協働のための仕分け作業 (実際と評価) 駒宮博男 MPM行財政改革研究会

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協働のための仕分け作業 (実際と評価) 駒宮博男 MPM行財政改革研究会  名城大学大学院経営学研究科客員教授  (特活)地球の未来 理事長   (特活)ぎふNPOセンター理事

0.そもそも、NPOとは何か ・問題のないところにNPOなし! 社会的問題とは何か・・・・ 問題解決が全てのNPOのミッション

公共領域を改めて考える 民間 一般企業領域 (第2セクター) NPO領域 (第3セクター) 私益 公益 犯罪領域 行政領域 (第1セクター) 『天下り』 一般企業領域   (第2セクター) NPO領域 (第3セクター) (共益) 私益 公益                     犯罪領域           行政領域 (第1セクター) 官 現実に行政が関与している範囲

民間公益領域の範囲 財団法人 社団法人(約100年で、13,000法人) 医療法人 学校法人 社会福祉法人 宗教法人 政治団体 NPO法人(民間公益の領域では落穂拾い的範囲)       (約5年で17,000法人) 中間法人 組合 自治会等地縁組織

都市型NPO活動、郡部型NPO活動 ・都市のパブリック領域 ・郡部のパブリック領域 : パブリック領域 : 行政 : 外郭組織 : ボラ組織 : パブリック領域 : 行政 : 外郭組織 ・郡部のパブリック領域 : ボラ組織 : NPO : 企業

協働の必要性 行政による公共サービスの独占と民間公益の不在  ・住民もそれを望んできた    スズメバチの巣の処理も行政まかせ!  ・行政による公共サービス資金の独占をもたらす税制    結果としての行政の肥大化、不必要な中央集権の継続    民間公益資金の未発達    多様なニーズに対応困難な行政の行動原理  ・公平性  ・平等性 地方自治強化の必要性 強すぎる中央集権による弊害(1940年体制=戦時体制) 背景としての財政破綻 補完性の原則

Ⅰ.コミュニティーの崩壊 ・国民国家の成立から始まったコミュニティーの崩壊 国家と個人の二極分離によるコミュニティーの崩壊 ・国民国家の成立から始まったコミュニティーの崩壊   国家と個人の二極分離によるコミュニティーの崩壊 ・コモンズ(共有財産)と生態系(=唯一の生産財)   コモンズ=生態系と、ガバナンス機構(コミュニティー)の同   時崩壊をもたらした19~20世紀

なぜ、「地域から」か 進まない、霞ヶ関からの改革 ・巨大な官僚組織の壁 ・強すぎる中央集権 ・進むのか、『三位一体改革』 進まない、霞ヶ関からの改革   ・巨大な官僚組織の壁   ・強すぎる中央集権   ・進むのか、『三位一体改革』 改革は、危機を感じたコミュニティーから   ・小さいところから   ・遠いところから   ・弱いところから 都市は危機感を感じていない   ・東京のひとり勝ち   ・グローバル経済VS地域経済 既に動き出した全国のコミュニティー   ・新たなガバナンスの模索   ・地域内エネルギー自給   ・地域内食料自給   ・地域内公共サービス自給

どのような形態が考えられるか 国が考える形態 ・『地域振興協議会』 (第27次地方制度調査会答申) ・『地域再生プロジェクト』(内閣府) 国が考える形態   ・『地域振興協議会』 (第27次地方制度調査会答申)   ・『地域再生プロジェクト』(内閣府) 県が考える形態   ・『コモンズからはじまる、信州ルネッサンス革命』(長野県)   ・『県民協働宣言』(岐阜県) 市が考える形態   ・市内分権(長野市、岐阜市、大垣市・・・・)   ・徹底したアウトソース化(志木市・・・・) 町村が考える形態   ・NPO法人化(山岡、大和、加子母、・・・・・・・)   ・地域振興協議会(高宮)   ・観光協会(古川、恵那市三郷町・・・・)

改革は、   遠いところから、   小さいところから、   弱いところから

改革は、 遠いところから、 小さいところから、 弱いところから (岐阜県の場合) 改革は、   遠いところから、  小さいところから、  弱いところから (岐阜県の場合) ・NPO法人  やすらぎの里いとしろ (野菜の青空市場からスタートし、石徹白村再興を模索) ・NPO法人コミシス大和 (高齢者、障害者福祉 青少年育成等) ・エネルギー自給、地域経済活性化を模索 ・地域のNPO化を模索 ・木質バイオマス発電 ・CATVのNPO化を模索 ・地域NPO化を模索 福岡町 ・NPO法人おたがいさま (地域社会福祉協議会と連携) ・地域NPO化を模索 ・エネルギー自給 ・コミュニティーバス (役場が中心) ・地域のNPO化を模索 ・NPO法人陶宅老所 (自治会との連携) ・NPO法人まちづくり山岡 (地域ガバナンスをNPOで)

