仕事帰りと拘束時間に着目した行動目的選択

Slides:



Advertisements
Similar presentations
土木計画学 第3回:10月19日 調査データの統計処理と分析2 担当:榊原 弘之. 標本調査において,母集団の平均や分散などを直接知ることは できない. 母集団の平均値(母平均) 母集団の分散(母分散) 母集団中のある値の比率(母比率) p Sample 標本平均 標本分散(不偏分散) 標本中の比率.
Advertisements

1.情報教育について 2 情報教育. 情報教育とは 児童生徒が自ら考え、 主体的に判断・表現・行動 児童生徒は主体的に学ぶ 「情報活用能力」を育成する教育.
地域格差と生産性 ー地域別全要素生産性の計測ー 明治学院大学経済学部 高橋ゼミ 発表者 増田 智也 2007 年度卒業論文発表会.
スタートアップゼミ 社会基盤交通研 B4 佐津川功季. 多項プロビットモデル  ロジットモデルの弱点である 、 誤差項の独立性という仮定に 対して 、 多変量正規分布を用いて選択肢間の相関を表現した モデル 。 効用関数 において確率項ベクトル において、平均値をそれぞれ 0 、共分散行列を Ω(J×J.
パレットレンタルデポにおけ る 生産計画に関する研究 98745 松山 健太郎. 研究目的 ①単体デポの生産計画モデルを構築 ②現状の分析及び問題点の抽出 ③改善案の提案 返却されたパレットの選別、修繕を 行い、その後虫検査を行うこと 生産の定義.
第 15 章ケース紹介 どらみ 1. 目次 ワークライフバランスの概要 事例紹介 2 ワーク・ライフ・バランス( WLB )とは 3 個人の働き方や企業の制度を見直すことで、 ワークとライフを共に充実 → 個人も企業も HAPPY !! 個人の働き方や企業の制度を見直すことで、 ワークとライフを共に充実.
1 マツダにおける ワーク・ライフ・バランス推進に向けた 取組み マツダ株式会社 人事労政部 吉浦.
土地利用マイクロシミュレーションのための 年代の違いを考慮した世帯別転居行動分析 関西大学大学院理工学研究科 社会資本計画研究室 金崎 智也.
J班 高取千佳 大村朋之 斎藤いつみ 瀧口洋平 植村恵里
第6章 労働時間管理 労働サービスの供給量とタイミングの管理
乗換抵抗を考慮した公共交通料金施策 に関する交通手段選択モデル
2012/7/3 働きすぎの日本人           2012年7月3日 日本事情 火曜2限:26教室 黒 田 兼 一.
時系列の予測 時系列:観測値を時刻の順に並べたものの集合
多変量解析 -重回帰分析- 発表者:時田 陽一 発表日:11月20日.
補章 時系列モデル入門 ー 計量経済学 ー.
男性の育児が肥満に与える影響 富山大学 経済学部 経済学科 孫田 篤 専門ゼミ-報告会.
メンタルヘルス自主点検チェックシート FAXのご返送は まで 久保社会保険労務士法人 企業分析シート
経営戦略は 本当に必要か? 経営戦略班.
行動モデル夏の学校 買い物地選択行動 モデルのパラメータ推定
実証分析の手順 経済データ解析 2011年度.
アンサンブルハインドキャスト実験結果を用いたイネ葉いもち病の発生確率予報の精度検証
ISDASインターネット分散観測: ワームの平均寿命はいくらか?
得点と打率・長打率・出塁率らの関係 政治経済学部経済学科 ●年●組 ●● ●●.
アジア開発銀行(ADB)の 融資による途上国の経済成長への影響
スペクトル法による数値計算の原理 -一次元線形・非線形移流問題の場合-
プログラム演習 ‐行動モデル夏の学校2007‐ 2007/09/20 愛媛大学大学院M1 牛尾龍太郎.
来客者数に与える気温と降水量の影響に関する研究
Bassモデルにおける 最尤法を用いたパラメータ推定
山梨大学 (中村・丸石・鈴木・常盤・武川・土屋・原・瞿)
因子分析や3相因子分析による分析の問題点を整理する 狩野裕+原田章(行動工学講座)
3.労働時間の弾力化と課題 ◇新しい労働時間制度の導入◇ ◇弾力的な労働時間制度とは◇ 1987年、93年、98年
若者はいま -新しいライフスタイルを求めて- 労働調査協議会
研究室入退室システムの評価 学校に来なくても卒論は進むのか?
マイクロシミュレーションにおける 可変属性セル問題と解法
愛媛大学 1班 福嶋 浩人 山本 朋広 吉良 北斗 春木 信二
プロジェクトの選択基準 と CBAの役割と限界
最尤推定によるロジスティック回帰 対数尤度関数の最大化.
ベイズ基準によるHSMM音声合成の評価 ◎橋本佳,南角吉彦,徳田恵一 (名工大).
2日目 15:30~15:45〔15分〕 【講義】全体のまとめ 国立のぞみの園 志賀利一
ワークライフバランス 「仕事と家庭の調和」 ~女性活躍の展望~
プロジェクトの選択基準 と CBAの役割と限界
離婚が出生数に与える影響 -都道府県データを用いた計量分析
補章 時系列モデル入門 ー 計量経済学 ー.
(一社)大学女性協会新潟支部研究発表 新潟県内の中小企業における 労働環境調査 ~女性活躍の状況に関して~
愛媛大学C班 M2 前川朝尚 M1 谷本善行 B4 薬師神司
労働時間短縮の課題 課題 ②所定外労働時間の短縮 ③有給休暇の所得率を上げる +職業生涯でみた労働時間の短縮 →これらを実現するためには?
~労働サービスの供給量とタイミングの管理~ B班・木村・田中・西山・小川・大平
ベイジアンネット混合モデルによる 強化学習エージェントの方策改善
ロードプライシングによる環境に優しい街づくり
I班 東京大学 伊藤・柿元・瀧口・戸叶・福士
5章 労働時間管理 B班 大下内・平野・兵藤・すまだ・渡辺.
慶応義塾大学 D2 本間 裕大 日本大学 M2 松田 博和 岐阜大学 M1 山崎 佑輔
ウィルスって どの位感染しているのかな? 菊池研究室  小堀智弘.
情報経済システム論:第13回 担当教員 黒田敏史 2019/5/7 情報経済システム論.
東京海洋大学 地域計画研究室 三島佑介 高下寛之
クロス表とχ2検定.
ビールゲームにおける結果と考察 9班:ユベントス.
SEAJ 度数率・強度率集計報告 (2015年1月~12月まとめ)
ベイズ基準による 隠れセミマルコフモデルに基づく音声合成
保守請負時を対象とした 労力見積のためのメトリクスの提案
生物多様性班 生物多様性班:研究報告 メンバー:小巻拓平、廣直樹、田中愛夏音、正城結衣 コンジョイント調査.
ベイジアンネットワーク概説 第3章 ベイジアンネットワークモデルの 数学的基礎 3.1 ベイジアンネットワークモデルの概要
自転車の利用促進に着目した研究 名古屋大学  E班 M1  酒井大輔             徐剛           高橋和大 平野泰博    安江勇弥.
ワーク・ライフ・バランス推進プラン 定義《仕事と生活の調和(ワーク・ライフ・バランス)憲章より》 イクボス宣言
個人の関心を考慮した交通手段選択モデルの推定
共同利用自転車の利用促進に着目した交通手段選択モデル
図15-1 教師になる人が学ぶべき知識 子どもについての知識 教授方法についての知識 教材内容についての知識.
B班 東京理科大学 B4 河上 翔太 B4 辰巳 はるな 東京工業大学 B4 瀬尾 亨 B4 石井 良治
ワーク・ライフ・バランスの実現 重要性を増す生活と仕事の調和 従業員がワーク・ライフ・バランスを重要視する背景要因 ⒈家族形態の多様化
混合ガウスモデル Gaussian Mixture Model GMM
Presentation transcript:

