22章以降 化学反応の速度 本章 ◎ 反応速度の定義とその測定方法の概観 ◎ 測定結果 ⇒ 反応速度は速度式という微分方程式で表現

Slides:



Advertisements
Similar presentations
定量分析 分光光度計 その 1. 目的の溶液の吸光度を測ることでそ の濃度が分かる。 既知の濃度の溶液の吸光度を測定 することで、その濃度に対する吸 光度が分かる。 では、吸光と は?
Advertisements

1 先修科目 42 化学Ⅱ 高校で化学Ⅰ、Ⅱを履修した人が対象。 指定学科は医学部医学科。 定員 100 名を越えた場合は、指定学科 以外の学生は登録できない。 例外は 4 年次学生。 化学Ⅱは、月曜日の 2 限目、木曜日の 4 限目にも開講している。
熱流体力学 第4章 番外編 熱力学的系 状態方程式 熱力学で扱う偏微分公式 熱力学の第一法則(工学系と物理系)
22 ・ 3 積分形速度式 ◎ 速度式: 微分方程式 ⇒ 濃度を時間の関数として得るためには積分が必要 # 複雑な速度式 数値積分 (コンピューターシミュ レーション) # 単純な場合 解析的な解(積分形速度式) (a)1 次反応 1次の速度式 の積分形 [A] 0 は A の初濃度 (t = 0 の濃度.
1 今後の予定 8 日目 11 月 17 日(金) 1 回目口頭報告課題答あわせ, 第 5 章 9 日目 12 月 1 日(金) 第 5 章の続き,第 6 章 10 日目 12 月 8 日(金) 第 6 章の続き 11 日目 12 月 15 日(金), 16 日(土) 2 回目口頭報告 12 日目 12.
今後の予定 7日目 11月 4日 口頭報告レポート押印 前回押印したレポートの回収 口頭報告の進め方についての説明 講義(4章),班で討論
FUT 原 道寛 名列___ 氏名_______
相の安定性と相転移 ◎ 相図の特徴を熱力学的考察から説明 ◎ 以下の考察
1.ボイルの法則・シャルルの法則 2.ボイル・シャルルの法則 3.気体の状態方程式・実在気体
◎ 本章  化学ポテンシャルという概念の導入   ・部分モル量という種類の性質の一つ   ・混合物の物性を記述するために,化学ポテンシャルがどのように使われるか   基本原理        平衡では,ある化学種の化学ポテンシャルはどの相でも同じ ◎ 化学  互いに反応できるものも含めて,混合物を扱う.
医薬品素材学 I 1 物理量と単位 2 気体の性質 1-1 物理量と単位 1-2 SI 誘導単位の成り立ち 1-3 エネルギーの単位
反応ギブズエネルギー  ΔrxnG (p. 128).
医薬品素材学 I 3 熱力学 3-1 エネルギー 3-2 熱化学 3-3 エントロピー 3-4 ギブズエネルギー 平成28年5月13日.
医薬品素材学 Ⅰ 相平衡と相律 (1) 1成分系の相平衡 相律 クラペイロン・クラウジウスの式 (2) 2成分系の相平衡 液相―気相平衡
化学反応式 化学反応:ある物質が別の物質に変化 反応物 → 生成物 例:酸素と水素が反応して水ができる 反応物:酸素と水素 生成物:水
x: 質量モル濃度を mol kg-1 単位で   表した時の数値部分 上の式は実験(近似)式であり、 ½乗に物理的な意味はない。
学年 名列 名前 福井工業大学 工学部 環境生命化学科 原 道寛 名列____ 氏名________
金箔にα線を照射して 通過するα線の軌跡を調べた ラザフォードの実験 ほとんどのα線は通過 小さい確率ながら跳ね返ったり、
医薬品素材学 I 4 物質の状態 4-1 溶液の蒸気圧 4-2 溶液の束一的性質 平成28年5月20日.
薬学物理化学Ⅲ 平成28年 4月15日~.
○ 化学反応の速度     ・ 反応のある時点(たいていは反応開始時、ξ=0)について数値      として示すことが可能
固体電解コンデンサの耐電圧と漏れ電流 -アノード酸化皮膜の表面欠陥とカソード材料の接触界面-
反応性流体力学特論  -燃焼流れの力学- 燃焼の流体力学 4/22,13 燃焼の熱力学 5/13.
流体のラグランジアンカオスとカオス混合 1.ラグランジアンカオス 定常流や時間周期流のような層流の下での流体の微小部分のカオス的運動
◎熱力学の最も単純な化学への応用   純物質の相転移
(b) 定常状態の近似 ◎ 反応機構が2ステップを越える ⇒ 数学的な複雑さが相当程度 ◎ 多数のステップを含む反応機構
22・5 反応速度の温度依存性 ◎ たいていの反応 温度が上がると速度が増加 # 多くの溶液内反応
生物機能工学基礎実験 2.ナイロン66の合成・糖の性質 から 木村 悟隆
速度式と速度定数 ◎ 反応速度 しばしば反応原系の濃度のべき乗に比例 # 速度が2種の原系物質 A と B のモル濃度に比例 ⇐ 速度式
