一成分、二相共存系での平衡 一成分 固液共存系    氷-水.

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1 重力 力に従って落下 → E P 減少 力に逆らって上昇 → E P 増加 落下・上昇にともなう重力ポテンシャルエネルギー 変化 P32 図2-5 力が大きいほど E P の 増減は大きくなる. ポテンシャルエネルギーと力の関係.
1 今後の予定 8 日目 11 月 17 日(金) 1 回目口頭報告課題答あわせ, 第 5 章 9 日目 12 月 1 日(金) 第 5 章の続き,第 6 章 10 日目 12 月 8 日(金) 第 6 章の続き 11 日目 12 月 15 日(金), 16 日(土) 2 回目口頭報告 12 日目 12.
ヒートポンプによる冷暖房の原理 物理化学III
今後の予定 7日目 11月 4日 口頭報告レポート押印 前回押印したレポートの回収 口頭報告の進め方についての説明 講義(4章),班で討論
FUT 原 道寛 名列___ 氏名_______
4・6 相境界の位置 ◎ 2相が平衡: 化学ポテンシャルが等しい     ⇒ 2相が共存できる圧力と温度を精密に規定     ・相 α と β が平衡
相の安定性と相転移 ◎ 相図の特徴を熱力学的考察から説明 ◎ 以下の考察
1.ボイルの法則・シャルルの法則 2.ボイル・シャルルの法則 3.気体の状態方程式・実在気体
◎ 本章  化学ポテンシャルという概念の導入   ・部分モル量という種類の性質の一つ   ・混合物の物性を記述するために,化学ポテンシャルがどのように使われるか   基本原理        平衡では,ある化学種の化学ポテンシャルはどの相でも同じ ◎ 化学  互いに反応できるものも含めて,混合物を扱う.
反応ギブズエネルギー  ΔrxnG (p. 128).
医薬品素材学 I 3 熱力学 3-1 エネルギー 3-2 熱化学 3-3 エントロピー 3-4 ギブズエネルギー 平成28年5月13日.
医薬品素材学 Ⅰ 相平衡と相律 (1) 1成分系の相平衡 相律 クラペイロン・クラウジウスの式 (2) 2成分系の相平衡 液相―気相平衡
熱力学Ⅰ 第1回「熱力学とは」 機械工学科 佐藤智明.
2009年4月23日 熱流体力学 第3回 担当教員: 北川輝彦.
本時の目標 反対の性質を持つ量や、基準を決めたときの量を正の符号、負の符号を使って表すことができる。
医薬品素材学 I 4 物質の状態 4-1 溶液の蒸気圧 4-2 溶液の束一的性質 平成28年5月20日.
5章 物質の三態(気体・液体・固体)と気体の法則 2回
薬学物理化学Ⅲ 平成28年 4月15日~.
課題 1 P. 188 解答 ΔvapS = ΔvapH / T より、 T = ΔvapH / ΔvapS 解答
本時の目標 正の数・負の数の加法と減法の混じった計算のしかたを理解し、その計算ができるようにする。
H25年度 基礎薬学特別講義 I 反応速度 CBT精選問題 平成25年10月24日.
◎熱力学の最も単純な化学への応用   純物質の相転移
科学的方法 1) 実験と観察を重ね多くの事実を知る 2) これらの事実に共通の事柄を記述する→法則 体積と圧力が反比例→ボイルの法則
仮説実験授業の方法.
地球惑星物性学1 ( ~) 参考文献: 大谷・掛川著 地球・生命 共立出版
水の特異な性質.
◎ 本章  化学ポテンシャルという概念の導入   ・部分モル量という種類の性質の一つ   ・混合物の物性を記述するために,化学ポテンシャルがどのように使われるか   基本原理        平衡では,ある化学種の化学ポテンシャルはどの相でも同じ ◎ 化学  互いに反応できるものも含めて,混合物を扱う.
水の特異な性質.
蒸気圧と沸点 『水の沸点は変化する』.
課題 1 P. 188.
演習課題 1 (P. 137).
黒体輻射とプランクの輻射式 1. プランクの輻射式  2. エネルギー量子 プランクの定数(作用量子)h 3. 光量子 4. 固体の比熱.
測定時にガラス電極の横の窓を開けるのは 電極の内部圧を開放し、ピンホール状に開いている液絡部から比較電極内部液(KCl)が染み出るようにするため KCl セラミックなどの多孔質でできています。 HCl.
地学b 第5回雲と降水 Koji Yamazaki (山崎孝治)
本時の目標 正の数・負の数の減法の計算のしかたについて理解し、その計算ができるようにする。
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相の安定性と相転移 ◎ 相図の特徴を熱力学的考察から説明 ◎ 以下の考察
連続体とは 連続体(continuum) 密度*が連続関数として定義できる場合
2009年4月23日 熱流体力学 第3回 担当教員: 北川輝彦.
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2009年7月2日 熱流体力学 第12回 担当教員: 北川輝彦.
低温物体が得た熱 高温物体が失った熱 = 得熱量=失熱量 これもエネルギー保存の法則.
◎熱力学の最も単純な化学への応用   純物質の相転移
◎ 本章  化学ポテンシャルの概念の拡張           ⇒ 化学反応の平衡組成の説明に応用   ・平衡組成       ギブズエネルギーを反応進行度に対してプロットしたときの極小に対応      この極小の位置の確定         ⇒ 平衡定数と標準反応ギブズエネルギーとの関係   ・熱力学的な式による記述.
今後の予定 (日程変更あり!) 5日目 10月21日(木) 小テスト 4日目までの内容 小テスト答え合わせ 質問への回答・前回の復習
今後の予定 8日目 11月13日 口頭報告答あわせ,講義(5章) 9日目 11月27日 3・4章についての小テスト,講義(5章続き)
今後の予定 7日目 11月12日 レポート押印 1回目口頭報告についての説明 講義(4章~5章),班で討論
流動を伴う物質移動(p.483) y x 壁を伝わって流れ落ちる 薄い液膜にA成分が拡散 δ NA,y 速度分布:p.96.
課題 1.
Massive Gravityの基礎と宇宙論
(解答) 式(6.12)  Δp = (ΔH / ΔV )×ln (Tf / Ti)
熱量 Q:熱量 [ cal ] or [J] m:質量 [g] or [kg] c:比熱 [cal/(g・K)] or [J/(kg・K)]
相の安定性と相転移 ◎ 相図の特徴を熱力学的考察から説明 ◎ 以下の考察
Massive Gravityの基礎と宇宙論
電解質を添加したときの溶解度モデル – モル分率とモル濃度
(昨年度のオープンコースウェア) 10/17 組み合わせと確率 10/24 確率変数と確率分布 10/31 代表的な確率分布
外部条件に対する平衡の応答 ◎ 平衡 圧力、温度、反応物と生成物の濃度に応じて変化する
K2 = [ln K] = ln K2 – ln K1 = K1.
固体→液体 液体→固体 ヒント P131  クラペイロンの式 左辺の微分式を有限値で近似すると?
ヒント.
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一成分、二相共存系での平衡 一成分 固液共存系    氷-水

