「経営システム工学入門実験A」 ロジスティクス 第1回 「経営システム工学入門実験A」 ロジスティクス 第1回 ビールゲーム 担当: 森戸 晋・本間 裕大 担当助手: 崔 漢龍 2013年6月24日(月) 協力: 逆瀬川研究室・森戸研究室(修士,4年)
「経営システム工学入門実験A」 ロジスティクスの狙い ロジスティクス、サプライチェーンマネジメントの側面を「体感」 ロジスティクス・システムの計画・管理に役立つ技法を「体感」 在庫管理 シミュレーション 最適化(数理計画)
サプライチェーン(Supply Chain) 製品の流れ サプライヤー メーカー 配送業者 卸売業者 小売業者 顧客 需要情報の流れ
ロジスティクスシステム 材料の調達から、生産、最終ユーザーへの製品の配達、廃棄/回収までのトータルなものの流れの計画・管理・制御 工場立地 スケジューリング 生産計画 施設配置計画 需要予測 在庫管理 生産 原材料 輸送 需要 地点 輸送 配送拠点 配送 工場内物流 配送計画 輸送計画 調達物流 販売物流 材料の調達から、生産、最終ユーザーへの製品の配達、廃棄/回収までのトータルなものの流れの計画・管理・制御 静脈物流
サプライチェーンマネジメント 問題の発見と構造を学ぶ 「サプライチェーンをどう制御したらよいか」に関する洞察を得る 在庫管理技法を勉強する 問題はなにか キーパラメータはなにか パラメータ間の関係はどうなっているか 「サプライチェーンをどう制御したらよいか」に関する洞察を得る パラメータをどう制御すればよいか 在庫管理技法を勉強する シミュレーション分析に基づいてシステムの特性や制御方法を明らかにする
実験で注目してほしい点 1.サプライチェーンの問題点の把握 どういう現象が発生しているか? どういう問題が生じそうか? どういう現象が発生しているか? どういう問題が生じそうか? 2.問題の整理と構造化 影響を与える主な要因や評価尺度は何か? 問題の発生原因は何か? 主な要因と問題や評価尺度との定量的関係はどうなっているか?
MIT ビールゲーム システムダイナミックス(System Dynamics: SD)を学習するロールプレイングゲームとして、MITで開発 当初は,「生産流通システムゲーム(production distribution game)」と呼ばれていた ゲーム盤には「工場」・「一次卸」・「二次卸」・「小売店」の役割があり,参加者はチームとなって各ビールゲーム盤に向かい勝敗を競う ゲームの目的は、勝つこと 参加者が,1つのシステムの意思決定を分担し,相互に圧力を感じながら自らの意思決定を遂行するロールプレイングを通して,実社会における意思決定の雰囲気や意思決定がどのような結果を起こすかを体感する 「システムの内的構造が行動を生む」というSDの大原則と共に、システム思考とはどういうものかを体験的に学習する
ビールゲームのボード 情報(注文)の流れ もの(ビール)の流れ
ビールゲームの重要なポイント 工場→一次卸→二次卸→小売店と、もの(ビール)が流れる 各コンポーネントで、 小売店で発生する需要量は未知 在庫発生→在庫管理費用がかかる 品切れ発生→品切れ損失費用がかかる 小売店で発生する需要量は未知 在庫を持ちすぎず、かつ品切れがないように ものを流したい! 各コンポーネントが、全体の流れを考えながら、うまく発注数を決めなければならない
ビールゲームの基本ルール(1) 1.ゲームの目的:チームの総費用最小化 2.社名を決め、記録シートに記入 3.成績優秀チームは表彰 費用の計算方法: ・各役割分担者が、各週に在庫および受注残を計算し、全期間にわたって合計 ・在庫=0.5ドル、受注残=1ドルをかけて費用を計算し、各役割の総費用を求める. ・全期間(50週)・全役割の費用合計を集計. 2.社名を決め、記録シートに記入 3.成績優秀チームは表彰
ビールゲームの基本ルール(2) 4.(同一役割担当者以外は)お互いにコミュニケーションはしない! (これは、お互いに他人の活動は分からない、という実世界を反映する). ゲームボード盤を見渡すことだけが許される. 5.顧客からの受注量は「小売店」だけが知る. 「小売店」は、他に情報を伝えてはならない!
BEER GAME 手順① 配送遅れの移動 『在庫』に近い『遅れ』のチップを在庫に移す 発注 注文中 発注 注文中 在庫 注文票 生産要請
BEER GAME 手順① 配送遅れの移動 『在庫』から遠い『遅れ』のチップを近い『遅れ』に移す 発注 注文中 発注 注文中 在庫 注文票 生産要請 遅れ 遅れ 遅れ 『在庫』から遠い『遅れ』のチップを近い『遅れ』に移す
BEER GAME 手順② 注文表の開示と配送 発注 注文中 発注 注文中 4 在庫 注文票 生産要請 遅れ 遅れ 遅れ 『注文中』の付箋をめくって、書かれた数と同数のチップを左隣の『遅れ』に移す。 受注残があるとき:(書かれた数)+(受注残数)を移す。
BEER GAME 手順③ 在庫・受注残の記入 週 在庫 受注残 注文 1 2 3 12 0 記録シートに現時点での在庫数・受注残数を記録 (他のコンポーネント担当者に見せないこと!)