◎ 本章  化学ポテンシャルという概念の導入   ・部分モル量という種類の性質の一つ   ・混合物の物性を記述するために,化学ポテンシャルがどのように使われるか   基本原理        平衡では,ある化学種の化学ポテンシャルはどの相でも同じ ◎ 化学  互いに反応できるものも含めて,混合物を扱う.
早稲田大学理工学部 コンピュータネットワーク工学科 山崎研B4 大野遙平
課題 1 P. 188.
課題 1 ⇒ V = VW nW + VE nE 溶液の体積を 1000 cm3 とすると、 溶液の質量は?                        水、エタノールの物質量は?
前期量子論 1.電子の理解 電子の電荷、比電荷の測定 2.原子模型 長岡モデルとラザフォードの実験 3.ボーアの理論 量子化条件と対応原理
研究背景 電荷移行反応とは・・・ 核融合(重水素 + 三重水素→ヘリウム原子核+中性子) ・・・しかし、
量子力学の復習(水素原子の波動関数) 光の吸収と放出(ラビ振動)
質量分析の概要 対応ページ:p1~13 担当:伊藤.
相の安定性と相転移 ◎ 相図の特徴を熱力学的考察から説明 ◎ 以下の考察
課題演習B1 「相転移」 相転移とは? 相転移の例 担当 不規則系物理学研究室 松田和博 (准教授) 永谷清信 (助教)
FUT 原 道寛 学籍番号__ 氏名_______
FUT 原 道寛 学籍番号__ 氏名_______
課題 1 P. 188.
Chapter 26 Steady-State Molecular Diffusion
(d) ギブズ - デュエムの式 2成分混合物の全ギブスエネルギー: 化学ポテンシャルは組成に依存
低温物体が得た熱 高温物体が失った熱 = 得熱量=失熱量 これもエネルギー保存の法則.
課題 1.
◎熱力学の最も単純な化学への応用   純物質の相転移
課題演習B1 「相転移」 相転移とは? 相転移の例 担当 不規則系物理学研究室 八尾 誠 (教授) 松田和博 (准教授) 永谷清信 (助教)
機器分析学 赤外吸収スペクトル ラマンスペクトル.
◎ 本章  化学ポテンシャルの概念の拡張           ⇒ 化学反応の平衡組成の説明に応用   ・平衡組成       ギブズエネルギーを反応進行度に対してプロットしたときの極小に対応      この極小の位置の確定         ⇒ 平衡定数と標準反応ギブズエネルギーとの関係   ・熱力学的な式による記述.
今後の予定 (日程変更あり!) 5日目 10月21日(木) 小テスト 4日目までの内容 小テスト答え合わせ 質問への回答・前回の復習
22・3 積分形速度式 ◎ 速度式: 微分方程式 ⇒ 濃度を時間の関数として得るためには積分が必要
近代化学の始まり ダルトンの原子論 ゲイリュサックの気体反応の法則 アボガドロの分子論 原子の実在証明.
これらの原稿は、原子物理学の講義を受講している
La及びY添加した層状熱電変換酸化物Ca349の結晶構造と熱電特性 H.Nakatsugawa and G.Kametani
22・3 積分形速度式 ◎ 速度式: 微分方程式 ⇒ 濃度を時間の関数として得るためには積分が必要
今後の予定 7日目 11月12日 レポート押印 1回目口頭報告についての説明 講義(4章~5章),班で討論
課題研究 P4 原子核とハドロンの物理 (理論)延與 佳子 原子核理論研究室 5号館514号室(x3857)
課題演習B1 「相転移」 相転移とは? 相転移の例 担当 不規則系物理学研究室 松田和博 (准教授) 永谷清信 (助教)
化学1 第11回講義 ・吸光度、ランベルト-ベールの法則 ・振動スペクトル ・核磁気共鳴スペクトル.
相の安定性と相転移 ◎ 相図の特徴を熱力学的考察から説明 ◎ 以下の考察
課題 1 ⇒ V = VW nW + VE nE 溶液の体積を 1000 cm3 とすると、 溶液の質量は?                        水、エタノールの物質量は?
弱電離気体プラズマの解析(LXXVI) スプラインとHigher Order Samplingを用いた 電子エネルギー分布のサンプリング
電解質を添加したときの溶解度モデル – モル分率とモル濃度
外部条件に対する平衡の応答 ◎ 平衡 圧力、温度、反応物と生成物の濃度に応じて変化する
K2 = [ln K] = ln K2 – ln K1 = K1.
FUT 原 道寛 学籍番号__ 氏名_______
固体→液体 液体→固体 ヒント P131  クラペイロンの式 左辺の微分式を有限値で近似すると?
ヒント (a) P. 861 表22・3 積分型速度式 のどれに当てはまるか? (b) 半減期の定義は?  
ヒント.
Presentation transcript:

