厚生白書 各国の社会保障制度 ~スウェーデン・イギリス・アメ リカ~ 971221 波多野宏美. スウェーデン v 所得保障(年金制度) – 国民基礎年金(FP) 65 歳に達したすべての国民に定額の年金を支給65 歳に達したすべての国民に定額の年金を支給 – 国民付加年金(ATP) 従前の所得(稼得所得の高い.

Slides:



Advertisements
Similar presentations
1 財政-第 21 講 6. 社会保障財政 (2) 2008 年 6 月 24 日 第 1 限. 2 公的年金②  日本の公的年金制度 ( 続 )  負担と給付の現状 ( 1) 保険料 ( 率 ) (2) 国庫負担 (3) 給付額 (4) 支給開始年齢  国際比較.
Advertisements

障害福祉サービスの利用者負担について. ● 障害福祉サービスの利用者負担の考え方 ~障害福祉サービスの利用者負担が変わります ~  障害福祉サービスについても、必要な人すべてが適切にサービスを利用できる制 度(普遍的な制度)を目指します。 → 介護保険や医療保険と同じように、利用した量に応じて支払う仕組み.
1 経済学-第 12 回 年金① 2008 年 6 月 27 日. 2 社会保険における年金 日本の公的年金制度  現行の制度体系  負担と給付の現状 (1) 保険料 ( 率 ) (2) 国庫負担 (3) 給付額 (4) 支給開始年齢.
年金制度 地域文化3回生 渡邉 裕貴. 目次 日本の年金制度の現状 日本の今後 政策提言 シミュレーション 参考文献 論点.
第 13 章 制度設定の変更が必要な 社会保障制度. 社会保障制度の重要性と それに対する根強い不安感 不景気の一因 不景気の一因 1997 年以降 かつてない不況 原因 ① 消費税率の引き上げ 原因 ① 消費税率の引き上げ ② タイや韓国を中心とした アジアの通 貨危機 アジアの通 貨危機 ③ 山一證券の経営破綻に代表さ.
公共経済学 13. 社会保険( Social Insurance ) 保険市場における政府の役割 情報の非対称性( asymmetry of information ) ⇒ 逆選択( adverse selection )
人口 1949 年 5 億 4167 万人 自然増加率 49 ~ 58 年 人口の年平均増加率 2.3 % 馬寅初『新人口論』 → 毛沢東が批判 大躍進の失敗 60 年 - 4.57 ‰ 62 年からベビーブーム 64 年計画生育委員会 産児制限 → 文革で活動停止 73 年 「晩 稀 少」 毛沢東の死(
年金制度は、老後に安定した収入を得るために 重要な制度であるが、 65 歳以上の高齢者に占め る割合は 2030 年には 30% を超えると予想されて いる。こうした人口の急激な高齢化は、これま でと同じような形で年金制度を維持することを 難しくしており、日本の年金制度はさらなる改 革が必要とされている。
全日本民医連 介護・福祉部 1 「利用者負担増」のメニューが目白押し ○ 利用料の引き上げ(2割負担) ○ 居住費徴収対象の拡大 ○ 補足給付要件の厳格化 ○ ケアプランの自己負担導入 ○ 軽度者の「2割負担」か「生活援助外し 」 地域包括ケアの実現に向けた 新たな施策の提案 ○ 地域包括ケア関連の施策.
1 医療機関の窓口で保険証を提示 <保険証をお届けする時期> ○ 平成20年3月31日の時点で75歳になっている方 ⇒ 3月末までに1人1枚の後期高齢者医療の保険証をお渡しします。 ○ 平成20年4月1日以降に75歳の誕生日を迎える方 ⇒ 75歳の誕生日を迎える日までに後期高齢者医療の保険証をお渡しします。
