目的 オメガ3脂肪酸エチルは,エイコサペンタエン酸(EPA)とドコサヘキサエン酸(DHA)を含む魚由来の製剤で,中性脂肪低下作用を持ち,抗動脈硬化作用を持つとされている. 現在までに心血管系イベントの抑制効果についての報告がなされているが,慢性腎臓病(CKD)に対する効果ははっきりしない. このため,当院でのCKD患者にオメガ3脂肪酸エチルを投与した結果について,各種疾患やCKDステージとの関連を含めて検討した.

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日本HTLV-1学会 COI 開示 筆頭発表者名: ○○ ○○ 責任発表者名: △△ △△
医療法人社団スマイル 広島ベイクリニック1)
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日本HTLV-1学会 COI 開示 筆頭発表者名: ○○ ○○ 責任発表者名: △△ △△
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Presentation transcript:

目的 オメガ3脂肪酸エチルは,エイコサペンタエン酸(EPA)とドコサヘキサエン酸(DHA)を含む魚由来の製剤で,中性脂肪低下作用を持ち,抗動脈硬化作用を持つとされている. 現在までに心血管系イベントの抑制効果についての報告がなされているが,慢性腎臓病(CKD)に対する効果ははっきりしない. このため,当院でのCKD患者にオメガ3脂肪酸エチルを投与した結果について,各種疾患やCKDステージとの関連を含めて検討した. 先ほど紹介のあった新しい利尿薬,トルバプタンは, 腎機能が正常なうっ血性心不全患者さんたちに対しては大きな効果を上げているとのことですが, 腎機能の低下した心不全患者さんたちに対しては,反応が良好な群,不良な群があると聞きますが,はっきりしたことはわかっていません. 個人的に一番興味があるのは,トルバプタンが,夜間に転がり込んでくる溢水の患者さんたちへの切り札になってくれるのかどうか,というところでした. そのためには,どの程度効果があるのか,使って安全なのか,事前に効果が予測できるのか,などがはっきりすると使いやすいわけです. ですので,当院で腎機能の低下したうっ血性心不全患者に対してトルバプタンを使用した症例について,検討してみました.

方法 期間 : 2015年5月~2016年4月 対象 : スタチン製剤を内服しているCKD患者 症例数 : 投与群 56例,非投与群 36例 オメガ3脂肪酸エチル投与量 : 4g 評価法 : 糖尿病群(DM群),非糖尿病群(NDM群)に分けた後ろ向き研究 評価項目 : TG,EPA/AA比,eGFR,尿蛋白 統計手法 : Wilcoxon signed rank test,Mann-Whitney‘s U test

患者背景 糖尿病群 非糖尿病群 非投与群 (DM-群) 投与群 (DM+群) (NDM-群) (NDM+群) 人数 (M/ F) 18 ( 8/ 10 ) 10 ( 6/ 4 ) 18 ( 10/ 8 ) 46 ( 28/ 18) 年齢 (year) 68.6 ± 7.8 69.5 ± 4.6 68.7 ± 7.0 64.4 ± 11.9 CKD stage (0/ 0/ 1/ 4/ 10) (0/ 3/ 4/ 2/ 1) (1/ 5/ 6/ 5/ 1) (0/ 15/ 26/ 4/ 1) eGFR (ml/ 分/ 1.7m2) 39.0 [19.5~75.0] 45.5 [25.5~65.0] 33.0 [28.0~68.5] 51.5 [36.5~67.5] TG (mg/ dl) 103.0 [74.5~143.5] 175.5 [146.0~329.0] 137.5 [94.5~215.0] 184.0 [134.5~236.5] UP(g/ gCr) 2.105 [0.524~4.008] 1.084 [0.103~4.009] 0.255 [0.051~4.902] 0.141 [0.072~1.347] 全症例では平均年齢はおよそ73歳. (全症例を指しながら)CKDステージは26症例中17症例でステージ5で,平均Egfrは約16とかなり低い値を示していました. 平均フロセミド投与量は約80mg,平均トルバプタン投与日数は約13日となっていました. これを,有効群(投与前に比べて2日後までに尿量が増加した例としています,を指す),無効群別に分けます. 平均フロセミド投与量,平均トルバプタン投与日数は全無効群で短い傾向にありましたが,これらの項目では両群間で有意差は認めませんでした. Median,Mean SD

