望月ゼミナール 地方財政班A Ono.S Oyokawa.H Saito.R Tsukahara.C

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望月ゼミナール 地方財政班A Ono.S Oyokawa.H Saito.R Tsukahara.C 地方財政における最適規模 望月ゼミナール 地方財政班A Ono.S Oyokawa.H Saito.R Tsukahara.C

プレゼンのフローチャート 理論的位置づけ 地方分権の現状 分権における地方財政の問題 効率性 公平性 所得格差の問題 資源配分のゆがみ 財政改善と 所得格差の問題是正に必要なことは? 現状分析 結論

結論 行政の効率化を図り、金銭的効用を高める 郷土から得られる効用を高める政策を行う これら二つを同時に行うことによって、最適な財 政が実現。

地方分権の理論的根拠 資源配分の効率化       ・地方分権定理       ・中位投票者の原理

地方分権定理(オーツ) Da;A地域の住民の 公共財に対する需要 曲線 Db;B地域の住民の 公共財に対する需要 曲線 P;価格 Q;数量

地方分権定理(オーツ)結論 ⇒中央集権的な公共財の供給が資源配分 の非効率性を生み出す

中位投票者の原理 多数決ルールによる決定の場合、全提案をある 順で並べたとき、各主体について、ある提案が最 適でそれから離れるに従って各提案を評価する度 合が減少していく場合には、各提案を最適とする 人の数が全投票者の半数になる政策が最適な政 策として選ばれる ⇒それぞれの選好ごとに細分化することでより効用 を高められる

完全分権化に伴う問題点 中央当局の不存在 スピルオーバーの問題 地方財政政策の限界

中央当局の不存在 地方レベルでの貨幣発行 ↓ 住民に税をかけて資金調達を図るより、貨幣供給の 増加のインセンティブが高まる 激しい物価インフレを引き起こす   ⇒ 金融政策は使えない  ↓   歳入歳出の調整によるフィスカルポリシーに頼ら ざるを得なくなる

中央当局の必要性 安定した物価水準の下で高雇用水準を維 持するためには、貨幣供給量を調達する中 央当局が存在しなければならない

スピルオーバー 個々の意思決定行動が 度当該市場機構以外の 人々に政府の影響を及 ぼす場合の便益、もしく は費用の漏出

=ケインズ体系でいう支出乗数が小さくなる ⇒地域内の実質所得を委譲する形となる問題 ⇒物価安定といった政策は中央集権的なものを肯定する 地方財政政策の限界 小さな政府 = 開放度の高い経済 ↓    民間支出の増大の大部分は他地域へ流入     =ケインズ体系でいう支出乗数が小さくなる 公債を他地域へ流出した場合    ⇒地域内の実質所得を委譲する形となる問題 ⇒物価安定といった政策は中央集権的なものを肯定する

財政の適正規模 国家財政状態が悪化している現在は、財政 改善の必要性から分権化が支持される。 中央→地方の移譲を進める一方で、中央の 役割を限定し両者のバランスを保つ。

地方財政の非効率性  国レベルでは後に述べる郵政民営化等によ り効率性が高まってきたと考えられるが、地 方レベルにおいては非効率は生じていない のだろうか?以下では地方財政上の効率 性について考察する

地方財政の現状

地方財政の税収変遷

税収が近年落ち込んでいるのに対して、地方 債発行額は年々増加傾向にある。 地方財政状態 税収が近年落ち込んでいるのに対して、地方 債発行額は年々増加傾向にある。 ↓ 財政悪化

地方財政の阻害要因 地方債の増加 地方税制のゆがみ

行政の効率化 サービス提供や事業実施を直接担当する部門の 強化 職員数を全体的に少なくする ⇒総務、企画などの管理部門の効率化    ⇒総務、企画などの管理部門の効率化 三役、各市町村の置くこととされている委員会や 審議会の委員、事務局職員等の総数の減少、そ の分の経費も節減 広域的観点からスポーツ施設、文化施設等の公 共施設の効率的配置   ←狭い地域で類似施設の重複がなくなる

