卒論の書き方: 参考文献について 2017年9月27日 小尻智子.

Slides:



Advertisements
Similar presentations
テキストの読み方 ● 本、テキスト等に書かれていることを 正確に理解する能力が求められている ● 授業のテキスト、教科書は授業のより 深い理解のため ● レポートなどを書くときの資料とする ため 大学入門講座 2.
Advertisements

子ども・人材育成の観点 におけるデジタルコンテンツ
ロジカルライティング研修カリキュラム(例)
大学入門講座の 実施に向けて ●桑折範彦   
言語教育論演習プレゼン課題 A11LA042 鴨井みのり
第11章 プレゼンテーションの基本スキル 1 プレゼンテーションとは 2 プレゼンテーションの種類と特徴 3 プレゼンテーションツール
PowerPointによるスライドの作成 文教 花子
表6-1 単元計画の例「明かりをつけよう」 次 学習活動 教師の支援・留意点 第1次 2時間 豆電球に明かりをつけよう
研修の特徴 受講者に研修内容の意義を問うため、全員が共有できます。 講師は難しい専門用語を使わないため、考え方が定着します。
日本の高校における英語の授業は 英語で行うのがベストか? 日本語の介在の意義
認知科学ワークショップ 第2回 記憶(1).
「21世紀型コミュニケーション力の育成」研修モジュール
「ICT社会におけるコミュニケーション力の育成」 研修モジュール C-6:ポスターセッション
国際政治経済特殊研究Ⅷ 飯野光浩 ガイダンス.
仮説の立て方、RQの絞り方 論文を考える根本的思考 担当・柴田真吾
情報技術と著作権.
相模原理科教室 2011 Y字振子で絵を描こう 理科で遊ぼう会.
相互評価システムの開発と大学情報科目における利用 柴田好章(名古屋大学大学院) 小川亮(富山大学教育学部)
神戸大学大学院国際文化学研究科 外国語教育論講座外国語教育コンテンツ論コース 神戸 花子
エージェントモデル シミュレーション.
      特別支援学校 高等部学習指導要領 聴覚障害教育について.
プレゼンテーションの技法 諏訪邦夫.
日本の高校における英語の授業は英語でがベストか?
卒業論文のタイトルをここに (発表時間は5分です。 PPTスライドは10枚程度にまとめる事)
東京経営短期大学 経営総合学科 准教授 玉田 和恵
学校の コンピュータ 発表者 Miho Harusawa.
認知カウンセリング 学習意欲改善に対する可能性.
プレゼンテーションの仕方 学籍番号:?? 名前:?? 2017/3/17.
「教育工学をはじめよう」  第2章     学会発表に向けて     プロポーザルを書く 発表 菊池 陵  皂 智樹.
SS2009 形式手法の適用ワーキング グループの報告
情報科教育法 課題4 「情報科学習指導案」 2003/07/09 千葉佑介 野田誠遼平井亮自
要約 きりん、まぐろ、PB.
練習問題アイテムバンクの開発研究 ~再生形式~
シミュレーション論 Ⅱ 第14回 まとめ.
シミュレーション論 Ⅱ 第15回 まとめ.
 <<卒業論文執筆の進め方>> 人間福祉学演習Ⅱ 鶴野隆浩.
東京経営短期大学 経営総合学科 准教授 玉田 和恵
※コメント: システム開発型(開発事例報告が主な場合)
思考支援ツールを用いた 情報処理技術知識の学習方式
ワークショップ型研修の進め方 .
教育工学を始めよう ~研究テーマの選び方から論文の書き方まで~ (第1章)
社会シミュレーションのための モデル作成環境
レポート課題#1の考え方 2010年9月30日(10月1日追加版) 藤田 健.
初回授業オリエンテーション 理科(生物) 大野 智久.
数量分析 第2回 データ解析技法とソフトウェア
言語XBRLで記述された 財務諸表の分析支援ツールの試作
心理科学・保健医療行動科学の視点に基づく
会社名 ビジネス プラン プレゼンテーション.
問題・課題のインタビューと整理 前提:インタビュー後の日本語記述の整理 1.レベル2かレベル3かどの問題・課題を抽出するかを明確にする
日本の高校における英語の授業は 英語がベストか?
理論研究:言語文化研究 担当:細川英雄.
超域研究 -PBLによる学習- 超域研究ガイダンス 2010年10月4日 .
人を幸せにするアプリケーションの開発 2004年度春学期 大岩研究プロジェクト2 2004年4月8日(木) 発表:武田林太郎.
福岡県教育センター ※ ※ ※ ※ ※ ※ ※ 研修担当の先生へ ※ ※ ※ ※ ※ ※
教育情報共有化促進モデル事業報告 中学校数学 平成16年1月31日 岐阜県 学習システム研究会「楽しく学ぶ数学部会」
生きる力を育む国語教育 説明的文章の読解を通して 鹿沼市立南摩中学校                 坂井清貴.
イメージや意識通りの動きの習得 ~野球の打撃において~
統計グラフコンクールの審査をして 秋田県立西仙北高等学校 藤田秀明.
試行錯誤を重視した数学教育    群馬県立 吉井高等学校           大 塚 道 明.
新入生へのオリエンテーション 文学部 岡原正幸.
専門ゼミ最終発表会ガイダンス 平成26年1月8日 森田 彦.
情報処理技法(リテラシ)II 第1回:オリエンテーション 産業技術大学院大学 情報アーキテクチャ専攻 助教  柴田 淳司 パソコンの基本操作.
原口和也 高橋隆一 丸岡章 石巻専修大学 理工学部 情報電子工学科
図15-1 教師になる人が学ぶべき知識 子どもについての知識 教授方法についての知識 教材内容についての知識.
文脈 テクノロジに関する知識 教科内容に関する知識 教育学 的知識
仮説演繹法 思考 経験 問題 : あるべき姿と現状のギャップ 課題 : 問題解決のために成すべきこと 問題 19世紀 あるべき姿(予想)
テクニカル・ライティング 第4回 ~文章の設計法「KJ法」について~.
「速さ」で学んだことを用いて 課題を解決しよう
論理回路製作実験 発表ガイダンス 発表者氏名 秋田工業高等専門学校 電気・電子・情報系.
一問一答式クイズAQuAsにおける学習支援の方法
Presentation transcript:

