次に 円筒座標系で、 速度ベクトルと加速度ベクトルを 求める
速度と加速度 復習パワポ に対して、 動径ベクトル 速度ベクトル 加速度ベクトル 速度の意味: ある時間に位置がどのくらい変化するか。 加速度の意味: ある時間に速度ベクトルがどのくらい変化するか。
動径ベクトルは、原点から物体がいる点までのベクトル。 動径ベクトルの補足 復習パワポ 動径ベクトルは、原点から物体がいる点までのベクトル。 半径の方向と長さが 変わっていくイメージ。 動経(動く半径) と呼んでいる。 記号rを使う理由は、 英語でradius(半径) のため。 物体 原点 例:野球場でボールの場所を表すのに、 ホームベースを原点にして、ボールまでのベクトルを 動径ベクトルにする。
記号vを使う理由: velocity(速度)のため。 速度ベクトルの補足 復習パワポ 動経ベクトルがどう変化するか。 その瞬間の進む方向 記号vを使う理由: velocity(速度)のため。
記号aを使う理由: acceleration (加速)の頭文字。 復習パワポ 加速度ベクトルの補足 曲線の場合 曲がる時は内向きの加速度 (右折する時は、右向きの加速度) 記号aを使う理由: acceleration (加速)の頭文字。
問題2:速度ベクトル、加速度ベクトルに関して、 x y φ r 速度と加速度 前の問題より、 問題1:動径ベクトルは、円筒座標系で、 と書けることを説明せよ。 問題2:速度ベクトル、加速度ベクトルに関して、 を示せ。
記号の注意
直角座標の 動径ベクトル 復習 radius vector 位置ベクトルとも言う。 z P(x,y,z) ある原点Oからのベクトル。 O y
直角座標:動径ベクトルの2つの説明 z P(x,y,z) 説明1 成分を使う。 右辺=x(1,0,0)+y(0,1,0)+ z(0,0,1) 説明1 成分を使う。 右辺=x(1,0,0)+y(0,1,0)+ z(0,0,1) =(x,y,z) 左辺になる。 説明2 動径ベクトル(赤い矢印) =黄色の矢印+ 緑の矢印 + 茶色の矢印 = O y x
解答:円筒座標の動径ベクトルの説明 z 説明1 成分を使う。 P y x Q 説明2 点Pの動径ベクトルは、 原点Oから点Pまでのベクトル。
速度の解答 前の問題より、動径ベクトルは、 速度ベクトルは動径ベクトルの微分 座標系が動くので、 この項も必要
加速度の解答 速度ベクトルの各項の微分 3つを加えてまとめると、 z方向は一定なので 基本ベクトルの 微分(既に求めた) 変数の上の点は、 時間tによる微分 3つを加えてまとめると、 z方向は一定なので
注意 追加 第2項の微分に注意。 3つの積の微分 2つの積 3つの積
円筒座標系の加速度がわかったので、 今度は運動方程式を書いてみる。
すると運動方程式の円筒座標系での各成分は、 円筒座標系の運動方程式 前問より 力も円筒座標で書く。 すると運動方程式の円筒座標系での各成分は、 この2つの式の意味を これから考える。
バスに乗っている時、カーブで外側に力を受ける。 洗濯機の脱水で、洗濯物は外側にへばりつく。 円筒座標系の運動方程式からわかること。 r方向の運動方程式 左辺第2項を右辺に移すと、 (高校の物理では、等速円運動を考えた。) 一般にはrは時間に依存する。 φが時間変化すれば、遠心力がある。 遠心力 バスに乗っている時、カーブで外側に力を受ける。 洗濯機の脱水で、洗濯物は外側にへばりつく。
円筒座標系の運動方程式からわかること(2) φ方向の運動方程式 変形すると、 は角運動量(のz成分)になっている。 (次のページで詳しく見る)
角運動量 運動量 角運動量 (これは復習) ベクトル積 問題 円筒座標で角運動量を書け。
に成分を代入する。 特に平面内の運動(z=0)の時、 既に出た円筒座標での φ方向の運動方程式は 角運動量の時間変化になっている。 角運動量、解答 に成分を代入する。 特に平面内の運動(z=0)の時、 既に出た円筒座標での φ方向の運動方程式は 角運動量の時間変化になっている。
問題 特に、平面運動(z=0)、半径が一定(r=a)の場合に、 上記の運動方程式がどうなるか、述べよ。 まとめ 円筒座標で加速度を求めた。 運動方程式 遠心力の項 角運動量と関係する。 問題 特に、平面運動(z=0)、半径が一定(r=a)の場合に、 上記の運動方程式がどうなるか、述べよ。