TGの変化(DM群) † * TGの変化量 (mg/dl) DM-群 DM+群 DM-群 (n=18) DM+群 (n=10) p<0.05 投与前 3ヶ月後 6ヶ月後 9ヶ月後 DM-群 (n=18) 4.0 [-18.0~52.0] 9.5 [-21.0~49.5] 12.5 [-35.0~32.5] DM+群 (n=10) -36.0 [-104.0~-21.0] -52.0 [-59.0~-30.0] -45.0 [-84.0~33.5]

TGの変化(NDM群) † † * * * TGの変化量 (mg/dl) * † NDM-群 NDM+群 NDM-群 (n=18) p<0.05 * 投与前 3ヶ月後 6ヶ月後 9ヶ月後 NDM-群 (n=18) 6.0 [-41.5~25.5] -7.0 [-49.5~20.0] -9.0 [-19.5~11.5] NDM+群 (n=46) -50.5 [-91.5~-10.0] -43.5 [-82.5~-3.5] -39.5 [-76.0~12.5]

EPA/ AA比の変化(DM/ NDM群) * * EPA/ AA比 * DM +群 NDM+群 DM+群 (n=10) # # * * # DM +群 NDM+群 EPA/ AA比 # p<0.05 * 投与前 3ヶ月後 6ヶ月後 9ヶ月後  DM+群 (n=10) 0.29 [0.25~0.36] 1.49 [0.81~1.52] 1.16 [0.75~1.36] NDM+群 (n=46) 0.35 [0.17~0.49] 1.10 [0.84~1.35] 1.17 [0.79~1.39] 1.30 [1.07~1.43]

eGFRの変化(DM群) (mL/min/1.7m2) eGFRの変化量 DM-群 DM+群 DM-群 (n=18) DM+群 (n=10) 投与前 3ヶ月後 6ヶ月後 9ヶ月後 DM-群 (n=18) -1.0 [-5.0~2.5] 0.5 [-3.5~2.0] -2.0 [-5.5~2.5] DM+群 (n=10) 1.0 [-1.5~7.5] 0 [-2.5~6.0] 1.0 [-1.5~4.0]

eGFRの変化(DM群:G1,2,3) (mL/min/1.7m2) eGFRの変化量 DM-群 DM+群 DM-群 (n=12) 投与前 3ヶ月後 6ヶ月後 9ヶ月後 DM-群 (n=12) -2.0 [-6.5~3.5] 0.0 [-2.0~6.0] -1.5 [-6.0~3.0] DM+群 (n= 7) 4.0 [0.5~11.0] 1.5 [-4.5~2.0] 2.0 [0.0~7.5]

eGFRの変化(DM群:G4,5) (mL/min/1.7m2) eGFRの変化量 DM-群 DM+群 DM-群 (n=6) 投与前 3ヶ月後 6ヶ月後 9ヶ月後 DM-群 (n=6) -1.0 [-2.5~1.0] -1.0 [-2.0~1.5] -2.0 [-2.5~1.0] DM+群 (n=3) -1.0 0.0 -2.0

eGFRの変化(NDM群) † † * (mL/min/1.7m2) eGFRの変化量 * † NDM-群 NDM+群 p<0.05 * 投与前 3ヶ月後 6ヶ月後 9ヶ月後 NDM-群 (n=18) 0 [-2.5~1.5] -1.0 [-5.0~0] -1.0 [-3.5~3.5] NDM+群 (n=46) 2.0 [-0.5~5.0] 1.0 [-2.0~4.5] 0.0 [-2.0~2.0]

