心理実験における データ分析 Q&A 平成15年12月3日(水) スポーツ心理学会第30回大会 ラウンドテーブルディスカッション スポーツ心理学会第30回大会 ラウンドテーブルディスカッション 心理実験における データ分析 Q&A 東京大学 工藤和俊
論文作成の手順 論文 着想 作業 結果 こんなことが言いたい/知りたい、こんなことが言えれば面白いという論旨明快なアイデア 器具作成 実験 測定 プログラミング データ分析 アイデアを支持する結果 分かりやすいグラフ 論文
スポーツ心理学会会員相互にできること 着想 作業 結果 着想の提供 分析方法の提案 解釈の示唆 こんなことが言いたい/知りたい、こんなことが言えれば面白いという論旨明快なアイデア 器具作成 実験 測定 プログラミング データ分析 アイデアを支持する結果 分かりやすいグラフ 着想の提供 分析方法の提案 解釈の示唆
発表概要 1. 実験データの種類 2. データからの情報抽出・実験例 2.1 複数レベル間の関係 2.1 複数レベル間の関係 2.1.1 動作のキネマティクス・ダイナミクス 2.1.2 筋活動 2.1.3 脳活動 2.2 時系列という情報 3. 非線形時系列解析法 4.1 フラクタル解析 4.2 再帰定量化解析 4. まとめ
発表概要 1. 実験データの種類 2. データからの情報抽出・実験例 2.1 複数レベル間の関係 2.1 複数レベル間の関係 2.1.1 動作のキネマティクス・ダイナミクス 2.1.2 筋活動 2.1.3 脳活動 2.2 時系列という情報 3. 非線形時系列解析法 4.1 フラクタル解析 4.2 再帰定量化解析 4. まとめ
実験によって得られる様々なデータ 実験データ ・ パフォーマンス ・ 内観報告 ・ 動作のキネマティクス ・ 動作のダイナミクス ・ 筋活動 ・ 脳活動 実験データ → 運動心理学 → バイオメカニクス → 運動生理学 → 脳神経科学
動作経過に関する実験データの特徴 膨大である 変動が大きい パフォーマンスに対して冗長性をもつ 物理学的・生理学的要因を考慮する必要がある 非線形性をもつ
発表概要 1. 実験データの種類 2. データからの情報抽出・実験例 2.1 複数レベル間の関係 2.1 複数レベル間の関係 2.1.1 動作のキネマティクス・ダイナミクス 2.1.2 筋活動 2.1.3 脳活動 2.2 時系列という情報 3. 非線形時系列解析法 4.1 フラクタル解析 4.2 再帰定量化解析 4. まとめ
複数レベルにわたる データ分析から分かること 複数のレベルに存在する多数の冗長な自由度がレベル内およびレベル間で如何に協応するか分析できる。 パフォーマンスの背景にある力学的・生理学的プロセスを検討することができる。 概念的ではなく、力学的・生理学的妥当性をもつ(身体性をもつ)心理学的理論を構築する一助となる。
動作のキネマティクスとダイナミクスに関するデータ データの種類 動作のキネマティクス 動作のダイナミクス 筋活動 脳活動 動作のキネマティクスとダイナミクスに関するデータ データの種類 位置・速度・加速度・躍度・角度・角速度・角加速度 筋トルク・相互作用トルク・外力 データの特徴 キネマティクス/ダイナミクスはパフォーマンスに対して冗長な自由度をもつ。 動作は筋トルクだけでは決まらない。 多関節動作のダイナミクスは、単関節動作のダイナミクスとは異なる。 相互作用トルクの利用により、動作はダイナミックに安定する。
冗長性な自由度を利用することにより多様な動作は再現性の高い動作よりも正確になりうる 実験設定 ( )3 リリース変数の協応の指標の算出法 実験結果 Kudo, Tsutsui, Ishikura, Ito, & Yamamoto, J. Mot. Behav. (2000), 工藤(2003)
論文作成手順 作業 ( )3 結果 着想 学習に伴い冗長な自由度の利用性が向上
冗長な自由度の利用性は リーチング動作でも定量化できる 2次元でプロットした協応マップ SD of Drand(tall ,t1 ) IC(tall ,t1)= SD of Dreal(tall ,t1 ) n tall t1 単関節リーチング動作の 角度変化と協応の指標 工藤 (未発表データ)
相互作用トルクは 速さと正確さの実現に貢献する 実験設定 相互作用トルクの算出 実験結果 Hirashima, Kudo, & Ohtsuki, J. Neurophysiol. (2003)