仕事帰りと拘束時間に着目した行動目的選択 E班 山梨大学     西山 望月 中沢  山崎 

背景 ワークライフバランス(仕事と生活の調和) 近年,長時間労働をしている会社員が増加して いる 国民一人ひとりにとって,自身の望む生き方が 実現しにくく,就労と出産,子育てが未だ二者択 一となっている状況も存在している より良い仕事をするためにも仕事以外の生活と の両立が望ましいが現実は厳しい...

背景 都道府県間で実労働時間, 残業時間に大きな違いが 見られる 地域別の労働時間が目的 選択に影響? 労働時間≒拘束時間 理想であるワークライフ バランスをいかにしたら 実現できるか

拘束時間 拘束時間:仕事・通勤などで自分の意思で選択が できない時間と定義 調査期間中の平日において,「ensyu.csv」にある21 人のIDのトリップデータが全て観測された日を抽出   →10/31,11/6,11,12,13,18,20,24 同じ週に含まれるこの3日間の拘束時間平均を個人ごとに算出      それを個人が持つ拘束時間とした (水)(木)(金)

Data 会社帰りのトリップに着目 出発施設属性が「勤務」,「事務所」,「会 社」 目的属性が「買い物」,「食事」,「帰宅」 以降会社帰りのトリップデータのみで分析を 行う(N=98) 抽出

基礎分析 ー曜日ー 水・木曜日には帰宅している人が多い

基礎分析 ー年齢層ー 30歳代は直接自宅には帰らない傾向がある

基礎分析 -拘束時間- 拘束時間が10時間を超える人が半数以上を占め ている

モデル推定 9 効用関数  選択確率 会社帰り 買い物 帰宅 食事

モデル推定結果 推定結果の表 *5%有意 **1%有意 -0.14 -0.19 1.10 1.89 2.31 2.83 ** 2.23  モデル推定結果 推定結果の表 パラメータ t値 定数項(食事) -0.14 -0.19 定数項(買物) 1.10 1.89 拘束時間レベル(帰宅) 2.31 2.83 ** 自転車(帰宅) 2.23 2.89 水曜(帰宅) 2.34 1.90 徒歩(食事) 1.81 1.91 サンプル数 98 初期尤度 -107.66 最終尤度 -39.33 決定係数 0.62 修正済み決定係数 0.56 *5%有意 **1%有意

実際と推定結果

モデル推定結果の解釈 拘束時間 移動手段 曜日  モデル推定結果の解釈 拘束時間 拘束時間が5時間から10時間であると帰宅に対してパラ メータが正になっており,帰宅する傾向がある.拘束時 間が極端に長くなく,家族とコミュニケーションを取る 時間があるため,すぐに帰宅しようと考えている可能性 がある 移動手段 移動手段が自転車であると自宅に直接帰宅する傾向があ る   荷物を運べない 曜日 水曜日は自宅に直接帰宅する傾向がある   No残業Day

 政策 分析・政策 帰宅に対して拘束時間5~10時間未満の場合 が正に働いていたので拘束時間を減らすこと によって,ワークライフバランスの観点から 仕事と家庭のバランスがとられる

考察 今回はサンプル数が98と少なくなってしまっ たことが反省点である 拘束時間と仕事終わりの行動に関係がある可 能性が示せた 自転車で通勤する人は直接帰宅する傾向が強 いため,拘束時間を変化させても,会社帰り のトリップ目的は変化しないと考えられる