・特別支援教育について ・発達障害等の特性 ・教育環境等の整備 ☆ 研修パックで支援力の向上 ☆ 支援を連携させる ワーク ショップ 理解しよう 支援しよう 支援力が向上する 支援の流れを共有する 支援の流れ7つのステップ 講義 支援の考え方を整理する 支援を考える3つの視点 講義 (研修が始まる前に表示するスライドです。研修パックの構成を確認できるようにしてあります。参加者が集まるまでしばらく表示してください。) 知識を得る ・特別支援教育について ・発達障害等の特性 ・教育環境等の整備 講義・疑似体験
生活環境 発達段階 得意・不得意 友達関係 発達障害 研修を始める前に,発達障害について確かめます。 児童生徒を理解するためには,児童生徒の得意なところや生活環境なども含めて多面的に捉えることが大切です。
生活環境 発達段階 得意・不得意 友達関係 発達障害 発達障害の特性も児童生徒を理解するための一部であるということを,はじめに確認したいと思います。 具体的な支援を考えるためにも発達障害の特性を理解することが効果的です。
自閉症,高機能自閉症,アスペルガー症候群 発達障害の特性を理解し 適切な支援につなげましょう (※発達障害の種類のみで児童生徒を理解することはできません。) (※研修で示す特性の全てが一個人に当てはまるわけではありません。) 発達障害 自閉スペクトラム症 広汎性発達障害 自閉症,高機能自閉症,アスペルガー症候群 学習障害 限局性学習症 注意欠如・多動症 注意欠陥多動性障害 それでは研修を始めます。 本日は,学習障害,限局性学習症などと呼ばれる発達障害について,この研修では,「LD」という名称を用いて研修をします。
「LD・疑似体験」 LDの特性について理解する 研修資料2「発達障害等の特性」 準備物: 研修B-Ⅱ 研修のめあて 研修資料2「発達障害等の特性」 本日の研修のめあてはLDの特性について理解することです。
聞く 話す 読む 書く 計算する,推論する LD 全般的な知的発達に遅れがない 次の能力に困難 LDは全般的な知的な発達に遅れがないものの「聞く」「話す」「読む」「書く」「計算する・推論する」といった能力のうち,特定のものの習得と使用に著しい困難が生じる発達障害です。
読字障害 書字表出障害 算数障害 LD 読みの困難 ディスレクシアともいう 書きの困難 ディスグラフィアともいう 算数,推論の困難 ディスカリキュアともいう 算数障害 LDには様々な特性がありますが,大きくこのような3つのタイプに分けられることがあります。
読字障害 書字表出障害 算数障害 LD 読みの困難 ディスレクシアともいう 書きの困難 ディスグラフィアともいう 算数,推論の困難 ディスカリキュアともいう 算数障害 1つめのタイプは,「読み」に困難が生じる「読字障害」です。ディスレクシアということもあります。 読みに困難があると,関連して書くことにも困難を感じることが多いことから「読み書き障害」ということもあります。
体験してみましょう ~ルール~ 次の文字を入れ替えて読みます 「あ」と「め」 「つ」と「し」 「き」と「ま」 ※覚えたら問題に進みます 次のスクリーンに示す問題に答えて下さい。 ~ルール~ 次の文字を入れ替えて読みます 「あ」と「め」 「つ」と「し」 「き」と「ま」 ※覚えたら問題に進みます 体験してみましょう。 読むことが困難な理由の一つに,文字の形をうまくとらえることができない特性があることがあります。 次のスクリーンに示す文にについて,「あ」と「め」,「つ」と「し」,「き」と「ま」を入れ替えて読んで問題に答えて下さい。 準備はよろしいでしょうか。 (参加者が入れ替える字を覚えたりメモしたりしたことを確認して次のスライドに進む)
めかいろめおいろまいろのみししのあがめるあかがつんごうまです。 めおいろのあがさいまんみどりいろからめおいろにかわしていきす。 なぜでつょう。 時間は30秒です。 (30秒後) 時間になりました。 答えは,