2005/2/23 長野県経営者協会 1 これからの税財政・社会保障 と 企業の対応 2005 年 2 月 23 日 日本経団連 藤原清明.
1 財政-第 22 講 6. 社会保障財政 (3) 2008 年 6 月 24 日 第 2 限. 2 公的年金③  今後の課題-公的年金制度全般に関して-  将来の給付水準見通し  厚生年金と共済年金の一元化  社会保険方式から税方式への移行  制度上の問題点  未納・未加入問題.
1 経済学-第 13 回 年金② 2008 年 7 月 4 日. 2 日本の公的年金制度 ( 続 )  今後の課題-公的年金制度全般に関して-  将来の給付水準見通し  社会保険方式から税方式への移行  制度上の問題点  国民年金保険料未納問題.
1 経済学-第 14 回 年金③ 2008 年 7 月 11 日. 2 日本の公的年金制度 ( 続 )  制度上の問題点 ( 続 )  国民年金第 3 号被保険者問題  離婚のリスクと年金分割.
(1)1日当たり利用者数が、定員50人までの場合は当該定員の20%(①)を、 定員が50人を超える場合は当該定員から50を差し引いた員数の10%(②)を ①に加えた数を、それぞれ超過しているとき → 基本単位数の70%を算定 (2)過去3か月間の平均利用人員が、定員の105%を超過している場合 → 基本単位数の70%を算定.
四万十町事務職員部会 福利厚生. 採用になったとき 医療保険制度への加入 医療保険制度への加入 共済組合 共済組合 ● 共済組合員証(保険証)発行 ● 互助会への加入.
1 経済学-第 9 回 医療保険① 2008 年 6 月 6 日. 2 日本の公的医療保険  制度の目的  制度体系  給付と負担.
ドイツの 医師年金保険制度. 医師年金保険制度  1960 年ごろ各州医師会は医師年金保険 を創設  医師免許取得者は全員 州医師会への加入と 州医師会の年金保険への加入 が義務づけられた  公的年金と同じ賦課方式なので 4 , 5 年後には老齢年金の給付が可能に なった.
佐賀市中期財政計画 総務部財政課 平成26年12 月 平成27年度 ~ 平成33年度 1. 佐賀市を取り巻く状況 ○ 生産年齢人口(15~64歳)の減少 ⇒ 税収等の減少 ○ 高齢者人口(65歳以上)の増加 ⇒ 扶助費や医療費等の増加 ○ 合併特例措置 ⇒ 普通交付税の段階的縮減 (27年度から32年度まで)
少子高齢化 高橋香央里 加藤裕子 松本結 海老澤優.
~国民経済的な視点から見た社会保障~ 2000/6/14 木下 良太
財政-第20講 6.社会保障財政(1) 2008年6月17日 第2限.
「児童扶養手当法」の一部が改正されます 大切なお知らせです! 平成26年12月1日から 今回の改正により新たに手当を受け取れる場合
「児童扶養手当法」の一部改正により、児童扶養手当の受給対象者が拡大しました。
1.高齢者の健康とその支援 2.保健・医療・福祉の連携
 公的年金・定年  引き上げの是非 小瀬村  柏嶋 阿部  藤田.
最低賃金1000円の是非.
静岡県内の生活困窮者実態に関する基礎資料
医療型入所施設(療養介護、重症心身障害児施設等)の費用負担
ベーシックインカム導入の是非 肯定派 神谷・棚倉・水田・安塚.
後期高齢者医療制度に関するQ&A Q1 後期高齢者医療制度は、なぜ創設されるのですか? ○ ○
(間税会は消費税のあり方を考える会です) 平成24年1月30日 北沢間税会
社会保険ワンポイント情報 10号 年金①65歳までの年金・「特別支給の老齢年金」 特別支給の老齢年金とは! 加給年金について 支給要件
