アクティブ・シミュレーション の場としての大学 ①物理的資源としての大学 ②人的資源としての大学 ③情報蓄積資源としての大学

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第 2 章 子どもの成長・発達と看護 3. 幼児期の子どもの成長・発達と看護( 2 ) 学習目標 1 .幼児の睡眠と規則正しい生活の必要性を理解する. 2 .幼児の健康維持に対する取り組みとしての清潔行動確 立に向けた援助を理解する. 3 .幼児にとっての遊びの意義と発達を促すために必要な 遊びへの援助を理解する.
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Ⅲ.サービス開発の方法.
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この授業のねらい 個人的問題から、社会的課題までを、 「行動分析学」(Behavior Analysis) の枠組みでとらえ、具体的な対策について発言提案・実践することができる。
(2)なぜ君は 「応用行動分析」を選ぶのか?
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地域・社会貢献をするために人として必要な資質
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相談支援従事者初任者研修のカリキュラムの改正について
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生活支援 中央研修 H26.9.4(木)~5(金) 品川フロントビル会議室 H26.9.6(土)~7(日) JA共済ビルカンファレンスホール
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2011 行動分析学特論 (1)行動分析学と 対人援助(学)
行動福祉学 来し方行く末 行動福祉学・対人援助学という コンテクスト 立命館大学 望月昭 HP:望月昭のホームページ
09応用行動分析(その9) 自己決定(対人援助のキモ)
現在対応 将来展望 変動的 操作スキル プログラミング 情報モラル 探究スキル 普遍的 図13−1 情報活用能力の構成要素 (p.176)
2010応用行動分析(3) 対人援助の方法としての応用行動分析
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アクティブ・シミュレーション の場としての大学 ①物理的資源としての大学 ②人的資源としての大学 ③情報蓄積資源としての大学 2011.11.12 第3回対人援助学会(立命館大学・京都) キャリア・アップのための「アクティブ・シミュレーション」の場 としての大学の活用* The University as a Field of “Active Simulation” of Carrier-up in Individual Person 望月 昭・中鹿直樹・イム ヒョンジョン・乾 明紀     MOCHIZUKI Akira,NAKASHIKA Naoki,  LIM Hynjun, INUI Akinori 立命館大学 Ritsumeikan University Key words: Carrier-up, Supported Autonomy, Active Learner, Active Simulation, University, 2)キャリア・アップ ●援助(支援)者が想定する目標 「援助つきで『できる』」(他立的自律)    による選択肢の拡大          ↓ ●当事者がその拡大に向けて、自らが コミットする(=自律)行動の支援:  ・選択肢の選択・否定、  ・自らが「援助設定」を作成・配置    、=キャリア・アップ ●絶えずコミット行動を行える =「積極的学習者」(active Learner) 1)Core Concept 他立的自律 行動は全て「援助つき」で成立している ×従来の個人のあり方の 目標設定において、 「単独で行う」(=ability)が 前提・強調されてきた。 ×とりわけ障害のある個人 において「単独遂行」が 求められ過ぎではないか。 ①シミュレーション ショップ(Café Rits) 徹底的に構造化された「就労 学習」と「できる」の表現方法 の開発: ②学生ジョブコーチに よる「できる」の記述 (辻岡ら:イムら,2011今大会) 5)アクティブ・シミュレーション 当事者の行動成立に必要な 新しい環境設定(援助設定)の実証 (cf)パッシブ・シミュレーション 現状環境の中での行動獲得に 必要な当事者への教授変数の実証 (望月・野崎,1999) 対人援助学的視点からは、「援助」内容の 検討が優先される できるは「表現」されてナンボ 「援護」設定としての 3)キャリア・パスポート  行動の選択肢の拡大と、  コミットのための行動  獲得のプロセスの情報 これまでは、 ●個別の教育支援計画(学校) ●個別の支援計画(福祉) 目標から現状を引く目標ではなく (援助つきで)「できる」ことの 累積へ  「キャリア・パスポート」       = ポートフォリオ(自己援護装置)  :当事者が作成、保持、編集、   使用の権利を持つ(ハンドル権) ハンドル行動:これも「援助つき」で 良い(イム他、中鹿他、2011今大会参照)     ③情報バンク   (課題) 「自分情報」の保管場所の選択肢 として教育・福祉といった行政的施設 ではなく、第三セクター的な立場が 必要ではないか。 (「自分情報」のハンドルの援助作業を 含めて) アクティブ・シミュレーション の場としての大学 ①物理的資源としての大学 ②人的資源としての大学 ③情報蓄積資源としての大学 4)自分情報と他人情報  援助者の「連携」に向けた「情報 蓄積と情報移行」についての反論 ●スティグマ ●「個人情報保護」からの懸念 → ハンドル権を、他者から   「自分」へ(自分情報化)                文献 望月昭・野崎和子(1999)学習した「ことば」をどう般化させるか。  コミュニケーション指導再考、その⑥(学研「実障教」) 望月昭(2010)「対人援助学の可能性」(福村書店)、第1章. 中鹿直樹(2010) 同上.32-58.. *当発表は、文部科学省私立大学戦略的研究基盤形成支援事業 「大学を模擬社会空間とした自立支援のための持続的対人援助モデル の構築」(代表:土田宣明)、立命館R-GIRO「対人援助学の展開としての 学習学の創造」「科学研費基盤C」(代表:望月昭)の研究費による。