一成分、二相共存系での平衡 (P126)

一成分、閉じた系における平衡 ・ 平衡に達したのち温度か圧力が変化 → 式(6.3)が再び成り立つように 各相の相対的な量が変化、平衡が移動 Tphase 1 = Tphase 2 pphase 1 = pphase 2 ・ 平衡に達したのち温度か圧力が変化    → 式(6.3)が再び成り立つように      各相の相対的な量が変化、平衡が移動 ・ 各相の化学ポテンシャルが等しくない    → 相のうちの一つ(またはそれ以上)が安定ではない 化学ポテンシャルの低い相がより安定な相                                  安定相       (例) H2O -10℃   μliquid > μsolid   氷 +10℃   μliquid < μsolid     水 0℃   μliquid = μsolid   水、氷

問 問 解

問 解 問 解

問 解 問 解

6.3 相変化 熱が平衡に与える影響 ・ 相変化が起こっている間 系の温度は一定 → # 相変化は等温過程 6.3 相変化 熱が平衡に与える影響 ・ 相変化が起こっている間  系の温度は一定     → # 相変化は等温過程        # 一つの相がすべて完全に別の相になってはじめて   熱は系の温度を変えるように作用しはじめる

課題 1 P. 187

相変化のエンタルピー ・ 融解,蒸発,昇華 特徴的な熱の出入り → 純粋な化合物に対して ・ 融解,蒸発,昇華  特徴的な熱の出入り     → 純粋な化合物に対して        融解熱 (heat of fusion)   ΔfusH       蒸発熱 (heat of vaporazation) ΔvapH        昇華熱 (heat of sublimation) ΔsubH ・ 形式的には吸熱過程に対して定義 → すべて正の値 ・ 逆方向の相変化にも適用可能      融解熱    融解 ⇔ 凍結、凝固      蒸発熱    蒸発 ⇔ 凝縮 ・ 発熱過程に対しては,エンタルピーに負の符号      ヘスの法則における逆の過程と同様

相変化に伴い吸収、放出される熱量 m: 系の成分の質量 添え字 trans : 融解,蒸発,昇華など任意の相変化 ΔtransH: これらの過程に伴うエンタルピー変化  符号  熱の流れの方向を把握し,発熱的であるか吸熱       的であるかを正しく考えて与えることが必要 物質量 n で表す場合

・ 相変化そのもの  本質的に温度一定で起こる ・ 物質の融点や沸点    → 物質量一定、平衡において二相が共存する系      (温度一定で起こる相変化についてのみ当てはまる) ・ 標準融点、標準沸点以外の温度    → 式(6.6)は成立しない  (例) 水の変化                          相変化        ΔG=0                       相変化+温度変化 ΔG≠0

         (6.6) からの一つの結論 より、温度一定で起こる相変化では、 書き直して    ΔtransH : ΔvapH, ΔfusH (表にまとめられている)      → 相変化に伴うエントロピー変化 ΔtransS 符号  吸熱過程であるか発熱過程で判断

問 解

問 解 トルートンの規則

課題 2 P. 188