卒論の書き方: 参考文献について 2017年9月27日 小尻智子

参考文献の重要性 参考文献で研究に対する態度が評価されることあり!

参考文献の重要性 参考文献で研究に対する態度が評価されることあり!

参考文献の重要性 参考文献で研究に対する態度が評価されることあり!

文献の引用方法 文献中で述べられている事実をそのまま引用し,自身の仮説を実証 主に定義・社会現象のサーベイなど 例:「身体スキル習得が困難であると言われている[1]」  1. 身体スキルの難しさを書いたスポーツ系の文献 文献中の提案事項を自身の研究でそのまま活用 例:「データは判別分析を用いて分析した[2]」  2. 判別分析のやり方を書いた文献 自身の目的・アプローチと比較して新規性をいうため

文献の引用方法 文献中で述べられている事実をそのまま引用し,自身の仮説を実証 主に定義・社会現象のサーベイなど 例:「身体スキル習得が困難であると言われている[1]」  1. 身体スキルの難しさを書いたスポーツ系の文献 文献中の提案事項を自身の研究でそのまま活用 例:「データは判別分析を用いて分析した[2]」  2. 判別分析のやり方を書いた文献 自身の目的・アプローチと比較して新規性をいうため これが一番大事でかつ一番難しい

新規性の主張の仕方 対象としている問題に関して,多角的な視点から文献を引用  新規性の主張の仕方 対象としている問題に関して,多角的な視点から文献を引用 各文献が問題をどのように解決しようとしているかの手法を紹介し,その手法の問題点を述べる 自身のアプローチの方がいいよね,という流れに持っていく 対象としている問題の範囲を徐々に絞っていくような引用方法

