21世紀、ポストモダンの 教育課程行政を考える 教育課程と行政 21世紀、ポストモダンの 教育課程行政を考える
21世紀の教育課題? 教育に与えている社会的変化 教育の側の対応 途上国の経済的追い上げ(catch up) インターネットの普及 第三次人工知能ブーム→実用化→職業淘汰 移民・難民等の人口移動 地球規模の環境問題 教育の側の対応 PISA 教育改革
先進国が迎えている状況 「知識基盤社会」論 ポストモダン論 多数の消滅する職業 生産性による競争ではなく、創造性による競争-新しい要素の商品(知的財産)→創造性の育成が課題 ポストモダン論 普段の技術革新→新しい事態への適応能力 多数の消滅する職業 新たな職のための職業教育
人工知能によってなくなる職業? 融資担当・スポーツ審判・不動産ブローカー・案内係・電話オペレーター・レジ係・クレジットカードの調査員・集金人・弁護士助手・受け付け・仕立屋・データ入力・調査査定係・映写技師・各種修理技術者・義歯制作・訪問販売員・金融トレーダー・小売店販売員・一般秘書・運転手・ビル管理人
PISAが意味するもの 国際学力テスト 1980’s以後グローバリゼーションが進行 先進国の危機感から21世紀型能力の模索 国際教育到達度評価学会が実施する数学・理科テストが1964年から実施⇒1995年から国際数学・理科教育動向調査(TIMSS)として PISA(OECDが実施)が2000年から 1980’s以後グローバリゼーションが進行 先進国の格差拡大・途上国の経済発展 先進国の危機感から21世紀型能力の模索 多くの先進国が低学力⇒PISAショック
OECDのKey Competencies 相互にツールを使う 言語・シンボル・テキスト、知識・情報、技術 異質な集団での交流 他者との関係、チームでの協力、争いの解決 自立的な活動 展望をもって、計画の実行、権利・利害・限界・ニーズを守り主張する
21 Century Skills(アメリカの諸団体) 教科(グローバル・経済・公民・健康・環境) 学習スキル(創造性・革新性・批判的思考・問題解決・コミュニケーション) 情報・メディア・テクノロジースキル ライフ・職業スキル(柔軟性・適応性、進取性・自律性、社会性・異文化、生産性・アカウンタビリティ、指導性・責任感) cf これらの項目自体が論争課題となっている
現行の日本の教育課程行政 学習指導要領 教科書検定 文部科学省の検定合格が必要 教科書採択 採択協議会→教育委員会 小中高教育内容の国家基準 10年で改定・理念も変化(最大・標準・最小) 教科書検定 文部科学省の検定合格が必要 教科書採択 採択協議会→教育委員会 公立小中学校は市内同一教科書 学校での教育課程編成は 校長の権限
学習指導要領の法的性格の変遷 学習指導要領はアメリカによる戦後改革によってできた。当初は「試案」 1958年より法的拘束力があると主張 教科書訴訟・学力テスト訴訟での争点 学力テスト最高裁判決により、当面決着(法的拘束力を認められるが、大綱的なものでなければならない。
道徳の教科化 安倍内閣の「道徳教科化」提言(教育再生実行委員会の提言による) 表向きの「教育内容」と「実態」のずれ(隠れたキリキュラム論) いじめ問題が深刻になっているため、道徳教育の教科化が必要という論理 大津の事件を引き合いにだしているが、実態は。 大津の中学は文部科学省の道徳教育推進校の指定を3年間受けていた。その翌年の事件 表向きの「教育内容」と「実態」のずれ(隠れたキリキュラム論)
教育課程を定めるのは1 学校教育法 学校教育法施行規則 第三十三条 小学校の教育課程に関する事項は、第二十九条及び第三十条の規定に従い、文部科学大臣が定める。 学校教育法施行規則 第五十条 小学校の教育課程は、国語、社会、算数、理科、生活、音楽、図画工作、家庭及び体育の各教科(以下この節において「各教科」という。)、道徳、外国語活動、総合的な学習の時間並びに特別活動によつて編成するものとする。 2 私立の小学校の教育課程を編成する場合は、前項の規定にかかわらず、宗教を加えることができる。この場合においては、宗教をもつて前項の道徳に代えることができる。 第五十二条 小学校の教育課程については、この節に定めるもののほか、教育課程の基準として文部科学大臣が別に公示する小学校学習指導要領によるものとする。
教育課程を定めるのは2 地方教育行政の組織及び運営に関する法律第23条 石川県小松市の学校管理規則 5 学校の組織編成、教育課程、学習指導、生徒指導及び職業指導に関すること。 6 教科書その他の教材に関すること 石川県小松市の学校管理規則 (教育課程) 第9条 教育課程は,学習指導要領及び教育長の指示する基準に基づいて,校長が定める。
現場で進行していること(変化) 現行学習指導要領は、21世紀型を強く意識 ⇩ 詳細な授業計画 詳細な授業計画 極端な例は毎時間の規定 教務の担当者が作成 作成者と授業者の乖離 このなかで「考える」「表現する」「伝えあう」作業の重視 ⇒(実態は?)
教育実習での授業 265円の物を1000札で買うとおつりはいくら 3通りで解いていた。(お金・ブロック・筆算) 子どもたちでグループ討論させ、前に出て発表させていた。 35分ほど使って理解させ、残りの10分で問題を2題とかせていた。
未来への教育(国家基準は?) 能力の発達の要因は時代によって変わる? 教育条件・教具・教材等々は変化する 教育内容と学習者の対応も変化する 走る力の向上:正しい姿勢で、反復練習 思考力:読書・対話を踏まえて、文章を書く 計算力:やり方を理解したら、問題を多くこなす 課題発見力・絶対音感:訓練法を発見すれば 想像力:未知の領域か 教育条件・教具・教材等々は変化する 教育内容と学習者の対応も変化する Cf 複線型学校体系⇒分岐型体系
インターネットは何を変えるか グローバルに、「情報=教育内容」をアクセス可能にする 広大なフリースペースの学習の場(MOOC) 情報の不断の更新
良識で考えると 決まった教科書は必要なのか 教科書は多様性が確保されるのがいいか。均一なのがいいか。 必要とすれば、誰が教科書を選択するのが、よりよい教育にとって好ましいか 副教材の選択は自由がいいのか、制限すべきなのか インターネットの情報の利用は制限できるか