすい。 認知プロセス 技能 注意の幅が狭い、集中持続が困難、目的の理解が不十分、空間の認知が不得手(貴重品の管理、作業場所の混乱)、段取り・優先順位が付けられない(結果の予測、問題解決しづらい)、論理的思考、抽象的概念の統合が難しい。 社会生活技能 コミュニケーション:表現力のなさ→言葉で伝える、理解することが難しい、意志が伝わらないことによるフラストレーション 自己本位のやり取り、他者に配慮できない、社会的ルール(規範)が理解できない、対人関係を維持することが難しい(依存的、人を信頼できない、被害的)→SOSが出せない 認知技能、作業遂行技能、社会性は、 地域生活を送る上で、安定した生活を導く重要な領域である。 司法精神科の対象者ではこれらの領域の基本的技能が低下していたり、十分発達していないことにより、 生活の破綻をきたしやすい。 これらの課題に取り組むには、目的にそった作業療法プログラムの構築が必要であり、 対象者のレベルに応じて心理教育、認知行動療法などの手法を用いたセッションとのつながりを考えていく必要がある。

生活活動のリスク (3) 道具、環境の 取り扱い 状況に応じて能力を発揮することが難しい→状況依存性、般化が困難 生活活動のリスク (3)  道具、環境の 取り扱い 状況に応じて能力を発揮することが難しい→状況依存性、般化が困難 不適切な日常用具の使用⇒凶器、自傷・他害。 対象行為時の環境にたいする過度の不安。 一般的な道具の操作、交通機関、道路の安全、サインや情報の理解の低さ →生活の安全性低下 社会的な保護、制度の利用が円滑でない。 落ち着くことができる、安心できる場や道具がない、限定的。 社会集団・関係性 特定の対象への被害感、攻撃性 社会的集団に対する不安、適応困難 社会的な疎外、いじめ、虐待 社会的規範 常識的な行動規範や他者への配慮 社会的なルールの認識と規範を守る価値感の有無 対象者の個別的な能力だけでなく、環境的な要因と対象者を取り囲む状況にどの程度気づいているのかということも 考慮しなければならない。 時間、空間、活動、社会的要因など環境要因に対して評価し、これまでの作業療法セッションでみられた特徴と実際の場面での適応状態を捉えることは、作業路療法士を中心に取り組むべき領域である。