市町村合併のデメリット 地域間格差が生じる可能性 きめ細やかなサービスが出来なくなる可能 性 歴史・文化等の愛着が損なわれる 合併市町村の拡大調整の困難 公共料金の負担増大の懸念

税制のゆがみの存在 地方税の税制は税目ごとに、 ・標準税率 ・一定税率 ・任意税率   ・標準税率   ・一定税率   ・任意税率 →標準税率と併せて制限税率が定められている税 目の場合、自治体は制限税率の範囲内でしか税 率を引き下げることは認められていない

地方税法で定められている税目以外に、自 治体が新たに独自に条例によって導入す る税(=創設法定外税) 税制のゆがみの存在② 法定外税    ・法定外普通税    ・法定外目的税  地方税法で定められている税目以外に、自 治体が新たに独自に条例によって導入す る税(=創設法定外税)     ↓   国の同意が必要

税制のゆがみの要因 課税対象の違いによって、租税が消費に与 える影響は違ってくるにもかかわらず、国の 同意が必要などといった制約に縛られてい るため最適課税を阻害する ↓ 死荷重の発生

地方分権の公平性 所得格差の拡大 上記に伴う個人効用の低下の可能性

所得格差の問題 地方分権が進められることで、マクロ的な財 政政策が削減を余儀なくされると、地域間 によって所得格差が発生してしまう。この所 得格差による財政の与える影響はどのよう なものなのか?

個人効用の定義 人がその土地から受けている便益は金銭 的または郷土愛的なものからくる効用との 二種類と考えられるので次のように定義す る。 効用=郷土愛からくる効用+金銭的効用

金銭的効用変化の人口移動   金銭的効用は名目的 ex)税制優遇   各個人で選好の違いはそれほどない     特定の地域での金銭的効用増加 ↓ 人口流入

ここで何らかの金銭的効用を高めなけれ ば人口が減少してしまう 金銭的効用変化による人口移動② 人口流入 ↓ 人口増加による便益低下 金銭的効用低下 ここで何らかの金銭的効用を高めなけれ ば人口が減少してしまう   

郷土的効用変化による人口移動 効用は個人によって異なる 特定の場所での効用増加には人口移動 は伴わない

人口移動を伴わないので効用は全体的に 増加する 郷土的効用変化による人口移動 郷土的効用増加 ↓ 人口移動なし 効用全体として増加 人口移動を伴わないので効用は全体的に 増加する

両者の比較 金銭的効用は、常に高めていかないと一 定に保たれる 金銭的効用は、常に高めていかないと一 定に保たれる                                            郷土的効用は全体的に増加するので、金 銭的効用を下げた場合においても人口移 動は起こらない 後者においては財政改善が行われる

結論 行政の効率化を図り、金銭的効用を高 める 郷土から得られる効用を高める政策を 行う 上記の二つを同時に行うことによって、最 適な財政が実現する

民営化が財政に与える影響 郵政民営化    郵便貯金法から銀行法の規制へ ↓ 日本銀行の直接の管理下へ 金融政策の対象

郵政民営化による影響 金融政策の対象 ↓ ハイパワードマネーの増加 H=mH マネーサプライの増加

参考文献 「財政学(改訂版)」大浦一郎・菊池 威・江川雅司・高橋青天 /文眞堂 「分権社会のデザイン」自治ジャーナリスト/ぎょうせい 「財政学(改訂版)」大浦一郎・菊池 威・江川雅司・高橋青天  /文眞堂 「分権社会のデザイン」自治ジャーナリスト/ぎょうせい 「郵政民営化こそ日本を変える」北城烙太郎/PHP 「ゼミナール現代財政入門」本間正明著/日本経済新聞社 「スタンダード財政学」竹内信仁/中央経済社 「財政学 第2版」林宜嗣/新世社 「地方財政論 受益と負担関係 明確化へのシナリオ」平野正 樹/慶応義塾大学出版会 「地方税制改革」地上岳彦/ぎょうせい

参考文献 「地方財政・税制論〔ニ訂版〕」佐藤進税務経理協会 「国と地方:政府間財政関係の再設計」土居丈朗 /discussion Paper Series 「入門地方財政路 」渡辺精一 /有斐閣