2015年12月10日 (公財)連合総合生活開発研究所主任研究員 河越正明

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短期と長期.
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2015年12月10日 (公財)連合総合生活開発研究所主任研究員 河越正明 2015~2016年度経済情勢報告 2015年12月10日 (公財)連合総合生活開発研究所主任研究員 河越正明

日本経済は、消費税率引上げ後に 停滞続く。特に消費に弱さ。 日本経済は、消費税率引上げ後に 停滞続く。特に消費に弱さ。 図表Ⅰ-1-1 実質GDP成長率の推移(寄与度)

在庫の積み上がりから一部業種で生産調整。ただし、予測指数は強い。 図表Ⅰー1-7 企業の生産活動の動向

企業収益は好調を続けるが、設備投資と人件費の増加につながらない 図表Ⅰ-1-9 (1)経常利益と設備投資 (出所)財務省「法人統計季報」

雇用情勢は改善を続け、有効求人倍率は1.2倍を超え、失業率は3.4%。 図表Ⅰ-2-1 完全失業率と求人倍率(季節調整値)

実質賃金はようやく増加に転じたが依然低い伸びにとどまる 図表Ⅰ-1-2 消費税率引上げ(1997年4月と2014年4月)前後の比較 (3)実質賃金の推移 (注) 持家の帰属家賃を除く総合の消費者物価指数で実質化。 2015年10-12月は10月の値。

持続的な成長のためには労働生産性の伸びを高める必要 図表Ⅱー1-1 成長会計でみたGDPの推移、労働生産性が寄与 労働生産性の伸び

労働生産性の伸びを高めるとともに、それが実質賃金や時短で還元されることが重要 図表Ⅱー1-3 労働生産性の向上が実質賃金を押し上げた

2016年度経済は賃上げ幅がカギ 現状では経済の好循環を推進する原動力が見当たら ない。好調な企業収益を賃上げに結び付け、家計消 費を原動力として経済の好循環を実現すべき。 【ケースA】は、生産性上昇を反映した実質賃金上昇となる春闘賃上げが実 現した場合、【ケースB】は実質賃金横ばい程度の賃上げにとどまる場合。 2014年度 (実績) 2015年度 (見込み) 2016年度(予測) ケースA  ケースB 名目GDP 1.6 2.4 2.7 1.8 実質GDP ▲0.9 0.9 1.5 CPI上昇率 2.9 0.3 1.3 現金給与総額 0.5 2.0

IMFは世界経済見通しを4月時点から下方修正。中国の成長率は据え置きだが… IMFの見通し(10月6日公表) 2014 2015 修正幅(注) 2016 米国 2.4 2.6 <▲0.5> 2.8 <▲0.3> ユーロ圏 0.9 1.5 <0.0> 1.6  ドイツ <▲0.1> スペイン 1.4 3.1 <0.6> 2.5 <0.5> ギリシャ 0.8 ▲2.3 <▲4.8> ▲1.3 <▲5.0> 中国 7.3 6.8 6.3 日本 ▲0.1 0.6 <▲0.4> 1.0 <▲0.2> 注:修正幅は2015年4月からの修正幅を示す。

…中国の現況について厳しい見方も多い。 <中国経済> 図表Ⅰ-3-9 輸出入額の伸び率(前年同期比)