産業系排水由来による河川水の有機フッ素化合物汚染 Kazuaki SASAKI, Akira KIKUCHI, Norimitsu SAITO (Research Institute for Environmental Sciences and Public Health of Iwate Prefecture, Morioka Iwate, Japan) 岩手県環境保健研究センターの佐々木と申します。よろしくお願いいたします。 金色堂
POPs条約までの動向 表 2 . POPs 条約までの動向 1948 3M 社(米国) PFOS 製造開始 2000 社 (米国) 製造中止を発表 U.S. EPA PFOA のレビューを開始 2001 デュポン社(米国) ワシントン工場周辺の集団代表訴訟を受ける 2002 日本 ・ を第二種監視化学物質に指定 2004 欧州 経済委員会 POPs 議定書への追加検討開始 2005 デュポン社に 3 億ドルの制裁金を科す発表 消費者集団訴訟を受ける デュポン社と罰金 1650 万ドルで和解 2006 メーカーに 2010/15 PFOA Stewadship program を提起 メーカと 飲料水基準 (0.5μg/L) の合意 欧州 環境委員会 制限指令を採択 2008 欧州 含有製品の EU 内への上市及び使用禁止 2009 世界 第 4 回 条約締約国会議で ・ PFOSF 規制を決定
Table1 Target PFCs analyzed by LC/MS/MS PFOS PFOA 有機フッ素化合物については、炭素数の異なるPFOS及びPFOA同族体PFCsの汚染が危惧されていることから、この表に示したPFCsの系統的分析法の検討を行い、産業廃水のサンプルに適用したのでご説明します。
Fig. 1 Flow chart for PFCs analysis Sample 1L Solid Ph ase Extraction Oasis WAX Plus type wa ter concentrator system Concentration N2 gas 1mL(70% methanol ) LC/MS/MS - SRM ESI Negative Rinse with methanol (30mL) Elution 0.1%NH 4 OH/methanol 4mL これが、有機フッ素化合物のフローチャートです。 30mLのメタノールで器具類を洗い、そのメタノール溶液を『試料固相抽出に用いたコンセントレーター』を用いて、固相カートリッジWAXにとおす。 ここが工夫を加えたところです。 Fig. 1 Flow chart for PFCs analysis
Table2 Optimum conditions for LC/MS/MS これは、LC/MS/MS分析の条件です。a)はLCの条件、b)は、MSの条件、c)はLC溶離液のグラジエント条件です。分析対象物質を感度良く分離定量するために、充分な保持時間が得られるようにこのようなグラジエント条件を設定している。
Table3 Calibration curves and chromatogram of PFCs ( 0 Table3 Calibration curves and chromatogram of PFCs ( 0.02ng/mL ) LC/MS/MS-SRM C=16 1,2,3,4-13C-PFOS PFOS 499→99 この分析条件で、本研究において対象とした全てのPFCs検量線は、0.02~20 ng/mLの範囲でr2=0.995以上と良好な直線性を示した。LC/MS/MSクロマトグラムは、ここに示した図のように各物質とも感度良く分離定量が可能であった。このクロマトグラムは、0.02 ng/mLの標準です。 本法では、45分かけて分析しておりますが、最近約5分程度の分析時間で測定する方法も報告されていますが、夾雑物質の妨害を受けるので注意が必要です PFOS 499→80 C=8 1,2-13C-PFOA PFOA
Fig.2 PFOA group recovery(%) いずれも90%以上の良好な回収率が得られています。 Fig.2 PFOA group recovery(%) 毛越寺
Fig.3 PFOS group recovery(%) 北山崎
Fig.4 Composition ratio of PFCs つぎに、これは、本法を用いて様々な、産業廃水の分析を行なった結果です。夫々の廃水の総量に対する各有機フッ素化合物の構成割合(%)をグラフにしたものです。 ① 左から2つが『工業団地A及びBの廃水です』 ② 左から3本目のグラフは、都市周辺流域の下水を処理している『都市型下水道処理場廃水測定結果』である。 ③ その右隣が『農村集落下水処理場廃水の分析結果である』。 ④ 『OWは、産業廃棄物安定型処分場の廃水である。』 ⑤ 向かって一番右『WWHは、し尿のみを処理しているし尿処理場廃水である。』 廃水の種類により、検出される化合物の割合に特徴が見られが、このように様々な産業廃水中の系統的分析に適用可能であります。 Fig.4 Composition ratio of PFCs
Fig.5 Concentrations PFCs このグラフは、前のグラフの各産業廃水の濃度を棒グラフにしたもので同じ順に横軸に並んでます。縦軸目盛りを対数にしたグラフを示します。 棒グラフ縦軸が、廃水中の有機フッ素化合物の濃度の合計値です。一番左が工業団地廃水で他の廃水と比べて極端に高い濃度になっています。 Fig.5 Concentrations PFCs
Fig.6 PFCs concentration of the river water 63 % Wastewater from factory 6 % Sewage plant waste water 今回対象とした流域の人口は約100万人であり、調査時期の河川水量は、毎秒200トンであった。調査結果を1日に換算すると有機フッ素化合物が総量で百数十グラム流下していると推定された。工業団地廃水が、河川汚濁量全体の6割以上を占めており、下水処理場からの廃水が1割程度、其の他がおおよそ3割程度と推定された。 Fig.6 PFCs concentration of the river water
Conclusions まとめ ● 産業排水から検出されたPFCsの種類 PFOS :C4-C8, PFOA :C6-C11 ● 検出されたPFCs 濃度 数10 ng/L-10000 ng/L ~以上 ● 河川の濃度レベル: 'ng/L'. 都市上流 : PFCs 濃度< 1 ng/L 都市下流 : PFCs > 10 ng/L ● 河川への影響:工業団地排水>下水排水 ① 今回検討した、この分析法を用いて各種産業廃水を分析したところ、PFOA系列 炭素数6~11、PFOS系列炭素数4~8といった多種の有機フッ素化合物が検出された。 産業廃水中の有機フッ素化合物濃度は、おおよそ数10~10000 ng/Lを超える濃度であった。 ② 有機フッ素化合物都市上流部の河川水では、1ng/L以下、都市下流部では、産業廃水の影響を受けて10 ng/L以上であった。 12
① Pure water for LC mobile phase Technical know-how ① Pure water for LC mobile phase Milli-Q Water +GL-Pak Active Carbon Jr (400mg Double connection ) ② LC Gradient method It is necessary to select the gradient method of reducing the noise of the LC baseline. ③ Contamination control Rinse apparatus enough by the methanol.
① Pure water for LC mobile phase Sold product ( for LC/MC ) Milli-Q Water +GL-Pak Active Carbon Jr
② LC Gradient method