基礎・基本と活用する力を確かに育む学校の組織的な取組

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基礎・基本と活用する力を確かに育む学校の組織的な取組 平成27・28・29年度福岡県重点課題研究指定・委嘱事業(2年次) 福岡県教育委員会 基礎・基本と活用する力を確かに育む学校の組織的な取組 ■研究指定・委嘱校地域(指定校) みやま市立瀬高中学校区 (瀬高中学校・本郷小学校・上庄小学校・下庄小学校・大江小学校・南小学校) 研究の目標 研究の内容 児童生徒が確実に基礎的・基本的な知識及び技能を習得し、それを活用する意欲や思考力・判断力・表現力を高めることができる授業等の在り方について究明する。 ■視点1:基礎・基本と活用する力を確かに育むための学校の組織体制づくり ■視点2:主体的・対話的な学びを具現化する授業づくり 研究の実際 ■視点1:基礎・基本と活用する力を確かに育むための学校の組織体制づくり   瀬高中学校区の1中、5小学校では、重点課題研究推進委員会で、瀬高中学校区がめざす子供として「学ぶことに主体的になる子供」を設定し、4つの資質・能力を3つの学年区分段階で具体化しています。さらに、その実現のために、教務主任部会では共通視点からの指導計画作成や研修での必須事項について、研究主任部会では各学校の実態に応じた4つの工夫のいずれかに重点を置いた授業づくりの研修について共通理解をしています。その結果として、児童生徒に基礎・基本と活用する力を確かに育むことができると考えています。                  瀬高中学校区の組織体制づくり  瀬高中学校区では、めざす子供の実現に向けて各学校で取り組むことについて、教務主任部会と研究主任部会で共通理解をしています。 ● 教務主任部会での取組  教務主任部会では、主に次の2つのことについて、瀬高中学校区全ての小学校、中学校で共通理解し実行していくことを確認しています。  ①教材集や診断テスト問題を効果的に活用す    るための指導計画作成と週案等での確認 ②学力調査問題を全校で組織的に活用するた    めの取組の具体化  ● 重点課題研究推進委員  会等での取組    重点課題研究推進委員会において、推進リーダーは推進の基本的な考えや枠組み、小中学校の役割分担を提案します。校長会の承認を得た後、教頭部会が2つの部会に内容を割り振ります。このときに理論研究部会は、研究主任部会に、めざす子供の実現に向けた授業づくりについて提案し、議論をしながら付加修正しています。 全教職員で全国学力調査問題を解き、問題分析等を行う研修の実施 ※ 今求められている学力を理解する1つ    の方法として、小学1年生から中学3年   生までの児童生徒にかかわる全教職員   が共通理解することが重要です。 全教職員で関わる自校採点の実施 ※ 自校の児童生徒の誤答傾向をとらえ、   全学年での授業改善につなぐことが重要  です。特に記述式解答の設問では、◎か  ○の判断基準について研修を実施し、職  員の力量向上に役立てています。 ● 理論研究部会  での取組    理論研究部会では、発達段階を踏まえて、各研究主任が議論しながら、めざす子どもを3つの段階に区切って具体化しています。特に、小学校と中学校のつながりを大切にするため、小学5・6年生・中学1年生の段階を重視しています。 ● 研究主任部会での取組  研究主任部会では、各校の実態に応じて右の①~④のいずれかに重点を置いた授業づくりの研修を実施し、授業改善に取り組むことや実践の成果を共有化すること等を共通理解しています。 瀬高中学校区でめざす「学ぶことに主体的になる子供」の姿 「学ぶことに主体的になる子供」を実現するための授業づくりの視点

基礎・基本と活用する力を確かに育む学校の組織的な取組 平成27・28・29年度福岡県重点課題研究指定・委嘱事業(2年次) 基礎・基本と活用する力を確かに育む学校の組織的な取組 福岡県教育委員会 研究の実際 ■視点2:主体的・対話的な学びを具現化する授業づくり  複数の小学校から進学する瀬高中学校区では、4つの資質・能力から具体化した子供の育成をめざして、各学校の実態に応じた授業づくりが必要だと考えています。そこで、各学校では、授業づくりの工夫として、「課題設定の工夫」「思考活動の工夫」「交流活動の工夫」「評価活動の工夫」の4つのいずれかに重点を置いて授業改善を行ってます。この工夫は、結果として、主体的・対話的な学びを具現化するものとなっています。       瀬高中学校の実践  瀬高中学校では、各教科等において、課題発見力の育成に向けて、教材等との出会わせ方を工夫しています。       南小学校の実践  南小学校では、課題発見力の育成に向けて、国語科において、単元導入時に学習のゴール像を提示しています。 ●生徒に「解決したい」、「友達と考えを交流していきたい」という課題意識をもたせることができるように、単元等の導入で教材等との出会わせ方を工夫しています。その際、学習内容に応じて、他者とのずれや既知内容とのずれが起きる問題を提示し、「感動・克服」といった心理作用が働くような出会わせ方を大切にしています。 ●国語科単元の導入で、事前に教師が作成した学習のゴール像となる教材を提示することで、児童が目的と明確な見通しをもって学習を主体的に進められるようにしています。       大江小学校の実践  大江小学校では、思考力・表現力、構成力の育成に向けて、友達の「分からなさ」を大事にして交流をさせています。 ●展開段階で、発展の問題を挑戦させた後、児童の「分からなさ」を大事にして、お互いが納得できるまで問い返したり説明したりする話合い活動を位置付けています。       下庄小学校の実践  下庄小学校では、構成力の育成に向けて、目的や形態等を明確して交流の質を向上させています。また、主体的・対話的な学びを日常化できるように、RV・P・D・C・Aの一連のサイクルで授業改善に取り組んでいます。 ●展開段階で、児童に自分の考えをノートに書かせた後の交流活動では、どのような子供の姿になればよいか、交流グループは異質、同質のいずれがよいか、どのような方法で説明させたいか等を明確にした授業づくりを行っています。       上庄小学校の実践  上庄小学校では、構成力の育成に向けて、物語文において、視点等を明確にする発問で交流を旺盛にしています。 ●展開段階で、交流活動前に、比較の4類型の効果を生かした発問を行うことで、児童が目的を焦点化したり視点を明確にしたりして、交流活動を旺盛にしています。 ●「リーダー会議」では、研究授業を通して明らかになった成果と課題から要因を分析し、次回のプロジェクト会議での内容等を話し合っていきます。これを受けて「2つのプロジェクト会議」では、具体的な改善の手立てや授業像等について明らかにしていきます。この一連のサイクルを通して日常授業の改善を進めていくことができています。       本郷小学校の実践  本郷小学校では、自己評価力の育成に向けて、物語文において、比較を取り入れた振り返りを大事にしています。 ●物語文の単元導入での問いへの考えと単元終末での同じ問いへの考えを比較させ、自分の考えの変容を通して、これまでの学びや高まりを自覚させています。