答え 青色発光ダイオード(LED)が発明され, 信号機用LEDが開発されたから (平成6年より) ※ 赤色,青色,黄色の三つの目があるメカが信号機です。 青色の目が最近緑色から青色に変わっています。 なぜでしょう。 青色発光ダイオードの発明を,信号機に活用したからです。 問題を読むことに集中し,答えを考えることを忘れてしまう先生もいらしたのではないでしょうか。
・文字の認識 ・文章の区切りの認識 ・見る力 読字障害 など 読みの困難 ディスレクシアともいう 今は,文字の認識についての困難さを体験してもらいましたが, その他にも,文章をどこで区切っていいか分からなかったり,見たいものにスムーズに視線が移動できなかったり,その子なりの見え方があったりするため,読みの困難を抱えている場合があります。
読字障害 読みの困難 ディスレクシアともいう 見え方については,文字が重なって見えたり,ゆがんで見えたりすることがあります。 このような場合には,行間を広くしたものを見せたり,読み聞かせを聞いて考えたりするなどの支援が有効ですね。
読字障害 書字表出障害 算数障害 LD 読みの困難 ディスレクシアともいう 書きの困難 ディスグラフィアともいう 算数,推論の困難 ディスカリキュアともいう 算数障害 2つめのタイプは,「文字が書けない」「書いてある文字を写せない」などの書く能力に困難がある書字表出の障害です。 ディスグラフィアということもあります。 マスの中に字を納めることができなかったり,文字をアンバランスに書いてしまったりするなどの特性もあります。
体験してみましょう 濠太剌利(オーストラリア)について 阿西亜尼亜(オセアニア) 更格廬(カンガルー) 濠太剌利(オーストラリア)について 説明する文を50字以上で書きましょう。 阿西亜尼亜(オセアニア) 更格廬(カンガルー) 子守熊(コアラ)の言葉を必ず使います。 太字の言葉は漢字を使います。 (見ながら書いてもいいです。) こちらも,体験してみましょう。 オーストラリアについて,説明する文を50字以上で書いてください。 オセアニア,カンガルー,コアラという言葉を必ず使います。 なお,太字の言葉は漢字を使います。 (3分程度) (こちらの体験は途中までの体験でもよい) 今日は,体験は途中までにします。 書き慣れない文字を使って文章を考えることに苦痛を感じたのではないでしょうか。 おそらく,何度もスクリーンを見ながら,作文することと思います。
・文字の認識 ・見る力 ・不器用さ 書字表出障害 など 今は,文字の認識の困難さについて疑似対体験をしてもらいましたが, その他にも,見る力が低いために書くことができない場合や,見ることができていても目と手指を協応させて動かすことが困難な場合もあります。 このような場合,板書は大事なところのみ写させたり,タブレットで黒板を撮影させたりするなどの配慮で,本人の負担を軽減し,安心して学習に取り組ませることができます。
読字障害 書字表出障害 算数障害 LD 読みの困難 ディスレクシアともいう 書きの困難 ディスグラフィアともいう 算数,推論の困難 ディスカリキュアともいう 算数障害 3つめのタイプは,数字や数式の扱いや、考えて答えにたどり着く推論が苦手な「算数障害」です。ディスカリキュアということもあります。 記号の意味や,図形やグラフなどを理解することが苦手な場合もあります。
体験してみましょう ~ルール~ 「▲」は記号の後の数字を3回たします。 例:3▲2=9 「#」は記号の後の数から前の数を引きます。 ~ルール~ 「▲」は記号の後の数字を3回たします。 例:3▲2=9 「#」は記号の後の数から前の数を引きます。 例:7#10=3 「♡」は1からその数字までの真ん中の数字 を求めます。 例:5♡=3 こちらも,記号の意味を理解することの困難さを体験してみましょう。 ▲(三角)は記号の後の数字を3回たします。 #(シャープ)は,記号の後の数から前の数を引きます。 ♡(ハート)は1からその数字までの真ん中の数字を求めます。