z=0, r=aを代入。ずっと一定なので、zやrの時間微分はゼロ。 解答:平面運動の場合 z=0, r=aを代入。ずっと一定なので、zやrの時間微分はゼロ。 後で使う。
剛体の運動方程式を考える
振り子の問題 ℓ M a) 運動方程式は、糸の張力をTとして、 下記のように書けることを示せ。(円筒座標の加速度を使う) 振り子の問題 M ℓ 問題1:長さℓの糸の端に質量Mの質点を付けて、振り子にする。 a) 運動方程式は、糸の張力をTとして、 下記のように書けることを示せ。(円筒座標の加速度を使う) b) 微小振動(φが小さい)の場合に、角度方向の運動方程式(aの2つめの式)が以下のようになることを示せ。 または c) bの運動方程式を解いて、φ(t)を求めよ。 振動の周期Tも求めよ。
剛体振り子の問題 2ℓ φ Iは慣性モーメント。支点(棒の端)のまわり。 b) 微小振動の場合に運動方程式を解き、周期を求めよ。 剛体振り子の問題 2ℓ φ 問題2 長さ2ℓ、質量Mの一様な棒の端を固定して、振り子にする。 a) 運動方程式が次のようになることを説明せよ。 (角運動量の時間変化=力のモーメントの式から出発する。) Iは慣性モーメント。支点(棒の端)のまわり。 b) 微小振動の場合に運動方程式を解き、周期を求めよ。 c) 棒の支点のまわりの慣性モーメントを求めよ。
剛体と振り子の比較の問題 M ℓ φ 2ℓ M 2ℓ (1) (2) (3) 剛体と振り子の比較の問題 問題3 長さ2ℓ、質量Mの一様な棒の端を固定して、振り子にしたものと、 質量Mのおもりを、糸(長さ2ℓまたはℓ)の先につけた場合を 比べて、微小振動の周期の長い順に並べよ。理由も書くこと。 M ℓ φ 2ℓ M 2ℓ (1) (2) (3)
ここから後は解答と補足
問題1(a)の解答 教科書p.18(角度方向のみ) 円筒座標を使った加速度 m ℓ φ 2次元の場合はz=0とおけばよくて、 T 振り子の場合、rは一定。 mg 働く力は、重力mgと張力Tなので、運動方程式は、
問題1(b)の解答 m ℓ (b)角度方向の運動方程式 φ φが微小なら、 (ほぼ等しい)
前期の最初の方の微分方程式で学んだように、 この微分方程式の一般解は、 問題1(c)の解答 m ℓ (c) φ 前期の最初の方の微分方程式で学んだように、 この微分方程式の一般解は、 あるいは A,B,C,δは初期条件で 決まる定数 振動の周期は、
補足 (ほぼ等しい) 説明その1 φ 数Ⅲ xが小さい時に、sin xとxはほぼ等しい。 説明その2 グラフを使う。 次のページへ。
グラフを使った説明 y y=x y= sin x x π 2π ・原点でsinxの傾きは1, 接線はy=x
問題2(a)の解答 教科書p.69 2ℓ φ a) z成分(紙面に垂直な方向)だけ考えればよくて、 支点から棒上にxの位置にある微小質量dm=ρdxに かかる力はgdm=ρgdx。ρは長さ当たりの質量で、ρ=M/2ℓ 力のモーメントは、 より、 これをxについて積分すると、 重心上にMgがかかっているのと同じになる。 回転の運動方程式は、
問題2(b)の解答 教科書p.70 b) φが小さい時に、sinφはφにほぼ等しい。
問題2(c)の解答 x dm=ρdx ρは単位長さ当たりの質量で、 b)の周期に代入すると、
問題3の解答 2ℓ ℓ 2ℓ (3)は問題1より、 φ M 単振り子(糸)の周期は、 M (3) (1) (2) (2)は糸の長さが倍なので、 (1)は問題2より、 周期が大きい順に、(2),(1),(3)
問題3の解答:別解 φ 2ℓ M 2ℓ M ℓ 方法2 慣性モーメントを求める。 (3) (1) (2) 1)は問題2で求めたように、 3)は、 次のページに補足あり。 2)は、 したがって、周期の長い順(回りにくい順に) 2) 1) 3)の順
問題3の解答の補足 M ℓ 質点の慣性モーメント になる理由 慣性モーメントの定義は、 軸までの距離がいつも一定の値 なら、積分の外に出る。
問題3の解答の意味を考える 2ℓ ℓ 2ℓ φ M M (1) (3) (2) 糸が長い場合と短い場合の周期の関係はわかりやすい。 質量が全体にある場合と中央にある場合。 外側の方がモーメントに影響が大きい。(xの2乗)