Ⅱ.公共サービス領域を再考する 岐阜県から始まった仕分け調査 協働事業推進ガイドライン

行政によるパブリック領域独占の背景 1)明治以来の強すぎる中央集権 2) 「御上」に従う思想と住民の官依存性 ・外圧に対する正常な反応 ・しかし、江戸までは地方分権 2) 「御上」に従う思想と住民の官依存性 ・官依存的精神の源は?   歴史的御上従属意識   郡部経済環境(『国内ODA対象地域』) 3) 「1940年体制」が意味するもの ・果たして1945年はカタストロフィックな年だったか? ・「1940年体制」=「戦時体制」(野口悠紀夫) ・「戦時体制」の功罪   功 : 高度経済成長を為した、隠れた社会基盤   罪 : 中央集権+官僚主導=地域の崩壊

構想日本の仕分け調査 「A県」からスタート ・その後複数県で実施 ・「国と地方の税制を考える会」 第7回会合資料(H15/8/5) その後の展開  ・市町村へ(各県1市町村)  ・岐阜県では多治見(2/24、25)  ・国の仕分け調査

構想日本「国と地方の税制を考える会」の仕分け作業とは パブリック領域を考えなおす 構想日本「国と地方の税制を考える会」の仕分け作業とは A.仕分けの概略 国      5%(4%) 細々事業レベル   8,760億円   6,627項目 都道府県 59%(72%) 市町村   28%(16%) 民間    8%(8%) 不要な仕事

B.部局ごとの仕分けの概略

・山岡氏(日本NPOセンター常務理事)による区分  A     B     C      D     E 民間主導           行政主導 協働領域 ・早瀬氏(大阪ボランティア協会 理事・事務局長)による区分 取り組み領域 具体例 行政権力行使領域 許認可、刑の執行・身柄拘束、課税 人権保障領域 安全保障、生活保障、福祉、義務教育 公共財提供領域 道路・河川管理、(郵便) 行政・民間混在領域 各種公共サービスの実施 民間主導領域 問題発見、提案、新規サービス開発 民間自主管理領域 宗教・特定の価値観の普及

岐阜県版『協働ガイドライン』とは 1)協働ガイドラインの特徴 ・協働のためのルールと手順 ・県と、NPOの協働事業として作成 ・協働コーディネーター ・協働事業推進士 ・『フィージビリティー調査』(仕分け調査) フロー概要 フィージビリティー調査 NPOからの事業提案 事業化、予算化のための協議と合意事項の協定(コンパクト) 議会の可決 事業実施に関する協議と合意(コンパクト) 事業の実施と評価

2)『フィージビリティー調査』とは何か フィージビリティー調査のフロー ・細々事業ベースでの協働の可能性調査   ・行政(県)とNPOの協働で行う   可能性のある事業はNPOへ           行政だけでは不可能                                試験的に行った結果(8月には僅か4事業)                                東濃の某市でも行ったが、なし! フィージビリティー調査のフロー

新たな統治システムと協働可能性調査 仕分け調査の理念的順序 ・補完性の原則に則れば、コミュニティーから 仕分け調査の理念的順序  ・補完性の原則に則れば、コミュニティーから 山岡の偉大な実験 (合併→主体の喪失→新たなる主体の創造)  ・NPOは、地域自治組織になりうるか    「全員参加」のNPO法人    cf.近隣自治政府の制度設計(日本都市センター)      第27次地方制度調査会答申  ・町長自らが行うFSとNPOへの委託    4月から数億円規模    主要ポストには行政職員(一町民として参加!)  Cf. 志木市の選択  ・職員数を10%に、事業の90%はNPOへ

補完性の原則による地域革命

規模に従った相互補完性

地域デザインの実際 ライフラインデザイン(ナチュラルリソースに依存) パブリックサービスデザイン(マンパワーに依存) 都市と郡部の相互補完性   ・水の自給自足   ・食、エネルギーの自給自足 ナチュラルリソースのデータベース化 パブリックサービスデザイン(マンパワーに依存)   ・医療   ・福祉   ・教育 マンパワーのデータベース化 都市と郡部の相互補完性

Ⅲ.今後の地域社会を考える ・市町村合併をどう捉えるか 従来型:シングルスタンダード 地域重視型:マルチスタンダード ・市町村合併をどう捉えるか   従来型:シングルスタンダード    地域重視型:マルチスタンダード ・地域経済の本質的見直し   「国内ODA」に支えられてきた地域経済    「作らせない・買わせる」政策とは ・最終的には、抜本的税制改革が必要   基礎自治体に最大の徴税権を!!    NPOへのダイレクトな資金の流れを!!

市町村合併をどう考えるか(その1)

市町村合併をどう考えるか(その2)

合併後の公共サービス (合併前) (合併後) 公共サービスの格差 行政 NPO 競争原理の領域 (地域の自発性) A村 B町 C町 D町 E市 行政  NPO (合併後) 競争原理の領域 (地域の自発性) 公平・平等の領域   (safety net) A区 B区 C区 D区 E区

地域の新たな産業構造を考える 1.これまでの地域経済の構造 投資的経費60%削減で地域経済崩壊!!! 1.これまでの地域経済の構造 *愛知県豊根村でのエネルギー消費額調査     戸数500戸で、年間5億円   (名古屋大学大学院環境学研究科高野ゼミ)

食の地産地消 エネルギーの地産地消 税の地産地消 公共サービスの地産地消 マンパワーの地産地消 2.これからの地域経済の構造

地域革命の最終課題=税制改革 国      :2 47都道府県:1 3,000市町村:1

基礎的自治体に最大の徴税権を! *スウェーデンでは、投票率95%!