年金・定年引き上げの是非 否定派 棚倉 彩香 林 和輝 西山 夏穂 水田 大介.
入所施設における工賃控除の見直しについて
平成18年10月1日から 療養病床に入院する高齢者の 入院時の食費の負担額が変わり、 新たに居住費(光熱水費)の 負担が追加されます
後期高齢者医療制度では、生活を支える医療を目指します。
後期高齢者は、どのような医療が受けられるのですか?医療の内容が制限されるようなことはありませんか?
現代の経済学B 橘木俊詔「ライフサイクルの経済学」第3回 第5章 消費と貯蓄 第6章 引退後の生活 京大 経済学研究科 依田高典.
家族政策と出生率 -スウェーデンの事例と日本への示唆-
デフレの正体―経済は「人口の波」で動く 補講 高齢者の激増に対処するための「船中八策」 山下 真弘
1999年度秋学期 香川敏幸研究会 個別研究 兼 卒業制作 日本の介護福祉の在り方について
“社会保障制度”が果たす役割を理解しよう!
平成28年4月1日から 入院時の食費の負担額が変わり、 新たに調理費の負担が追加されます
現金給付 現物給付 「子育て基金(仮称)」のイメージ 出産一時金(医療保険適用) 国 各 世 帯 子育て基金 地方公共団体 事業主
連合が提案する「子育て基金(仮称)」 現行の次世代育成支援制度の課題 1 日本労働組合総連合会(連合)
21世紀の日本の高齢社会と年金問題 テーマ設定について パネルの手法 パネルの議論の流れ
資料2 介護保険制度改革の方向.
平成24年度の健保組合財政の健全化策について <平成24年2月9日開催の組合会で決議された事項の報告>
第2回 福祉の現在・現在 厚生労働省(2018) 障害者白書 厚生労働省(2016) これからの精神保健福祉のあり方に          関する検討会資料.
経済学-第10回 医療保険② 2008年6月13日.
都道府県も国民健康保険制度を担うことになりました
経済学-第11回 介護保険 2008年6月20日.
公平・安定的な医療費助成の仕組みの構築(難病に係る新たな医療費助成の制度)
県 1 国保制度改革の概要 国保制度改革の概要(運営の在り方の見直し) 安定的な財政運営等に中心的役割を担う 【現行】 市町村が個別に運営
都道府県も国民健康保険制度を担うことになりました
出産や育児のためのお休み(産前・産後休業、育児休業)を取得できます
財政-第26講 6.社会保障財政(7) 2008年7月8日 第2限.
○ 特別対策等による利用者負担の軽減措置については、 21年4月以降も継続して実施。 ※ 延長年限等については検討中
第7回 社会福祉の法制度.
財政-第23講 6.社会保障財政(4) 2008年7月1日 第1限.
財政-第25講 6.社会保障財政(6) 2008年7月8日 第1限.
「雇用と社会保障の密接な連携」を通じた介護分野の成長戦略
全国介護保険担当部(局)長会議資料 ~介護保険制度改正の検討状況等について~
5 エイジフリー ■課題 60歳代前半層の雇用の場の確保 2001年4月 老齢厚生年金の支給開始年齢の引き上げ
財政-第24講 6.社会保障財政(5) 2008年7月1日 第2限.
財政-第6講 3.経費分析 2008年4月22日 第2限.
厚生白書 人口減少社会の到来と少子化への対応 971221 波多野宏美.
平成18年10月1日から 療養病床に入院する高齢者の入院時の食費の負担額が 変わり、新たに居住費(光熱水費)の負担が追加されます
支給認定基準世帯員 国民健康保険 支給認定基準世帯員の例 ・患者さんの自己負担上限月額の算定にあたり、算定の対象となる方です。
Presentation transcript:

