「土質・基礎構造」 4回目の授業 地盤内応力 平成31年 5月 6日(月) 今岡 克也.

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「土質・基礎構造」 4回目の授業 地盤内応力 平成31年 5月 6日(月) 今岡 克也

飽和地盤での有効応力と間隙水圧 ≒ 1 ∴ σ = σ’ + u σ(全応力) * 有効応力の原理 u(間隙水圧) P i A *土質力学の体系の中で   最も重要な基本原理

全応力と有効応力 A地点の全応力と間隙水圧 (kN/㎥) (m) (kN/㎡) A地点の有効応力 (kN/㎥) (m) (kN/㎡)

全応力と有効応力 A地点の全応力 (kN/㎡) (kN/㎥) (m) A地点の有効応力 (kN/㎡) (kN/㎥) (m) A地点の間隙水圧

演習問題〔3-1〕 有効応力 <地下水位 GL-2m の場合> 演習問題〔3-1〕 有効応力 <地下水位 GL-2m の場合> σ’A: 16.7(kN/㎥)×2(m) + (18.6-9.8)×4(m) + (19.6-9.8)×2(m)     = 88.2 (kN/㎡) 水中単位体積重量

演習問題〔3-1〕の解答 地下水位が低下すると地盤内応力(土被り圧)は増加する                  ↓   深い地盤が圧縮されて収縮し、周辺が地盤沈下する

土に対するモールの応力円 土には、圧縮応力のみが作用することが多い σ1 × σα τα σ3 σ3 σ3 σ1 × σ1

. . . . 土に対するモールの応力円 τα σ1 - σ3 τMAX = τα 2 × σα τα σ3 σα σ1 σ3 σ1 × σ1 + σ3 円の中心: 2 σ1 - σ3 円の半径: 2

演習問題〔3-5〕 モールの応力円 = σz = τ = σx

演習問題〔3-5〕の解答 σz + σx 260 + 100 円の中心: = = 180 2 2 円の中心: = = 180 2 2 せん断応力がある場合の、円の半径 r の算定式:

点荷重による地盤内応力増分 .

演習問題〔3-2〕 地盤内応力増分 . . . . R = 3√2 m

演習問題〔3-2〕の解答

長方形分布荷重による応力増分 W m = z L n = z

〔 〕 〔 〕 長さと深さが等しい場合の減少率 L W n = = 1 m = = 1 z z 1×1 1 1+1+2 1×1 -1 1×1 f B = + Sin 2π √(1+1+1) (1+1)(1+1) √(1+1)(1+1) 〔 〕 1 1 4 1 -1 = + Sin 2π √3 4 √4 1 = ( 0.577 + 0.5236 ) = 0.1752 ← 70% :0.1752/0.25 2π

〔 〕 〔 〕 深さに対する長さの比が2の場合 L W m = = 2 n = = 2 z z 1 2×2 4+4+2 4 -1 4 f B = + Sin 2π √(4+4+1) (4+1)(4+1) √(4+1)(4+1) 〔 〕 1 4 10 4 -1 = + Sin 2π √9 25 √25 1 = ( 0.5333 + 0.9273 ) = 0.2325  ← 93% :0.2325/0.25 2π

〔 〕 〔 〕 深さに対する長さの比が0.5の場合 W L m = = 0.5 n = = 0.5 z z 0.5×0.5 0.25+0.25+2 1 0.5×0.5 -1 f B =    +Sin 2π √(0.25+0.25+1) (0.25+1)(0.25+1) √(0.25+1)(0.25+1) 〔 〕 1 0.25 2.5 0.25 -1 = + Sin 2π √1.5 1.5625 √1.5625 1 = ( 0.3266 + 0.20136 ) = 0.08403 ← 33.6% :0.084/0.25 2π

正方形荷重による応力球根 L n = L z 0.25 B ← n = 2 z ← n = 1 ← n = 0.5

演習問題〔3-4〕 地盤内増加応力 . z = 20 m . z = 20 m 25 m

演習問題〔3-4〕の解答

. . . . 演習問題〔3-4〕の解答 E 点の直下 20 m での増加応力 z = 20 m f B (20/20, 15/20) 10/20) f B (20/20, 25/20) 20 m 20 m + - . . . 10 m 25 m 15 m 15 m

. . . 演習問題〔3-4〕の解答 E 点の直下 20 m での増加応力 f B (20/20, 15/20) f B (15/20, 10/20) f B (20/20, 25/20) 20 m 20 m + - . . . 10 m 25 m 15 m 15 m ⊿σc = 200(kN/㎡)×〔 fB(1, 1.25) + fB(1, 0.75) - fB(0.75, 0.5) 〕 = 200×〔 0.1875 + 0.155 – 0.115 〕 = 45.5 (kN/㎡)

演習問題〔3-4〕の解答

. . . . 演習問題〔3-4〕の解答 C 点の直下 20 m での増加応力 ⊿σc z = 20 m f B (15/20,10/20) 2 ×           - 10 m f B (40/20,10/20) 10 m 40 m 15 m ⊿σc = 200(kN/㎡)×〔 2×fB(2, 0.5) - fB(0.75, 0.5) 〕 = 200×〔 2×0.139 – 0.115 〕 = 32.1 (kN/㎡)