問題 ① 8#15= ② 11♡ = ③ 16÷8▲3 = ④ 1#4▲2♡= ~ルール~ 「▲」は記号の後の数字を3回たします。 ~ルール~ 「▲」は記号の後の数字を3回たします。 「#」は記号の後の数から前の数を引きます。 「♡」は1からその数字までの真ん中の数字 を求めます。 問題 ① 8#15= ② 11♡ = ③ 16÷8▲3 = ④ 1#4▲2♡= それでは,計算してみてください。時間は1分です。 (1分後) 答え合わせをします。
問題 ① 8#15=7 ② 11♡ =6 ③ 16÷8▲3 =11 ④ 1#4▲2♡=5 ~ルール~ 「▲」は記号の後の数字を3回たします。 ~ルール~ 「▲」は記号の後の数字を3回たします。 「#」は記号の後の数から前の数を引きます。 「♡」は1からその数字までの真ん中の数字 を求めます。 問題 ① 8#15=7 ② 11♡ =6 ③ 16÷8▲3 =11 ④ 1#4▲2♡=5 いかがだったでしょう。 記号の意味を理解するだけではなく,組み合わせた式の答えを求めることにストレスを感じたのではないでしょうか。
・記号の認識 ・数の概念 ・立体の想像 算数障害 など 算数,推論の困難 ディスカリキュアともいう 今は,記号の認識の困難さについて疑似対体験をしてもらいましたが, その他にも,数の大きさの概念がないため,位をそろえて計算できないことや,立体図形が想像できないため描くことができないなどの困難があります。 このような場合, 九九が身に付いていない子に割り算の指導をする際に,九九表を渡して考えさせたり, できるだけ具体物を操作しながら考えたりする等の配慮があることで,学習に取り組むことができるようになります。
このようにLDのある児童生徒は,
みんなと同じやり方で! 他の児童生徒と同じ方法では学習が積み重ならない場合があります。 「頑張っているのにできない・分からない」という経験の積み重ねで,自尊感情が低下し,やる気や自信を失ってしまいがちです。
分かる・できるやり方で! みんなと同じやり方でなくても,児童生徒が分かる・できる学び方を見つけられれば, 児童生徒が持っている力を発揮することにつながります。 より個に応じて児童生徒の学び方を探るための一つの手段として,通級による指導の活用も考えられますね。 分かる・できるやり方で!
まとめ○×クイズ Q LDのある児童生徒はテストで よい成績をとることができない 振り返りのクイズです。 LDの児童生徒は,テストでよい成績をとることができない。 (参加者の考えを確認する)
まとめ○×クイズ Q LDのある児童生徒はテストで よい成績をとることができない LDには知的な遅れはありません。 適切な支援があることでテストなどの成果に結びつくこともあります。 その児童生徒に合った学び方を探りましょう。 正解は×です。 LDは知的な遅れはありません。 適切な支援があることで良い成績を収めることもあります。 その児童生徒に合った学び方を探すのが,教員の大切な役割ですね。
自閉症,高機能自閉症,アスペルガー症候群 障害名のみで児童生徒を理解できません 全てが一個人に当てはまるわけではありません 発達障害 自閉スペクトラム症 広汎性発達障害 自閉症,高機能自閉症,アスペルガー症候群 学習障害 限局性学習症 注意欠如・多動症 注意欠陥多動性障害 研修が終わる前に,ここで2点確認します。 1点目は,障害名のみで児童生徒を理解することはできないということです。 2点目は,この研修で示す発達障害の特性が,一個人にすべて当てはまるものではないということです。
「LD・疑似体験」 LDの特性を理解する 私たちの教え方で学べない子には その子の学び方で教えよう 研修B-Ⅱ 研修のめあて 東京学芸大学名誉教授 上野 一彦 氏 本日は,LDの特性について研修しました。 LDの支援を考える際に大切にしたい言葉を紹介してまとめとします。 (可能であれば感想を交流する時間を取る)