厚生白書 各国の社会保障制度 ~スウェーデン・イギリス・アメ リカ~ 971221 波多野宏美

スウェーデン v 所得保障(年金制度) – 国民基礎年金(FP) 65 歳に達したすべての国民に定額の年金を支給65 歳に達したすべての国民に定額の年金を支給 – 国民付加年金(ATP) 従前の所得(稼得所得の高い 15 年間の所得)に応じ た年金を支給 従前の所得(稼得所得の高い 15 年間の所得)に応じ た年金を支給 – 協約年金 – 部分年金 61 ~ 64 歳対象61 ~ 64 歳対象

スウェーデン v 医療保険 – 傷病手当 負傷、疾病により失った稼得収入の一定割合を保障 負傷、疾病により失った稼得収入の一定割合を保障 – 両親手当 子どもが生まれて育児休業をとる母親または父親の 収入の一定割合を保障 子どもが生まれて育児休業をとる母親または父親の 収入の一定割合を保障 v 保健・医療サービス – 運営・財政両面を県が主体 – 県の事業費の約 8 割 v 社会サービス – 公的扶助 – 高齢者サービス – 保育サービス

スウェーデ ン v 社会保障制度の課題 – 順調な経済成長を背景に高水準の社会保障が発達 –90 年代初めの不況により財政堅実化策の実施 年金額の物価スライドの抑制 年金額の物価スライドの抑制 医療保険の本人保険料の引き上げ 医療保険の本人保険料の引き上げ 児童手当の減額 児童手当の減額 疾病手当・両親手当などの削減 疾病手当・両親手当などの削減 – 財政赤字問題に対処するための部分的見直しという性 格 – 合理化・効率化を図りながら、サービス水準を維持し さらに質を高める努力が必要

イギリス v 所得保障 – 退職年金制度 義務教育終了年齢を超えるすべての有業者(所得が ない又は一定額以下の者を除く)は、退職基礎年金 に加入義務がある 義務教育終了年齢を超えるすべての有業者(所得が ない又は一定額以下の者を除く)は、退職基礎年金 に加入義務がある – 無拠出の所得保障制度 児童を扶養する家庭や障害者に対する各種給付、所 得補助制度 児童を扶養する家庭や障害者に対する各種給付、所 得補助制度 – 出産手当、傷病手当、障害給付、寡婦給付(寡 婦年金、母子手当)など

イギリス v 医療保健サービス – 国民保健サービス(NHS) 疾病予防やリハビリテーションを含めた包括的な医 療サービスを公共サービスとして住民のすべてに提 供 疾病予防やリハビリテーションを含めた包括的な医 療サービスを公共サービスとして住民のすべてに提 供 v 高齢者保健福祉施策 – 高齢者保健福祉サービス – NHSの一環として行なわれる在宅サービス – 地方公共団体により行なわれる在宅サービス – 施設サービス – 現金給付 v 児童福祉・家族政策 – 児童手当(児童給付、家族所得補助給付) – 保育サービス

イギリス v 社会保障制度の課題 – 社会保障関連支出が政府支出の 32% 十分な機能を果たしていないのが 現状 十分な機能を果たしていないのが 現状 – 所得格差があり、社会保障制度に過度に依存 する層がある ~社会保障制度改革の前提~ – 財政の健全性の維持 – インフレ抑制重視という経済運営方針 抜本的な改革が必要 抜本的な改革が必要

アメリカ v 公的年金制度 – 一般的制度 老齢・遺族・障害年金(OASDI) 老齢・遺族・障害年金(OASDI) 大部分の被用者や自営業者が加入 大部分の被用者や自営業者が加入 – 個別の制度 公務員・鉄道職員など一定の職業のみ対象 公務員・鉄道職員など一定の職業のみ対象

アメリカ v 医療保障制度 – 全国民対象の公的医療保障制度はない – 民間保険が中心 ~公的医療保障制度~ メディケア:老齢・障害年金受給者および慢性腎臓病 患者 が対象で、連邦政府が運営 – パートA:入院などを保障する強制加入の病院保険 – パートB:外来等による医師の診療などを保障する補足 的 医療保険 メディケイド:低所得者を対象とする公的扶助で、連 邦政府 が資格要件などの大枠を定め、各州 が運営

アメリカ v 高齢者・障害者保健福祉施策 – 高齢者に対して メディケア・メディケイドによるナーシングホーム メディケア・メディケイドによるナーシングホーム 住宅サービスに係る費用への給付 住宅サービスに係る費用への給付 – 障害者に対して 障害年金 障害年金 補足的所得保障 補足的所得保障 メディケア・メディケイドによる所得保障 メディケア・メディケイドによる所得保障 v 児童福祉・家族政策 – 貧困家庭一時扶助(TANF) – 保育サービス – 育児休業制度

アメリカ v 社会保障制度の課題 – 経済の活況による歳入増、医療費などの抑制 策 などを背景に財政赤字縮減を達成 – ベビーブーム世代の高齢化に対し、医療費等 の義務的経費に対する財政支出の抑制を図り ながら、更に社会保障制度の安定的運営を行 なう改革 現行制度の基本的構造を維持しつつ給付と負担との 調整 現行制度の基本的構造を維持しつつ給付と負担との 調整