物理学Ⅰ - 第 9 回 -.

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期末テスト 1.日時: 1月26日(木) 4,5限 試験時間:90分程度 2.場所: 1331番教室
中間試験 1.日時: 12月15日(木) 4,5限 2.場所: 1331番教室 3.試験範囲:講義・演習・宿題・教科書の9章までに学んだ範囲
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有効座席(出席と認められる座席) 左 列 中列 右列.
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* Ehime University, Japan
電磁気学Ⅱ Electromagnetics Ⅱ 6/7講義分 電磁波の反射と透過 山田 博仁.
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物理学Ⅰ - 第 9 回 -

プラズモントラッピング バネのポテンシャルエネルギーで モデル化可能 Local field distribution Y. Tanaka, K. Sasaki et al., Nano Lett. 15, 7086 (2015) Simulation Experiment Local field distribution Histogram of NP position Fluorescence image 100-nm 微粒子 / 水中 バネのポテンシャルエネルギーで モデル化可能 金属ナノ構造体に光を当てると金属構造内の電子の集団振動によりプラズモンが誘起されます。 特にナノ構造表面に誘起される局在表面プラズモンは、光の回折限界以下の局在性を持ち、入射光の電場よりも強い電場を発生するといった特徴を持ちます。 金ナノ構造 光の場の ポテンシャル ガラス基板

前回のまとめ ケプラーの法則から万有引力の法則を導出 重力的ポテンシャルエネルギー 角運動量と角運動量保存の法則   重力は遠方では逆2乗の法則に従う 重力的ポテンシャルエネルギー   万有引力は保存力   重力的ポテンシャルエネルギーが定義できる 角運動量と角運動量保存の法則   回転の勢いを表す概念:角運動量   中心力だけが働くときは角運動量は保存する

第8章 剛体とその運動 この章のポイント 1.固体の弾性・・・省略 フックの法則(ヤング率)の理解を深める 2.トルクと力学的平衡条件 第8章 剛体とその運動 この章のポイント  1.固体の弾性・・・省略    フックの法則(ヤング率)の理解を深める  2.トルクと力学的平衡条件    大きさを持つ物体が静止し続けるための力学的条件  3.剛体の回転運動の方程式    9章のための基礎方程式  4.慣性モーメント    物体の回転させにくさを表す物理量

今日の内容 第8章 剛体とその運動  1.トルクと力学的平衡条件  2.剛体の回転運動の方程式  3.慣性モーメント

第8章 剛体とその運動 §1 トルクと力学的平衡条件 ☆剛体: 全く変形しない物体、有限の大きさ (8-3~6) 硬い物体に対する良い近似 第8章 剛体とその運動 §1 トルクと力学的平衡条件 (8-3~6) ☆剛体: 全く変形しない物体、有限の大きさ 硬い物体に対する良い近似 ⇒質点の運動では表せない(質点の集合体) →物体自身の回転運動(自転)を考える必要 軌道の 回転運動 剛体の 自転運動

☆トルク(力のモーメント) これまでの内容:力⇒質量中心の加速度(自転は無し) 剛体の回転(自転)を引き起こすのは? 日常で物体を回転させる場合を考えると 力の大きさ 回転の支点からの距離 力の方向

回転させる働きの目安・・・トルク(力のモーメント) ☆力(ベクトル) 回転させる成分 支点に対して引く(押す)成分 ⇒ だけが回転させる働き 回転させる働きの目安・・・トルク(力のモーメント) 外積の定義 一周させるときに力がする仕事は ⇒半径に反比例する力(  )を加えれば等価 トルク:回転運動のF=maの関係のFに相当する

外積(ベクトル積)の復習 性質 A × B = −B × A :二つのベクトルがなす角 A × A = 0 A × 0 = 0 :二つのベクトルに垂直な単位ベクトル 右ねじの関係の向き 回転の大きさ 回転の向き S

☆剛体の力学的平衡条件 1.質量中心が移動しない(加速度0)条件 外力の合力=0 2.全体が回転しない条件 全トルク=0 複数の力が働くときの全トルク=それぞれの力のトルクの和

問1 図の天秤がつりあう錘の質量は? 1. 2. 3. 30g 10g 90g

回転しない条件 トルクの和が0(釣り合い) ⇒ Aのトルク Bのトルク てこの原理 支点より遠いところに小さな力を加えるだけで動かせる

回転軸の周りに剛体全体が回転する運動が基本 §2 剛体の回転運動の方程式(8-3、7、8) 導出は第9章で行う。ここでは結果のみを利用する ☆剛体の回転運動の特徴 1.剛体の一点が固定されている場合 固定された点を通る回転軸の周りに全体回転 2.剛体の一般的運動(質量中心を考える!) ・質量中心は外力に応じて運動方程式に基づく運動 ・質量中心を通る回転軸の周りに剛体全体が回転 ⇒質量中心と共に動く系は結局1.と同じ! 回転軸の周りに剛体全体が回転する運動が基本

