仮定,条件表現 場合によっては言い換えられる それぞれの特徴がある文では言い換えられない。 "と ば たら なら " 仮定,条件表現 場合によっては言い換えられる それぞれの特徴がある文では言い換えられない。
と (接続の仕方) 動詞辞書形/い形容詞直接 + と (例:帰ると、寒いと) な形容詞/名詞+ だ +と (例:元気だと、子供だと)
1. 必然的な結果。自然現象、予想可能な事柄など。 1春になると 花が咲きます。 2お金を入れると切符が出ます。 3右に曲がると、駅があります。 2 意外な出来事(「たら」も)発見の「と」 4デパートに行くと 休みだった。 5朝、窓を開けると地面は雪で真っ白だった。 6うちへ帰ると友達が私を待っていた。 3 習慣的なこと(「たら」も) 7起きるとすぐ顔を洗う。 8天気がいいと、いつも井の頭公園を散歩します。 9彼は家に帰ると、パソコンに向かっています。
「と」の特徴 「と」節の後ろには必然的な結果が来ます。そのため、話し手の意志、判断、許可、意見、命令、要求などをあらわす文が後ろに来ることはできません。 依頼「~てください」、義務「~なけれななりません」、勧告「~方ががいい」、希望「~たいです」、勧誘「~ませんか・~ましょうか」など 人間の意志や感情に関係する文末表現を使うことができません。 例10お金がないと何も買えません。(○) お金がないと働きなさい。(×) 春になると山登りをするつもりです。(×)
ば 接続の仕方 動詞 1グループ--エ段音+ば 例:遊べば 2グループ--去ます+れば 例:咲けば い形容詞--去い+ければ 例:大きければ 動詞 1グループ--エ段音+ば 例:遊べば 2グループ--去ます+れば 例:咲けば い形容詞--去い+ければ 例:大きければ な形容詞/名詞ーー改用なら 例:静かなら (ば)、学生なら(ば)
1 仮定(同「たら」の1) 例11安ければ買います。 例12あした晴れれば、でかけましょう。 例13雨ならばどこへも行きません。 例14お金がなければ働きなさい。 2 必然的な結果。自然現象、予想可能な事柄など。( 同「と」の1。しかし、推量判断や願望が強く現れてきます。) 例15春になれば花が咲きます。 例16車がふえれば空気が汚れます。 例17お金を入れれば切符が出ます。
ばの特徴一 * 「ば」の後ろには普通過去形は来ませんが、次のような文では過去形がOK。 1) 実際にはなかったことを仮定する。話し手の後悔や残念な気持ちが入ります。(反事実の仮定) 例18私が鳥ならばあなたのところに飛んでいけ たのに。 例19お金があれば旅行に行けたのに。 2) 過去の習慣 例20子供の頃天気が良ければよく外で遊んだ。
「ば」の特徴二 「ば」を使った文では、話し手は逆の状況を頭において話している事が多いです。 例21 雨が降ればピクニックに行きません。(でも、晴れれば行きます。) 例22もっと練習すれば日本語が上手になります。(しなければ上手になりません。) また「~ば」は前文が意志性の動詞の時には使えないという制約があります。(前面不能接動作性動詞) 田中さんに会ったら(×会えば)、よろしくお伝えください。<動作動詞> 宝くじが当たったら(×当たれば)、世界旅行がしたいです。<動作動詞>
たら (接続の仕方) 動詞/い形容詞/な形容詞、-- 過去形 + たら (読んだら、寒かったら、元気だったら) 動詞/い形容詞/な形容詞、-- 過去形 + たら (読んだら、寒かったら、元気だったら) 名詞 -- 名詞+だったら (独身だったら)
1 仮定(同「ば」の1) 例23明日雨が降ったら行きません。 例24安かったら買います。 例25もし、困ったら御電話ください。 例26もし、彼女が独身だったらデートしたいです。 2 発見(可和「と」代換) 例27窓を開けたら海が見えた。 例28デパートに行ったら休みだった。 3 結果(可和「と」代換) 例29薬を飲んだら治った。 4 確実な未来(~之後) 例30本を読んだら貸してください。 例31大阪についたら電話をください。
「たら」の特徴 「と」「ば」「たら」「なら」の中で「たら」が一番制限が少ないので、「たら」の使える範囲が一番広いです。 4は「たら」だけの用法です。 「~たら」は意志・希望のような人為的な世界を表します。ですから、文末で人間の意志や感情に関係する表現を使うときは「~たら」が使えます。
4 特殊な仮定の世界を表す「~なら」 (接続の仕方) 動詞/い形容詞/な形容詞 -- 辞書形+なら(行くなら、暑いなら、静かなら) 動詞/い形容詞/な形容詞 -- 辞書形+なら(行くなら、暑いなら、静かなら) 名詞 -- 名詞+なら(子供なら)
「なら」の特徴 「なら」は話し手が他から情報を得てそれをもとに話す時使われます。 「なら」の後の文は、アドバイスや助言や要求や判断になることが多いです。 例32A : 日本語がもっと上手になりたいな。 B : 日本語が上手になりたいなら、たくさんの人と日本語で話すことだ。 例33 A : 来週中国に行きます。 B : 中国に行くならお茶を買ってきてください。 例34 A : あの店いい靴が安いそうですよ。 B : 安いならいっしょに行きましょう。 例35 A : 今度の日曜日映画を見に行きましょう。 B :いいよ。今度の日曜日なら大丈夫。 例36「ちょっと買い物に行ってきます」 「買い物に行くなら、この手紙も出してきてください」 例37「今日はボーナスも出たし、なにかおいしいものが食べたいですねえ」 「それなら、今日はどこかで外食しませんか」
「な形容詞/名詞+なら」 は 二つの用法があります。 「~なら」だけが持つ用法です。 例38雨なら行きません。 「ば」の1で述べた仮定法です。 例39静かなら寝られたのに。
「~と・~たら」と「~ば・~なら」 基本的な違いは、「~ば・~なら」は後件の文末が完了形「た形」にならないことです。 この新幹線は京都駅に ○ 着くと/着いたら 5分間停車する。 ○着けば/着くなら 5分間停車する。 この新幹線は京都駅に ○ 着くと/着いたら 5分間停車した。 × 着けば/着くなら 5分間停車した。
「~と」「~ば」「~たら」「~なら」の世界
と、なら、ば、たらなどについて 日本語では、条件文での 「と、たら、なら、ば」 「と、たら、なら、ば」 といった詞の区別が複雑だと思います。日本人はみなはっきり区別して使えていますか。
実際に使われている場面では、みなまちがえずに、正しい区別のとおりに使い分けています。 しかし、「どうやって使い分けているのですか」という質問をしたら、正しく答えられる人はほとんどいません。 それは、日本人にとって日本語が母語だからです。母語は、繰り返し聞いたり、使ったりしているうちに自然と、 無意識的にルールごと身についてしまうので、 「条件の使い分けの区別」などを習うことも、考えることもありません。 つまり、自分のために「ルール解説」は必要ないのです。そのルールの解説を学ぶ機会があるのは、日本人では、日本語学者や日本語教師など、少数に限られています。
厳密な区別などしなくても使えます。 どんな品詞の語がどんな形で、それら 付属語に付くかは、長年の学習により 習慣のように体で覚えているのです。 外国の方なら、一通り、文法に目を 通しておく方が理解しやすいでしょう。