eGFRの変化(NDM群:G1,2) * (mL/min/1.7m2) eGFRの変化量 NDM-群 NDM+群 NDM-群 (n= 6) p<0.05 投与前 3ヶ月後 6ヶ月後 9ヶ月後 NDM-群 (n= 6) -0.5 [-4.5~4.5] -3.5 [-10.0~6.0] -3.0 [-7.5~5.0] NDM+群 (n=15) 4.0 [0.5~9.0] 2.0 [-1.0~4.0] 0.0 [-0.5~5.5]

eGFRの変化(NDM群:G3) (mL/min/1.7m2) eGFRの変化量 NDM-群 NDM+群 NDM-群 (n= 6) 投与前 3ヶ月後 6ヶ月後 9ヶ月後 NDM-群 (n= 6) 0.0 [-2.5~2.0] 0.0 [-2.5~1.0] 0.5 [-2.0~4.5] NDM+群 (n=26) 2.0 [-2.0~5.0] 1.0 [-3.5~6.0] -0.5 [-3.0~2.0]

eGFRの変化(NDM群:G4,5) (mL/min/1.7m2) eGFRの変化量 NDM-群 NDM+群 NDM-群 (n=6) 投与前 3ヶ月後 6ヶ月後 9ヶ月後 NDM-群 (n=6) -1.5 [-4.5~1.5] -2.0 [-9.5~2.0] 2.0 [-6.5~5.0] NDM+群 (n=5) 1.0 -1.0

尿蛋白の変化(DM群) 尿蛋白の変化量 (g/ gCr) DM-群 DM+群 DM-群 (n=18) DM+群 (n=10) 投与前 3ヶ月後 6ヶ月後 9ヶ月後 DM-群 (n=18) 0 [-0.45~0.19] 0 [-4.59~0.33] 0 [-0.86~0.16] DM+群 (n=10) -1.0 [-0.01~1.05] -0.1 [-0.81~1.27] 0.02 [-0.69~0.59]

尿蛋白の変化(NDM群) 尿蛋白の変化量 (g/ gCr) NDM-群 NDM+群 NDM-群 (n=18) NDM+群 (n=46) 投与前 3ヶ月後 6ヶ月後 9ヶ月後 NDM-群 (n=18) -0.02 [-0.15~0.16] -0.06 [-0.35~0.02] -0.02 [-0.16~0.05] NDM+群 (n=46) 0 [-0.02~0.05] -0.1 [-0.01~0.17] 0.01 [-0.01~0.40]

投与群の疾患別でのeGFRと尿蛋白量の関係(3ヶ月後)

考察 ハイマン腎炎モデルラットにオメガ3脂肪酸(EPA)を投与したところ,イヌリンクリアランスと腎血漿流量の増加を認め,たんぱく尿の改善を認めた. Kidney Int. 1993 Feb;43(2):359-68. ラットにEPAを投与したところ,腎血漿流量の増加を認めた.また,腎虚血後のGFRはEPA投与群で高かった. Transpl Int. 1996;9 Suppl 1:S455-9. 2型糖尿病患者に魚油(EPA)を投与したところ,血管内皮細胞機能や血圧,炎症所見,酸化ストレスの改善は認めなかったが,血清Cr値の改善を認めた. Diabet Med. 2010 Jan;27(1):54-60.

結果 TG,E/A比はDM群,NDM群ともに,投与前に比べて有意に改善した. eGFRはDM群,NDM群ともに,CKDステージG1-3において,投与6ヶ月後まで上昇する傾向にあった. eGFRが上昇した患者のうち,UPが著明に増加する症例があったが,疾患と関わりのあるものではなかった.

演題発表内容に関連し,発表者らに開示すべきCOI関係にある企業などはありません. 様式1A 日本腎臓学会 COI 開示   発表者名:*松岡稔明,高見勝弘,大西佐代子,清水和幸, 兵頭俊武,中野志仁,山本祥代,高橋実代, 谷山佳弘,有馬秀二 (*代表者) 演題発表内容に関連し,発表者らに開示すべきCOI関係にある企業などはありません.