説明するのに必要な流れを定義し,その流れに沿ったアイディアが導出できるような支援機能の構築 例1-1 渡邉君の研究を,「プレゼン支援の観点から」新規性を いう場合 問題提起:「内容が伝わるプレゼンがうまく作れない」 プレゼンを対象とした研究 プレゼンリハーサルを対象とした研究 聞いてくれる人がいつもいるとは限らない. 一人でもプレゼンがうまく作れるような支援方法が必要 作ったスライドを自動診断する研究 スライドを解析し,スライドから読み取れるスライド間関係を可視化 スライドがダメなことはわかっても,内容が整理されていなければなおせない. 内容を作る段階の支援が必要 発表内容を整理するための研究 アイディアを書き出せる発想支援インタフェース 必ずしも十分な内容が書き出せるわけではない. 説明するのに必要な内容を導出できるような支援が必要 説明するのに必要な流れを定義し,その流れに沿ったアイディアが導出できるような支援機能の構築

論理モデル間の重要度の減衰度をテーマごとに設定 例1-2 渡邉君の研究を,「重要なコンテンツの選択」から新規性 をいう場合 問題提起:「論理が飛躍する場合がある」 グラフのトポロジー解析の研究 グラフ構造から重要ンなノードを特定する研究 話題の中心となるコンテンツは理解できる. 話題間のつながりを補うコンテンツを選択できない 文章要約の研究 文章間の接続関係を考慮して,重要な文章とそのつながりを抽出 文章全体の構造から大事な文とそのつながりを取得可能 中心となって説明したいテーマごとに異なる必要な話題が考慮されない 論理モデル間の重要度の減衰度をテーマごとに設定 論理モデルに沿って重要度を計算

スタートとゴールの両方から試行錯誤できるシステムの構築 例2-1 塩谷君の研究を,「数学の理解」から新規性をいう場合 問題提起:「解を解くための公式の選択方法がわからない」 解答の誤りを教えてくれる研究 生徒の解答を解析して,正しい解答へのヒントを提示 その問題は解くことができる. 解き方を暗記する可能性あり その問題しか解けない場合あり 公式などの意味を理解させる研究 分数の意味を教える研究 図形問題の公式の概念を教える研究 個々の概念はわかる 適用する場面を意識できない可能性あり 公式(ルール)の適用をシミュレートさせる研究 ルールベースシステムで,適用するルールとワーキングメモリの変化を書かせる研究 前提条件から解くことのみ支援.ゴールからも考えることで適切な公式を見付けるという思考は支援していない. スタートとゴールの両方から試行錯誤できるシステムの構築

公式を適用する際の思考を理解させるシステムの構築 例2-2 塩谷君の研究を,「モチベーション支援」から新規性をいう場合 問題提起:「解けないため,数学を解く気にならない」 楽しみを入れる研究 ゲームベースの学習支援システム システムでしか学習できない 自分でモチベーションを高めるような支援が必要 自分の思考を変えるような研究 自己調整学習(自分で目標設定させ,達成度をふりかえさせることで,自分にあった方法の獲得を支援) 数学は解けたか解けないか.達成度で表現できないため,途中までとけても自信につながらない 数学のドメインで解き方を習得させる支援が必要 公式を適用する際の思考を理解させるシステムの構築

新規性の引用に使うための読み方 「悪いところ」を,論文のアプローチから考える. 〇:自分の研究と共通している目的に対して,「この研究で言われているアプローチで実現したらやりたいことができるかな?」と考える. ×:被験者数が少ない.実験データがしっかり分析されていない. ×:論文の中で言われている悪いところをそのまま鵜呑みにする.

要件 卒論:参考文献10本以上 新規性の議論で8本以上 英語3本以上 同じ著者の文献は2本まで 修論:参考文献30本以上 新規性の議論で20本以上 英語10本以上 同じ著者の文献は5本まで