小規模研究室の現状. 小規模研究室の現状 琉球大学理学部 専門別一人当たり研究費 (文科省「科技白書」、H17版)

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小規模研究室の現状

琉球大学理学部

専門別一人当たり研究費 (文科省「科技白書」、H17版)

アカデミックに 研究多様性は何故必要か 1.客観的外界は多様である:真理の探究   如何に正確に意識に反映するか?   科学研究のあり方の基本 2.個の尊厳:平和、文化の基礎 3.(科学技術的) 持続可能な発展   人類と地球の破局防止 日本の科学技術力発展の基礎 4.(教育的) 国の主人公としての素養   独立した人格

言うことを聞く人間 戦争のできる「美しい国」 21世紀の大学像と今後の改革方策について - 競争的環境の中で、個性が輝く大学 (1998年大学審議会答申) 人格 ⇒人材 教育研究の理念の変更 『新入生に如何にして付加価値を付けるか、云々』 学生は、自ら学び成長する人格の保有者ではもはや無く 「加工されるべき」存在 教育基本法:教育の目的 個人の尊厳 真理と平和を希求する 普遍的にして個性豊かな文化 個性、多様性 ⇒⇒      国と社会を支える 言うことを聞く人間 戦争のできる「美しい国」

われらは平和を維持し、専制と隷従、圧迫と偏狭を 国際社会において、名誉ある地位を占めたいと思う。 真理と平和を希求する人間の育成 普遍的にしてしかも個性豊かな文化の創造 学問の自由を建前にする 大学の果たす役割は大きい 憲法前文 われらは平和を維持し、専制と隷従、圧迫と偏狭を 地上から永遠に除去しようと努めている 国際社会において、名誉ある地位を占めたいと思う。 ↓ アカデミックな機関として 創造性 多様な学術的文化

教育(国の主人公としての素養) ⇕ ⇕ 科学的で正確な知識 心を躍動 客観的にものを見ることができる させる学習 自分で判断できる 知の営み 自分で自分の行動を決定できる ⇕  ⇕ 言われるままに疑問を抱かない キチッとやる有能さ 真理よりナショナリズム しつけ 服従の訓練

教育的必要性

(1)は無く、(2)(3)は与えられ、(4)(5)だけが求められる研究者? 自立した研究者育成のために (1) 自由な発想 (2) 研究対象の選定 (3) 研究手段の決定 (4) データ収集の技術 (5) 解析分析能力 (6) 総合的考察 構想・開発・実施・総括に関わる 全面的能力 巨大プロジェクト・目的科学 (1)は無く、(2)(3)は与えられ、(4)(5)だけが求められる研究者? 成果主義・競争的効率主義では 自立した研究者育成は 達成できない

狭い領域のオリジナル研究に集中させる 成果と効率を求めるところでは必然的 枠組み・教員の姿勢とセット テーマは? 方法は? 教育の課題: 教育と研究結合の再構築を 狭い領域のオリジナル研究に集中させる 成果と効率を求めるところでは必然的 枠組み・教員の姿勢とセット テーマは? 方法は?  多面的基礎教育の機会は? 自立させるための教育は? システムの問題点

科学技術論・教育論

3科技基本計画の重要政策

日本の科学技術政策の要諦(日本学術会議) 国家ビジョンの目標ミッション 人類社会の持続可能性サステイナビリティー 環境と経済の両立 (最重要事項)科学と科学技術の戦略的活用と一体的に次代を担う人材の育成を進める 7-3文明史観を持ち戦略的に思考する「個」の人材の育成  今日の日本において、決定的に不足していると考えられるのが、「人間」という「世界の人」、つまり組織ではなく、独立して「個」として考え、計画し、決断し、行動する、「人間力」を発揮できる、多様な価値観と能力を持った多様な人材、そして文明史的、世界史的な観点から核種の政策を戦略的に思考できる人材である。

何も言わずに提供されるべき

資金配分原理

巨大な資金で優れた研究ができるのか? 金を掛ければノーベル賞??? 「競争と評価」の帰結は膨大な論文で? 予算消化のための「研究」計画? 「小規模」が頑張れば多様性は維持できるのか? 多様性は多様な研究室で 「多様性」の大切さが分からなければ 多様性の価値は評価できない 詰まらぬ研究!悠長な研究!こんな研究、価値があるのか? 評価の偏り(多様性の無視・分野の偏り)を正す 多様性の無視は“持続可能性”を不可能にする 長期的ビジョンの科学技術政策 多様な世界の重要性を認識し、共存する精神 大企業の利潤追求で人も地球も生き延びれるか? 史上空前の大もうけとワーキングプーア アカデミックが株式会社で良いのか

物性委員会等の草の根を持つ組織 科学技術政策や資金配分方法の基準化 運動 小規模研究室同士の連合・共同研究を組織する 従来型の「プロジェクト」とは異なった、 小規模研究室の自己主張が可能な連合を行い、 共同研究課題を持つ 情報交換を密にし、自己主張と研究水準向上 変化に対する能動的姿勢 地方大学懇談会等をもっと有効な実践的な組織にして、 集団的な運動を展開する 物理学会で「中小規模研究室WG] 物性委員会等の草の根を持つ組織 科学技術政策や資金配分方法の基準化

協力の精神を研究体制と資金配分に反映させる 「競争的配分」を「基盤経費の保障」に切り替える 政策としての提言 (1)豊かなアカデミック精神を資金配分原理に (2)物性研究基盤整備計画  協力の精神を研究体制と資金配分に反映させる (3)旅費の付く共同利用研究所 (4)最低限の基盤経費の保障を要求する運動 (5)科研費の小規模額の枠の増加や、 採択率の増加を働きかける。 (6)大学内では 「競争的配分」を「基盤経費の保障」に切り替える