ファイナンス入門で何を学んだか ファイナンス入門(試験対策版)
試験勉強のために 最終試験問題の一例 1.下記AプロジェクトとBプロジェクトの,①回収期間と正味現在価値を計算し,解答し,②どちらのプロジェクトのほうを採用すべきか答えて下さい。WACCは10%と仮定する。 2.下記比較貸借対照表から資金運用表を作成しなさい。 3.つぎのキャッシュ・フロー計算書から、純現金収支(フリー・キャッシュ・フロー)を計算しなさい。このキャッシュ・フロー計算書からこの会社がどのような経営行動を行ったと推定されますか。 問題練習は下記 http://www.ritsumei.ac.jp/~matumura/pdf/finance/financerenshu.pdf
過去のレジュメは下記にアップしてあります http://www.ritsumei.ac.jp/ba/~matumura/finance00.html
貸借対照表 (どこから来て何に使われているか) 様々な資産に運用されている 融 資 ・ 出 資
1.内部資金,外部資金, 自己資金,他人資金 図表15-1 貸借対照表と資金運用表の関係 ΔL=L‘-L 期末貸借対照表と期首(前期末)貸借対照表を比較すると資金運用表が作成できる。 ΔA=A‘-A ΔC=C‘-C
資金運用表の意味 ΔA(資産の増加) ΔC(自己資本の調達)=自己資金 ΔL(負債の調達) プロジェクトに必要な負債資金を調達 ΔA(資産の増加) すなわち,何らかのプロジェクトを行って資産が増えたことを意味する。 ΔL(負債の調達) プロジェクトに必要な負債資金を調達 ΔC(自己資本の調達)=自己資金 プロジェクトに必要な自己資本を調達
資金運用表の構造
短期資金と長期資金に分ける
資金運用表の完成へ
1.内部資金,外部資金, 自己資金,他人資金 図表15-2 資金調達の諸形態
2.問題練習をして理解を深める 資金運用表をつくってみよう。 DCF法を学習しよう。
ワタミの比較貸借対照表から資金運用表を作る
回答欄
資金運用はそれだけキャッシュが減少する 資金調達はそれだけキャッシュが増える
まずは,長期資金の運用を考える
有形固定資産の増加 2,396百万円
資金運用表(長期資金の部)の作成 有形固定資産の増加2,396万円を長期資金の部に記入する。
減価償却費(減価償却実施額) 2,251百万円 これと有形固定資産増加額2,396百万円の合計額4,647百万円が設備投資額となる。
資金運用表(長期資金の部)の作成 減価償却費(減価償却実施額) 2,251百万円を長期資金の部に記入する。これと有形固定資産増加額2,396百万円の合計額4,647百万円が設備投資額となる。 4,647 2,251
無形固定資産の増加 54百万円
その他の固定負債の減少 15百万円 固定負債が増加していれば資金運用表右側の資金調達の部に記入すべきだが減少は「運用」欄に記入する。例えば借入金を返済すればキャッシュは減っているから。
資金運用表(長期資金の部)の作成 無形固定資産の増加54百万円とその他の固定負債の減少15百万円を長期資金の部に記入する。 固定負債の減少は運用(キャッシュ・インフロー)だったことを思い出しておこう。
つぎに,長期資金の調達を考える
剰余金等の増加 69百万円
減価償却費(減価償却実施額) 2,251百万円 これと先の剰余金等増加額69百万円の合計額2,320百万円が内部資金の額となる。
資金運用表(長期資金の部)の作成 剰余金等増加額69百万円減価償却費(減価償却実施額)2,251百万円の合計額2,320百万円が内部資金の額となる。
増資は「資本金の増加1百万円+資本準備金の増加1百万円」の合計 2百万円となる。
長期借入金の増加 5,500百万円
投資その他の資産の減少767百万円 固定資産が増加していれば資金運用表左側の資金運用の部に記入すべきだが減少は「調達」欄に記入する。投資の減少つまり株式を売ったらキャッシュが増えるだろう。つまり資金調達となる。
資金運用表(長期資金の部)の作成 増資,長期借入金の増加額,投資その他の減少額を長期資金の調達欄に記入する。そして調達合計額を計算する。
長期資金のゆとりを短期資金へ ここでは,長期資金調達合計の方が運用合計より多い。そこで,調達合計8,589百万円より運用合計4,716百万円との差額3,873百万円は長期資金のゆとりを表しており,これは短期資金の源泉として短期資金に運用されるであろう。
さらに,短期資金の運用を考える
売上債権( ここでは売掛金しかないが)の増加 147百万円
在庫(すなわち棚卸資産)の増加 77百万円
短期借入金の返済300百万円 流動負債が増加していれば資金運用表右側の資金調達の部に記入すべきだが減少は「運用」欄に記入する。借金を返せばキャッシュは減少するだろう。
現金預金の増加 4,593百万円
資金運用表(短期資金の部)の作成 短期資金のそれぞれの運用額を記入し,その合計額を計算する。
そして,短期資金の調達を考える
買入債務(仕入債務とも言う。ここでは買掛金しかないが)の増加 193百万円
その他の流動負債の増加 836百万円
その他の流動資産の減少214百万円 流動資産が増加していれば資金運用表左側の資金運用の部に記入すべきだが減少は「調達」欄に記入する。つまり何らかの資産を売ってキャッシュが入ったのだろう。
短期資金の部の完成へ あらかじめ,長期資金のゆとり部分が短期資金の資金源として右側調達欄に記入しておいて,それぞれの項目について金額を記入すると,左右の金額は一致するであろう。ここでは四捨五入に関係で誤差が生じているが。
ワタミの資金運用表の完成(解答)
その他の問題も解答してみよう。 まずは①設備投資の自賄率から考えよう。そして②,③,④,⑤,⑥の順に解いていこう。
①設備自賄率=2,320÷4,647=49.9% ②自己資金2,322
③2004年3月期の自己資本比率=資本合計17,365 ÷資産合計32,689 =53.1%
④2004年3月期の借入金依存度=長期借入金8,000 ÷資産合計32,689 =24.5%
⑤2004年3月期の有利子負債依存度=(長期借入金8,000+社債1,500) ÷資産合計32,689 =29.1%
⑥2004年3月期の流動比率=流動資産合計8,162÷流動負債合計4,882 =167.2%
それらの解答
ワタミの経営戦略と財務構造 積極的な拡大戦略→資産増加と自己資本比率低下
下記2,000万円の設備投資の場合、何年で回収できるでしょう?
現在価値を計算しよう(割引率10%) まずは2年後の100万円というキャッシュ・フローの割引現在価値を計算してみよう。 1年目は簡単。200÷1.1=181.8 現在価値を計算しよう(割引率10%) 3年目は、200÷1.13=75.1 まずは2年後の100万円というキャッシュ・フローの割引現在価値を計算してみよう。 100万円÷(1+0.1)2 =82.6万円,計算例は下の囲みを参照 82.6 現在価値合計339.6万円
正味現在価値を計算しよう まずは2年後の100万円というキャッシュ・フローの割引現在価値を計算してみよう。 100万円÷(1+0.1)2 =82.6万円 そうすると,正味現在価値(89.6万円)も計算できる。 (181.8+82.6+75.1)-250=89.5万円 現在価値合計339.6万円 82.6 現在価値合計339.6万円
試験の練習問題
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