BEER GAME 手順④ 注文票の移動 めくった付箋を廃棄し、右上の『発注』の付箋を、右隣の『注文中』に移す 発注 注文中 発注 注文中 在庫 注文票 生産要請 遅れ 遅れ 遅れ めくった付箋を廃棄し、右上の『発注』の付箋を、右隣の『注文中』に移す
BEER GAME 手順⑤ 注文数の決定 新たに付箋を用意し、自分の注文したい数を 書きこみ、裏返しにして『発注』に貼り付ける 発注 注文中 4 4 4 4 在庫 注文票 生産要請 遅れ 遅れ 遅れ 新たに付箋を用意し、自分の注文したい数を 書きこみ、裏返しにして『発注』に貼り付ける
BEER GAME 手順⑤ 注文数の決定 新たに付箋を用意し、自分の注文したい数を 書きこみ『発注』に裏返しにして貼り付ける 発注 注文中 4 4 4 在庫 注文票 生産要請 遅れ 遅れ 遅れ 新たに付箋を用意し、自分の注文したい数を 書きこみ『発注』に裏返しにして貼り付ける
BEER GAME 手順⑤ 注文数の記録 週 在庫 受注残 注文 1 2 3 12 0 4 記録シートに注文数を記録 (他のコンポーネント担当者に見せないこと!)
BEER GAME 発注 注文中 発注 注文中 在庫 注文票 生産要請 遅れ 遅れ 遅れ 始めに戻るので、これを繰り返す
ビールゲーム:再確認(1) ビールのサプライチェーンを想定 ゲーム期数=50週 サプライチェーンは,それぞれ1施設からなる「小売店」、「一次卸」、「二次卸」、「工場」で構成 工場の生産能力は無制限 各コンポーネントの在庫保有量は無制限
ビールゲーム:再確認(2) 各コンポーネントは直下の需要を可能な限り満足しようとする 満足できなかった需要はバックオーダーとして記録され,可能な限り即座に満たす オーダーが無視されることはなく、最終的には必ず満たされる 需要を満たせなかったときは受注残(品切れ)となり,ペナルティとして1個当り1ドル/週の費用がかかる 在庫保持には1個当り0.5ドル/週の費用がかかる
ビールゲーム:再確認(3) 各コンポーネントは,週ごとにオーダーを出す 発注リードタイム(左のコンポーネントがすぐ右隣のコンポーネントに注文を出し,注文が届くまでの期間)は2週間 納入リードタイム(発注を受けてから商品を届けるのにかかる期間)は2週間; つまり全体として発注から納入まで4週間かかる
満たすべき注文 1.満たすべき注文量 =今週の注文量+前週の受注残量 1.満たすべき注文量 =今週の注文量+前週の受注残量 2.A)在庫で注文が満たせるときは、満たすべき注文量すべてを出荷し、残りの在庫を記録する B)満たすべき注文が手持ち在庫でまかなえないときは、手持ちの在庫をすべて出荷し、 満たすことのできなかった注文量 (つまり、不足量)を受注残として記録する
ゲーム終了後... 依然として、コミュニケーションは控えて 各チーム毎に記録シートで総費用を計算 TAを通じて、総費用を連絡→勝者決定! 各チーム毎にグラフ作成 在庫と受注残のグラフ 注文量のグラフ チーム内でゲームを振り返って検討 来週、各チーム7分間の発表
Excelシートで集計 実験のホームページから、集計シートをダウンロード 紙の集計シートから各コンポーネントのデータを移す 各コンポーネントの在庫量の推移グラフ・発注量の推移グラフが自動で作成される 集計シートを作成したら、メール添付で提出すること(作成次第、ただちに送信すること) アドレス hayato.t-day.206@asagi.waseda.jp
「経営システム工学入門実験A」 ロジスティクス 第1回宿題 班単位で 次回 7/1(月)の発表の準備 パワーポイントでスライドを作成 発表用pptファイルをメール添付で提出 締切:6/28(金)午後5時 アドレス hayato.t-day.206@asagi.waseda.jp 個人単位で ビールゲームの結果の分析・考察やプレイして考えたことをA4三枚以内にまとめる。考察に際して、必ず配布の英文資料を読み、結果との関連に言及すること。 実験室レポートボックスへ提出 締切:7/1(月)午後1時
個人レポート・検討項目例 できるだけ「系統的」にまとめること ゲーム結果の集計 ゲーム結果の評価(具体的な結果を活用) ゲームで学んだこと どういう方針でプレイしたか ゲームは思ったようにプレイできたか ゲームで学んだこと ゲームからどのようなことを学んだか ゲームで体感したことと、現実の意思決定との関連 ゲームそのものについての意見 ゲーム自体をどう思ったか ゲームのよくできているところ、非現実的なところはどこか 不具合があるとするとどう修正するのがよいかに関する意見
速報: 2012集計結果(各班の総コスト) 班 総コスト 1 2159.5 2 4070 3 1929.5 4 432.5 5 1176.5 6 946.5 7 4717 8 3648 9 1191 班 総コスト 10 920.5 11 1358 12 535 13 2562.5 14 1006 15 1177.5 16 199 17 18
班単位の宿題の ファイル名とメールタイトル名 班単位の宿題提出にあたっては, 集計シートExcelファイルの名称 班番号.xls (例 12.xls) 集計シート送付メールのタイトル名 集計シート提出○班 (例 集計シート提出12班 ) 発表スライドの名称 班番号.ppt (例 12.ppt) 発表スライド提出メールのタイトル名 発表スライド提出○班 (例 集計シート提出12班 )