1 IV 長期における貨幣と価格. 第11章 貨幣システム 物々交換 欲望の二重の一致 1.貨幣の意味 貨幣の機能 – 交換手段 – 計算単位 – 価値貯蔵手段 富 流動性 貨幣の種類 – 商品貨幣 金本位制 – 不換紙幣.

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第8章 貯蓄,投資と金融システ ム 1.アメリカ経済における金融機関と市場 ( ↑ 日本経済でもほぼ同じ) 金融システムは、ある人の貯蓄と別の人の投資 を結びつける。投資の例として、 起業のための設備投資 住宅を購入する 金融システムは、金融市場と金融仲介機関の2 つのカテゴリーに分けられる 1 8.
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IS-LM 分析 マクロ経済分析 畑農鋭矢. 貨幣の範囲 通貨対象 M1M2M3 広義流動性 現金通貨(日銀券 +補助通貨) 預金通貨 (普通預金・当座 預金など) 主要銀行・信 用金庫など ゆうちょ銀 行・信用組合 など 準通貨 (定期預金など) 主要銀行・信 金など ゆうちょ銀 行・信用組合 など.
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V. 開放経済のマクロ経済学.
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貨幣供給・需要 専修大学 経済の世界 作間 逸雄.
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元高の原因を追求    九州産業大学 金崎ゼミ 張 雷 徐 雲飛 .
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岩本 康志 2013年5月25日 日本金融学会 中央銀行パネル
第4章 貨幣数量説は正しいか リカードからクルーグマンまで
12章 貨幣量の成長とインフレーション 1.インフレーションの古典派理論 物価水準と貨幣の価値は逆数の関係
IV 長期における貨幣と価格.
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1 IV 長期における貨幣と価格

第11章 貨幣システム 物々交換 欲望の二重の一致

1.貨幣の意味 貨幣の機能 – 交換手段 – 計算単位 – 価値貯蔵手段 富 流動性 貨幣の種類 – 商品貨幣 金本位制 – 不換紙幣

(アメリカ)経済における貨幣 –M1 通貨(現金通貨) 要求払い預金(当座預金、普通預金) –M2 M 1+定期預金

2.中央銀行 米国 – 連邦準備銀行( Fed: Federal Reserve ) 日本 – 日本銀行 欧州(ユーロ圏) – 欧州中央銀行( ECB ) 英国 – イングランド銀行( BOE )

中央銀行の職務 – 最後の貸し手 – 貨幣供給の調整=金融政策 公開市場操作 政策金利 – 米国:フェデラル・ファンド金利 連邦公開市場委員会( FOMC )で決定 – 日本:コールレート

3.銀行と貨幣供給 単純な 100 %準備銀行制度 – 銀行が預金をすべて準備として保有する限り、 銀行は貨幣供給に影響を与えない 部分準備銀行制度と貨幣の創造(信用創 造) – 銀行が預金の一部分のみを準備として保有す る場合、銀行は貨幣を創造する 貨幣乗数 – 準備率の逆数

中央銀行による貨幣供給調節手段 – 公開市場操作 – 法定準備制度 – 公定歩合 貨幣供給調節に関わる問題 – 家計が保有する貨幣のうちどれだけの割合を銀行預 金とするか、中央銀行がコントロールできない – 民間銀行が貸出にまわす金額を中央銀行がコント ロールできない

第12章 貨幣量の成長と インフレーション 1.インフレーションの古典派理論 物価水準と貨幣の価値 貨幣需要、貨幣供給と貨幣市場の均衡 – 長期においては、貨幣の需要と供給が一致す るように物価水準が調整される 貨幣注入の影響 調整過程の概略

貨幣数量説 一国全体の金貨の 総量 一国全体の 金貨の総量 でその国の 総生産の 0.5 年分が 購入できる ①新たに金山が発 見されて金貨の総 量が2倍になると ②金貨の 価値が半 分になる ③金貨の 価値が半 分になる と、物価 水準は2 倍に 金貨の総量

古典派の二分法と貨幣の中立性 – 名目変数 – 実質変数 – 貨幣の中立性 貨幣の流通速度と貨幣数量方程式

インフレ税 – 貨幣を保有するすべての人に課される税金の ようなもの フィッシャー効果 実質利子率=名目利子率-インフレ率 名目利子率=実質利子率+インフレ率 – 中央銀行が貨幣の成長率を高めると、インフ レ率と名目利子率はともに上昇する

2.インフレーションの費用 購買力の低下? インフレーションの誤解 – インフレーションそのものは、人々の実質的な購買 力を低下させない 靴底(シューレザー)コスト メニューコスト 相対価格の変動と資源配分の誤り インフレーションがもたらす税制の歪み 混乱と不便 予想外のインフレーションの特殊な費用:富の 恣意的な再配分