☆剛体の回転運動の角速度と角加速度 角速度 :単位時間当たりの回転角度 角加速度 :単位時間当たりの角速度の変化 時間tで 動いた角度 角速度  :単位時間当たりの回転角度 角加速度  :単位時間当たりの角速度の変化 (角度に関する速度と加速度) 回転の中心 回転軸からの距離が  の点のスピード 円の接線方向の加速度の成分 角速度一定なら0、これとは別に中心方向の加速度がある

☆質点の回転運動の方程式(大きさを無視) →後で剛体の微小部分の和(積分)として剛体を考える 円の接線方向の成分(Ft, at)に注目すると(運動方程式) を両辺にかけると トルク: ← トルクτ ∝ 角加速度α → トルクは回転運動をさせる働き   (運動方程式の力に相当)

☆剛体の回転運動の方程式(質点から剛体に拡張) 運動する剛体:外力と内力の存在 → 外力=0 ⇒ 回転運動に変化なし(慣性) 止まっているなら止まったまま ⇒ 内力は剛体の回転運動に影響しないとして無視 第9章で証明 剛体の微小部分に質点の回転運動の方程式を適用 ポイント 1.外力のトルクだけを考慮 2.剛体全体として回転するので 角加速度  は共通 剛体:変形しない物体

剛体を微小部分(体積素)に分割し、積分する :  番目の微小部分の質量 :  番目の微小部分の回転軸からの距離 :  番目の微小部分に働く外力によるトルク ⇒ 但し、剛体なので角加速度αは同じ すべての微小部分について加えると

剛体の回転運動の方程式 運動方程式の質量mに相当(F=ma) ⇔ F = ma (運動方程式) 慣性モーメント 角加速度 全トルク 慣性モーメント 剛体の回転運動の変化のしにくさ(慣性)を表す量 運動方程式の質量mに相当(F=ma)

問2 斜面を転がり落ちる速さ 1.球 2.円柱 3.円筒 4.同時 同じ質量、同じ半径の球、円柱、円筒を斜面に置いて 問2 斜面を転がり落ちる速さ 同じ質量、同じ半径の球、円柱、円筒を斜面に置いて 同時に手を離すと一番先に下につくのは? 但し、斜面には摩擦があって滑らずに転がり落ちる 1.球 2.円柱 3.円筒 4.同時

§3 慣性モーメント(8-9-11) 剛体の回転運動の変化のしにくさを表す量 質量が同じで形状が異なる物体 §3 慣性モーメント(8-9-11) 剛体の回転運動の変化のしにくさを表す量 質量が同じで形状が異なる物体 同じ数の微小部分に分割すると考えると    は共通 回転軸から遠いところに分布する質量が多いと 慣性モーメントは大きくなる (I ∝ r2) ⇒ 慣性モーメントは形状に依存する(miとriの関数) 例 円筒>円柱>球

☆慣性モーメントの計算 微小部分に分割(質点)して足し合わせる(積分の定石) ⇒ 積分で評価する 実際の計算 無限に細かく分割する 積分で評価する 実際の計算 積分変数は位置に取るのが分かりやすい 微小な区間の質量を求め、    の和を積分で表す 慣性モーメントの積分計算は試験には出さないが 積分の利用例として全ての例を自習するのが望ましい 容易に計算できる例は8−9でつきている

例 一様な棒の慣性モーメント 長さ 、質量 の棒 棒の端に回転軸 棒の端を原点として座標を取る 単位長さあたりの質量(線密度) 例 一様な棒の慣性モーメント 回転軸 長さ  、質量   の棒 棒の端に回転軸 棒の端を原点として座標を取る 単位長さあたりの質量(線密度) ⇒  から      の微小区間の質量: この部分が持つ慣性モーメント: 棒の慣性モーメント

角運動量保存の法則

今日のまとめ トルクと力学的平衡条件 剛体の回転運動の方程式 慣性モーメント 大きさがある物体の力学的平衡条件は 合力=0 と 全トルク=0   大きさがある物体の力学的平衡条件は   合力=0 と 全トルク=0 剛体の回転運動の方程式 慣性モーメント   剛体の回転運動の変化のしにくさを表す量   (質量mに相当する)

復習内容 必須範囲・・・8-1~9 講義で省略した部分は自習する 8-10、11は範囲外としておくが 物理系の専門分野に進むことを考えている人は 自習しておくことが望ましい ・・・積分計算の練習、慣性モーメントの性質