緑茶の価格に関する ヘドニック分析 報告日 2009年12月4日 報告者 竹之内 彩乃
目次 はじめに 特定保健用食品の概要 分析方法と調査概要 結果と考察 結論と今後の課題
1. はじめに
研究の背景 生活習慣病の増加による消費者 の健康食品に対する高い関心。 1991年4月:保健機能食品制度の創設 の健康食品に対する高い関心。 1991年4月:保健機能食品制度の創設 2003年:花王により発売されたヘルシア緑茶が飲料部門で初の特定用保健食品に認定 (出典:厚生労働省 平成18年人口動態統計 )
研究目的 緑茶の商品をいくつか取り上げ、 緑茶の価格と属性との関係について 調べることで、特定保健用食品に認定 緑茶の価格と属性との関係について 調べることで、特定保健用食品に認定 された緑茶に対しての価値を明らかにする。
2. 特定保健用食品の概要
特定保健用食品(トクホ) 身体の生理学的機能等に影響を与える 保健機能成分を含んでおり、特定の保健の 目的が期待できることを表示できる食品 保健機能成分を含んでおり、特定の保健の 目的が期待できることを表示できる食品 厚生労働省の許可受けたもの →許可認証がつけられる
特定保健用食品の市場規模 特定保健用食品の表示が許可されている食品は、 870品目(平成21年8月3日現在 ) 5669 6299 4121 2269 1315 特定保健用食品の表示が許可されている食品は、 870品目(平成21年8月3日現在 ) (財)日本健康・栄養食品協会(http://www.jhnfa.org/topic67.html)
特定保健用食品の許可・承認品目数の年次推移 出典:財団法人日本健康・栄養食品協会
「健康食品」に係る制度の見直し 条件付き特定保健食品制度の創設 (平成17年2月施行) 特定保健用食品(規格基準型)の創設 (平成17年2月施行) 特定保健用食品(規格基準型)の創設 特定保健用食品(疾病リスク低減表示の容認) 「食生活は、主食、主菜、副菜を基本に食事のバランスを。」の表示の義務付け
特定保健用食品の審査の流れ 出典:東京都福祉保健局(http://www.fukushihoken.metro.tokyo.jp/anzen/hoei/hoei_014/hoei_014.html)
お茶の概要 ヘルシア緑茶 ・2003年:飲料部門で初の特定用保健食品に認定 ・2003年:飲料部門で初の特定用保健食品に認定 ・通常の緑茶より多くの茶カテキンを含むため体脂肪を下げる効果がある緑茶飲料。通常の緑茶よりかなり濃く苦みが強い。350mlペットボトル1本で高濃度茶カテキン540mg含有。 花王ホームページ(http://www.kao.co.jp/healthya/)
3. 分析方法と調査概要
ヘドニック法(hedonic pricing methods) ものの価格がそれが有する多数の特性に 依存するとき、価格差のパターンを分析する ことによって、それら諸特性の各々に対して 人々が付与する価格を導き出す手法 手順 1. 周辺特性のデータのセットを収集する 2. ヘドニック関数の推定 3. 結果の分析
調査概要 データの入手方法 2009年10月から11月の間に、 マツヤスーパー、西友、フレンドマート で売られているお茶を収集した。 2009年10月から11月の間に、 マツヤスーパー、西友、フレンドマート で売られているお茶を収集した。 サンプル数 28
散布図 お茶の価格の散布図 1=トクホ 0=その他 円/100ml
変数のリスト 変数 定義 CATECHIN(カテキン) mg/100ml SODIUM(ナトリウム) PB (プライベートブランド) プライベートブランド=1、その他=2 TOKUHO(トクホ) 特定保健用食品の表示あり=1、表示なし=2 SWEET(甘み) 甘みなどの表示あり=1、表示なし=2 UMAMI(旨み) 旨みなどの表示あり=1、表示なし=2 NOFRAG(無香料) 無香料の表示あり=1、なし=2 SUKKIRI(すっきり) すっきりなどの表示あり=1、表示なし=2
4. 結果と考察
推定結果 定義 係数 t値 P値 CATECHIN(カテキン) 0.03399 5.851321 SODIUM(ナトリウム) 推定結果 定義 係数 t値 P値 CATECHIN(カテキン) 0.03399 5.851321 SODIUM(ナトリウム) -0.15724 -3.412144 0.0029 PB(プライベートブランド) -1.409577 -2.070093 0.0523 TOKUHO(トクホ) 30.28303 33.00052 SWEET(甘み) 3.758174 5.099651 0.0001 UMAMI(旨み) 1.610139 3.355545 0.0033 NOFRAG(無香料) -1.902142 -3.526923 0.0023 SUKKIRI(すっきり) -1.808567 -3.55377 0.0021 決定係数 0.99744 自由度調整済み決定係数 0.996362 標本サイズ 28
価値評価 カテキンの価値・・・0.03399円/mg/100ml 特定保健用食品の価値・・・30.28303円/100ml ※ヘルシア緑茶を例に取ると カテキン含有量154.2857㎎/100mlなので カテキンの価値=154.2857×0.03399×3.5=18.3546円 トクホの価値=30.28303×3.5=105.9906円
5. 結論と今後の課題
結論と今後の課題 ペットボトル100mlあたり30.28303円の価値がある。 ・健康強調の表示内容の緩和 結論 特定保健用食品に認定されたお茶は ペットボトル100mlあたり30.28303円の価値がある。 今後の課題 ・中小企業のトクホ許可の取得 ・健康強調の表示内容の緩和