22章以降 化学反応の速度 本章 ◎ 反応速度の定義とその測定方法の概観 ◎ 測定結果 ⇒ 反応速度は速度式という微分方程式で表現 22章以降   化学反応の速度 ◎ 反応速度の定義とその測定方法の概観 ◎ 測定結果 ⇒ 反応速度は速度式という微分方程式で表現               ・反応物および生成物の濃度に依存 ◎ 速度式の解 ⇒ 反応の開始以後,任意の時刻における物質の濃度を予測 ◎ 速度式のかたち ⇒ 反応が起こるときの一連の素ステップの内容               ・提案された機構から速度式をつくり,それを実験と比較               ・単純な素ステップは単純な速度式               ・いろいろな近似とそれらの組合わせ               ・反応の律速段階という概念               ・反応中間体に関する定常状態の近似,前駆平衡 本章  ◎ 反応速度の測定、解釈         ⇒ 化学反応速度論の研究の原理を紹介

実験的な化学反応速度論 ◎ 反応の速度論的な解析の第一歩 ・反応の量的関係を決定 ・副反応があればそれを同定 ◎ 反応速度論の基礎データ ◎ 反応の速度論的な解析の第一歩      ・反応の量的関係を決定      ・副反応があればそれを同定 ◎ 反応速度論の基礎データ      ・反応開始後いろいろな時刻における反応の原系と生成系の濃度 ◎ 通常の化学反応の速度  温度に敏感      ⇒ 実験では反応混合物の温度は反応の間ずっと一定に保持         #気相反応  大きな金属の塊に容器を接触させて行う         #液相反応  流動法での反応も含めて,効率のよい恒温槽 ◎ 低温での反応研究         #星雲の中で起こる反応の研究            反応気体の超音速膨張 ⇒ 10 K の低温         #液相や固相での実験            冷却した液体や気体を反応容器のまわりに流通            液体 He (4 K)、液体 N2 (77 K) の利用 ◎ 非等温の条件           #高価な医薬品の保存期間            一つの試料をゆっくりと昇温

22・1 実 験 法 ◎ 濃度の監視法 関与する物質および濃度が変化する速さに依存 ・多くの反応 分~時間の単位で熱力学的平衡に到達 22・1 実 験 法 ◎ 濃度の監視法   関与する物質および濃度が変化する速さに依存    ・多くの反応  分~時間の単位で熱力学的平衡に到達          ⇒ 濃度変化の追跡に数種の方法が使用可能 (a)  反応の進行度の監視 ◎ 少なくとも1成分が気体である反応の場合    ・定容系では全圧が変化          ⇒ 反応の進行度は圧力の時間的変化を記録すれば追跡可能

p0 V = n R T p V = [n (1 + 3/2 α)] R T

課題 1

◎ 分光光度法   ある特定のスペクトル領域の吸収強度の測定     ・広い応用範囲     ・反応混合物中の1物質が測りやすいスペクトル領域で      強い特有な吸収を示すときは特に有力       #         臭素による可視光の吸収を測れば追跡可能 ◎ 溶液の電気伝導率測定  溶液中のイオンの数やタイプが変化する場合         中性分子がイオンで置換 ⇒ 伝導率に大きな変化 ◎ pH測定   水素イオンが生成したり消費されたりするとき ◎ その他  発光スペクトル,質量スペクトル(MS),ガスクロマトグラフィー(GC),          核磁気共鳴(NMR),電子常磁性共鳴(ESR) など (b) 種々の分析方法の応用  (省略)

22・2 反応速度 (a) 速度の定義 体積一定( = V)、ある瞬間の成分 J の濃度: [J] 反応物 R のある瞬間の消費速度: 22・2 反応速度 (a)  速度の定義     体積一定( = V)、ある瞬間の成分 J の濃度: [J]     反応物 R のある瞬間の消費速度:      > 0 (R は A または B )     生成物 P のある瞬間の生成速度:              > 0 (P は C または D )     反応の量関係から,

したがって,この反応に関して数種の速度が存在 同じ反応を記述するのに,数種の異なる速度があるのは不便   ⇒ 反応進行度               により反応速度を定義                  ⇒       体積一定の場合、         (モル濃度)を使って νA = -1, νB =-2  νC = 3, νD = 1

1 [mmol] = 10-3 [mol] 1 [mol] = 6.0×1023 [molecules] 1 [dm3] = 103 [cm3]

課題 2

課題 3 p. 884 演習